[0005] 3Dなんてこわくない! 01

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0005 1998/04/17発行
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●本日のコラム『3Dなんてこわくない! 01』
  金曜日担当:上田 和浩
●創刊オメデトウメッセージ
 ・永田 豊志さん
 ・十河  進さん
●ディアイティ セキュリティ無料セミナーのご案内
●本日のTIPS/3Dアプリケーション編




【日刊・デジタルクリエイターズ】金曜日のコラム
 金曜日担当:上田 和浩

「3Dなんてこわくない! 01」 

今回から金曜日の担当になった、上田和浩です。3DソフトのRayDreamを中心
に3D関連の話題を提供したいと思います。基本的にぐうたらな人間ですので毎
週このようなコラムを書く自信がないのですが、がんばって書いてみます。

RayDreamは、現在アメリカのMetaCreation.incが開発、販売している3Dグ
ラフィックスソフトです。RayDreamはもともとは、フランスの大学生数人で
起こした会社で開発されたMac用の3Dグラフィックスソフトでした。最初の
バージョンからベジェ曲線を使った有機的なモデリングが可能なのが大きな特
徴でした。当時すでにShadeもありましたが非常に高価で、個人が購入できる
ものとしてはRayDreamが最適なソフトだったのです。もっとも、当時は3Dソ
フト全般が高価で、RayDreamも14万円前後していましたが。

また、その頃のマシンはまだメモリも少なかったので、アプリケーションも機
能別に分かれているものが多かったのです。MacroMind3Dも細かく分かれて
いましたし、ElectricImageはいまでもそのスタイルです。RayDreamは、モ
デラーであるLightForgeとレンダラーであるSceneBuilderの二つに分かれて
いました。

LightForgeで形状を作り、いったんファイルに保存し、SceneBuilderでその
ファイルを読み込んで、組み立ててレンダリングするという手順で画像を作成
します。

読み込んだ形状はインスタンスとして処理されるために、SceneBuilderで何
度も複製してもメモリを圧迫しないという点でも先進的なソフトでした。たっ
た8Mのメモリのマシンでも数百個の形状を並べて平気でレンダリングできるタ
フな3Dソフトだったのです。

反面、マッピングと形状をひとまとめにしてファイルに保存するために、同じ
形状データで色違いのものが欲しくても、形状から別のファイルに保存しなく
てはならない点が面倒でした。また、形状データを移動させるとリンクがはず
れてSceneBuilderで形状データを探す羽目になります。しっかりとした形状
ライブラリを作っておかないと後で苦労することになります。

形状のプレビューなんて洒落たものはなかったので、ファイル名で形状が分か
るように自分でルールを作って、へんてこな名前のファイルを大量に作った記
憶があります。例えば[円環細4半赤]だと、細いトーラスの90度分の形状で赤
いものといった具合です。その時は漢字のもつ情報量に妙に感心したもので
す。

ライブラリを保存するのに、当時出始めの3.5インチMOも購入しました。
ReoDrive3.5というヤノ電気のドライブで、非常になめらかな曲線をもった美
しい製品だったのですが、排気ファンの音が非常に大きくって閉口しました。
掃除機なんて悪口言ってたのですが形は今でも気に入ってます。100M専用の
ドライブなので今は使っていませんが、改造してやろうかな?(脱線)

現在のバージョンではモデラーとレンダラーが統合されて、必要な形状はすぐ
に作ることができますし、豊富なモデリング集も付属しています。自分で形状
のライブラリを作る必要はあまりないかもしれません。
しかし、モデリングのテンプレートがあると効率が上がりますし、モデリング
集のデータはいろんなオブジェクトが組みあわさったものなので、自分で作成
する時の補助にはあまりならないものです。RayDreamを真に自分のツールに
するためには、マッピングもしていないプレーンな形状をライブラリしてくだ
さい。色のない形状はプレビューで判別しにくいでしょうから、やっぱり自分
でルールを作って変てこな名前を付けてやりましょう。(^_^)

【プロフィール】
上田 和浩
90年頃から3DCGに手を染める。RayDreamはVer.1からのユーザー
幽霊ツールと悪魔払いツールが懐かしい…(注)

StepByStepにRayDreamの記事を連載中。
RayDreamの解説本も出版予定です。

(注) 一時的にオブジェクトを隠すツールの日本語訳、当時はフォーカルポイン
トコンピューター(株)が扱っていました。現在はフォーチュンヒル(株)が扱っ
ています。

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■祝・創刊メッセージ
【日刊・デジタルクリエイターズ】創刊に際して、多くの方々よりお祝い・
激励のメッセージを数多く頂いております。ありがとうございます!
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●永田 豊志

私自身は2年間、「DTPWORLD」の編集長をやりながら、いろんなタイプのク
リエイターを見てきました。そして6月には「CGWORLD+DigitalVideo」と
いう月刊誌を創刊する予定ですが、デジタルテクノロジーを手に入れる人は2
タイプ。既存の作業の生産性を向上させるツールとして使うか、既存のツール
では表現できなかったイマジネーションを具現化する唯一のツールとして使う
か、です。それはDTPをやろうが、グラフィックデザインをやろうが、はたま
た動画をやろうが、同じことがいえると思います。
そして、デジタルクリエイターにもっとも大事なのはアナログのときと何ら変
わってはいない。むしろ、アナログ時代に確立された手法を研究することのほ
うがアプリケーションのTipsを覚えるよりも大事です。DTPやCGスクールが
花盛りですが、「ストーリー」「演出」といった基本的な表現力なしには、た
だのオペレーターになってしまうだけです。一握りのクリエイターと大勢のオ
ペレーターという図式はデジタルになっても変わらない。ツールに遊ばれない
真のクリエイターが日本でも大勢輩出されることを心から望みます。
懲りない柴田さんが好きです。がんばってください。

永田 豊志
DTPWORLD編集長・CGWORLD創刊準備室長
某出版社勤務を経て、3年前に独立。デジタルパブリッシングユーザーの支援
雑誌「DTPWORLD」誌を創刊、多くの読者の賛同を得て現在に至る。今年6月
29日には3dグラフィックス、ノンリニアビデオ編集などコンピュータ映像、
動画全般の総合月刊誌「CGworld+DigitalVideo」誌を創刊予定。こちらも
編集長をやる予定。
現在、株式会社ワークスコーポレーション取締役編集局長。DTPエキスパート
認証試験委員。
http://www.dtp-world.com/
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●十河 進

デジタルクリエイターとは、デジタルテクノロジーを駆使してクリエイトす
る人と解釈します。クリエイトとは表現ということでしょうか。今、「デジタ
ルグラフィ」という雑誌を作っていますが、フォトグラフィ、シネマトグラ
フィ、バイオグラフィ、カリグラフィ、タイポグラフィ、ポルノグラフィとい
うのと同じように、これは「デジタル表現術」という意味を持つ命名です。最
終的に印刷物が要求されるプロフェッショナルを読者に想定していますが、本
当は、デジタルテクノロジーは表現を大衆化することに意味があるのだと思い
ます。誰がやってもあるレベルの表現を可能にするのが、デジタルです。その
表現の発表場所としては、電脳世界は最適でしょう。
ただし、システムを組みソフトをインストールすれば、誰でもなれるデジタ
ルクリエイターに、最も求められるのは自己批評性ではないでしょうか。とこ
ろが、これがけっこうむずかしい。人間は皆、うぬぼれ屋ですから、自分が表
現したものを人に見せようとします。まあ、無意味なゴミのような個人情報
(表現)がまき散らされる結果になることが多いというのが現状でしょうか。
しかし、表現の大衆化を僕は支持します。それは、情報の受け手側にいた人
たちを発信側にさせることであるし、特権的な階級としてあった特定の層を崩
壊させることでもあるからです。だから、デジタルクリエイターの皆さん、あ
なたたちが新しい特権的なクリエイター階級をめざすことはやめてください。

十河 進
20世紀の真ん中の年、ロシア革命記念日に生まれる。玄光社で8ミリ映画誌、
カメラ専門誌、ビデオ専門誌、広告専門誌などをほぼ4年周期(ワールドカッ
プ開催年ごと)で経て現在、季刊「デジタルグラフィ」編集長。

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■イベント情報

■ディアイティ セキュリティ無料セミナーのご案内

/////統合型セキュリティシステムPERMIT Enterprise/////

--PERMITを使用したVPNの事例とTimeStep社長Tim HemberによるVPN最
新情報の紹介--

昨年11月にIPSec完全対応しましたTCP/IP暗号化システム
PERMITEnterpriseを使用したVPNの事例を紹介させて頂きますとともに、
PERMITの開発元である加TimeStep社の社長を迎えPERMITのフューチャープ
ランとIPSecなど最新技術動向を紹介させていただきます。

プログラム 
■ 14:00~15:00
 第1部 PERMITにおけるVPNに事例紹介
・PERMIT Enterpriseの製品紹介
・PERMITの国内・国外事例
■ 15:10~16:10
 第2部 TimeStep社長Tim HemberによるVPN最新情報の紹介
・PERMITのフューチャープラン
・VPNをとりまく業界動向(IPSec標準・ANXなど)
■ 16:10~16:30
 質議応答

日時:4月24日(金)13:30~16:30 13:30開場 14:00開始
会場:アルカディア市ヶ谷(私学会館) 東京都千代田区九段北 4-2-25
定員:80名
お申し込み:
お申し込めはお手数ですが、下記の内容をメールまたはFAXでお知らせくださ
い。
メール:宛てで題目は 4/24セミナー希望
FAX: 03-3699-7048 営業部 藤野 宛てで題目は 4/24セミナー希望
・貴社名
・部署名
・お名前
・ご住所
・お電話番号
・FAX番号
・メールアドレス

詳しい内容についてはディアイティ営業部 SEC営業グループ
TEL: 03-5634-7651 までお問い合わせ下さい。
資料のみご希望の方は貴社名・部署名・お名前・ご住所・お電話番号・FAX番
号・メールアドレスを明記の上、SEC営業グループ藤野までFAX(03-3699-
7048)またはでお知らせください。

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●StrataVision3D Ver.5.0編/「快適に操作するために」

高速マシンを使用するのが最善ですが、データが複雑になった場合、どんなマ
シンでも処理が鈍ります。そんな時にレスポンスを向上させるには・・・
(1)ワイヤーフレーム表示にする。
(2)[ウインドウ]→[オブジェクトの表示]から表示品質を変更する。
   「標準」が通常表示で、「高速」がすべてのオブジェクトを単純な
    ボックス表示にします。レベル1から5まででボックス表示の
    度合いが変わります。
(3)QuicKDraw3D表示をOFFにする。
以上の順番で調整して下さい。いきなり(3)のQuicKDraw3DのOFFも効果
がある場合もあります。
少数の複雑なオブジェクトよりも、多数の単純なオブジェクト方がレスポンス
が悪くなるようです。
★★★(W by 松岡アキラ)

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0005 1998/04/17発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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