[0012] CM屋から見たWeb&Flash

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0012 1998/04/25発行
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●コラム1『CM屋から見たWeb&Flash』/ 佐藤義浩
●コラム2『魅惑のデジタルミュージック~叙情篇』/ 宮脇貴久
●コラム3『たのむよロボットアニメ』/ 柴田敏明

●本日のニュース
 ・「GoLive CyberStudio 3」の Preview版がダウンロード開始!




【日刊・デジタルクリエイターズ】土曜日のコラム・その1
 ゲストライター:佐藤義浩

「CM屋から見たWeb&Flash」

デジタルクリエーターのみなさまへ。
こんにちは。satoといいます。某広告代理店でCMプランナーという仕事をや
らせていただいています。一応、プロです。で、Webの世界では思いっきり素
人です。ま、ささやかながら両方の世界を知っている、ということで今回なん
か書いてみないかというお話をいただきました。ちからいっぱい書いてみたい
と思います。(以上前置き)

広告の世界では、日々お茶の間のみなさんに向かって、なにがしかを発信して
いるわけですが、それはすなわち、恥ずかしさとの戦いであります。今日新し
いとされている言葉は、あしたすでに恥ずかしい言葉になっている可能性が大
きいからです。そういう意味ではこの、「デジタル」という言葉は、3年前に
恥ずかしい言葉に認定されています。「クリエーター」という言葉も2年6ヶ月
まえ、恥ずかしい言葉として認められました。(「クリエイター」と、「イ」
を入れることで息を吹き返した時期もあります)そして、この複合語であると
ころの、「デジタルクリエーター」。組み合わせによって、見事に再生を果た
しました。が、いま、逆に恥ずかしい言葉としての「旬」を迎えています。デ
ジタルクリエイターの皆様につきましては、この言葉と同様に、いま、もっと
も危険な時期にさしかかっていると言わざるを得ません。おれはかっこいい。
という名札をつけた瞬間、あなたは笑われているからです。心配しないで下さ
い。回避する方法があります。方向性をかわゆさに転化するワザです。そう。
もうお気づきですね。「デジクリ」と、略すことです。いきなり愛される存在
になります。「ポケモン」はこれでキッズのハートをゲットしました。日刊デ
ジタルクリエーターズもすでにこのへんに気づいていると思われます。長かっ
たですが、ここまでが一応、専門用語で「つかみ」と、言われる部分です。こ
こから本題に入ります。

テレビCMの世界は一応歴史40年ということで、ある意味完成の域に入り、あ
る意味天井に突き当たっています。CMが文化だ。といわれる時代はとうに過ぎ
去り、新しいモノは生まれなくなっています。それに反して、Webの世界には
魅力と可能性があります。混沌としている分、まだ固定されておらず、どーに
でもなるところがステキです。しかしそれは、イコール「プロ不在」の無法地
帯でもあります。多分CMと同じ方程式で切った場合、「うーん、ちょっと甘い
かなあ…」って感想を持ってしまうのが現実です。構造自体の違いはもちろん
ありますので、一概に同じ土俵に上げることはできないとは思いますが、イン
ターネットブームがさわがれて以来、瞬く間に同じレベルまで来るのではない
か、と思った当初の推測からは大きくはずれている気がします。で、もっと
ぶっちゃけて言ってしまうと、素人のつくっているWebの方がおもしろいん
じゃないの?っていうことです。素人の作っているページの方が、一番大切で
ある「お客さんに喜んでもらうには何を見せればいいのか」が、わかっている
ような気がするのです。純粋に「ウケ」を知っている、ということでしょう
か。
Webのおもしろい(おそろしい)ところは、誰にでも作れて、誰にでも発信で
きるというところです。これまでにそんなおそろしいメディアはこれまで歴史
上、壁新聞くらいしかありませんでした。しかも、それを見た人の反応までも
ダイレクトに採取することができるという、これはモノを作るヒトにとって、
何事にも代え難い「快感」です。素人の方が、この快感を得るために素直にシ
ンプルに行動している。それに比べて「作家気取りのWebデザイナー」(失
礼、あなたのことではありません)は、この「見る人の反応」を全く気にして
いない。ような気がするのです。人様に見ていただきたければ「ウケてなん
ぼ」でしょう。別にギャグに走れ、という意味ではありません。「レイアウト
のきれいなページ」も、ウケるためのひとつの要素だと思います。しかし、あ
くまでも「いくつもある選択肢」のなかの「ひとつにすぎない」のです。大切
なのはそのレイアウトの裏に「ウケるための下心」が、あるかどうか。既存の
ほとんどのモノが、そのゴールをはき違えているような気がします。
多くの素人さんは、もちろんレイアウト能力もあるはずもなく、しかし、その
裏に燃える下心を持って、ページを作っています。そして、トライ・アンド・
エラーを繰り返して、カウンターが回るとよろこんでいる。この純粋さが、美
しいレイアウトを越えるパワーを持つのだと確信しています。
「そんなこと言ったって、クライアントもいるし、いろんな制約があって…」
という意見をお持ちだとしたら、…先生は本気で怒りますよ。それはすなわち
素人と同じレベルで戦っているということ。制約を超えて本気で泥臭いウケ狙
いをするところに「プロ」の存在意義はあるわけですから。

ひとつスペシャル素人のサイトを紹介したいと思います。山崎さんといって北
大の学生さんのホームページです。(URL:<http://www.sapnet.ne.jp/
yamazk/>)この人のどん欲さは目を見張るモノがあって、もちろん、誰にも
何の制約もうけない、というあこがれの立場にはありますが、ウケるためには
なんでもやる、という、しかもほとんど毎日、手を変え品を変え、新しい姑息
なことを考えているすばらしいヒトです。かれは今年就職なので、ぜひこの世
界に進んで立派なデジタルクリエーターになって欲しいと祈っています。個人
的にはあの有名なimagediveのナガフジさんとこと対極にあって、レベル的に
は同じくらいだとおもっています。(アウトプットは思いっきり違うが、なぜ
かさめたセンスに共通点を感じる)ぜひ一度見て見て下さい。
あ、それで思い出しましたが、Flashの話をするのをすっかり忘れてしまいま
した。
FlashはWebを作る上で、いま一番ステキな道具だと思います。このような
「道具」をいかにうまく使ってゆくか(使われたんではしょうがない)も、ひ
とつ大事なポイントです。これ以上長くなってもしょうがないので、その話は
またの機会に。(森川さん、また使って下さいね)
CMの世界も、別な意味でけっこうむずかしい状況になっています。不景気も手
伝ってどんどん表現の自由さが失われ、「スポンサーの顔しか見ていないCM、
もっと言ってしまえばスポンサーが作った、としか言い様のないCM」があふれ
ています。そういう意味でわたし自身この「デジタル」な世界にかなりのあこ
がれをいだいているわけで、逆にこちらの世界から姑息にテクニックをいただ
いて、自分の商売に活かしていこうと考えています。この文章も、いまいらっ
しゃる「デジタルクリエーター」の方々を批判する、と、いうよりは、「壁を
突き破った新しい才能の出現」を待ち望んでいる。と、理解していただければ
幸いです。カミソリ以外の反論、お待ちしております。ご静聴ありがとうござ
いました。
あ、ボクの趣味のページも見て下さいね。

【プロフィール】
佐藤義浩(さとうよしひろ)
CMプランナー:(株)電通 第3クリエーティブディレクション局勤務
カンヌ国際広告賞金賞受賞経験有り(自慢)
東京コピーライターズクラブ会員(一応)
 
 <http://plaza11.mbn.or.jp/~satopix/>

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【日刊・デジタルクリエイターズ】土曜日のコラム・その2
 ゲストライター:宮脇貴久

『魅惑のデジタルミュージック~叙情篇』

日刊・デジタルクリエイターズの読者の皆さん、はじめまして!
宮脇貴久と申します。

皆さんの中にも、デジタルサウンドに関わるお仕事をなさっている方や、将来
その方面で活躍したいと願っておられる方がいらっしゃると思います。このコ
ラムが、そのような皆さんの充実した暇つぶしのネタになれば幸いです。

コンピュータと音楽。最近は、この両者のコラボレーションについて違和感を
持つ人は随分と少なくなりました。もちろん音楽だけでなく、他の創造的分野
においても当然のようにコンピュータが登場します。かつて砲弾の弾道計算用
として誕生したコンピュータが、全く異質とも思える様々な分野において、今
やなくてはならない道具となりました。

僕にとっても、コンピュータはなくてはならない道具となりました。MIDIと
DigitalAudioのせいです。15年程前にMIDIが登場した頃から予兆はありまし
た。当時何千万円もする機材をコントロールするミュージシャン達を見て、目
をキラキラさせていたものです。ため息はつきませんでした。あんな機材だっ
て、いつか僕の手に入るだろう、それらを所有するに値する仕事をするするの
だ、と何の疑いもなく思っていたのです。

今では、仕事はともかく機材は増えました。10年前に、何千万円どころか億の
値段がついていたSynclavia並みの環境が、今ではなんと自宅で実現できるの
です! ノンリニア編集だって出来ます。失敗したギターのフレーズは差し変え
てしまえばよいのです。自分のテクニックでは不可能なピアノのフレーズも
MIDIで打ち込んでしまえばJustTiming。自宅でドラムを叩きまくった翌日に
は流浪の身になりますが、サンプラーに演らせればOKです。ボーカルや声優さ
んの録りだけスタジオでやれば、制作費も節約できます。

すごいことです。人間のリズムの心地よさや、アコースティック楽器のたおや
かな音色などはこの便利さの前には無力です。だって、こっちには締め切りも
あるし、クライアントの思惑もからんでくるし、大体、製品になったあかつき
には8bit/22KHzに落とされちゃうんだし。

そうそう、それにこの便利な機材達も100%その能力を引き出してやらねば。
宝の持ち腐れ状態は何としても避けなければならぬ。きっと僕の性格が許さな
いだろう。ハーディスクのパフォーマンスはどうか? メモリの使用状況は適切
だろうか? このラインにのっかってくるノイズは何なんだ? ケーブルの引き
回しもやり直しだ。電圧が下がってるんじゃないのか?極性が、極性が。
おー、そろそろNorton先生を呼んでこよう。う! 時間がないぞ。ギター弾く
のめんどくさいからシーケンサーに打ちこんじゃお。その方がタイミングも
ジャストだし。あー便利だ。できた! 完璧だ! 寝れる! ばんざーい!

\(^O^)/ \(^O^)/ \(^O^)/

・・・はて、何か忘れているよーな・・・。こんな環境作り上げて、それで何
をやりたかったんだっけ? 方法論は随分ためこんできたけど、そもそも方法っ
て何かを実現するために存在するものだよなー。ふと本棚を見上げれば
HowTo物ばっかり。???

賢明な読者の皆さんは、僕の大間違いに既にお気づきでしょう。そうです。本
末転倒なのです。自分の表現したい事を具現化するために、必要な道具をひつ
ひとつ選んできたつもりでした。しかし、そいつらがあまりに便利で、魅力的
だったために僕は誘惑されてしまいました。いつしか、くどき文句ばかり考え
るようになり、ついには僕自身が振り回される結果となってしまったのです。
これって、やっぱり、あれかなー、僕の人間関係も同じなんだろうか。

【プロフィール】
宮脇貴久
1960年代東京生まれ。幼い頃より注意力散漫/自己中心的との評価を受けつつ
現在に至るまで、かの評価を証明するような人生を歩む。
20代中頃にはコンピュータはメシの種、音楽は道楽と割り切ったつもりであっ
たが、このところどっちが本職なのかわからなくなってきている。
現在、ゲームミュージック、MIDIデータ集などの制作を手がける一方、イント
ラネット構築、データベース設計なども立派にこなしている。今後のなりゆき
が注目される期待の中堅道楽人である。

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【日刊・デジタルクリエイターズ】土曜日のコラム・その3
 ゲストライター:柴田敏明

『たのむよロボットアニメ』

半年ほど前、「ビーストウォーズ」というテレビアニメがすべてCGで製作して
いるのを見て、よーし、これからは日本のロボットアニメはこれだな、と思っ
ていた先日、WOWOWで富野由悠季さんの新作「ブレンパワード」を見まし
た。僕は富野アニメで育った世代なので、この久々の新作にとても期待してい
たのですが、部分的にCGを使っているものの全然アンバランス。やっぱりもう
そろそろロボットはオールCGで作ってもらいたいですね。永野護さんがメカデ
ザインをやっていることだし、センセーショナルになると思うんですけど。ロ
ボットアニメの生みの親の富野さんがやってくれたら最高だったのに。

僕などは3Dソフトform.zを使って結構楽しく立体ものを作って遊んでいて、
一度コンペ作品でロボットを作ってみましたが、かなり難しかったのを覚えて
います。
雑誌に載っているガンダムやエヴァンゲリオンの3D作品を見ては、これ作りた
かったな。と思わずつぶやいてしまいます。もちろん僕はそれらの作品ほど高
レベルのモデリングはできないので話になりませんが、初号機の曲線などどう
やって作ったのか驚くばかりです。やはり、今の技術ではテレビアニメにCGロ
ボットを出すのはまだ無理なのでしょうか。毎週手描きでメカを描くのと、CG
のモデリングに時間をかけてあとはプログラムで動かすのとでは完成度と手間
の違いは歴然としているのですが。今の日本アニメは8割が東南アジアで製作
されているそうで、動画マンがいないということですから、パソコン使える人
がどんどん新世代アニメーターとして登場したら日本アニメの空洞化はなく
なっていくような気がしますね。「もののけ姫」ではアニメカラーの製作が間
に合わないのでCGで着色していたそうじゃないですか。やっぱ、パソコンの出
番ですよ。

ということで、作画が難しくてコンピュータの得意とするメカものは3D、人物
は温かさが表現できる手描きで、そしてこの2つの合成、そんな次世代テレビ
アニメきっとできますよね。同じこと考えている人はたくさんいるはずです。
3Dプロフェッショナルでしかも隠れアニメファンの方、どーんとやってくださ
いよ。

【プロフィール】
イラストレーター
ディジタル・イメージ会員
1968 愛知県生まれ
1993 大阪芸術大学デザイン学科グラフィックデザイン卒
ホームページギャラリー <http://www.kcn.or.jp/~ko-shiba>
E-mail:
582-0025 大阪府柏原市国分西1-1-3ウインズヒル谷口401
TEL.FAX 0729-77-6252

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■今日のニュース

●「GoLive CyberStudio 3」の Preview版がダウンロード開始!

Cascading Style Sheets、Dynamic HTMLに対応したHTMLエディタ
「GoLive CyberStudio 3」のPreview版(30日間の限定)が
http://www.golive.com/
でダウンロード開始。
30日間の期間限定があるものの、機能はフルに使用出来ます。
Dreamweaverもバージョンアップして日本に来るみたいですし、
これからはHTMLを知らなくても、高度なWEBページが簡単に作れる時代にな
るんですねー!
大下雅史さん。情報ありがとうございますー!(濱村)


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感想・メッセージをでお待ちしておりま
す! 楽しい週末をお過ごしください!

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0012 1998/04/25発行
発行社  タワーズ株式会社
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     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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