[0016] 大切なのは想像力

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0016 1998/04/30発行
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●本日のコラム『大切なのは想像力』
 水曜日担当:森川 眞行

●柴田のコネタ
 ・業界の愛犬家たち
●日刊激励メッセージ
 ・「日刊はつらいよ、体験編」/テックデザイン 斉藤和弘さん
 ・浜野保樹さん
●イベント・情報
 ・ディジタル・イメージ展開催中!
 ・デイジ-VISIONS=大友克洋とデジタル新世代展
 ・小田英之展 Desk Top Spectacle
●本日のTIPS/3Dアプリケーション編



【日刊・デジタルクリエイターズ】木曜日のコラム
 木曜日担当:森川眞行「TOWERS」取締役/ デザイナー

「大切なのは想像力」 

関西方面では超有名な定例イベント「mACademia」に出演した。メインテー
マはMacromedia Fireworksで、これからWEBデザインが大きく変わってい
くだろう…てなコトをプレゼンした。ボクの後に水曜日のコラムを担当のまつ
むらさんと、前々回の土曜日のゲストコラムで登場した笠居さんの豪華なプレ
ゼンタによるFlash3のプレゼンもあった。
自分のプレゼンを終えてFlash3の新機能を見ていると、なんだかワクワクし
た。WEBアニメーションツールはプレゼンで見栄えがいい。派手だ。それに比
べてFireworksは地味。くやしい。

くやしいので、今回はFireworksの機能の中で、唯一派手と思われる(?)
GIFボタンについて書く。GIFボタンというのは、ホームページ上のGIF画像
(JPEGでもよい)に対して、マウスのカーソルを画像の上に重ねると、予め準
備してある画像に置き換わるというものだ。画像の置き換えはJavaスクリプト
によって制御されている。Javaスクリプト対応のブラウザであれば、プラグイ
ンなしでインタラクティブなページを作成することができる。

Fireworksには、画像制作を管理する機能として、レイヤーとフレームがあ
る。フレームは時間軸の制御のために使う。マウスオン・オフの状態を設定す
るにはフレームを使えば簡単に設定できる。
通常のボタンを1フレーム目に作り、そのフレームを2フレーム目に複製して下
方向と右方向に1ピクセルずらすだけで、マウスオンの状態でボタンが
「ぐっ」と押し込まれたような設定になる。
マウスクリックした場合のリンク先のアドレス(URL)もFireworks内で設定
できる。なおかつボタンごとに画像をスライス(分割)できる機能まであるの
で、レイアウトを優先することができるのだ。

以上の設定を行って、Fireworksの書き出しで「GIFボタン」を選択すれば、
自動的に画像ファイルを書き出してくれる。さらにJavaスクリプトを記述した
HTMLファイルも一緒に書き出してくれるので、Javaスクリプトの知識なんて
ゼロでもなんとかなる。
さらに画像を分割している場合は、HTMLに分割された画像を再構築したテー
ブルタグも一緒に書き出してくれる。これは感動するぞ。

わかるかな?

わからない人は以下のページにジャンプして、実際にFireworksで作ったGIF
ボタンを見て欲しい。これらのGIFボタンは全てFireworksで制作している。

http://www.towers-inc.com/mag/fireworks/index.html
http://www.towers-inc.com/shop/

通常のボタンにマウスを近づけると、色が変わる、文字が変わる、バックの模
様が変わる、アニメーションを開始する…。などなど様々な変化をするはず
だ。実際にホームページデザインを仕事として受注している人は、要注目!
きっと何カ月もしない間にクライアントから、GIFボタンの要望がやってくる
はず。もう「言い訳」は出来ない。

最近はFireworksを使って、ページ内の画像をどんどんインタラクティブにし
ていく作業を進めている。自分のページがドンドン格好良くなっていく。快感
だ。
使い方がわからないソフトってのは、自分の想像力を試されているような気が
する。ソフトウエアの機能を追求するよりも、どんな画像を作りたいか?とい
うことが大切。大切なのは想像力だ。
「この文字をクリックすれば、このイラストが笑うようにしたい」「このボタ
ンを押すと、ここにライトが灯るようにしたい」…などと勝手に想像力を働か
せることが一番大切。あとはその目的に向かって試行錯誤すればいい。クリエ
イティブにルールなんてないから、どんなワザを使っても反則を取られること
はない。結果が全てだ。結果的に納得のいく画像が作れれば、どんな近道をし
てもいいし、回り道をしてもいい。

何度もしつこいが、大切なのは想像力だ。ボクやあなたの想像力を邪魔するも
のはいないはずだ。「めくれあがった画像の隙間から新しい画像が現れて、後
方三回転ひねりでK点に達したら、画面右方向から回転するフライングロゴと
ともにブラウザの外る」…なんてこともイメージすることは自由なのだ。

ハードウエアの進歩が早くて、ソフトが追いついていかない時代なのだそう
だ。ボク自身、ソフトの機能にしばられて想像力が追いついていかなかったよ
うに思う。…深く反省。
使い古された言葉だがソフトは道具である。ソフトウエアの機能の下僕になる
のではなく、自分のイメージの為に道具を選択するようにならなくては…。

【プロフィール】
森川 眞行
1958年大阪府茨木市生まれ。 1981年大阪芸術大学美術学科彫塑専攻卒業。
以降、17年間グラフィックデザイナーとして活動。
1989年Macintoshに遭遇して、カッターナイフとシャープペンと写植見本帳
を窓から捨てる。1993年シリコンカフェの名称でフリーランスになる。同年
関西DTP協会を設立して初代会長に就任。1996年G-TOOLという素材フリーサ
イトを作り、爆発的アクセスに腰を抜かす。1997年、ボクのアイデアに出資
者があつまり、G-TOOLをコアにした新会社・タワーズ株式会社を設立。取締
役に就任。

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■柴田のコネタ

「業界の愛犬家たち」

毎日ネタをつくるのがしんどいので、コメントをもらうことにした。頼まなく
ても、自分から書いてくれるネタとしては、愛犬だ、これしかないぞ。まず、
大日本スクリーン製造の郡司秀明さんだ。マスターというのは、渋谷でプロビ
ジョンのマスターをやっていたこと(本当にコーヒーのJAVAをいれていた)
を指す。

◎懲りない元マスターより懲りないまだまだ現役の柴田さんへ
 単身赴任家庭の例に漏れず、ウチも犬を飼いだしてしまいました。基本的に
「バカ犬」指向だったため、特に血統(書)にも拘らなかったのですが、家族
で話し合いの結果「黒いラブラドール・レトリバー」に決まり、ブリーダーさ
んに声をかけてはおきました。そして、本当に急だったのですが三月三日の雛
祭りに「黒ラブ」はやってきました。三ヶ月の雌犬というので、娘もかわいら
しい子犬を想像していたのですが、実際やってきたのは実に巨大な子犬でし
た。
 名前は「十兵衛」や三月三日にやってきたから「ひな」というのが候補に挙
がっていたのですが、夕食の時に娘が「十兵衛」は男っぱい名前だよ! とい
うので私が「そんなことないよ。むかしハレンチ学園という漫画の主人公で、
かわいらしい女の子は十兵衛というんだよ」といってしまったため、女房の即
決で「くろべぇ」に決まってしまいました。 かくして「くろべぇ」嬢は我が
家の一員として、「バカ犬」の任務を存分に発揮してくれています。もともと
娘のために飼い始めたくろべぇ嬢なのですが、博愛的偏愛主義者の私にとっ
て、確実に偏愛対象になりつつあるので、自分の感情を一所懸命コントロール
するのに苦労しております。「失楽園」になったらどうしよう? 
 ブリーダーさんに「最初は余り他の犬に近寄らせない方が良い」といわれて
いたので、言いつけを守り、庭だけで運動させていたんですが、すぐ疲れてし
まう感じなので「心臓が悪いのかな?」と心配していました。先日予防接種を
受けに獣医さんのところに連れていき、その旨聞いたところ、色々見てくれて
「特に問題はないですね」との返事。最後にお尻の方から眺め、ひとこと「く
びれがないなぁ!」
 ガガーン.....な、なんだ、単なるデブだったのか!
 このことに娘はひどく傷つき、くろべぇ&私のゴールデンウィークはマラソ
ン&ダイエット週間となりました。
 まあ、そんな愛すべきくろべぇ嬢です。舞妓はんより少々色は黒いがなかな
かいい女ですよ。
・(注)どうやら4畳半くらいの犬御殿を庭に建設したようだ(建塀率はどう
なる?と聞いたら犬小屋は関係ないとウソぶいていた) 先日は御殿の中で読
書していて、くろべぇ嬢と一緒に眠ってしまった、という。
・(注)舞妓はんうんぬんは、最近お茶屋遊びを体験し、舞妓はんとツー
ショットしたポラをメールであちこち送り付けて自慢していること。

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■日刊激励メッセージ

「日刊はつらいよ、体験編」

まずは、日刊デジクリ創刊おめでとうございます。とともに、むちゃやりよる
なあ、というのが素直な感想。というのも不肖斉藤、不惑前の一仕事と取り組
んだのが「世界で初めての女性のための日刊新聞」だったから。年刊、季刊、
月刊、隔週刊と媒体の世界にどっぷりつかっていたつもりの小職だったが、日
刊はちがった。想像以上。
締切が一日に3回。仕事のスタートは朝の5時。終りは……これまた25時。一
日が24時間以上だったThe longestdayの4カ月だった。終った日、カミさん
は「生きててよかった」と言った。以来、毎日というサイクルは犬の散歩だけ
にしている。
デジタルメディアとはいえ、媒体のF1「日刊」に取り組む3人にまずは敬意。
はっきりいって、新聞関係の人って、怖い顔と凄い体力というのが定番。いま
のところ編集長3人とも健全な顔つき。1カ月後の顔つきに注目したい。目つ
きが悪くなっていれば本物だ!

テックデザイン 斉藤和弘

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「日刊・デジタルクリエイターズ」創刊、おめでとうございます。
コンテント制作のテクノロジーは、デジタル革命によってすべての人に開放さ
れつつります。しかし、制作のノウハウはまだ開放されているとは言い難い状
況にあります。「日刊・デジタルクリエイターズ」が、そういった状況に風穴
をあける試みとなってほしいと願っています。期待しています。

浜野保樹

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■イベント・情報

●ディジタル・イメージ展開催中!

出展作家115名、作品点数約220点。3次元ビデオ映像8作家。
日本最大のディジタルアート展。初日動員1000名超。
今年も若いデジクリたちがたくさん見に来ている。
■ディジタル・イメージ1998東京展開催要項
タイトル:DIGITAL IMAGE 1998 TOKYO 【ディジタルアートの現在】
期日:1998年4 月29日(水・みどりの日)~5 月5 日(火・こどもの日)
会場:ワシントンアート 東京都中央区銀座5-7-7 銀座ワシントン7F 
03-3571-8532
主催:ディジタル・イメージ
入場料:無料
特別協賛:銀座ワシントン
出展者:
阿部知弘、荒木慎司、安斎利洋、飯田HAL、井沢洋二、石川浩二、
伊豆田雅礼、井上和洋、 井上佳子、岩井宣雄、梅地浩太郎、榎並憲二、
大場康雄、小笠原たけし、岡部タカノブ、尾崎弘之、叶雅生、上口睦人、
川越幸子、川口吾妻、川村貞知、川本O.規子、喜多見康、木下謙一、
国島宣弘、久納ヒロシ、倉島正彦、楜沢順、桑島幸男、ゴトウヒロシ、
後藤宏、小森修、小谷光彦、斎藤浩、酒井和男、鷺義勝、ささはらかずや、
柴山信広、柴田敏明、鈴木守、成光雄、高橋晋、高橋信雄、滝谷真樹、
竹久マサオ、武田瑛夢、田島正通、たにぐちじゅんぺい、駄場寛、駄場真弓、
近澤由美子、出淵亮一朗、所幸則、中井勝郎、中川佳子、中川潤、中澤愛美、
中野博文、なかばやしたける、中村理恵子、中山嗣朗、花山由理、林ノブ、
檜山巽、福間晴耕、ふじわらかずえ、藤原俊樹、藤原ヨウコウ、外園勉、
Rey.hori、松浦季里、松林あつし、松本明彦、南光英、三宅章介、六浦丈雄、
武藤修、村上佳明、目黒詔子、望月澄人、本吉なおこ、安井千博、山田博久、
山本健介、弓田純大、横井由美子、吉井宏、吉田光治、ラジカル鈴木、
ロボットメガストア、ほか。
特別企画:会員を中心としたCGアート作品集「デジタルイメージギャラリー」
をインプレスより出版、4800円
入場者(予定)8000名

■問い合わせ先
102 東京都千代田区岩本町2-15-8 MAS-MITAビル
株式会社シフカ内 ディジタル・イメージ事務局
TEL:03-3865-3667 FAX:03-3865-3668(長田、渡辺)

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●デイジ-VISIONS=大友克洋とデジタル新世代展

独特の世界観と精密なビジュアルで常にマンガ・アニメ界だけではなく多方面
に渡って影響を与えつづける作家、大友克洋。彼の作品や、原画、製作資料な
どを公開している。大友作品以外にもケン・イシイのミュージッククリップを
手掛けた森本晃司、現在公開中の映画「PERFECT BLUE」を監督した今敏の作
品類も紹介されている。

期間 5/2(土)~5/17(日) 
時間 10:00~20:30 ※最終日は18:00まで。
料金 一般 ¥500 大高中生¥400 
問い合わせ先 大津パルコ 077-527-7015

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●小田英之展 Desk Top Spectacle

期間 5/5(火)~5/17(日) 毎週月曜日
時間 11:00~19:00 ※最終日は18:00まで。
料金 無料
問い合わせ先 アートスペース虹 075-761-9238
アクセス 東山三条 都ホテル西隣。

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●StrataVision3D Ver.5.0編/「背景に画像をつかう」

背景部分に画像を選択してレンダリングすることが出来ます。背景のモデリン
グの手間が省けて便利ですが、カメラの動きに対応していません。
アニメーションで視点が動く場合、特撮セットのように大きな板状のオブジェ
クトにマッピングを施し、背面に設置します。背景画像のテクスチャは発光率
を調整し、影が出ないようにするとよいでしょう。
カメラの移動が少ない場合は板状で十分ですが、横方向に大きく動く場合は円
筒状でシーン全体を覆った方がいいでしょう。上下も激しく動く場合は球体で
覆いパノラマ画像のようなテクスチャを内側に貼ります。
球で覆った場合、平行光(シーン全体の環境ライト)が球体に遮られてしまう
ので、ポイントライト、スポットライトで対処する必要があります。
★★★(W by 松岡アキラ)

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●日刊デジタルクリエイターズ編集のKNN神田です。
「あれ?本番のSubject間違った?」という編集部内のやり取りを読者の方々
にも誤配してしてしまいました。申し訳ございませんでした。今後、このよう
な事がないようにイエローカードを一枚いただきます。ごめんなさい。
デジタルクリエイターズのバーチャル編集部では、日夜このようなやりとりで
コミュニケートしております。
●すみません。サブジェクト間違えたまま発信してしまいました。悪の張本人
濱村でございます。流れたのが業界裏ネタで無くて、ざんね・・いえ、助かっ
たなぁ・・と胸をなでおろしております。2回配信してしまったり、サブジェ
クト間違えたり・・こういうことをしていると購読解除する方が増えてしまう
のでしょうね。今ほとんど解除される方がいらっしゃらないのが救いです。
皆さんお優しい方ばかり。読者にも恵まれている日刊デジクリです!! (濱村)
●さて、いよいよゴールデンウィークに突入です。この機会に色々なイベント
に参加してみては?【日刊・デジタルクリエイターズ】ではデジタルアート系
のイベントを中心に紹介しています。ホームページにバックナンバーもありま
すので、参考にしてくださいね。(森川)
http://www.towers-inc.com/mag/daily/event.html

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0016 1998/04/30発行
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     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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