[0021] 花咲くクリエイターよ穴を掘れ

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0021 1998/05/06発行
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●本日のコラム『花咲くクリエイターよ穴を掘れ』
 水曜日担当:まつむらまきお

●イベント・情報
 ・国民文化祭「マルチメディア音と光フェスティバル 」
  ディジタルコンテスト作品募集要項
●本日のTIPS/3Dアプリケーション編



本日のコラム/ もっとFLASH!第四回『花咲くクリエイターよ穴を掘れ』
 水曜日担当:まつむらまきお

さて、線の話の続きであーる。

「絵」は、大きく分けて「面による描画」と「線による描画」の2種類があり
ます。前者は油絵とか木炭デッサンですな。後者は日本画、マンガ、クロッ
キーなどがその例(ああ、絵の話を文字だけで書くって、なんて面倒なんだぁ
(^_^;))。

で、「面」というのは、光と影による濃淡ですから、写真のように現実をその
まま光学的に写し取ることは可能なわけです。ところが「線」というのは現実
には存在しないモノですよね?たとえば、目の前のコーヒーカップ。これを紙
に簡単に線画してみる。ごくあたりまえの様に、線で描かれたコーヒーカッ
プ。でも、目の前の現実のコーヒーカップをよく見てみてください。どこにそ
んな「線」が存在します?どこにも存在しないでしょう?じゃあ、その線はど
こから出てきたものなんでしょ??

何年か前にNHKの「人体II」でやっていたので、覚えている方もいると思い
ますが、この「線」は、脳のなかの特別な部分で画像処理されているのだそう
です。目の網膜に投影された画像は、瞬時にその明度差、視差、ピントなどの
情報を元に、形状=線画に処理され、それが「ものの形」として認識されてい
るそうです。うーん、脳味噌ってすごい。

でもって、人間、100人いれば、みんな考えていることが違うように、この
「画像処理」にも当然「個性」があるはずです。もちろん、垂直線、円といっ
た認識には大差はないのですが、コーヒーカップの微妙なカーブに注目する
人、持ち手に注目する人、全体を大ざっぱに認識する人、ディテールだけに注
目して、全体はあまり気にしない人などなど、同じコーヒーカップでも、100
人いれば100通りの画像処理がなされているはず。

それって、すごいと思いません?ぼくはその100通りの画像処理されたコー
ヒーカップを見てみたい、って思うんです。画像処理されていない「写真」を
見せられても、結局は自分の脳の処理結果でしかないけど、「線画」は全然ち
がう、それを描いた人の脳味噌が、それを描いた人の個性が直接見えちゃう。
すごいすごい!!

ところがですね、この、脳味噌の中で画像処理された「線画」を取り出すのが
一苦労。これはもう、技術というか、訓練が必要なんで、絵描きはそのために
えらく苦労するわけです。でも、その苦しみというか、手を動かす事も脳味噌
が司っているわけで、技術の有無とは関係なしに、その人の脳味噌が如実に現
れる部分でもあるわけです。それもまた、すごく面白い!

で、結局、何がいいたいのかって言うと、ある「絵」が好きだ、と思うってこ
とは、それを描いた「人」を好きだ、って思うことなんだということなんです
よ。逆に「絵」を描くってことは、「自分がたしかに存在する」ってことを確
認し、人に伝える作業なんです。だって、手で描く「絵」は、よほど鍛錬しな
ければウソはつけない。自分自身がそのまま出てしまうものだから。

ところが、簡単にウソをつける手段が現れてしまったんですねぇ。そう、コン
ピューター。フィルタを使えば、自分の脳味噌じゃないところで画像処理さ
れ、ベジェを使えば自分の手の能力ではない線が描けてしまう。そして、そこ
で生まれる偶然性の面白さ。「自分自身を超えられるかもしれない」という期
待感。ああ、素晴らしい新境地!

でも、でもですよ、ぼくは、100人いたら、100人の脳味噌の中身を覗いてみ
たいんです。そのなかから、ぼくが好きな人を見つけたいと思ってるんです。
なのに、気が付いたら、ベジェ博士やカイ・クラウスの脳味噌の中身しか見え
ない(^_^;)。はっきりいって、もう、この人たちの脳味噌には飽きました
(^_^;)。

Flashを作った連中(ああ、やっとFlashが出てきた(^_^;))が、何を考えてあ
あいう描画システムを作ったのかはわかりませんが、彼らが穴を掘ってベジェ
博士を埋めてくれたことによって、ベジェ博士の呪縛から逃れた、自分の線が
そのまま描けるのは、ものすごい事だと思うのです。手描きの線をビットマッ
プにしたモノは、所詮、解像度という壁の前ではただの影にすぎないけど、
Flashで描いた線は、自分が描いた線そのもの。それをそのまま世界中に発信
できるシステム。何億という人たちと脳味噌のみせあいっこができるすごさ
(怖さでもありますが)。

だから、あなたがクリエイターであるなら、技術やセンスを磨くのに努力する
のと同じように、自分自身が描いた線そのものも大切にして、それもさらけ出
して欲しいと思うのです。IllustratorやFreehandからパスをコンバートして
くるのもいいですが、Flashを手にしたのなら、たまには穴を掘ってベジェ博
士を埋めて(まちがえて自分を埋めないよーに^_^;)、自分自身の線を、脳味噌の
中身を、恐れずに表に出してみてください。そうでないと、「あなた」がクリ
エイターである意味がないのですから。

///////今週のFlash TIPS///////
Flash2ではサウンドの圧縮率を個別に設定しても、swf書き出し時の設定値が
最低圧縮率として優先されてしまう。個別に圧縮率を設定した場合は、必ず書
き出し時の設定を最低の2ビットにしよう。Flash3ではこの問題は解消されて
いるようだ。

【プロフィール】
まつむらまきお
まんが、イラスト、アニメーション作家。大阪府吹田市在住。
パソコン誌、一般誌、女性誌、Webにて活躍中。
世界一わかりやすくて笑えるFLASH攻略本「おしえて!!Macromedia
FLASH2」(まつむらまきお/たなかまり共著 毎日コミュニケーションズ刊 
2,000円+tax ISBN4-89563-888-X)絶賛発売中です。ZEHI!
http://www.asahi-net.or.jp/~GU5M-MTMR/

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■イベント・情報

●国民文化祭「マルチメディア音と光フェスティバル 」
ディジタルコンテスト作品募集要項

全国、世界からコンピュータ・グラフィックスやミュージックなどのディジタ
ル作品を募集し、マルチメディアが提供する無限の可能性や様々な楽しみ方に
対する認識を深めるとともに、マルチメディア文化の育成を図るもの。応募さ
れた作品は会場とネットワーク上に展示し、一般参加者による審査を行いま
す。

応募受付期間
(1) e-mail 郵送の場合
   平成10年8月1日(土)~9月15日(火)

(2) アドレス送付の場合
   平成10年8月1日(土)~10月15日(木)

○ 応募規定
(1) 応募資格
 個人でもグループでも応募できます。資格は一切問いません。
(2) 作品
 「夢」をテーマにした画像(動画を含む)、サウンド(音楽を含む)などの
ディジタル 作品。ディジタルカメラ等を使った作品や、既存の概念にとらわれ
ない自由な発想・形式のものも歓迎。
(3) 応募料
 無料です。
(4)応募条件
 ア 応募点数は制限しませんが、オリジナルの未発表作品とします。
 イ 作品の容量は、圧縮したもので上限1.4メガバイトとします。
 ウ 応募の際には以下のものを揃えてください。
  1 作品
  2 作品のタイトル(20字以内)
  3 作品を紹介する文章(応募者の氏名などを含み30字以内)
  4 応募者のパーソナルデータ(住所、氏名、学校名(学生のみ)電話番
    号、 FAX番号、e‐mlilアドレス)
  ※一般審査投票及ぴ審査結果発表時には、氏名、学校名、 e-mailアドレ
  スを公開する予定です。公開を拒否する場合は事務局までお申し出くださ
  い。
 エ 応募作品の作成にあたっては、他の著作物を応募作品に取り込むなど第三
者の権利を侵害することのないようご注意ください。また、それらを適法に引
用する場合にも、引 用部分の出典元を「作品を紹介する文章」の中に必ず明記
してください。
 オ なお、公開する媒体の性質によりやむを得ず作品に改変を加える場合があ
ります
(5) 応募方法
 次のいずれかの方法でお申込ください。
 ア e-mailで送付
 イ フロッピーディスクを郵送(書留)
 ウ 公開したホームページアドレスを送付
(6) 応募先・問い合わせ先
 ア e-mailアドレス 
 イ フロッピーディスク郵送先
第13回国民文化祭別府市実行委員会事務局
「マルチメデイア・音と光フェステイバル」係
〒874-8511大分県別府市上野口町1-15
 TEL 0977-21-1111(内線5533)
 FAX 0977-27-0137
○ その他詳細は
 <http://www.coara.or.jp/~bfes/youkou.html>

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●StrataVision3D Ver.5.0編/「押し出しモデラー」

断面形状を、押し出して立体形状を作る機能です。
元の断面は、平面オブジェクトであれば他のツールで作った物や、他のソフト
から読み込んだデータでも構いません。(イラストレーター等から読み込んだ
データでも可能)そのまま押し出すだけでなく、ベベルと呼ばれる角に丸み
(斜面)を付けることができ、立体ロゴの作成などに多く利用されています。
ベベルを使用した場合、もとの断面形状よりも角を付けた分だけ太くなります
ので、文字にベベルを適用する場合は、元の断面を細目に作っておいたほうが
いいでしょう。(テキストツールで作成したアウトラインフォントを利用した
文字などは、最終イメージよりも細目の書体を使うなど)押し出したオブジェ
クトをダブルクリックすることで押し出し設定のやり直しを行うことが可能で
す。
立体モデラーで編集する際は、押し出し情報が消える(上記の押し出し設定の
やり直しができなくなる)という意味のメッセージが出ますがポリゴン形状と
しての自在な編集が可能になります。
★★(W by 松岡アキラ)

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●GWも終わってしまいましたねー! あっという間でした。有意義な時を過ごさ
れましたでしょうか?(濱村)

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0021 1998/05/06発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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