[0035] 3Dの基礎講座 レンダリング(陰面消去)編

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0035 1998/05/22発行
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●本日のコラム『3Dの基礎講座 レンダリング(陰面消去)編』
 金曜日担当:上田 和浩

●柴田のコネタ
 ・こんな広告の見せ(られ)方があったのか!
●本日のニュース
 ・革命的に読みやすいテキストビュワー『ティータイム』発売
 ・海外主要サイト情報
  Apple/ Microsoft/ Netscape
 ・マクロメディアのニュースグループ



●本日のコラム/3Dなんてこわくない! 06
 『3Dの基礎講座 レンダリング(陰面消去)編』
 金曜日担当:上田 和浩

●レンダリングってなに?

3Dの形状は定義したとします。しかしそれを生のデーターでユーザーに見せる
訳にはいきません。なぜって、しょせんコンピューター内部の数字の羅列に過
ぎませんから。それをユーザーに視覚的に見せるものにする処理をレンダリン
グと呼びます。

3Dソフトでレンダリングといった場合は、最終又は試験的に計算をかけた画像
出力を指すことが多いです。モデリング時のプレビュー画面をレンダリングと
呼ぶことは少ないのですが、もちろんプレビュー画面もりっぱなレンダリング
です。3Dソフトは少しでも高速で品質の良い表示をするために、いろいろなア
ルゴリズムを駆使しています。

RayDreamには複数のプレビューモードがあり、レンダリングのアルゴリズムを
説明するのに非常に適しています。さて、レンダリングは大まかに、2段階の処
理に分けることができます。陰面消去とスムースシェーディングです。

●い、陰面消去?

陰面消去には、ワイヤーフレーム、Zバッファ、スキャンライン、レイトレーシ
ング等の方法があります。(ワイヤーフレームは、陰面消去をしない場合です)
陰面消去と言う堅苦しい言葉の意味ですが、ようは隠れた面を見えなくする処
理です。現実世界になれてしまった頭では、隠れているものは見えないんだか
ら、なぜわざわざそんな処理が必要なんだろう?と思ってしまいますが、なにも
しない場合には線がすべて見えてしまうワイヤーフレームの表示になります。
現実世界ではこんなふうに物体が見えることはありませんが、コンピューター
で3Dを扱う場合にはこれがデフォルトなのです。ここからいろんなレンダリン
グ技法が考案され、リアルとスピードを追及しているのです。

Zバッファ
Zバッファはシーン上のすべてのオブジェクトをZ軸(視点からの奥行きの情報)
に整列させて、手前のものから描画していく処理です。手前のものから描画す
る事で見えない箇所の描画を省いて高速化する事ができます。アルゴリズムが
単純で処理が速い反面、画面サイズが大きいほどバッファ容量を多く必要とし
ます。

スキャンライン
モニターの走査線単位で陰面消去を行います。Zバッファも走査線単位で処理を
した場合には広い意味ではスキャンラインとみなすことができます。狭義には
スキャンラインをさらに細かく分けて陰面消去を行い、アンチエイリアス処理
ができる様にしたものを呼びます。スキャンラインは陰面消去が高速で行える
ので、アニメーションシステムで採用されていることが多いです。本来は反射
や屈折等の高度な表現はできませんが、反射オブジェクトからの視点計算を
行って反射用のマッピングを作成する等の技法を使い、反射は表現できるもの
がほとんどです。スキャンラインと後に出てくるフォンシェーディングを混同
して使う場合もありますが、フォンはスムースシェーディングの技法で、陰面
消去の技法とは別のものです。

レイトレーシング
視点から光線を出して、各オブジェクトとの交差判定、シェーディングを、ピ
クセル単位で行う処理です。陰面処理の段階ですでにピクセルごとにオブジェ
クトの法線を求めますので、スムースシェーディングは直接には関係しませ
ん。反射や屈折等の高度な表現もできますが、その分時間のかかる処理になり
ます。

レイトレーシングの処理速度を上げるためにさまざまな技法が考えられていま
す。例えば一次レイ(視点から最初にオブジェクトに到達する光線)をスキャン
ラインで高速に交差判定を行い、2次レイ(オブジェクト表面で反射、透過、分
散した光線)でレイトレーシングを行うものや、反射や透明体の部分にのみレイ
トレーシングを行う複合アルゴリズム(RayDreamのアダプティブレンダリングが
そうです)もあります。

ラジィオシティ
ラジィオシティを陰面消去に含めるのは間違いなんですが、レイトレーシング
からの流れでついでに説明します。ラジィオシティは、物体表面の相互反射を
考慮した高度なレンダリング方法です。間接光や面発光の照明、半影の表現な
どに優れ、建築物の照明のシミュレーション等に使われます。

大ざっぱな計算方法は、シーン内に含まれるすべてのポリゴンが、照明から受
けるエネルギーを計算し、光を受けてそのものが放射する光を計算し、他のポ
リゴンから受けるエネルギーを計算し、そのことで又自分から発する光を計算
し、といった具合に、相互に影響しあう光のエネルギーを平衝状態(入出が等し
くなる状態)になるまで計算します。各ポリゴンでこんなことを行うので非常に
膨大な量の計算が必要です。

光のエネルギーの状態を計算した後は、実際のレンダリングに入りますが、そ
の後は別にレイトレーシングでもスキャンラインでもかまいません。
レンダリング時に各ポリゴンの重みとして、色情報にラジィオシティのデー
ターが付加されるわけです。したがって光の状態が変化しない限り、例えばカ
メラの視点移動では光エネルギー状態は変化しないので、最初の計算結果を
使って後は通常のレイトレーシングやスキャンラインと同じ位の速度でアニ
メーションの計算が可能です。

RayDreamでは半影の表現が可能です。ラジィオシティの様な高度な処理を行っ
ているのではなく、スキャンラインで作成したシャドウバッファを使います。
レイトレーシングに組み合わせることができるので、そこそこ雰囲気の良い絵
を作ることができます。結構ノイズっぽい画像になりますが、フィルム粒子の
様な効果がでて、それも悪くありません。

次回は、す、スムースシェーディング?です。

【プロフィール】
上田 和浩
90年頃から3DCGに手を染める。RayDreamはVer.1からのユーザー
幽霊ツールと悪魔払いツールが懐かしい…(注)
StepByStepにRayDreamの記事を連載中。
RayDreamの解説本も出版予定です。

(注) 一時的にオブジェクトを隠すツールの日本語訳、当時はフォーカルポイ
ントコンピューター(株)が扱っていました。現在はフォーチュンヒル(株)が
扱っています。

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■柴田のコネタ

こんな広告の見せ(られ)方があったのか!

「イメージングビジネス」4号(6月号)にあった情報。「ニューズウィーク日
本版」は出版社(TBSブリタニカ)側で完全にデジタルデータを組み上げて、凸
版印刷は印刷のみというワークフローを組んでいる、日本でも最もデジタル化
の進んだ出版社である。その内容については同誌を読んでいただくとして(私
も「日経デザイン」1997年6月号でレポートした)、昨年9月からスタートした
という「News Week Japan Online」の記事に注目。なんと、発売日の翌日には
記事全文をオンラインで展開、無料で閲覧できるという。
 
ええっ、そんな。いいんですかぁ。さっそく行ってみました。「ニューズ
ウィーク日本版」の予約購読者は、このサイトのすべてのサービスを受けられ
る。最新号の記事は見られるし、データベース、バックナンバーの検索もでき
る。ゴールドメンバーにはメールアドレスが提供される。予約購読者ではない
私はビジターとなる。ビジターも、最新号の記事を全部無料で見られる。

だが、そこにしかけがあって、このサイトにはインターネットでは初めてとい
うスポンサー方式の広告がついている。「CMをご覧いただくことで本誌の最新
号をお読みいただけます」というメッセージがある。読みたい記事をクリック
すると、「ご希望の記事はご覧のスポンサーの提供でお送りします。しばらく
お待ちください」として1ページ広告が現れる。テレビCMみたいなもんだ。むり
やり見せられる。Shockwave Frashで作られているからきれいに動く。非常に評
判がいいという(広告を出す側に、だよ)。業界の標準にしようかという話も
あるという。プラグインがないときはトップページでダウンロードできるが、
何もしないで放っておいても15秒~30秒で広告は終わって記事が現れる。記事
は原則としてテキストのみである。この種の広告は始めてみたが、うまいこと
を考えたものである。ダイヤルアップの個人ユーザーにはちょっとつらいかも
しれないが、こんな手があったのね。 

●NWJ online http://www.nwj.ne.jp/
●イメージングビジネス 株式会社青龍社発行 03-5468-5211(販売・広告)

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■本日のニュース

●革命的に読みやすいテキストビュワー『ティータイム』発売

電子出版を推進しているボイジャーが、1998年6月21日より、軽快にデジタルテ
キストを読むためのツールソフト『T-Time』(『ティータイム』、3,500円/税
別、Windows & Macintosh 対応)を発売する。今年のMACWORLDで『T-Time』
(Mac版)の限定先行販売が行われ、評価の高かったものの完全版である。

『T-Time』は、プレーンテキスト、HTMLなどのテキストデータを、モニタの上
で(そのまま紙の上のように)快適に読むための【テキストビュワー】であ
る。基本はスクロールなしのページ割り表示。ページサイズは変形自由で制限
無し。段組や縦/横組変換も一瞬。インライングラフィックス、検索、自動
栞、マルチビュー他機能多数。

『T-Time』を使えばワープロ原稿やBBSのログも驚くほど読みやすくなる。イン
ターネット上の新聞社説、論文、小説、白書などのページを読むのにも最適で
ある。

●『T-Time』情報ホームページ公開開始
homepage: http://www.voyager.co.jp/T-Time/

標準小売価格(予定): 3,500円(税別)
CD-ROM (Windows & Macintosh ハイブリッド)1枚

発売元:株式会社ボイジャー (代表取締役 萩野正昭)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-41-14
tel.03-5467-7070 fax.03-5467-7080
・ボイジャーホームページ/ソフトウェアライブラリ
http://www.voyager.co.jp/software/

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●海外主要サイト情報


・Apple社とAdvis社、WebObjectsに対する事業拡大を発表。
 新しいAdd-Insは、SAP、PeopleSoft、JavaのためのWebObjectsサポートを広
 げる。
http://www.apple.com/pr/library/1998/may/20advis.html

・Apple社の「スチームローラー」コマーシャルは、PowerBook G3のペンティア
 ムを押しつぶす能力を劇的に表現。
http://www.apple.com/hotnews/
 詳細は、 http://www.apple.com/hotnews/features/ads/steamroller.html
 
<マイクロソフト>
・Microsoft Internet Gaming Zoneが、MicroProse社のゲーム「Civilization
 Multiplayer Gold Editon」と「X-COMInterceptor」のオフィシャル マルチプ
 レーヤーサイトに指名。
 近く発売のMicroProse社の戦略ゲームが、この夏Zone
 (http://www.zone.com/) のCD‐Rom用対戦相手組み合わせのラインナップに。
http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1998/May98/MProsePR.htm

・全国の小売業者は、もうすぐ発売のWindows 98への強い需要を感じる。
 Microsoft Windows 98の発売を見越し、主要小売り業者はWindows 98のライ
 センスの事前購入や、独特の店内・オンラインプロモーションを提供。
http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1998/May98/98soonpr.htm

・主要インターネットサービスプロバイダであるElectricVillageとRadio
 Data Group(RDG)は、Microsoft Windows NT サーバのNetShow Streamingメ
 ディアサービスを採択。
 何百ものラジオステーションが、インターネットでラジオプログラムを伝え
 るため、NetShowサービスを選択。
http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1998/May98/RadioPr.htm


・CitibankとNetscape Communication Corporationは、世界的なElectronic
 Commerce(電子商業)ソフトのライセンス契約に署名。
 Citibankは、新しいE‐Commerceの基盤を確立するため、アプリケーション用
 Netscapeの配線とサーバーソフトを許可。
http://home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease616.html?cp=nws05flh1

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●マクロメディアのニュースグループ

MMのJapan Siteから手繰れるNews GroupにFreehand、Fireworksが加わってます。
まだまだテスト中の印はでていますが、これで一通りのMMの主要製品のNews
Groupが揃ったことになりますね。
まだまだDirector以外のNews Groupの書き込みは少ないようですが、USのよう
にUserとMMをつなぐ(公式に)太い橋になって欲しいものですね。

と、つなさんから情報が届きました。ありがとうございます!

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0035 1998/05/22発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

情報提供はこちらまで 
           担当:濱村和恵
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