[0068] あの東大の「六万四千漢字発表会」に行った

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0068 1998/06/30発行
  <http://www.towers-inc.com/mag/daily/>
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●本日のコラム『あの東大の「六万四千漢字発表会」に行った』
 火曜日担当:柴田忠男

●おすすめホームページ
 ◎国土地理院発行の数値地図で遊ぼう!

●本日のニュース
 ◎Real3D社の3Dデジタイザ「RealScan3D」を出品
 ◎「Macromedia Director 6.5J」発売日延期
 ◎ノート型「VAIO」にIEEE1394搭載モデル2種登場
 ◎1998年度前期「CG検定」「画像処理検定」「マルチメディア検定」速報
 ◎「マルチメディア・インターネット辞典」バージョンアップ!
●イベント・情報
 ◎柴山信広個展「THE ALCHEMICAL TAPESTRIE」
●本日のTIPS/3Dアプリケーション情報編



●本日のコラム『あの東大の「六万四千漢字発表会」に行った』
 火曜日担当:柴田忠男

六万四千漢字というのは、それまで一般に「東大明朝」と呼ばれていたもので、
ありとあらゆる文字を集めると言っていたプロジェクトの、具体的な形である
ようだ。6月17日、午後4時30分に東京大学文学部一番大教室に行く。古い建物
だが、演壇付近はハイテクで、黒板もスクリーンもオートマだ。左右にはボー
ズの大きなスピーカーが。古い階段教室だが、なかなかアカデミックな風情だ。
5時前にほぼ会場は埋まる。モリサワの会長も来ていた。

5時ぴったりに司会の田村毅教授「多国語プロジェクト」リーダーが開会を告
げる。田村先生、なかなか話が上手でユーモラス、司会にしてはしゃべりすぎ
だが、いい人みたいで好感がもてる。

まず、日本学術振興会理事の佐藤國雄氏の挨拶。すでにこのプロジェクトに2億
円投下という(ゲゲゲの鬼太郎!)。これは出資金事業とかで、お金を生まな
くてはいけないようだ。12月にフォントを販売するというが、本当なのか。当
事者というより、怪しいプロジェクトにのせられてしまった被害者みたいな口
調だった。

本日のスピーカーは9人である。時間は18時30分までのわずか90分だ。単純計算
すれば、ひとりあたり10分弱ということになる。佐藤氏は10分以内にきれいに
終えた。ところが、次の「プロジェクトメンバー」の山口明穂名誉教授は、ナ
ントひとりで1時間弱も講義のようにしゃべり続けた。漢字のことはよく知ら
ない、機械に至ってはまったく知らぬという。いったいこの学者は何者だ。自
慢のハイテク機器は、本番では当然のようにおかしくなり、しまらないプレゼ
ンとなった。

「目についた字があったらどんどん機械にいれていけばいい」「ただ文字を機
械に入れて残したいというのが希望だ」と理論も何もない稚拙な話で、プロ
ジェクトの意味を外部の人に公開するというイベントで、こんな話は逆効果だ
と思う。なんとも冗漫で、こういうかったるい講義ではいまどきの女子学生は
さっさと退席するだろう。

続く片山英男教授はなにか気弱げで、誠意がありそうに感じたが迫力がない。
続く坂村健教授は、さすがにエンターティナーである。話は大変にうまい。う
そつけーと言いたくなるようなことも、おもしろおかしく説得力を持ってしゃ
べる才能だ。魅力的な人であることは確かだ。

そのあとは、講評ということで作家の吉目木晴彦氏(吉の字が士ではなくて土
と主張しているので有名な人)、作家の中沢けい氏。ともに東大明朝のサポー
ターらしいが、説得力はない。

続くは、本日唯一の批判者・鈴木一誌氏。どうせ10分くらいしか時間はないと、
A4で20ページの「『六万四千漢字』への批評、あるいは問いかけ」という小冊
子を用意した。全部やると30分になる。それを省略した。「言いたいことはこ
こに書いてある。どこからの援助もなく我々が作ったものだ(学術振興会みた
いなバックはいないぞ)」と笑わせる。また、「大学とは庶民とは異文化、
違った世界なんですね。時間の流れが全然違う」と、進行のまずさを皮肉った。
これは大受けだ。

時刻はすでに7時半に近い。1時間以上も長引いている。大学のセンセイって時
間の感覚がないようだ。鈴木氏の話は、10分を越えてやや長引いてきたので、
司会の田村氏からあと何分かと介入がある。聞けば、この後のパーティは8時ま
でしか会場を押さえていないという。なんという杜撰な進行だ!

鈴木氏は5分の時間をもらうが、終わらない。とうとう、打ち切りとなり、少し
ばかりいやな雰囲気がただよう。進行がヘタだと野次も飛ぶ。最後に東京大学
副学長の青柳正規氏が挨拶、時間がないので読み上げる。美文ゆえに、あまり
内容はないと思った。

しかし「新東大明朝」として提示された明朝体のなんと悲惨なデザイン! 画
数とストロークを合わせ、なおデータベース作成のために伝統的な明朝体の
ルールを外れた文字デザインとなっている。もちろん確信犯だ。聞けば、通常
の明朝体ですでに六万四千字つくってあったが、今年の4月に山口先生が決断し
て全面的に新書体に切り換えたという(何ということだ!)。しまらない、醜
悪と言っていい字だ。とても売り物にならんのではないか。モリサワさんは何
を感じただろうか。

しかしながら、なぜかお気楽な人たちだった。これでも学者なのか。規範のな
い体系がありうるのか。包摂という概念を抜きにして「精選」「析出」できる
のか。プロジェクリーダーの田村先生は、機械のことも漢字のことも私に質問
されてもわかりません、と最初から煙幕を張っている。オイオイ、既に2億円
使っているだぞ。東大のセンセイ方よ、もっと庶民を安心させるプレゼンをし
て欲しかった。

いろいろ矛盾を孕んだ東大明朝、そして先日新聞で報道された第21期国語審議
会報告の妙な制限、相変わらずの古い情報をもとにしたユニコード攻撃、危な
いのはお前さんだヨといいたくなる「漢字の危機」を煽りまくるホームページ
の主、まったく困ったもんだ。

そこで、私がディレクターをしているJPC(Japan Publishing Consortium)
「フォント・組版ワーキンググループ」の7 月15日のセミナーは文字コードを
中心とした徹底討論会を企画した。だが、スピーカーは「反JIS ではない側」
だけとなる。なぜなら、扇動するホームページの主である「反JIS 」の人は、
その件だったらあの方にと逃げ、あの方は自分で返事をせずに組織に預けて、
組織の書記から断りをいれてきたのだった。セミナーの件は、また告知する。

●鈴木一誌「『テクストは文字の集合」か?」(六万四千漢字への批判)
●前田年昭「『工業に立ち向かう文化』という幻想~『JIS 批判』翼賛体制は
 如何にして成立したのか?」(「ユリイカ」1998年5月号)
これらがPDFで掲載されているWebサイトがある。
http://www.linelabo.com/

【プロフィール】
しばた・ただお ゲゲゲの編集長日記を更新。日記書いているばやいぢゃな
いっうかんじで、われながらあまり面白くない。が、お気楽なSOHO者の実態を
知るにはいいかも。
http://ip-net.ieps.co.jp/ip/st/mag97_12/12_x/index.html

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●おすすめホームページ 「国土地理院発行の数値地図で遊ぼう!」

PDFのメーリングリストの中に、富士山の型紙データをPDFにしたから、プリン
トして厚紙に貼っていけば地図模型ができるよ、という案内があった。さっそ
く彼、鈴木幸治さんのホームページに行ってみると、こりゃ大変な山男である。
その中に「数値地図で遊ぼ!」というページがある。さっそく、日本の定番富
士山のデータをゲット。

これは国土地理院発行の数値地図から描画させた地形図を登高段ごとに分解し、
1ファイルにまとめてPDF化したものだ。登高段差数だけプリントアウトし、指
定の厚さの厚紙等に貼り付けて切り抜き、貼り重ねると立体地図模型が誰にで
も簡単に出来るという仕掛け。ペーパークラフトの一種である。A4で24ページ
ものデータをプリントして、切り抜いて(……は、そのうちひまができたらや
ります)。そこで、鈴木さんにメールして、なんでこんなこと始めたのか?と
質問。(柴田)

■fuji.pdfができるまで

ここに至るまでには、幾つかのキーがありました。
1・アドビアクロバットの日本語版が出る前から注目はしていた。
2・VBB(MSビジュアルベーシック)が多少は出来た。
3・山屋であった(登山家とも言うが、そう大それた者ではない)。
4・小学校では図工だけが得意だった。(^-^;

といった下地があったところへ、

1・アクロバット日本語版の発売日にスッ飛んで行って入手した。
2・WebでPDF関連を検索して「デジタルな“紙のクルマ”」
 <http://www.imagica.com/products/cdrom/kami/index_J.html>
 を見てPDF出版の新しい可能性に衝撃を受けた。
3・古くからの山仲間である坂詰氏
 <http://www.bekkoame.or.jp/~slopedad/>
 が、実はVB達人である事が判明した。同時に彼から国土地理院の数値地図
 <http://www.gsi-mc.go.jp/MAP/CD-ROM/dem50m/index.html>を教えられる。
4・数値地図利用ソフトとして、DAN杉本氏作の素晴らしいフリーソフト「カシ
 ミール」<http://www.kt.rim.or.jp/~sugi/ >で遊び始める。といった、諸々
 が蓄積されて行きました。

ここで少し国土地理院の数値地図について説明しておきます。これは日本全国
津々浦々までを約50m四方の桝目に区分けし、その桝目の中心標高を数値とし
て羅列したデータです。これを50mメッシュと言い、他に25mメッシュ等もあり
ます。

ご想像のように膨大なデータ量であり、無愛想な数字の集合体は一般的な地図
の概念からは程遠く、私には土に埋もれたダイヤの原石のように見えました。
このデータでどれだけのことができるかは、ぜひ上記の「カシミール」でお試
し下さい。フリーソフトで、地形CGがここまでできてしまうとは、驚くばかり
です。

この数値地図50mメッシュデータを使って何か遊びたいけれど、キラ星の如き先
輩諸氏の既存ソフトに比類するソフトが書けるはずがない。だったら少しヒ
ネって隙間小品を狙おうと、頭の隅に引っ掛けて置きました。

そしてある日「カシミール」で山地を“レリーフ段彩”モードで眺めていた時、
ふといつか見た立体地図模型に見えてきたことが糸口になりました。この段彩
(登高段)を分解して印刷し、厚紙に糊付けし、切り抜き、貼り重ねれば立体
地図模型の出来上がりっていうわけです。

この時から既にPDF化してWebで公開というシナリオはできていました。だって、
地形図にPDFにペーパークラフト、実に自分らしいテーマではないですか。
PDFメーリングリスト<http://www.inouedon.com/pdfml-j/>を読んでいると、カ
タログやマニュアル等、ビジネスに直結した話題が先行しているように思えます。
これはこれで当然なのですが、もう少し一般的なWebユーザーに近い話題も欲し
いですよね。事実私の周りのフツーのPCユーザーにはPDFは“全然”浸透してい
ません。いくらPDFに電子出版の未来が見えても、一般に誰でもが知っている事
が先決だと思うのです。

小説や漫画も大きな可能性を持っているのでしょうが、私にはその才がありま
せん。「遊び」からPDFのプラットホームを問わない自由さ、普遍性をアピール
するのも一つの手ですよね?

まずは分解ソフト製作をと坂詰氏に相談したところ、「ヨッシャやりましょう」
となり、彼がゴリゴリとコーディングし私が横から口だけ出すという、実に理
想的なコラボレーションユニットの一丁上がり。(^_-)☆

千葉に住まう私と茅場町の坂詰氏、二人の間で毎夜2~3通のメールが行き交い
ました。彼もいい歳のくせに宵っ張りで、25時頃メールを打つと26時には返事
が来ており、返事をして寝る前の最後のメールチェックと思うと27時に返事が
来てたりはザラでした、眠かったョ~。

アイディアを打ち明けてから僅か2日後には地図らしきものが描画され始め、2
カ月後には初版をニフティサーブの山と地図のフォーラム(FYAMAP)に公開す
ることができました。主なコードは坂詰氏が書いた訳で、私は彼の作品だと
思っているのですが、彼は私のだと言います。結局、公開やその後の改良は私
がやっています。

そうしてやっとPDF化です、当初の目論見では地形図描画→分解→PDF化までを
一発で、しかも最初から1ファイルにまとめたものを出力するのが“仕様”だっ
たのですが、力至らず1枚1 枚を手作業でPDFに落とし、これまた手作業で取り
まとめていますが、それでも出来たPDFは私の思い描いた通りです。

こんな経緯で fuji.pdf は生まれました。これからは少しずつソフトの改良と
PDF公開山域の充実をやって行こうと思っています。次なる夢は、小学校の地理
や理科でこのソフトなりPDFなりを使ってもらうことです。これを読んだ先生、
使ってみませんか? 皆さんも気が向いたら遊んでみてやって下さい。そして
感想や要望、作品の写真なんかをメールして貰えるとものすごく嬉しいです。

鈴木幸治@Engine Management`s
http://www.venus.dti.ne.jp/~sawa/jkoji.html

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■本日のニュース

●Real3D社の3Dデジタイザ「RealScan3D」を出品
http://www.fortunehill.com/

フォーチュンヒル株式会社は、Windows World EXPO Tokyoにて、3Dデジタイザ
「RealScan3D」を展示するとのこと。

この「RealScan3D」は、ビデオカメラとレーザーを使用し、物体の形状データ
とテクスチャデータを同時に取り込み、3Dデータに変換するもの。Windows NT
上で作動する。手間のかかるモデリング作業を軽減出来、価格も従来のものに
比べ、おさえてある。

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●「Macromedia Director 6.5J」発売日延期
http://www.systemsoft.co.jp/PRODUCTS/Whats/Director6.html

「Macromedia Director 6.5J」の店頭発売日が6月30日(火)から7月4日(土)に延
期になった模様。なお、「Flash3J」は予定通りの発売となっている。

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●ノート型「VAIO」にIEEE1394搭載モデル2種登場
http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199806/98-060/index.html

ソニーはIEEE1394端子を装備したB5ファイルサイズノートパソコン新モデル
「PCG-505GX」「PCG-505G」の2機種を7月25日発売する。

IEEE1394は、Apple社の提唱した「Firewire」のこと。
http://developer.apple.com/dev/FireWire/
VAIO搭載のIEEE1394は「i.LINK」と呼ばれるようだ。パソコンと周辺機器、AV
機器などをつなぎ、高速でのデータのやり取りが可能となる。

主な仕様としては、MMX(R)テクノロジーPentium(R)プロセッサー266MHz、
2.1GBHDD(505Gは200MHz)、64MB SDRAM、10.4型SVGA TFT液晶(約1677万色表示可
能)、56kbpsモデム、2MBビデオメモリー、約1.35kg(バッテリーパック搭載
時)、薄さ23.9ミリ、赤外線通信ポート(IrDA規格準拠)、USB端子など。

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●1998年度前期「CG検定」「画像処理検定」「マルチメディア検定」実施速報

◎概況
今年度前期〈CG検定〉〈画像処理検定〉〈マルチメディア検定〉を6月28日に
全国231会場で実施。3つの検定の受験者総数は22,874名に。後期試験(11月
29日実施)と合わせた今年度の受験者総数は6万5千名を超えると思われる。

コンピュータグラフィックスやマルチメディアなど、インフォメーションテク
ノロジーの利用があらゆる場面で急速に広がっており、この状況を反映して、
社会人受験者の勤務先も特定の業種や職種を抜き出せないほど、あらゆる業種、
様々な職種の方々の受験が見られるようになってきている。また、社員教育の
一環としてこれらの検定を活用されるケースも増えてきているそうだ。

◎受験者者数 1998年度(前期)
〈CG検定〉       2級4,101名 3級8,382名 合計 12,483名
〈マルチメディア検定〉 2級3,040名 3級6,082名 合計 9,122名
〈画像処理検定〉    2級 436名 3級 833名 合計 1,269名
総合計22,874名
*1級は後期のみの実施。

◎データトピックス
・試験実施会場数         231会場
・10名以上で受験している団体数  265団体
・一般受験者(社会人等)の増加  対前年比 141%
・大学院からの受験増加      対前年比 362%
・大学からの受験増加       対前年比 122%
・短期大学からの受験増加     対前年比 194%
・高等学校からの受験増加     対前年比 130%

◎問い合わせ先・資料請求
 CG-ARTS協会 教育事業部
 〒104 東京都中央区京橋1-11-2日本タイプライタービル4階
 Tel 03-3535-3501  Fax 03-3562-4840
 
 <http://www.cgarts.or.jp/>

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●「マルチメディア・インターネット辞典」バージョンアップ!

CG-ARTS協会のwebで公開中の「マルチメディア辞典」は情報を更新。4月21日の
公開から早くも3回目のバージョンアップ。

 1998年5月27日版   → 1998年6月21日版
 用語数/8361項目   → 用語数/ 8592項目
 イラスト数/002438点 → イラスト数/ 002660点

<マルチメディア・インターネット辞典のURL>
http://www.cgarts.or.jp/jiten/
<デジタルクリエイターズ連絡協議会のURL>
http://www.jiten.com/

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■イベント・情報
 今見られるイベント・アート・セミナースケジュール
http://www.towers-inc.com/mag/daily/event.html
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●柴山信広個展「THE ALCHEMICAL TAPESTRIE」

THE ALCHEMICAL TAPESTRIE-錬金術で開け放つ、織りなされた物語
(電気的装置のタイムカプセルにより再構築した古典タペストリー)
http://www.telepathy.co.jp/4d/homepage/tenrankai/koten.htm

会期:7月9日(木)~28日(火)10時~19時 第2・4日曜日、祝日休
会場:スタジオエビス・フォトギャラリー
150-0013東京都渋谷区恵比寿1-9-2 スタジオエビス2F
TEL:03-3444-5522

柴山さんのコメント
今年の3月より、中世のフランスに実際にあったといわれるタペストリーをカメ
ラからの画像とCGを用いて復元しています。15世紀、フランスの地方都市ボー
ヴェに残された史実はタペストリーによって描かれ、或る教会の司教に捧げら
れました。当時、このようなタペストリーはフランスに数多く存在したといわ
れますが、現在は散逸したり、消失してしまい殆ど残っておりません。

しかし1460年頃から18世紀までボーヴェの教会の内陣を飾ったタペストリーは
エッチングの作品集として一度19世紀に蘇りました。今回、私はそのエッチン
グを基にCG技術を駆使し、現代的な感覚を織りまぜながら復元を行いました。
それは最新技術を用いながらも、古典技法に回帰することへのアプローチを意
味しています。

このシステムを私はCAT.(Computer Aided Tempera.)と名付けました。これは
カメラからの映像を錬金術により、新しい意味をもつものに変換させる亊です。
これらの作品を1998年夏と秋2回に分けて発表する予定です。また同時進行で当
時の文献の完訳をつけ、新たな形の復刻版として作品集を刊行することも考え
ております。

●展覧会出品作品の一部はホームページで見られる。
homepage Address: http://www.telepathy.co.jp/4d/homepage/
●柴山信広プロフィール
1956年東京生まれ。グラフィックデザイナー/CGアーチスト。1989年インド、ブ
ラジル、アメリカ、イタリア等を 訪ね、デザインの新しいスタイルを模索する。
1990年東京に戻り、次世代広告会社「4D.」を設立。そこでコンピュータ画像と
デザインを中心に制作活動を行う。また、CGアーティストとして多くの展覧会に
出品している。ディジタル・イメージ会員。

●展覧会に関する連絡先:
4D.(フォーディ)
東京都港区南青山3-3-23 南青山MBD2F
Tel: 03-3401-8155 Fax: 03-3401-8159

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●3Dアプリケーション情報編/「パーティクル」

最近の3Dソフトで「パーティクル」と呼ばれる機能が注目されています。

大きさや形のない「点」だけのオブジェクト (通常は多くの点の集合体として
扱う)に物理的な計算要素(風に飛ばされたり、吹き出したりするような動き)を
組み合わせて、粒子としてコントロールできるのです。今まで表現が困難だっ
た炎、煙、ほこり、火花、泡、しぶき、雨、雪などの表現を可能にします。

「点」の質感設定や、動き方の設定であらゆる表現が可能ですが、計算などの
負担がかかる上、思い通りの効果が得られるためには相当の試行錯誤が必要で
あります。一部のソフトでは「点」をオブジェクトに差し替えることが出来る
物もあり、鳥の群など多くのオブジェクトを簡単な操作で実現できるようです。
おもしろい効果が期待できる反面、細かなコントロールの難しい機能です。

最近の3Dソフトでは、「パーティクル機能を搭載した」と宣伝した物が数多く
見受けられますが、それらの効果はそれぞれ異なり一長一短といった感じがし
ます。

★★★
松岡アキラ(ディジタルクリエーター)

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0068 1998/06/30発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

情報提供はこちらまで 
           担当:濱村和恵
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