[0071] メッシュ形状モデラ

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0071 1998/07/03発行
  <http://www.towers-inc.com/mag/daily/>
  情報提供はこちらまで 
  登録・変更<http://www.towers-inc.com/mag/daily/regist.html>
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●本日のコラム「メッシュ形状モデラ」
 金曜日担当:上田和浩

●KNN神田レポ
 「緊急レポート!これが!マクロメディアだ!」

●本日のニュース
 ◎リムーバブルメディア今昔/ ヤノ電器レインボーカラーMO
 ◎主要サイト情報
  Apple/ Microsoft/ Netscape/ Sun Microsystems/ SGI/ Adobe
●イベント・情報
 ◎吉井 宏個展「50キャラクターズ+α」
 ◎スタジオ・ドゥンバー展
●本日のTIPS/3Dアプリケーション「LightWave3D」編

●神田敏晶は、やはりただ者ではなかった。パート2



●本日のコラム「メッシュ形状モデラ」
 金曜日担当:上田和浩

さて、何回かに分けて、RayDreamのメッシュ形状モデラの講座をしようと思い
ます。

メッシュ形状モデラは頂点単位でオブジェクトを編集できる機能です。3Dソフ
トでは基本的な機能なんですが、意外なことにRayDreamはVer.5まで頂点編集が
できませんでした。

RayDreamは最初のバージョンからスプラインを利用したモデリングツールを装
備していて、自由曲面形状を簡単に作成することができました。頂点単位でし
こしこ作成するような泥臭いモデリングはあまり開発者の眼中になかったよう
です。でもスプラインは、アルゴリズムに沿った形状を作成するには良いので
すが、ちょっとそれからはずれた形状を作成すると面倒になる傾向があります。
RayDreamの自由形状ツールでも、押し出しで連続的に形状が変化するようなも
のは得意ですが、人間の顔のような複雑に面が構成されているな形状を作るの
は難しかったのです。

個人で趣味で3Dの作成している場合、そのツールで作りにくいモデルは無意識
に避けてしまう傾向があります。仕事で3Dのモデリングをする場合はそんなわ
けにいきません。泥臭いモデリングだろうと何だろうと作ることができれば結
果オーライなのです。Ver.5でメッシュモデラが付いたとき、今さら頂点編集?
と言う声もあったのですが、他のモデラーでうまくできなかった場合、最後の
手段として有効なのです。頂点単位でやる限り、作って作れないものはないわ
けですから。

泥臭いとか、最後の手段とか、くさしているようですが、メッシュ形状モデラ
は必要な機能が過不足なく装備されており、けっして悪くないモデラーだと思
います。他の頂点編集モデラーも使っていますが、直観的に操作できることと
自由度が高いのが特徴だと思います。

例えばメッシュ形状モデラで、平面の矩型を一つ作成した時点で、その矩型を
使って作成することができる機能がアクティブになります。この場合[突き出し]
ですね。これが開いたポリラインの場合だと、[突き出し]に[回転]が選択に加
わります。回転軸は、開いたポリラインの端の頂点を結んだラインになります。

開いたポリラインを、任意の回転軸で[回転]させたい場合は、開いたポリライ
ンに、頂点2個で作成したポリラインを、SHIFTキーを押しながら選択します。
(連続して2つのポリラインを描いてもいいです。開いたポリラインを描くには、
最後の頂点でダルブクリックすると次のクリックに接続しなくなります。)

また、閉じたポリラインと開いたポリラインを同時に選択した場合は[突き出し]
と[スイープ]がアクティブなツールになります。このようにその状況で利用で
きる機能と利用できない機能が明確に表示されるので、操作に余計な迷いが生
じません。また、一度実行した機能を修正することができるのも特徴です。
例えば今の例で[スイープ]機能を使った場合、開いたポリラインをスイープラ
インにして、閉じたポリラインをスイープするのが、通常の使い方だと思いま
すが、場合によっては逆にしたい場合もあると思います。そんな場合は機能を
実行した直後に特性ウィンドウの[アクション修正]を使ってスイープパスを逆
にすることができます。

他のソフトを使っていて、ポイントを選択するときの順番に気を付けないと、
思ったような結果にならないというケースはありませんでしたか?そういう余計
な手順に気をとられることなく、直観的に操作しても、ソフト側で無理のない
ように修正してくれるわけです。

それではメッシュ形状モデラの各機能について、気の向くままに説明します。

●溶接
近接したポイントを溶接して、一つのポイントにしてしまう機能です。左右対
称の形状を作成するときに、半分だけ作って、対称複製した形状を溶接するの
に使います。別々に作った形状を合成する時とか、ポリゴンを手動でリダク
ションするのにも使うことができます。

●再分割

面を細かく再分割して滑らかな面を作成します。これは、稜線のスムース設定
に左右されます。[ポリメッシュ>稜線をなめらかにする]にした部分は再分割し
たさいに滑らかに面が分割されますが、[ポリメッシュ>稜線を尖らせる]に設定
された部分は、再分割でも尖ったままになります。
再分割後は3角ポリゴンになってしまいます。できれば四角ポリゴンはそのまま
分割して欲しいところですが…RayDreamは基本が3角メッシュで形状を作成しま
すので、仕方のないところです。メッシュ形状モデラは多角形でも扱えますが、
内部でしっかり3角形に分割しています。ポイント追加ツールで相当ひどいポ
リゴン構成にしても、何とか破綻しないでちゃんと面にするのは、ソフト内部
でつじつまのあうように3角形に分割しているためです。

●作業面に移動

この"作業面に移動"という命令は、メニューに2つあり、混同しやすいです。

[選択範囲>作業面に移動]は、選択した頂点を選択作業面(青く表示されている
グリッド)に移動する機能です。選択した頂点すべてが同一平面に並んでしまう
ので、ぺっちゃんこになってしまいます。それに対して[ポリメッシュ>作業面
に移動]は、ポリメッシュ単位での移動です。形状は変化させないで、最も作業
平面に近いポイントが作業平面上に来るように、ポリメッシュが移動します。

●穴をあける、穴をふさぐ
相当無理のある形状でも、連続した、閉じたポリラインを選択していれば、面
を張ること(穴をふさぐ)ことができます。しかし、たまに面が張れないケース
もあります。どんなケースでしょう?

メッシュ形状モデラ内で立方体を作成します。
上面の稜線どれでもいいですから、選択、コピーし、そのままペーストします。
ペーストしたポリラインをそのまま適当な値で[突き出し]ます。

見ためはこれで立方体の一つの稜線から平面が突き出たような形状になります。
びっくり箱の蓋があいた形状を作ろうとした、その途中といった感じです。

さて、この場合は立方体の部分と、コピーした稜線を突き出した平面の2つの
部品に分かれています。

溶接コマンドを使って近接したポイントを溶接して、一つのポリメッシュにし
てみます。

すると、さきほどまで面が張られていた、平面部分の面が抜けてしまいます。

平面部分のポリラインを新たに選択して、[穴をふさぐ]を実行しようとしても
コマンドはアクティブにならず、実行できないでしょう。

このケースでは、稜線の方線ベクトル(方線方向)を定義できない場合は面を張
るのを拒否するというのが法則といえます。もうすこし平たく言えば、すでに
その稜線を共有する面が2つある場合はその稜線をさらに共有するような面は設
定できない。ということです。

さっきの例では、びっくり箱に見立てて、立方体の上面のポリゴンを選択して
[穴をあける]を実行すると、今度は上に突き出した平面部分を[穴をふさぐ]を
実行できるようになります。

さて、続きは次週かな?

【プロフィール】
うえだ・かずひろ
90年頃から3DCGに手を染める。RayDreamはVer.1からのユーザー
幽霊ツールと悪魔払いツールが懐かしい…(注)
StepByStepにRayDreamの記事を連載中。
RayDreamの解説本も出版予定です。

(注) 一時的にオブジェクトを隠すツールの日本語訳、当時はフォーカルポイ
ントコンピューター(株)が扱っていました。現在はフォーチュンヒル(株)が
扱っています。

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●KNN神田の緊急レポート

「緊急レポート!これが!マクロメディアだ!」

~ベクターデータが切り開く未来のコミュニケーション~

連日、アメリカ、ベンチャー企業の成長の謎を解きあかすための、インター
ネットデジタル猿岩石ツアーを行っています。現地のモーテルから翌々日のア
ポイントメントはインターネットや電子メールで決めていくというデジタルな
猿岩石なのですが、本日はマクロメディアKKの方々および、この日刊・デジタ
ルクリエイターズ編集長の立場を利用し(^_^)、マクロメディア社を訪問しま
した。

【マクロメディア社は数々の合併・買収を続け現在の企業体となった】

マクロマインド社の創設者マーク・キャンターは「サウンドビジョン」を1985
年に発表し高い評価を得ました。そのバージョンアップが「ビデオワークス」
となり、アニメーションソフトとしての名声を築き、次のバージョンアップ
「マクロマインド・ディレクター」では、オーサリングソフトウェアとしての
不動の地位を早くから築きます。

1991年マクロマインド社は、3Dソフトウェア「Swivel 3D」を制作するパラコン
プ社と合併し、3Dソフトの製品を手に入れ、新会社マクロマインドパラコンプ
社となり、さらに米国ミネソタ州トレーニング分野のオーサリングソフト開発
をおこなっていたオーサウェア社と合併したことによって1992年にマクロメ
ディア社が誕生しました。これらによってオーサリングソフトウェアのノウハ
ウはどこにも負けないものとなり、翌年1993年店頭公開(NASDAQ IPO)を果たし
ます。

1995年にはグラフィックソフト「FreeHand」を開発していた Altsys社、DTPソ
フト「xRes」の開発元 Fauve Software社、さらにサウンドツール「DECK 2」の
開発元OSC 社。1996年iband(Backstage開発会社)、1997年1月 FutureWave
(FutureSplashAnimator-後のFlash-開発会社)と、意欲的にこれらの企業を吸
収したことによって、マクロメディア社はクリエイターにとって、360度取り囲
んだ総合ソフトウェアメーカーとして位置づけられました。「Director」
「FreeHand」という看板商品からすでに「Flash」「FireWorks」と新しい事業
の柱が次々と登場してきています。

【企業名】マクロメディア社(Maacromedia)
【設立】1988年
【地域】サンフランシスコ
【業種】ソフトウェア開発
【代表者】(Robert K. Burgess)
【売上】1億740万ドル
【成長率】108%
【従業員数】455人
【アドレス】600 Townsend St. San Francisco, CA 94103
【電話】415-252-2000
【FAX】415-626-0554
【URL】 http://www.macromedia.com
※参照:アメリカ証券取引委員会データベース「EDGAR」

【マルチメディアゴウチのマクロメディア社訪問】

マクロメディア社は、サンフランシスコのマーケットストリート(Market
Streat)の南側のベイエリアという、夜はちょっとやっかい(^_^)な場所にヘッ
ドクオーターを構えます。この地域は、サンノゼのシリコンバレー(峡谷)、
ニューヨークのシリコンアレー(小道)と同様に、マルチメディアのゴウチ
(谷間)ということで、「マルチメディア・ゴウチ」と呼ばれています。マク
ロメディアのある600タウンゼント周辺には、様々なクリエイターやツール開発
会社が集まり、マルチメディアビジネスのホットなスポットとなっています。

エントランスでは、さっそくお客さん用の飲み物セットがセルフサービスでお
いてあります。受付で名前を書いてといわれ、名前を書くと、すぐさまビジ
ターのシールに名前が記入されプリントアウトされて手渡されます。訪問者
データベースに残されるのでしょうか?エントランスでは、製品パッケージと
並んでインターネットに接続されたディスプレイが用意され http://
www.macromedia.com/ のページが開かれています。WWWページがそのまま製品案
内のインフォメーションキオスクとなっているのです。これは、日本の企業も
WWWを作っただけではなく、訪問者向けのプレゼンテーションにぜひ、活用した
いですね。

1993年に訪問した時にはマクロメディア社は3Fのワンフロアだけでしたが、今
回の訪問では、2Fにまで増床されていました。すでに社員は、ここだけで400
名を超えているそうです。今回、ボクたちを、迎えてくれた人は、グラフィッ
クプロダクトのディレクター、トム・ヘール(Tom Hale)さんです。マクロメ
ディアのグラフィック製品すべてに責任を持つ重要なキーマンです。日本での
「マクロメディアカンファレンス」でお会いになった事がある人も多かったと
思います。とてもフレンドリーな彼は、社内をグルグル案内してくれました。

【ワークスペースは、個人ブースが常識】

日本の企業との大きな違いは、各々の机がパーティションに仕切られたブース
の形になっている点でしょう。官庁やお役所、大企業等でよく見られるような、
机が集まって島を構成するようなものではなく、すべてがパーティションで仕
切られた個室の形態になっています。お互いの顔は当然、見えません。イント
ラネットで結ばれ、電子メールを駆使できなければ、コミュニケーションは成
立しないことでしょう。日本流の頑張って仕事しているポーズもここでは通用
しません(^_^)、だって見えないんですから…。アメリカの企業は結果オンリ
ーで、プロセスはどうやら関係ないようです。ブースの中で時間をどのように
使おうが自由です。結果がだせればいいのです。

マクロメディア社のブースをひとつづつ写真にとっても面白いです。マンガだ
らけ、怪獣だらけ、落書きだらけ、ポスターだらけ、ギターに、写真に、日本
の会社では、きっと怒られそうなブースもありました(^_^)。ちなみにトムの
ブースでは同時にコンピュータが4台も動いています。

各ブースには必ず、デスクトップマシンが中央にドーンとおかれ、時々、ノー
トブックやパームパイロットが横に鎮座していました。この環境はうらやまし
い限りです。日本のようにノートブックを置いて資料を置いたらもうおしまい
というのとは訳が違います。本当のデスクトップ上でのバッファーの量が違う
のです。

マクロメディア社の回廊は、はまるでデジタル美術館さながら、マクロメディ
ア製品を使用して描かれた作品が回廊の壁をギャラリーにしています。赤やら
緑やらコントラストの豊かな通路を歩いているだけで、気分はウキウキしてき
ます。2Fにおりる階段の横に何やら大きなモニュメントがあります。それは、
滑り台でした。さっそくトライしますが、けっこうなスピードで2Fにおりるこ
とができます。飾りではなく実用に使用できそうです(^_^)。

【インタビュー「ベクターデータが切り開く未来のコミュニケーション」】

2Fのフロアーは開発者のためのスペースです。トムが口にひとさし指を当てて、
「静かに…」と目で合図をします。通路は、ビリヤード台や、ホッケーのゴー
ルなどと、ちょっと前のアップル社のようなところを通り抜けます。ふと、通
路のカベに目をやると、codeと書かれたビラが張られており、その数字が、日
を重ねることに減っていきます。トムが「これは、ショックウエーブのコード
がどれだけ軽くなったかをあらわすパネルなんだ。毎月、これだけ軽くなって、
スピードが上がり、よりパワフルになるんだよ」と解説してくれました。アメ
リカの企業では、よくこのように具体的な数字や目標をカベに張り出しみんな
にアピールしていますよね。

開発者のブースは非常にユニークです。いろんなグッズに取り囲まれています。
トムが一人の男性を紹介してくれました。「彼が、Flashのプロダクトマネー
ジャーのベン・ディロン(Ben Dillon)だよ」。ベンさんは、受話器を片手に持っ
たまま、ミニインタビューに答えてくれます(とても忙しそう!)。すかさず
ビデオを回ります。インタビュー中も彼のデスクの電話はなりっぱなしです。
ひえ~。

「Flash3.0の出荷おめでとうございます。Flash3の特徴は?…」とどこの出版
社でも聞きそうなジャブの後、「Flash4はどうなるの?」と聞くと、「…Flash
の可能性はベクターデータの可能性だと思う。より軽くて、スピーディーで、
さらにプラットフォームがますますと変化するだろう。それに応じた新しい展
開が自由に考えられるんだ。また、知っていると思うけど、Netscapeがブラウ
ザでFlashデータを採用したから、プラグインなしで利用できるし、IEに関し
てもアクティブXでサポートするように話をすすめているんだ。まさにブラウ
ザがあれば誰もが利用できる環境が整備されてきたよ。それらの環境すべてを
見渡しながら、次に何が必要かを見極めてアドオンしていきたいんだ」と語っ
てくれました。

今後のマクロメディアの戦略は? と今度はトムに質問すると「ベンが言うよ
うに、ベクターデータによるコミュニケーションはますます加速度的に成長す
るだろう。今はまだコンピュータだけかもしれないが、こんなページャー(ポ
ケットベル)にもベクターデータだったら搭載が可能なんだ。携帯電話でも、
カーナビゲーションでも、軽くて、インタラクティブなシステムは、どこに
だって持っていくことができる。この時計にだってプットインすることができ
るよ(^_^)。また、フラッシュジェネレターのようにサーバとの双方向のコミュ
ニケーションがさらなる可能性を生むことになるでしょう。

実際に日々変わるテキストデータが瞬時にサーバーに繁栄されることによって、
マクロメディアのサイトからも天気予報や株価情報がフラッシュジェネレーター
により提供しています。これを見てインスパイアされた連中が世界中からこん
な事をやってみたいとメールでエールが我々にいつも送られてきます。それに
対して我々はツールと環境を提供するために日夜努力しているんです。
FireWorksのような、以前では考えられないような置き換えワザが使えるように
なったから、制作スピードはますますアップするし、突然の変更にもリアルタ
イムに変更ができる。クリエイターの声をいつも集め、その問題を解決する製
品を作ることが我々のミッションなんだよ。ビデオ関連ツールに関してもアッ
プルに里子に出した事によって非常に大きく成長すると思うよ」。

このインタビューの間にも、トムのページャーはいつもブリンクしっぱなしで
した。火をふくような忙しさの中インタビューに応じてくれ、ツアーリーダー
もかねてくれたトムありがとうございました。インタビューを終えた後、マク
ロメディアの会社を出ると、車のすぐ隣までおまわりさんが…。あやうくの駐
車禁止を間逃れて、次の訪問企業へ向かいました。その後、私たちの車がなく
なるという事件(?)にまきこまれます…。いったい何があるかわからない、
インターネットデジタル猿岩石ツアーです。トホホ…。

世界初!日刊海外ビデオストリーミングレポート
「インターネットデジタル猿岩石ツアー」
http://www.gabby.net/expo/us-venture98/

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■本日のニュース

●リムーバブルメディア今昔/ ヤノ電器レインボーカラーMO

ヤノ電器より新しく発売されたレインボーカラーのMO7枚組セットが、サンプル
として届けられた。レインボーカラーと言っても6色。そう6色のレインボーカ
ラーと言えばMacintosh。
ウインドウズのことはよくわからないが、Macintoshでのリムーバブルメディア
のスタンダードといえば、やっぱりMOなんだろう。それはDTPと深く関連してい
るように思う。

DTPでは大容量のデータを扱うのは常識になっている。ひとつの仕事でギガ単位
のデータを移動することは珍しい事ではない。DTPの黎明期には出力に際してそ
れほどの大容量データを取り扱うことは稀だった。なぜならばフルカラーDTPと
いうもの自体がまだまだ未完成であったからである。

それがイメージセッタとRIPの処理スピードが上がり、レイアウトソフトのカ
ラー対応が強化され、スキャナの精度が上がり、Adobe Photoshopが1から2に
バージョンアップされた頃、そろそろ100MBを越える仕事が動き始めた。
(System 7+GOM Talkの頃)

ボク個人はそれまでの間、サービスビューローへの入稿は30%がフロッピーディ
スク、70%が44MBのリムーバブルハードディスクだった。リムーバブルHDとは取
り外し型のハードディスク。HDだけあって高速なのはいいが、ランニングコス
トが高い。44MBで1.5万円くらいしていた。そこに登場したのが128MBのMOディ
スク。ハードウエアも従来の2インチMOに比べて手の届く範囲だったし、なんと
いってもメディアが安かった。そろそろ印刷業界が重い腰を上げてDTPに取り組
みはじめた頃だった。DTPの普及とMOは密接な関係があるのではないだろうか。

ネットワークにしても、当時はMacintoshはApple Talkがメインで、社内のマシ
ンをイーサネットに変えるならば、全員にMOドライブを装備する方がコスト的
に割安だったのではないだろうか?

たった4~5年で随分、クリエイターの環境って変わるものなのだなぁ…とレイ
ンボーカラーのMOを見てそう思った。この10年で貯まりに貯まったデータをレ
インボーカラーMOで色分け分類するのもいいかもしれない。(森川)

**ヤノ電器のMOはホームページでも販売している。興味のある人は以下のアド
レスへ。
http://www.yano-el.co.jp/

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●主要サイト情報

Apple
~~~~~
7/8-10、NYで開かれるMacworld '98の開催概要を掲載。7/8の
“AppleMasters on Apple”では、様々な分野からの著名人をフィーチャーし、
デモが行われる。
http://www.apple.com/pr/library/1998/jul/1mwny.html

Microsoft
~~~~~~~~~
世界最大の消費者グッズ会社の一つであるUnilever PLC、自社のオンライン広
告/マーケティングの主要手段としてMicrosoft Network of Online Services
を選択。
http://www.microsoft.com/presspass/press/1998/Jul98/unilevpr.htm

Microsoft、Baseball 3DとGolf 98を発売。Windows 95/98対応で、どちらも
54.95ドル。
http://www.microsoft.com/presspass/press/1998/Jul98/BBGlfpr.htm

マイクロソフトと日立がWindows CEに関する戦略的提携を発表した米国記事
(7/1)の訳文。
http://www.microsoft.com/japan/info/releases/0701hitach.htm

SQL Server 7.0のベンチマーク結果を公表。
http://www.microsoft.com/japan/bkoffice/ntsql/sql70bench1.htm

Project 98 関連書籍情報追加。
http://www.microsoft.com/japan/office/project/

Netscape
~~~~~~~~
Oakley社、Netscape Application Serverを使い、新たなオンラインストア
O-Storeを展開。顧客はOakley社の最新製品をオンラインで見て購入可能に。
http://home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease641.html

Silicon Graphics
~~~~~~~~~~~~~~~~
米シリコングラフィックス社 Origin cc-NUMAサーバ、ネットワークファイル
サーバ・ベンチマークテストで世界最高値を達成。
http://www.sgi.co.jp/Headlines/1998/Jul/nfs.html

米シリコングラフィックス社 Origin cc-NUMAサーバ、100GBのオラクル・デー
タベース・ベンチマークテストで業界最高値を達成。
http://www.sgi.co.jp/Headlines/1998/Jul/tpc-d.html

PDF版製品カタログに、OCTANEプロダクトガイドを追加。
http://www.sgi.co.jp/products/pdf.html

Sun Microsystems
~~~~~~~~~~~~~~~~
Sun、NetDynamics社買収を発表。新たなソフトウェアの提供で、企業における
Javaプラットフォーム採用を促進。
http://www.sun.com/smi/Press/sunflash/9807/sunflash.980701.1.html

Adobe
~~~~~
最新版「Adobe PSプリンタドライバ」配付開始。ポストスクリプト出力装置を
持っている場合は、 http://www.adobe.co.jp/support/custsupport/download.html
からダウンロード可能。
http://www.adobe.co.jp/whatsnew/index.html

「Business Solutions」コーナー新設。今、
http://www.adobe.co.jp/solutions/material.html でアンケートに答えると
先着1万名に事例紹介ビデオ「Adobe Publising Solution」を進呈中。
http://www.adobe.co.jp/whatsnew/index.html

嶋田美香

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■イベント・情報
 今見られるイベント・アート・セミナースケジュール
http://www.towers-inc.com/mag/daily/event.html
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●吉井 宏個展「50キャラクターズ+α」
http://www.kt.rim.or.jp/~pinpoint/yoshii.html

ペイントソフトPainterを駆使するイラストレーター、吉井宏さん
<http://www.yoshii.com/>の5年半ぶりの個展。
米国ARTVILLE社のCD-ROMのための、動物・フルーツ・乗物などいろいろな物を
擬人化したキャラクターイラスト50点に、プラスして最近の作品十数点も展示。

◎会期:7/13(月)-7/18(土) 11:00~19:00 (土は17:00まで)
◎会場:ピンポイントギャラリー
    107 港区南青山5-10-1フタバビルB1
    TEL03-3409-8268 FAX03-3498-5978
    地下鉄表参道駅B1出口(スパイラルホール前)を出て
    そのまままっすぐ50m、青山5丁目の交差点、青山学院側の角、
    骨董通り入り口の二葉ビル地下1階。
    

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●スタジオ・ドゥンバー展
http://www.dnp.co.jp/jis/gallery/ddd/dnext/dnext.html
http://www.dnp.co.jp/jis/gallery/ddd/dvi/dvi.html

オランダの先鋭的デザイン・スタジオ、スタジオ・ドゥンバーによる「スタジ
オ・ドゥンバー展‘Behind the Seen’」を開催します。
スタジオ・ドゥンバーは1977年にヘルト・ドゥンバー氏により設立されて以来、
オランダ鉄道、オランダ郵政公社など公的機関のほか、国内外の文化団体や大
手企業の仕事を手がけてきました。デザインの可能性を探求しつづける同スタ
ジオの作品は、常に人々に驚きとユーモアを与えます。
なお初日にはスタジオからミッシェル・デ・ブーア氏を迎えギャラリートーク
を行います。

◎ギャラリートーク
講師:ミッシェル・デ・ブーア
7月3日(金)午後4:00~5:30まで
堂島アクシスビル10F会議室にて開催予定

場所:DDDギャラリー 堂島アクシスビル1F
期間:998年7月3日(金)~7月30日(木)
時間:10:00AM~6:00PM
休館:土・日曜日・祝祭日
入場:無料
交通:○地下鉄/四ツ橋線「西梅田」駅から南へ歩いて10分、
「肥後橋」駅から北へ歩いて7分
   ○JR/「大阪」駅から南へ歩いて15分

問い合わせ:DDDギャラリー 矢野/Tel. 06-347-8790

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●LightWave3D編/「ポリゴンの細分化・応用編」

「ポリゴンの細分化→Metaform」による細分化は非常に便利でModelerのモデリ
ング手法としては有名ですので是非ご利用ください。

たとえば「顔」をモデリングする際、球体からの変形で作られる方も多いと思
いますが、LightWave3Dではボックス形状からMetaformによる細分化で球状化さ
せたオブジェクトを使った方が便利に思えます。

球体は極部分(上下のポリゴンの収束する箇所)が3角ポリゴンで形成されて
おり、メタナーブス化をすると「しわ」が発生します。顔のモデリングのよう
に球状が「まん丸」である必要がなければ、ボックス形状をメタフォーム化さ
せた「饅頭のような球状」からの加工であれば4角ポリゴンを維持させたまま
モデリングを進めることが出来、後行程でも効率よく作業が出来るのです。
(メタナーブスとも相性がいいです)

コツをつかめば少ないポリゴン数でいろいろな形状を作ることが可能ですので、
私は90%以上のモデリングをこの方法から作りはじめています。
★★★
松岡アキラ(ディジタルクリエーター)

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●神田敏晶は、やはりただ者ではなかった。パート2
http://www.knn.com/

56号でもお伝えした
http://www.towers-inc.com/mag/daily/9806/16.html#8
当日刊デジクリの神田編集長が、またまた特ダネ体質を発揮。

フランスの有名新聞社ル・モンド誌や
http://www.lemonde.fr/mondial98/reports/toshi/index.html
NHKに出るだけでは済まないのかーーー!!

今度はブラジルのサイトにも掲載されている。
http://www2.uol.com.br/placar/copa/dahora/2906_01.html
どなたか訳してください。お願いします。
あれだけ沢山の日本人がフランス入りしながら、何故彼だけが取り上げられる
のか。面白いネタ待ってます、神田編集長。

7/4(土)には、帰国ライブ報告会があります。生の神田氏に接するチャンス!
http://www.towers-inc.com/mag/daily/9807/02.html#4 (濱村)

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0071 1998/07/03発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

情報提供はこちらまで 
           担当:濱村和恵
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※リアルタイム編集後記「編集長はつらいよ」はこちら↓
http://www.towers-inc.com/square/editor/visit.shtml
※討論・激論・あったか感想・なんでもありの「日刊デジクリBBS」↓
http://www.towers-inc.com/cgi-bin/towers-inc/daily/dailybbs.cgi
※バックナンバーはこちらから手繰ってくださいね↓
http://www.towers-inc.com/mag/daily/
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許可無く転載することを禁じます。
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