[0145] 21世紀の本は空から降ってくる???

投稿:  著者:  読了時間:18分(本文:約8,500文字)



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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0145 1998/10/06発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
情報提供・投稿はこちらまで mailto:hamamura@dgcr.com
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●「21世紀の本は空から降ってくる???」
 火曜日担当:柴田忠男

●Mr. MOTOSHIMAへ何でも聞いちゃえ!!
 ◎DVDについて(続き)

●主要サイト情報
 Microsoft/ Silicon Graphics/ W3C

●本日キャッチしたコンピュータニュース関連

●展覧会案内
 ◎第5回 dTN(d'Box Tech Night !!



「21世紀の本は空から降ってくる???」
火曜日担当:柴田忠男
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世の中の景気が悪くても、出版社だけは大丈夫、本は好不況に関係ないといわ
れていた幸せな時代が、かつてあった。現在は、他の産業とおつきあいして絶
不調である。売れないのは固い専門書ばかりではない。新刊書もすぐに書店か
ら消える。過去の名作や文庫本が入手困難である。

加えて、紙は今後も無限にあるのかという問題も切実である。よく例に出され
るのが、中国で本格的に紙を使い始めたら(書物だけでなく生理用品など紙製
品全般)またたく間に世界中の紙が払底するという話。だから中国は、オンラ
インのパブリシングを切実に研究しているのだといわれている。

これから先も紙の印刷物はなくならないが、それは非常に贅沢なことになり、
多くの出版物は電子的なものになる可能性が高いことを、本気で考える必要が
ある。

オンラインパブリシングにすれば物的資源を消費しない。在庫は不要で品切れ
もない。世界中どこからでも入手が可能だ。保管スペースのことも無視できる。
流通のコストを削減できるので、紙の出版よりも安価でできる。修正や加筆が
発生しても部分的な差し替えで対応でき、必要なページのみの印刷も可能だ。
トいわれている。

「21世紀の本は空から降ってくる」というとずいぶん危険な光景だが、これは
通信衛星を使った電子書籍の開発プロジェクト「ブック・オン・デマンド」構
想のキャッチフレーズである。

7月2日に出版社向けの説明会が開かれ、9 月10日に設立準備説明会が開かれ、
10月2 日に「電子書籍コンソーシアム」の設立総会が開かれ、トなかなか迅速
なスタートである(お金のにおいのする所には人が集まるのだ)約130 社が結
集とか。

参加出版社は代表を擁するオーム社をはじめ、小学館、講談社、文芸春秋社、
角川書店、中央公論社、主婦の友社、日本放送出版協会、旺文社、日経BP社、
日本交通公社、出版ニュース社など。ハードメーカーではなく出版社が主導と
いうところが特徴である。出版社、通信、家電メーカー、書店、コンビニなど
による共同プロジェクトなのである。

今後2年かけて100億円規模の実験が行なわれる予定で、通産省もバックアップ
する。配信システムの実験は来年5 月、本格的な実験は10月からとなる。実験
では、約3万台の端末と1万5000点の書籍が電子書籍になるという。
このブック・オン・デマンド構想とは、衛星を利用して、携帯型の液晶端末に
電子書籍を配信する仕組みである。衛星からの情報は書店やコンビニに設置さ
れた約3000箇所の情報端末「情報キオスク」に受信する。
ユーザーは、情報端末から読みたい書籍を有料でダウンロードして高密度MDに
取り込み、手元の専用端末で読む。端末は単行本くらいの大きさで、開くと新
書判の大きさのモノクロ画面が現れる。簡単な操作でページをめくり、あたか
も実際の本を開いているかのように読書できる、らしい。

端末画面は文庫本のルビまではっきり見える高精細な液晶で、解像度は180dpi
以上ある。バッテリーの駆動時間は10時間。ハードメーカー数社が試作に成功
している。衛星を使用するのは通信速度が速いからだ。衛星を使って配信する
実験はすでに2回行なわれ、200ページの文庫が約30秒で送信できたという。

電子書籍のデータは、当面は画像として取り込むよ。一度書籍として刊行され
たものの再利用で、これならテキスト化などのコストも削減される。一気に多
くのタイトルを揃えるにはこの方法がいいのだろう。また、電子出版の経験や
資本力のない出版社でも過去の資産を生かすことが出来るわけだ(しかし、画
像では書籍のデジタル化のメリットは多くない)。参加するためには設立総会
までに申し込むと50万円、それ以降は80万円かかる。

現状では液晶携帯端末が5万円前後ということだが、メーカー各社が競争して高
機能で安価なものが出てくる可能性はある。いずれ、カラー化され、大型のマ
ガジン対応型も出てくるだろう。電子書籍の価格は、紙代や印刷、在庫、流通
のコストがかからないから、紙の本の半分程度になるだろうとのことだが、
ユーザーに受け入れられるかは端末の値段と使い勝手にかかってくる。

ユーザーが画面で読書するのも苦ではないようになれば、こういう構想も受け
入れられるだろうが、そうはいくものかという気もする。久しぶりの夢のある
話だが(とくに情報キオスクのシステムや端末を作るハードメーカーなどには)、
果して美味しい果実は誰のものになるのだろうか。

■電子書籍コンソーシアム発足のニュースは、本日(10/6)の「ZDNet」
「ASCII24」にも記事がある。
電子書籍コンソーシアムのホームページはまだない。連絡先は
mailto:wwwmaster@jepa.or.jp

●しばたただお 画面で読書する習慣はまだないが、画面で文章を書いたり推
敲したりする習慣はついた。おかげで、画面に向かわないと何も考えられなく
なった。紙と鉛筆ではなにも頭に浮かばない。かつては新幹線の中が、アイデ
アわき出る黄金の時間であったが、このごろは眠っているか本を読んでいる。

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■Mr. MOTOSHIMAへ何でも聞いちゃえ!!
「DVDについて(続き)」
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Mr. MOTOSHIMAによる技術解説コーナーです。ご質問をどんどん受付します。
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本島です。

先週は夏休みをいただいており、ちょっと時間が経ちましたので簡単に前回の
おさらいをしておきます。
Windowsであれ Macintoshであれ、ひとくちに DVDのサポートといっても3段階
のレベルがあります。

もっとも単純なのがFDやCD-ROMと同じようにパソコンで中身が見れるという
状態。Windows98の載ったマシンにDVDドライブをつないだだけの状態はこれに
あたります。このままでは単なる大きなCD-ROMにすぎません。

次にDVD Playerのエミュレーションができる場合。普通DVD搭載マシンというと、
この状態のマシンを指すことが多いようです。家庭用のDVD Player用に作られ
た映画などのタイトル(DVD Videoといいます)をパソコン上で見れるようになっ
ているわけです。ドライブの他に専用の DVDデコーダカードと再生ソフトが必
要になります。Windows98 にはこの再生ソフトは付属していますが、DVDデコー
ダカードは別に必要ですのでご注意を。

最後にDVDの機能を使ったソフトウェアを作成することができる場合。せっかく
パソコンがDVDの機能を持つわけですから、パソコン側からDVDのコンテンツが
自由にコントロールできることが望まれます。単なるエミュレータではなく、
パソコンのもつネットワークなどの能力と絡めて面白いコンテンツ作りができ
なければパソコンがDVDをサポートする価値も半減というものです。

ここまでが前回のお話でした。今回はDVDのもつ問題点に触れます。

DVDは主にビデオテープやCDの代替手段として考えられてきました。高い画質と
簡単なメニュー機構を備えた企画があれば十分だという判断でしょう。
確かに映画や音楽CDというコンテンツであれば十分な規格だとは思うのですが、
少し複雑な動作を行わせようとするとすぐに問題点にぶつかるのも事実です。

例をあげましょう。
ムービー中のワンシーンで部屋の中で2つのドアがある場合を考えてください。
DVDではここでメニューを出して見ている人がどちらのドアに行きたいか選べる
ようにできます。俗にいう、インタラクティブムービーというわけです。
左のドアにはカギがかかっていて入れません。右のドアを開けるとカギが手に
入るといった具合です。まず右のドアを開けてカギを手に入れると部屋の中に
戻ってくるわけです。今度は左のドアから別の部屋に行けることでしょう。

さて、ここでひとつの問題にぶつかります。
カギを取って部屋に戻った時点でリモコンの[メニュー]ボタンを押したら持っ
ていたカギはどうなるのでしょう。メニューから再び部屋のシーンを選んだ場
合は?

これぐらいの簡単な場合ならメニューやシーンの作り方でいくらでも回避でき
そうですが、もっと複雑にしようとするととたんに問題が出てきます。

その問題とはもちろん、各プレーヤーごとに動きが違ってくるということです。
重ねて言っておきますが、これはパソコン上の話ではなく、家庭用プレーヤー
の中でも動作が違うものがあるということです。しかもそれは実装のバグとい
うわけではなく、規格の解釈上の問題、つまり規格の曖昧さに起因しているわ
けです。自然と、DVDプレイヤーの規格の中でできる動きの複雑さには制限が
出てきてしまいます。CD-ROMのようなインタラクティブ性の高いコンテンツは
単なるDVDプレーヤーでは無理ということになります。

そこで前回のサポートの程度の話に戻ってくるわけです。
パソコンでDVDの機能をサポートしているのであれば、この複雑な動作の部分は
プログラムにやらせてしまえばいいわけです。CD-ROMと同じ感覚の作り方で、
QuickTimeムービーの代わりに高画質で機能性の高い(字幕や吹き替えの制御は
もちろん、マルチアングルなども使える)、DVDムービーを利用してあげるだけ
になります。

じゃあ、なぜそんなDVDタイトルが出てこないのでしょう?
DVDというと単純な映画しかないのでしょう?

それはDVDをコントロールするパソコン側の規格がなかったからです。 DVDを
コントロールするための方法がコンテンツ製作者に提供されてなかったのです。
MicrosoftとAppleは自分たちのマルチメディアの枠組みでDVDを処理しようとし
ていました。MicrosoftはDirectShowをDVDからストリーミングビデオまで扱え
る規格として再構築し、Appleは(おそらく)QuickTimeという枠組みの中で処理
しようとしたわけです。両方とも現時点ではうまく進んでいるとは言えません。
DirectShowはWindows98に搭載されましたが、DVDのハードウェアメーカーを出
しているメーカーが専用のドライバを作るのに手間取っています(東芝ほか数社
はすでに提供)。QuickTimeは今年の夏を目標にDVDのサポートを計画していた
ようですが開発が非常に遅れているといわれています。

楽観的に見れば、徐々にDirectShow対応のDVDシステムも増えてきましたし、
Appleは自社でハードも作ってますから、QuickTimeさえ完成すればサポートの
実現は早いかもしれません。オーサリングツールのほうも DirectShow対応の
システム(つまりWindows用)のコンテンツをMacromedia Directorで作れるよう
になるのもそう遠いことではないはずです。
(現状ではC言語などでプログラミングを行う必要があります)
もちろん、QuickTimeのできによってはハイブリッドということも可能性はある
ことでしょう。

この一連の変化は今年の年末から来年の春にかけて起きることが予想されます。
ぜひDVDのオーサリングに興味を持たれている方はこれから半年のDVD関連の
ニュースに注目していてください。

# さいごに、ちょっと宣伝ですが、10月26日(月)に六本木ラフォーレにて
Microsoft社、Macromedia社やApple社も参加してDVDオーサリングに関する
セミナーの予定があります。興味のある方はぜひ、ご参加いただければと思い
ます。この3社がいっしょに参加するセミナーというのも珍しいでしょ。(^^ゞ

Masayuki Motoshima
Microsoft Japan
Multimedia Evangelist

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■主要サイト情報
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Microsoft/ Macromedia
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▽Microsoft
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Exchange 開発系新コース追加
http://www.asia.microsoft.com/japan/partners/mtc/msu/

▽Macromedia
~~~~~~~~~~~~
リンダ・ワインマン氏と米マクロメディアが、トレーニング関して協力関係を
築くことを発表
http://www.macromedia.com/macromedia/proom/pr/1998/weinman.html

【▼担当 Hironori DOI】 mailto:h-doi@pop13.odn.ne.jp
http://www1.odn.ne.jp/happy/
ZDNetにインターネット・デベロッパ向けの「DevHead」がオープンしました。
Netscapeの「DevEdge」の向こうをはるサイトに仕上がっています。各種チュー
トリアルも充実していますし、なにより構成がわかりやすいです。ぜひチェッ
クしてみてください。
http://chkpt.zdnet.com/chkpt/zdnu98100405/www.zdnet.com/devhead

【▽担当 山口 壮/ えむ】 mailto:PXX06120@nifty.ne.jp
http://member.nifty.ne.jp/yamaguchi/
今月17日に発売が予定されているMac OS8.5(英語版。日本語版については未
発表)ですが、なんとQuickTime Proが添付されるそうです。29.95ドル払って
アップグレードした人はどうなるんでしょうねぇ。

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■本日キャッチしたコンピュータニュース関連
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ソフト関連
~~~~~~~~~~
●Mac用 ARENA Internet Mailer 1.0 FC4
http://www.reis.co.jp/arena/
*メーラ。ベータ版なので注意が必要。

●Mac用 Geneva2Osaka 0.95b3
http://hp.vector.co.jp/authors/VA010318/soft/g2o.html
*英語版ソフトなどで日本語の文字化けを防ぐ。ベータ版なので注意が必要。

●Mac用 Graphics Innoculator 1.2
http://www.laffeycomputer.com/software.html
*Graphics Acceleratorウイルス除去

●Mac用 PPP 接続 ver1.03
http://hp.vector.co.jp/authors/VA001080/Program/index.html
*PPP 接続解除や設定を行うコントロールバー

●Win用 FTP Exchange Ver2.23
http://www.toyota.ne.jp/~kawauso/web/
*ホームページ更新用FTP-Client

●Win用 家計簿,出納簿ひかる Ver7.50
http://www.kensoft.co.jp/share/
*家計簿

●Mac/Win用 キヤノン、NetSpot3.30J
http://www.canon-sales.co.jp/Download/netspot/down-ns.html

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■展覧会案内
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第5回 dTN(d'Box Tech Night !!)
http://www.ten6.com/
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ten6/d'Box がお届けする、話題のテクニカルセミナーです。

【テーマ】「そしてネットは空気のように... Part II」
【と き】10月7日(水)19:00~20:30
【ところ】ten6/d'Box(てんろく・でぃーぼっくす)
 地下鉄天神橋筋六丁目駅の真上
 531-0041 大阪市北区天神橋7-1-10 天六阪急ビル5F
 http://www.ten6.com/map.html
 電 話 06-242-0194
 FAX 06-242-0196

【内 容】
 ●前回のまとめ「無線LANの○と×」
 ●ケーブル敷設が困難な場所こそ真価を発揮
 ●こんな意外な利用例
 ●無線LANで地域限定プロバイダをしませんか?
 ●赤外線タイプのからくり

[デモンストレーション]
 1km以上離れた d'Box と阪急電鉄本社(茶屋町)での
 ビル間接続パフォーマンス!!
 果たしてうまく繋がるか?乞うご期待!!

【プレゼンタ】
 味村 氏(ネットナビ)
 http://www.hankyu.co.jp/netnavi/

【参加費】
 無料です!

【定 員】
 30名

【お申し込み】
 http://www.ten6.com/reg
 の申し込みフォームをご利用ください。先着順です!

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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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