[0169] JIS拡張漢字の公開レビューに参加を!

投稿:  著者:



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0169 1998/11/03発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
情報提供・投稿はこちらまで mailto:zacke@ppp.bekkoame.or.jp
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.htm
広告の御相談はこちらまで   mailto:sales@dgcr.com
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

---PR-----------------------------------------------------------------
○○○○○○ デジタルクリエイターズ広告募集開始! ○○○○○○○○○
○○○○○○  このスペースに広告をだしませんか? ○○○○○○○○○
○○○○○○   35文字×5行で2万円です。    ○○○○○○○○○
○○○○○○ sales@dgcr.comまで お申し込みください。○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
------------------------------------------------------PR--------------

●「JIS拡張漢字の公開レビューに参加を! 11月6日から開始」
 火曜日担当:小池和夫----柴田忠男の代打

●連載 ユーザーのナマの声を聞く
「G3カードは買いか?」2

●コンテスト情報
「第3回デジタルアートコンテスト受付開始迫る」



「JIS拡張漢字の公開レビューに参加を! 11月6日から開始」
火曜日担当:小池和夫----柴田忠男の代打
----------------------------------------------------------------------
JIS拡張漢字(7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化拡張漢字集合)
の公開レビューが11月6日から始まる。
「JIS漢字では文字が足りない」と誰かが言う。そのこと自体は間違いではない。
しかし、「実際にどの字がないのか」という議論の伴わない場合には「批判の
ための批判」「議論のための議論」に陥ってしまう。

一字一字の文字の具体的検討をすることなく、いきなり数万字の文字セットを
持ち出す議論や、その内容を見ないまま「外国企業の陰謀説」をわめきたてる
論者などは、端から無視してしかるべきだろうが、そうした悪質なデマがマス
コミを通じて喧伝され文字コード問題を分かりにくくさせていることは事実だ。

現在、文字コードの問題点として挙がっているものを整理すれば、
・実装上の混乱
・文字種の不足
・包摂規準の妥当性
ということになる。

まず、JISが規定していなかった記号類(丸付き数字や単位記号)を各メーカー
が独自に実装してしまっているために起きている混乱がある。さらに、83年の
規格改訂で規格票の字形を変更したり、コード位置を入れ替えたりしたことを
原因とする実装上の混乱もある。現在でも「鴎・鴎」などを例に挙げて語られ
ることが多い。

次に、確かに不足している文字種はかなりある。実装上の混乱にしても、文字
種の追加によって解決できるものもあり、十分な追加を行えば文字コードへの
不満はほとんど解消することになろう。しかし、ここで注意しなければならな
いのが三番目の問題である。

「包摂」という用語については多くの誤解がある。ひとことで言えば「同じ字
を同じ字だとする取り決め」だ。小学校の国語教育で「手偏の縦画ははねるが、
木偏の縦画ははねない」などといった些末な(しかも誤った)字体認識を教え
込まれれば、漢字に対する感覚は歪められてしまう。

手書きの原稿で、しんにょうの点を書き落としていたからといって、点のない
しんにょうを作字せよという赤を入れる校正者は恐らくまだいないと思う。し
かし、それに近い悲喜劇が社会のあちこちですでに起こっていることは確かな
のだ。「同じ字を同じ字だとすること」は文字コード以前の問題だ。

今回のJIS漢字拡張にあたっては、「使える規格」という点を最重要視している。
そのためにとられた方針は、必要な文字種はすべて採録し、典拠や用例の不明
なものは採録しないということと、現在多方面で用いられているエンコーディ
ングに配慮することである。

具体的には、(1)用例がある文字であり、(2)複数の独立ソースで用例が確
認でき、文字として流通していることが確かな文字で、(3)文字として理解で
きる、という三つの条件で文字を収録した。

符号化方法についても、パソコン環境でのシフトJISの実装に配慮するとともに、
UNIX環境でのEUCの実装及びインターネット環境でのISO-2022-JPの実装にも配
慮し、符号化方法についての公開レビュー案を作成した。

JCSが追加漢字選定のために収集したソースは、日本電信電話株式会社電話帳
(3245)、国土地理院1万分の一地図(13)、国土地理院2万5千分の一地図
(138)、国土地理協会・町字ファイル書換え字(184)、神社本廳・神社名・
祭神名(54)、新潮文庫CD-ROM外字(589)、青空文庫外字(53)、雑誌「群
像」使用字(4)、歌舞伎番附(東京大学国文学研究室)(39)、酒造講本(日
本醸造協会、第5版)(5)、 文部省学術用語集(6)、現行法律・勅令・政令
(7)、弓道、国宝名、切韻(鉅宋広韻)韻目、韻鏡三十六字母等(42)、日本
内経医学会(1066)、全日本鍼灸学会(130)、日本東洋医学会(156)、国立
国会図書館(1428)、日本書籍出版協会書籍総合目録(288)、共同通信社の
記事用例(55)、朝日新聞社の記事用例(451)、毎日新聞社の記事用例(91)、
共同通信社(K-JIS)(365)、日本国語大辞典(小学館)(6682)、「大辞林」
外字表(三省堂)(1342)、メインフレーム(IBM/富士通/NEC/日立)外字
(10291)などである(数字は収集字種数)。ほかにも、大正新修大蔵経所収漢
字(大蔵出版社)、「広辞苑」外字表(岩波書店御提供)、精興社外字表、産
経新聞外字表、読売新聞外字表などが参考資料として検討された。

さらに、委員会では現行の小・中・高校の教科書(全教科・約1500冊)を独自
に調査し、1512字種を収集した。
ここから単純な重複を除き、12260字種を得た。この中から前述の条件を満たす
ものを抽出し、さらに一字一字について確認作業を行なった。

その結果約4000字種を選定した。また非漢字についても別途に検討を行ない、
約620字種を選定した。合計は約4700字種だが、これはシフトJISの実装に配慮
した場合のぎりぎりの字種数となることが明らかになった。最初からシフトJIS
の実装という枠を決めて選定作業を行なったのではないため、これは偶然の一
致である。

しかし、公開レビューの結果、委員会の見落としや収集の不備により、さらに
追加すべき字種が確認されることも考慮に入れて、これが、「すべての」文字
だと言うつもりはない。漏れているものがあって当然であり、そのために公開
レビューを行うのだ。しかし「どこかに私の知らない何万字もの漢字があって、
それが入っていないから駄目だ」などという寝言に耳を貸す余裕もない。

公開レビューはインターネットを通じて行われ、その資料はPDF形式で配布さ
れる。
URLは、
http://jcs.aa.tufs.ac.jp/jcs/
である。期間は1999年2月末まで。

公開レビュー中に寄せられた意見を反映して、最終的な文字集合が確定される。
したがって、「足りない文字」等を要求することによって、誰もが規格の策定
に参加することができるのだ。文字の拡張要求に関しては、字書参照などの確
認作業が必要となるので、足りない文字に気がついた時点で、たとえ必要とす
る文字の全体の検討が終わっていない状態でも、できる限り早く要求すること
が望ましい。

印刷物による公開は行なわれない。インターネットに接続できない人の為には、
資料コピーの配布を行ってくれるボランティアの活動も必要かもしれない。PDF
はプリント可能。ただし、公開内容は必要に応じて更新されることがありうる
ので、注意されたい。1998/10/31

【JCSオブザーバ 小池和夫(聚珍社ディレクターズ・フラクション)】

●小池さんはラーメンの好きな小池さんではなく、劇画原作者の小池さんでも
ない。校正の小池さんだ。株式会社聚珍社ディレクターズ・フラクション校正
者、DTPディレクター。この人の漢字に関するウンチクはものすごい。「JIS漢
字字典」のDTP制作担当者。JCSとは符号化文字集合調査研究委員会のこと。要
するに第3水準・第4水準の策定にボランティアで携わっているのがオブザー
バ(もっともJISの委員はみんなボランティアである、ご苦労さま)。

●しばたただお ちょうどいいタイミングなので小池さんに代打をお願いした。
小池さんは<日本語の文字と組版を考える会>の強力な論客だ。柴田は10月31
日(土)朝日新聞夕刊の広告特集に全6段で出演した。顔写真もしっかり出た。
SOHO生活とデジタル部活についてインタビューに応じるかたちだ。しかし、ま
あ巨大な写真である(かっこよく撮れているゾ)。これで、うちの家族も私が
どんな仕事をしているか理解できたと思う(あまり効果ナシ)。近所でこれを
見た人がいたら、会社に行かない怪人物の正体が解明できたと思う。さっそく
旧友や元同僚から電話がかかってきた。

______________________________________________________________________
■連載 ユーザーのナマの声を聞く
 <G3カードは買いか?>2
----------------------------------------------------------------------
デジタル・イメージのメーリングリスト(会員制)で、興味深い話題があった。
Painter の使い手であるイラストレーターの服部幸平さんの質問<G3カードは
買いか?>に対して、何人ものアーティストから回答が寄せられた。実際の
ユーザーの声であるから、大いに参考になる。彼等の許可を得て、デジクリの
しょくんにも、そのやり取りをご紹介するものである。(柴田)

■服部幸平さんの質問<G3カードは買いか?>
実はいま、G3カードの購入をしようかどうしようか悩んでいます。初心者のよ
うな質問でスミマセン。

■Rey.Horiさんの回答

服部さんからのG3カードの効果についてのご質問なのですが、ウチの場合をご
参考に報告します。今年の初め頃のことです。

元は604e/180MHzだった8500/120をインタウェアのBooster750/266(750/
266MHz/1MB)に換装した結果、StrataVision3dでのレンダリング時間は55%に
短縮しました。これはレンダリングに1時間程度かかる同一モデルを換装前後
で比較したものです。倍速までは行きませんが、威力絶大です。

ただし、当然モデルの複雑さによってG3の“効き”は違ってくるでしょうし、
同じ3次元レンダリングでもソフトによって効きが違うように感じられます(測
定したわけではありませんが、StrataよりもShadeの方が更に効きが大きいよう
に思えます)。

服部さんの場合、CPUパワーがモロに効く3次元レンダリングではなく、Painter
の使用感を注目されているようですから、同じ観点での比較をなさった方の発
言を重視すべきかと思います(カーソルにブラシがついて来るかどうかという
点は、絵の大きさによってはHDやビデオのスペックにも左右されませんか?)。

更に、G3カードは時折、本体との間に相性のあるものがあるようです。ウチの
カードは最初に買って来たものは、バックサイドキャッシュ=オンの状態では
再現性のないフリーズを繰りヤして使いものにならず、インタウェアのサポー
トと、送付→再現しない→返送→改善しない、を2往復した挙げ句に別のカー
ドと交換してもらったらウソのように安定した、という経緯を持ちます。

最近G3カードを導入された弓田純大さんの所でも類似の症状が起きていると聞
きましたし(勝手に書いてすんません>弓田さん)、ご注意(というか、ご覚
悟(^_^;))下さい。

でも、私自身は制作作業が3次元中心であることもあり、G3の絶大な破壊力を
『圧倒的じゃないか、わが軍は!(*^^*)』(←世代がバレる台詞)などと手放
しで喜んでいる派、だったりします。

Rey.Hori 堀内 営 (Mamoru Horiuchi) 3D CG Illustration
URL: http://www.yk.rim.or.jp/~reyhori/

______________________________________________________________________
■コンテスト情報
----------------------------------------------------------------------
第3回デジタルアートコンテスト受付開始迫る
http://www.agosto.com/
----------------------------------------------------------------------
第3回デジタルアートコンテストの応募要項が発表になった。
デジクリしょくん、この大型コンテストに応募しよう。

■応募テーマ
自由。パソコンを使ったデザイン/イラスト/アート/マルチメディア作品で
あること。(未発表作品または他のコンテストに未応募の商業作品)

■応募部門
【デザイン/イラスト】
A.コマーシャルアート部門
架空のクライアントを対象として制作されたもので、ロゴやコピーが入ってい
ても可。クライアントが実在する場合は許可をとること。
B.イラスト・ファインアート部門
C.フォトイメージング部門
デジタルカメラで撮影したものやロイヤリティフリーの素材などを使った作品。
【マルチメディア】
D.Web/インタラクティブ部門
E.QuickTime Movie/QuickTime VR部門

■応募資格
プロフェッショナル、アマチュアを問わずデジタルアートを志す人。

■作品受付期間
平成10年11月2日(月)~12月4日(金)に運営事務局必着
郵送または持参(平日10:00~18:00/土日、祭日休業)

■審査発表
平成11年2月18日(木)~2月20日(土)MAC WORLD
EXPO/TOKYO'99特設ステージにおいて展示、発表。

■賞
グランプリ 副賞として賞金100万円+賞品 ほか
詳細は、運営事務局まで問い合わせ。
●問い合わせ、応募先:日本デジタルアートコンテスト運営事務局
(ティー・アンド・アール(株)内)
〒162-0065東京都新宿区住吉町7-1 福松ビル9階
TEL.03-3226-8021 FAX.03-3226-7854

第1回、第2回の入賞、入選、佳作を収録した作品集 デジタルクリエィション
in JAPANも発売中! コンクール、作品集についてくわしくはアゴストのホー
ムページへ。
http://www.agosto.com/

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
 担当:濱村和恵
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.htm
広告の御相談はこちらまで   mailto:sales@dgcr.com

★等幅フォントでご覧ください。
★【日刊・デジタルクリエイターズ】は無料です。
 お友達にも是非お奨め下さい (^_^)

★日刊デジクリは、まぐまぐ<http://rap.tegami.com/mag2/>、
Macky!<http://macky.nifty.ne.jp/>で配信しています。

Copyright(C), 1998 デジタルクリエイターズ
許可無く転載することを禁じます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■