[0194] 靴ひもを結び直そう

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0194 1998/12/02発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
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●「靴ひもを結び直そう」
 水曜日担当:まつむらまきお

●えむのHot Space! No.001
「ご挨拶」

●TOPICS!
「昨日の柴田のコラムに関連する情報」

●主要サイト情報
 Microsoft/ Apple

●展覧会情報
 <The World of Nobuhiro Shibayama-柴山信広の世界>
「THE ALCHEMICAL TAPESTRY2-錬金術で開け放つ、織りなされた物語」



「靴ひもを結び直そう」
水曜日担当:まつむらまきお
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4月から8ヶ月間、デジクリに寄稿させてもらってきたが、今回をもってレギュ
ラーを降りることにした。

もともとぼくは、自分の考えを直接、文章で表現するというのを避けてきた。
Web上でも、日記やコラムをよく目にするが、ぼく自身は、創作物を通して考え
を世に出すという仕事を選んだ以上、あえてそういう方法は避けてきたわけだ。
デジクリ創刊期に森川さんから誘われたとき、少し迷ったのだけれど、いまま
でこのデジクリに書いてきたようなコトは、今、言葉にしておく必要があるだ
ろうと思い、色々と好きなことを書かせてもらってきた。

ただ、これははじめからわかっていたことではあるのだが、言葉だけで考えを
まとめたり、伝えたりすることはとても難しい。

考えてみれば当たり前のことなのだが、言葉ですべて伝えられる技術があるの
ならば、絵なんか描かないですむ。絵だけで伝えられるなら、言葉を発する必
要もないだろう。人類にテレパシー能力があれば、絵も文章も必要ないのだ。
そもそも、ぼくがマンガをメインの表現手段として選んだのは、絵だけ、文章
だけではうまく自分の考えがまとめられなかったり、表現できないことが多い
からだ。それぞれが未熟でも両方を使えば、と考えたからだ。そんなぼくには、
テキストだけでなにかを伝えるというのは8ヶ月が限度だったようだ(^_^;)。
今、伝えたいことはある。実はこの数ヶ月の間、デジクリの原稿で書こうとし
てはボツにしたテーマがいくつもある。テキストだけではうまくまとまらない
のだ。それらを伝えるために、しばしここで文章から離れようと思う。

というのが、ひとつめの理由。

もうひとつは、最近、自分の中で現実感がどんどん喪失しているという感覚に
襲われている、ということがある。ネットを通じてやってくる情報を必要以上
に追い求めると、それが現実であるのか、そうでないのか、自分の経験なのか、
人の経験なのかの実感がどんどん薄れてゆく。もちろんこれは、ぼくの情報処
理能力の不足ゆえ、であるのだが。そして、自分が描いたり、書いたりしたモ
ノまでが現実感が薄れてくると、これはちょっとヤバいんじゃないかなぁ、と
いうわけだ。

モノを作ったり、絵を描いたりする作業は楽しい。自分の脳味噌の中を、自分
で確認する作業だ。先々週のコラムで森川さんが、クリエイターとアーティス
トの違いについて少し触れられていたが、ぼく自身は、そのどちらの魂も持ち
続けたいと思う。プロのクリエイターとして、その技術を売って生活している
わけだが、根源にあるのは、自分自身の存在を確認することだと思っている。
そして、それをうまく表現しきれた時は自分自身が次のステップへ上ることが
できる。日々の仕事や情報に押し流されていると、そういう部分が希薄になる。
プロとして仕事を続けていれば、テクニックは向上するが、それだけではぼく
が目指す場所へ到達するには、パワーが足りないことを最近、実感している。
そこでここらですこし足を止めて、靴ひもを結び直そうか、というわけだ。

このようなコラムに考えを書いたり、人のコラムを読むことが、自分の創作に
プラスになる面も多い。でも、玖保キリコさんのマンガで「石橋をたたくのに
夢中になって、渡るのを忘れる」というのがあったが、手段がいつのまにか目
的と差し変わってしまうと、やっぱまずいよね。

もちろん、これらの理由は、ぼく個人、しかも、今現在のぼくの気分にのみ当
てはまる事だ。クリエイティブと文筆を両立する事を否定するわけじゃない
(文筆ももちろん、クリエイティブなんだけど)。いろんなチャンネル、表現
手段をもっている事が、その人のプラスになるのか、マイナスになるのかは、
ホント、その人、その時次第だもんね。

というわけです!これから先は作品を通して語っていきます!そちらで言葉に
つまったら、また帰ってくるかもしれません。長い間、話につきあってくれて、
本当にありがとう、またね!

【プロフィール】
まつむら まきお/まんが、イラスト、アニメーション作家
http://www.asahi-net.or.jp/~GU5M-MTMR/
mailto:makio@luna.email.ne.jp
1961年大阪府大阪市生まれ。1985年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。会
社員(プランナー)兼まんが家を5年ほどやったあと、1990年、Macintoshを購
入、3ヶ月後に脱サラ。1995年、FLASHの前身である「スマートスケッチ」と運
命的に出会い、束縛から解放される。雑誌、新聞、Web、CD-ROM等を舞台に、
SF、ファンタジー系から、OL、時代劇ネタまで幅広い芸風を誇る。大阪府
吹田市在住。
世界一本格的なFLASH技術書「Flash3プロフェッショナル・テクニック」(まつ
むらまきお/笠居トシヒロ共著 D-ART刊 2,800円+tax ISBN4-88648-523-5)、
世界一わかりやすくて笑えるFLASH攻略本「おしえて!!Macromedia FLASH3」
(まつむらまきお/たなかまり共著 毎日コミュニケーションズ刊 2,000円+
tax ISBN4-8399-0058-2)共に絶賛発売中です。

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●だぁ~(;_;)。ありがとうございました!!これからのご活躍を楽しみにして
います!!! 来週からは笠居さんが毎週受け持ってくださいます。<濱村>

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■えむのHot Space! No.001
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読者のみなさん、こんにちは。主要サイト情報のコメント欄から、いきなりこ
んなところに引っ越してきました!新コラム「えむのHot Space!」の始まりで
ーす!(拍手!パチパチパチ)これまでのコメント欄では、行数を少なくする
ために、言葉を削りに削っていましたが、ここでは思う存分書くことができま
す。与えられたスペースに余裕があるというのはうれしいですね~。

毎日のコメント欄を楽しみにして下さっていた、全国1000万人の読者のみなさ
んにはお詫び申し上げます。先週は何にも書かなくてゴメンナサイ。ネタ集め
と称して雌伏の時期を過ごしておりました。しかしっ!先週は書きたいと思え
るネタがなぜかなかったのですっ!濱村裏番長には12月第1週からスタート
しますと答えたにもかかわらず、このままでは記念すべき第1回が......。こ
んなことではあかんっ!と意気込んでみたところで、ない袖は振れない、袖振
り合うも他生の縁、袖にする、袖の下、袖を連ねる、袖を引く......失礼致し
ました。(参考『新選 国語辞典』小学館)

というわけで、本日めでたく、”予定通り”コラム開始のご挨拶をさせていた
だく運びとなりました(^^)。
これまでのところワタクシ自身は、神田編集長を始めとする、当誌のコラム担
当の諸先輩方のような、クリエイターと呼べるほどの活動はしておりません。
あえて申しますなら、稚拙で趣味丸出しのWeb Siteの構築&管理、そしてこち
らも趣味の1つとしてやっているコーラスくらいでしょうか。コンピューター
やネットワークとの関わりについては、あくまでもユーザーとしての立場がメ
インです。
ですから、当コラムは今までのコメント欄の拡大版という位置付けで進めてい
きたいと考えております。(クリエイターのみなさん、スミマセン。)

当コラムに対する異論・反論・疑問・質問・ご意見・ご感想 etc.は、下記の
メールアドレスにて24時間、年中無休で受け付けております。老若男女の区
別なく、励ましのメール、ファンだよ~というメールは大歓迎です(^^)。そこ
から始まる「愛」があるかもしれませんよ。

【山口 壮/ えむ】 mailto:PXX06120@nifty.ne.jp
http://member.nifty.ne.jp/yamaguchi/
三重県生まれの197x年型男子。濱村裏番長のCuteなお願いメールについつい乗
せられて、とうとうこんなコラムを担当するまでに至りました。いやぁ立派に
なったもんやわ。出世魚の気分です(笑)。大学ではドイツ政治学を専攻して
いたはずなのに、ドイツ語なんて頭の片隅にも残ってないのはなんでなのか?
(卒論までドイツ語で書いたのにぃ~。)現在、将来を模索中。

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■TOPICS!
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昨日の柴田のコラム「シンポジウムにスピーカーとして参加した」に関連する
記事がASCII24に出ている。柴田の写真入り。
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/981201/topi05.html

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■主要サイト情報
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Microsoft/ Apple
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▽Microsoft
~~~~~~~~~~~
Business Applications Conference 99 Japan (BizApps) 開催決定
http://www.microsoft.com/japan/developer/events/BizApps/

▼Apple
~~~~~~~
iMac がPC 大手量販販店の3ヶ月間で最も販売された商品であるとの発表
http://www.apple.com/pr/library/1998/dec/01bestsell.html

ソフトウェアサポート、Software Tech Info Library 日本語版を追加
http://svc.apple.co.jp/software/index.html

iMacデモ展示販売店リストを更新。青森、東京、山口、沖縄の4店舗。
http://imac.apple.co.jp/shop/index.html

AppleCare価格表を更新
http://svc.apple.co.jp/applecare/price.html

AppleのDesign & Publishingに「RE:Visit」コーナーが追加。
http://www.apple.com/publishing/
http://www.apple.com/publishing/revisit/vol2.html

【▽担当 山口 壮/ えむ】 mailto:PXX06120@nifty.ne.jp
http://member.nifty.ne.jp/yamaguchi/

【▼担当 love miku】 mailto:ki-masui@jade.dti.ne.jp
http://www.jade.dti.ne.jp/~ki-masui/
以前紹介した デジタルカメラ用ソフト&Os『Digita Script SDK V2.0(日本語
版)』とDigitaデベロッパーアライアンスのホームページが更新されました。自
動登録システムが導入されてますので、再登録が必要です。Digita Script
SDK V2.0はDimage EXに対応するために改定された最新バージョンです。
http://www.flashpnt.com/jp

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■展覧会案内
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<The World of Nobuhiro Shibayama-柴山信広の世界>
”THE ALCHEMICAL TAPESTRY2-錬金術で開け放つ、織りなされた物語”
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以下は主催者からの案内。

●会期 :
12月7日(月)午前11時~午後9時
12月10日(木)午前11時~午後3時
※12月14(月)・16日(水)午前10時~午後12時
※12月15日(火)午前10時~午後2時
※12月21日(月)午前10時~午後1時
※12月22(火)・24(木)・25日(金)午前10時~午後3時
※12月26日(土)午前10時~午後12時
※印の時間帯は変更する場合がございますので、あらかじめ4D.相馬までご連絡
下さい。

●会場:シティクラブ・オブ・東京 "メイプルルーム"
〒107-0052 港区赤坂7-3-38 カナダ大使館ビル 1F 
Tel: 03-3401-1292 

●只今、カナダ大使館(赤坂)にあります「シティクラブオブ東京」のパー
ティースペース「メイプルルーム」に於いて柴山信広個展を開催しております。
これは会員制クラブ「シティクラブオブ東京」とのタイアップで実現したイベ
ントで、これからのクリスマスシーズンにふさわしい神聖かつ華やかな作品を
展示しております。

通常、このスペースは会員の方々を対象にしておりますので、一般の方が入場
することは出来ません。しかし、今回に限り特別に一般の方々も作品が鑑賞出
来ることになりました。

発表している作品は、今年の7月、スタジオエビス・フォトギャラリー(東京)
で開催した個展に引き続き、中世フランスに実際にあったタペストリーをモ
チーフとした作品群です。

柴山はこのテーマに今年の3月より取り組み、カメラからの画像とCGを用いてタ
ペストリーの復元を行っています。15世紀、フランスの地方都市ボーヴェにま
つわる 史実はタペストリーとして表わされ、或る教会の司教に捧げられました。
当時、このようなタペストリーはフランスに数多く存在したといわれますが、
現在は散逸、或いは消失してしまい殆ど残っておりません。しかしこれらのタ
ペストリーの模写(エッチング)が1冊の作品集として現存しており、柴山はそ
れらを参考にCG技術を駆使し、現代的な感覚を織りまぜながら表現しました。
これは最新技術を用いつつ、古典技法に回帰することへのアプローチを意味し、
また、カメラからの映像をコンピュータによる錬金術により、新しい意味をも
つものに変換させる行為を示しています。

新約聖書に登場する聖ペトロの生涯を描いたタペストリーと、フランスの土地
に由来する人物をテーマとしたタペストリーを復元した作品を発表致しますが、
タペストリーを忠実に再現するだけではなく、登場するモチーフを新たに構成
したグラフィック要素の強い作品に展開したものもあわせて展示しております。

●柴山信広プロフィール
 1956年 東京生まれ。グラフィックデザイナー/CGアーチスト。
 1989年 インド、ブラジル、アメリカ、イタリア等を訪ね、
     デザインの新しいスタイルを模索する。
 1990年 東京に戻り、次世代広告会社「4D.」を設立。
     そこでコンピュータ画像とデザインを中心に制作活動を行う。
     また、CGアーティストとして多くの展覧会に出品している。

●展覧会に関する連絡先:
4D.(担当:相馬)
〒107-0062 東京都港区南青山3-3-23 南青山MBD2F
Tel: 03-3401-8155 Fax: 03-3401-8159
E-mail:shivaya@nisiq.net

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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許可無く転載することを禁じます。
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