[0235] 3D絵本試行錯誤の制作話

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0235 1999/01/26発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
情報提供・投稿はこちらまで mailto:zacke@ppp.bekkoame.ne.jp
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.htm
広告の御相談はこちらまで   mailto:sales@dgcr.com
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●「3D絵本試行錯誤の制作話」
 ゲスト:武藤 修

●編集部から生コメント--「DTPWORLD」最新号
 特集は「DTPの悩みなんでも相談室」

●読者プロフィール募集
 ◎デジクリWEB版新企画。画像で思い思いの世界を表現してください。
  アマもプロも、ジャンルも関係ありません。

●ノストラ、WEBデジクリの「マスコットキャラクター」「ロゴ」募集

●コンテスト情報
 ◎びでお工房「ショート・ショートビデオコンテスト」

●ホームページリニューアルインフォメーション
 ◎Imaginary Garden

●現在募集中
 ◎ ホームページリニューアルインフォメーション
 ◎ 新刊情報
 ◎ デジクリClassifieds

●お詫びと訂正



■デジクリトーク
3D絵本試行錯誤の制作話
武藤 修 イラストレーター
fm5o-mtu@asahi-net.or.jp
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クリエイターの皆さん、寒いですがいかがお過ごしですか(笑)。
昨年12月15日に(株)学習研究社(以後学研)より3CGによる童話「花さかじい
さん」と「ブレーメンの音楽隊」の2冊を発売しました。そのまま読んでも普通
の絵本としてみることが出来るのですが、この本は3Dメガネが付属しておりメ
ガネをかけると立体的にも見えるというしろものです。今回は、その制作話を
聞いていただこうと思いますm(_._)m。

この3Dメガネですが、以前「月刊アスキー」でこの3Dメガネを取り上げたこ
とがあり、その時の仕事がきっかけで、その後友人との2人展をした時におもし
ろ半分で作品を展示して、それを見た学研の編集の人からの依頼でした。(長
いね[笑])つくづく人との縁は大切にしなければと思う今日この頃です。
(ウンウン(^^;)

それではまず今回の立体視の方法がどんな物かを説明しましょう。メガネは米
国のクロマテーク社のChromaDepth というもので、赤のような波長の長い色は
大きく曲がり、青のような波長の短い色は余り曲がらないという仕組みになっ
ており、メガネの左右で反対方向に屈折するようにする事で立体的に見えるよ
うになっています。

……は、早い話、赤が一番前に飛び出し、オレンジ、黄色、緑、青の順番(虹
の順番)に奥に見える物で(^^;、効果的に使用するにはバックは黒が良いよう
です。おまけに比較効果もあるので、赤の後ろがオレンジの物よりもオレンジ
の後ろに青を持ってきた方が飛び出して見えたりもします。

さて、依頼内容は3~6歳向けの絵本、メガネをかけると立体的にも見え、その
まま見ても絵本として成り立つ物、そしてあまり絵本では見ないCG作品がいい
ということでした。
あっ、対象にはCGに興味のある方というのもありました。(笑)

作業は通常通りキャラクターのデザインからはじめ、ページ数、本文に合わせ
た絵柄のラフを制作しました。辛くもあり楽しくもある作業の一時です。この
時点ではあまり3Dの効果のことは考えていません、構図優先で考えています。

上記の作業以外は、私は基本的にあまり頭は使いませんが(笑)、今回は試行
錯誤する分脳味噌を余分に使い、脳の活性化には役だったかもしれません(爆)。
制作にはSTRATA STUDIOProとAdobe Photoshopを使用。

余談ですが、面白いことに童話自体に方言というか、解釈の違いなどいくつも
あるのですね。たとえば「花さかじいさん」では犬の名前がポチかシロか、臼
と杵になった木の種類だとか殿様は鷹狩りか大名行列か等いろんな説があるの
を初めて知りました(どれもこれが正しいという物はないみたいですが)。皆
さんのところではどうでしょうか?

さて、ホイホイ引き受けては見た物の厄介なことがありました。3Dを優先にす
ると、どのページも虹色だらけで変化がなくなる事。キャラクター自体は個々
の色がある程度決まっているので、手前のときは赤で奥にいるときは青など3D
効果の変化は付けられない事。より効果をねらうためには背景は黒がいいので
すが、昼間や室内では使えない事等々、3D効果を優先すれば絵が単調で見づら
くなり、普通の絵本を優先すると3D効果が発揮しにくくなるという相反する事
柄です。

げげっ、どうしよう……と内心思いながらも、結果的には普通に見ることを優
先してポイントに3D効果を入れ、構図によっては3Dを優先させるという形を取
りました(子供にはその方がいいと考えたからです)。

しかし、効果的に制作するマニュアルなどなく頼るのは実験と経験だけでした
(涙)。試行錯誤の上「ブレーメンの音楽隊」ではマンガのように枠線を入れ
たり、泣き声などの文字なども入れたりしているし、「花さかじいさん」では
小判が赤だったり緑だったり、真っ赤なカエルや緑のカラスなども登場してい
ます。そしてレンダリング時にはモニターの前で3Dメガネをかけ、色チェッ
クをする毎日で、端から見るととっても変(笑)。

宣伝のために表紙の部分は2冊同時に制作し、本文は花さかじいさん、ブレーメ
ンの音楽隊の順に制作しました、2冊目に入るとそれまでの経験が生かされる分
多少要領が良くなっており、立体視の効果のバランスもよかったりします。3冊
目の依頼がくればより良くなるのに~、しかも出来ればオリジナルがいい、な
どと好き勝手に思いつつ最終段階へ(^^)/。

絵が出来上がった後、編集からの直し以外でも修正は続け、校正刷りが出来た
後も出来る限り色の修正をして製本、発売にこぎつけました(編集には感謝で
す)。

絵本というのはいろんな工夫を施した物が多種多様に出版されており、それだ
け生存競争も激しいようです。私にも子供がいますが、やはり絵本は好きで、
いろんな使い方もします(^^;。
学研でもこういう絵本が幼児とその親達にどう見られるのか、実験的な意味も
あったのでしょうが、私にも面白い体験でした。

最後に、先日この絵本の増刷が決まりました~(^^)/。
まだ発売1カ月経たないのに(執筆時)嬉しい誤算です。これで印税が……でな
く(^^;、それだけ多くの人に読んでもらえ、母親、父親が子供にこの絵本を読
んで聞かせてることを想像するだけで嬉しいことですね。

発行 学習研究社
スーパー3Dコンピュータ・グラフィックス絵本
「花さかじいさん」ISBN4-05-200996-7
「ブレーメンの音楽隊」ISBN4-05-200997-5
全2巻 文/木暮正夫 3Dアート/武藤 修
定価各:本体880円 1998.12.15発売

【武藤 修】 イラストレーター
フリーになって早14年。エアーブラシ(本物)、3DCGで主にキャラクターのイ
ラストを手がける。最近オリジナルアニメーションや絵本などに興味を持つ。
問題は仕事でないのでいつでき上がるかだ。(笑) 角川書店「ゲームウォー
カー」「少年エース」イメージキャラクター制作。Strata Vision3d 5.0及び
5.5の広告イラスト制作等。ディジタル・イメージ会員。

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■編集部から生コメント--「DTPWORLD」最新号
特集は「DTPの悩みなんでも相談室」
http://www.dtp-world.com/index2.html
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こんにちは。DTPWORLD編集部の小木です。デジクリ編集長の森川さんより「こ
の場を使ってDTPWORLDの紹介を」という、なんともありがたいご依頼を受けま
したので、ご厚意に甘えさせていただき、最新号の紹介をさせていただきます。
なんたってDTP&WEB関係の皆さんに幅広く読まれているデジクリのこと、誌名
が載るだけでもいい宣伝になりますから(^^;)。

さて、最新号の特集は「DTPの悩みなんでも相談室」。DTPワークの現場で起こ
る様々なトラブルを、「入力」「データ互換」「ページメイキング」「自動化」
「出力」という5つのカテゴリーに分け、その道のエキスパート達がやさしく、
そして具体的にお答えしています。編集者、デザイナー、オペレーター、そし
て出力関係者など、DTPに携わるすべての皆さんに読んでいただける永久保存版
です。

今号より新連載が3本スタートしました。まずは「Illustrator至れり尽くせ
り」。話題のIllustrator8.0を徹底的に解説しちゃおうという企画で、第1回
はグラデーションメッシュなど新機能の紹介です。今後は具体的な作例を豊富
に使って解説していきますので乞うご期待。

続いては「補正の鬼」。ちょっとふざけた名前ですが、画像補正のプロがその
テクニックを余すところなく教えるまじめな企画です。今回は、「美しい肌の
色ってどんな色」などの記憶色をテーマに取り上げました。最後は「出力実験
工房」。出力に関わるトラブルを未然に防ぐため、タブーとされていることを
あえてやってみようという企画です。今回はRGB、JPEG、DCS2.0など、ファイル
形式をあれこれ変えて実験してみました。さてその結果は?

連載もますます気合いが入って充実。特に連載の一番人気「闘魂Photoshop」は
今回も森川さんにお願いしました。デジクリ読者は必ず読むように!

ついでにもう一つお知らせ。次号でDTPWORLDも創刊3周年。これを機にロゴも
表紙も中身もドーンとリニューアルしてお届けします。今までDTP坊やを目印に
お買いいただいた方はご注意下さい。どんな表紙になるかはお楽しみ、といい
たいところですが、実は今号で発表しちゃってます(^^;)。

というところで誌面(?)も尽きたみたいです。DTPWORLD1・2月号は全国書
店で好評発売中! 
それではまた次号の発売前にお会い(?)しましょう(^^)/~~~

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■現在募集中
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読者プロフィール募集
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画像でプロフィール・ポートフォリオを。日刊デジクリ内でのアナウンス後、
WEB(http://www.dgcr.com/)に掲載していきます。コンテストに発展する可能
性もあります。思い思いの独自の世界をアピールしてください。
プロ・アマ問いません。

●サイズ:
縦75ミリ、横100ミリ(QuickTime Movieは汎用サイズにて)
重いものも可能ですが、WEB上でブラウズしてもらいにくくなります。

●フォーマット:
(静止画の部) JpegまたはGif、静止画
(動画Aの部)  Gifアニメーション、無限ループ不可
(動画Bの部)  要プラグインムービー、無限ループ不可

●締め切り:毎週月曜日、午前8時タイムスタンプ(日本時間)

●応募先:
mailto:zacke@ppp.bekkoame.ne.jp

サブジェクト=「読者プロフィール」
本    文=郵便番号、住所、電話番号、名前、ペンネーム(なければ本名
       を公開)、メールアドレス、URL、本業、コメント、
       動画Bの部はWEB掲載用HTML
をご記入の上、画像を添付してお送りください。
全ての項目において、公開・非公開の旨をご記入ください。

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■「マスコットキャラクター」「ロゴ」募集
http://www.dgcr.com/
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「WEBデジクリ」で使用される「マスコットキャラクター」「ロゴ」、クリエイ
ター系サーチエンジン「ノストラダムスエンジン」のための「マスコットキャ
ラクター」「ロゴ」を募集します。

インパクトのあるもの、愛されるもの、使いやすいもの、クールなもの、個性
的なもの、覚えやすいものなど独自の感性によるものをご応募ください。
プロ・アマ問いません。
読者投票の後、審査を経て決定されます。

●サイズ:A5サイズまで

●フォーマット:
自由。
読者投票用に縦75ミリ、横100ミリのjpegまたはgifデータ添付のこと
「ノストラダムスエンジン」「WEBデジクリ」「日刊デジクリ」
「日刊・デジタルクリエイターズ」などをロゴ化。

●賞:
WEBデジクリ内に独自のページ及びコーナーを開設可能(公序良俗内のもの)。
好きな名前@dgcr.com でのメールアドレスも発行。
賞品も考慮中。

●締め切り:1999年2月28日、午前8時タイムスタンプ(日本時間)

●著作権は応募者に帰属。
但し使用権は、デジタルクリエイターズに帰属するものとする。

●応募先:
mailto:zacke@ppp.bekkoame.ne.jp

サブジェクト=「マスコットキャラクター」および「ロゴ」
本    文=郵便番号、住所、電話番号、名前、ペンネーム(なければ本名
       を公開)、メールアドレス、URL、本業、コメント、
をご記入の上、画像を添付してお送りください。
全ての項目において、公開・非公開の旨をご記入ください。

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■コンテスト情報
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びでお工房「ショート・ショートビデオコンテスト」
http://www.shinpusha.co.jp/contest/video_short1_1.html
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<以下は主催者からのコメント。>
当コンテストは「ダラダラしてても始まらない!」をキャッチフレーズに、3
分間という限られた時間の中で、如何に自分の持つイメージを表現できるか、
を競います。

<以下は主催者案内より抜粋。詳細はWEBをご覧ください。>

●募集内容
1・ストーリー部門/ドラマなどストーリーのあるフィクション作品
2・ビデオ・エッセイ部門/ドキュメンタリー、ルポ、旅、イベント、音楽、
ポエム、日常生活などのノンフィクション作品
3・特殊効果部門/アニメーション、クレーアニメ、SF、ホラーなど特殊効果
を施したビデオ作品

●応募規定
募集内容に沿った形式で3分以内のビデオ作品とします。
応募フォーマットは、VHS・S-VHSまたはminiDVとします。

●応募資格
不問。但し、他のコンクールで入賞・入選した作品は応募できません。

●賞
「グランドビデオキング」1点=【5万円・副賞】
「ビデオキング」部門別各1点=【1万円・副賞】

●応募締切 1999年2月12日消印有効(郵送・宅配便)

●結果発表 
応募者全員に、3月中旬頃通知予定。HPでも発表。
受賞作品は上映会にて発表します! その他、各種媒体でも発表予定。

●備考
作品の音楽著作権は各自で対応して下さい。
応募票は事務局までご請求下さい。
入賞作品の出版権は弊社に属します。
出版化された作品には増刷時より印税支給。

●事務局・送付先
〒185-0012 東京都国分寺市本町2-2-14セントクオークビル3F
びでお工房『ショート・ショートビデオコンテスト』係宛。

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■ホームページリニューアルインフォメーション
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Imaginary Garden
http://www.f-graphica.com/dh/gallery.html
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『Imaginary Garden』はデジタルハリウッド卒業生のネットギャラリーで、
現在、40人以上110点余の作品が掲載されています。
参加者はプロ、セミプロ、アマチュアと様々で、作品も静止画から動画まで
ほぼ全ジャンルにわたっています。
参加者、作品とも、少しずつ増えており、ページも頻繁に更新されています。

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■現在募集中
「ホームページリニューアルインフォメーション」
「新刊情報」
「デジクリClassifieds」

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■お詫びと訂正
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235号にて、以下のような間違いがありました。訂正しお詫びいたします。

sipping → shipping
custmer → customer
messege → message
consaltant → consultant
disigner → designer

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
 担当:濱村和恵
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