[0295] 編集の醍醐味はトラブル脱出にある

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0295 1999/04/06.Tue発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
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●編集の醍醐味はトラブル脱出にある
 火曜日担当:柴田忠男

●イベント情報
 ◎第8回 dTN(d'Box Tech Night !!)

●プレゼント情報
 ◎「バーチャル・ビューティコレクション」第3号・クリスタル編

●商品追加!! 読者限定「激安」キャンペーン

●現在募集中

●訂正とおわび



編集の醍醐味はトラブル脱出にある
火曜日担当:柴田忠男
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アゴスト「バーチャル・ビューティコレクション」の3冊目、クリスタル編をつ
くった。その最終場面でのてんやわんやをレポートしよう。やっぱり、わたし
にとっての本つくりは、紙にインクをなすりつける方式が一番面白い。トラブ
ルがあるとなお……。

3号は紙を少し薄くして208ページ、価格据え置きにする、ということになった。
どうしてそういうことになったのか、実質的な編集長であるわたしにはわから
ない。それから台割りをつくった。すでに11人の作家のページの初校ゲラが出
ていたが、かるく208ページはオーバーしていた。

というのも、1号2号とも、わたしの好きなギューギュー詰め込みレイアウト
だった。制作過程の画面が小さく掲載されて、少し見にくい。テキストもギン
ギンに詰め込んだ。3号ではデザイナーのサイトウさんと相談して、制作過程の
画面は2コラム幅にすることにした(前号は3コラム幅)。文字も少しポイント
を上げた。

初校ゲラを見て、あまりの読みやすさに驚いた(年寄りにもやさしいデザイ
ン!)。それにしたがってページがどんどん増える。レイアウトが遅れていた
ふたりを次号に送ったら、ちょうどうまい具合に208ページがおさまった。

進行は遅れに遅れていた。前の2号は3人のデザイナーさんの総力戦だった。今
回はサイトウさんがひとり。それでも入稿前数日の仕上がりペースは驚異的
だった。

しかし、色校を出す暇がない。ト、大日本印刷の担当が言うので、コンセンサ
ス校正になった。色校正をとるには、出力したCMYKのフィルムから刷版をつく
り色校正機で複数枚数を印刷するのである。印刷インキを使い、本紙で刷る。
これは時間がかかる。

コンセンサスとはコニカのケミカルプルーフの名前だ。出力したCMYKのフィル
ムを用いるが、刷版はつくらず、印刷もしない。CMYK各色のインクフィルムと、
出力したCMYKのフィルムを重ねあわせて露光するといったようなケミカルな処
理でカラープルーフをつくる。おもに印刷会社の内校用に使われているが、今
回のような時間がないときには外校にも使われる。仕上がりは印刷物に近いが、
やや色が濃く出るようだ。

金曜日の夜に13台を一気に入稿した。すると、月曜日の午後にはコンセンサス
が半分くらい出た。すごいスピードだ。台割りの頭から出てきたが、ここでト
ンデモな事態が発覚した。

小坂達哉さんのページの、途中経過プロセスの画像30枚が全部ボケボケだった。
つまり画像データサイズが小さすぎた。レイアウトのときうっかり見落とした
のである。ゲラも低解像度で出したから、まあこんなもんだろうと見逃した。
最後の最後でえらいことになった。

小坂さんに大きなサイズのキャプチャを請求して、明日の夜までに入手しなけ
ればならない。ところが小坂さんはハワイに住んでいる。午後3時にメールを出
した。向こうは20時だ。

同時に、現状のデータでなんとかごまかす方法も考えた。レイアウトを変えて、
画像を小さく使う。それでもかなりみっともないが、このタイミングでは仕方
がない。すぐにレイアウトにはいってもらった。すると4ページ減ってしまう。
どこかで4ページを増やさなければならない。それも小坂さんのページのごく近
くでやらないと、ページノンブルがたくさん変わってしまう。

そこで、樋口誠さんに、ギャラリーを4ページ増やしたいが、なんとかしてくだ
さいとSOSメール。同時に、石ノ神満月さんにも同じ依頼をする。ハワイには、
現地時間の20時までにデータをつくってこっちに送るように指示する。ハワイ
から届けば解決で、樋口さん、石ノ神さんへの依頼は保険である(すいません
でした)。

石ノ神さんからは、ギャラリー用画像はすぐには用意できないと返事がきた。
樋口さんからは、わかった、いまからやるがレンダリングが間に合うかどうか
わからない、朝までにできなかったら夕方になる、という心強い返事が来た。

火曜日、残りのコンセンサスが出た。今度は、ギャラリーの何点かがボケて色
がヘンだ。レイアウトの低解像度のまんま出力したようだ。しかし、データを
確認するとリンクははずれていないぞ。なぜだ?

元データのサイズがかなりぜいたくな大きさであった。もしかしたら、あまり
の重さにイメージセッタがヘソを曲げたのか? そこでほぼ原寸までデータを
リサイズして再入稿した。結果としては、それでちゃんと出力できた。

サイトウさんが小坂さんと何度もメールのやりとりをした結果、ちゃんとした
サイズのデータはこっちにあることがわかった。Windowsデータだったので変換
してマックにもってきたとき、なぜかそのデータが移動しなかったらしい。最
初のWindowsデータをよく見たら、そのデータはちゃんと存在していたのだった。

ああ、昨日からの大騒ぎはなんだったんだ、トいうことになるが、ぶじ解決し
たからよかった。樋口さんには、夜中のレンダリング作業をさせてしまい申し
わけなかったと謝る。元のレイアウトの画像データを差し替えるだけでオー
ケーだ。この夜、校了。

スリリングな2日間であった。トラブルにぶちあたって、さあどうやって乗り越
えるか? 台割りをにらんで考える。ゲームにも似た面白さだ。これが編集の
醍醐味なのである。モチロン、毎回やっているわけではないが。

しかし、自信をもって入稿したデータである。校正はいらんよ、とまで言って
いるデータで、思わぬことが起きる。余裕のあるスケジュールで、ちゃんと色
校をとらないとだめだ。反省します。

■しばたただお バーチャルビューティシリーズは4号目の制作に入った。ほか
にも3冊の企画が同時に動いている。また、「デジタルイメージギャラリー」と
いう、ディジタル・イメージの作品集も校正間近である。今回は153人ものデジ
クリさんたちの作品が掲載される。よく働くなあ、わたし。だんだんハニー号
の朝が早くなっているので、こっちは寝る時間を早くしている。最近、ベット
で読むのは藤沢とおるの「GTO」である。この主人公は笹原和也さんに似ている
(笑)。昨日、遅ればせながらとうとう「座敷女」を読んだ。とってもコワイ。
漫画ばかり読んでいるな、わたし。

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参加費:無料
定 員:30名
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問い合わせ: nyan@mACademia.org

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■訂正とおわび
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「ワールドアート宣言」の回で、「海外には顔文字が最近までなかった」とあ
りましたが、多くの読者からのご指摘のように、縦の顔文字は海外にも10年以
上前からあった、と訂正いたします。             出淵亮一朗

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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