[0441] 「そう、やはりラジ館」

投稿:  著者:  読了時間:18分(本文:約8,500文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0441   1999/10/14.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 14097部
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 <「全日本ろくろ回し協会」と化す運命>

●デジクリトーク
 デジクリ予備軍にとってなぜ「都営新宿線」沿線が最強なのか
 第2話「そう、やはりラジ館」
 鷺 義勝

●連載 THE WAY PDF ADVERTISING LOOKS 1.
 文芸とアート、広告との接点-「PDFメディアの新展開」
 北澤浩一
 
●個展案内
 花野文男写真展「 INSCAPE -内なる眺め- 」
 魚住耕司
 
●イベント案内
 mACademia 第53回「書を携えよ町へ出よう」
 


■デジクリトーク
デジクリ予備軍にとってなぜ「都営新宿線」沿線が最強なのか
第2話「そう、やはりラジ館」

鷺 義勝
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昨日10月3日(日)、東京ビッグサイトにおいて「SUPER FESTIVAL 16 」と
いうイベントが行なわれており、早速参加してまいりました。

内容の方はというと、いわゆるレア物TOY +ガレージキット関連を中心に古本
屋でもそうそう入手出来ないような貴重な文献など、あらゆるSFX ムービー+
アニメファン向けの展示即売会なのですが、自分がこのようなイベントに参加
する最大の目的というのは、普段専門誌などでしか御目にかかれない作家さん
の作品をわずかな入場料で目のあたりに出来るという、この一点にほぼ集約さ
れてしまいます。

誌面では垣間見ることの出来なかったアングルからの印象や、特に表面処理の
技術力、ただ単に「ツルツル、スベスベ、ザラザラ」の3段階位しか「説明」
出来ない現状の3DCGでは味わうことの出来ない質感表現の豊かさ。

たった一種類の粘土という素材から、あらゆる「緊張と弛緩」を産み出し、自
分の表現世界へと見る者の視座を誘う造形力。

今回特に注目していたのは、竹谷隆之さんという様々な映像・商品企画のため
の立体制作を生業とされておられる方が発表された「ALIEN PILE」という作品
で、非常に精巧に造られたH.R.ギーガーのエイリアンの群れに、壮絶な殺戮を
繰り返し、次のエサの品定めをしているかのように君臨する地獄への水先案内
人といったイメージを想起させる作品でした。

竹谷さんの作品の特徴として「一体のフィギュア」を作品として仕上げたもの
という印象以上に「ある世界観のある状況を周辺の気配ごと切り取ってきた」
ような、ある種「カメラ目線ではないアピール力」が魅力として充満しており、
久々にしばらく見ていたいと思わせてくれる説得力を持った表現にお目にかか
れて幸せでした。

塗装済み完成品が¥24800 という事でしたので、やはり年内はこれ一本に絞る
ことに致しました。90年代を代表するマスプロ・エイリアン造形の筆頭と呼
んでも過言ではないと感じたからです。

これ以外にも、12月に発売される予定の竹谷さんの初めての作品集のプロモ
ーションの展示が行われており、「やっぱ作品集ってタイトル付ける以上はこ
のくらいは造り込みたいよなぁ~」と思わず背筋を伸ばしたくなるような内容
の充実ぶりに、ページごとにイメージのダブりやキャラの使い回しがあるよう
な、子供騙しの高利回りディジタルデータプリント集にウンザリの貴兄に是非
御高覧賜わりたく思いました。

コンビニでも販売している HobbyJapan などで発売日をチェックされると良い
でしょう。さらに意外な出物情報として「マトリックス」の完全版(ビデオの
みで上映版より20分以上長いそうです)、スペシャルボックス(VIDEO or
DVD にPOSTER+CD+POSTCARD+BOOK+フィルム・セル画!)セットというのが
発表されており、この企画の出所が前回も登場した秋葉原ラジオ会館2階にあ
る、「イッツ」さんという輸入ビジュアルショップで、「ハムナプトラ」など
もすでに(当然字幕なしではありますが)販売されていました。

DVDは¥5900と、パッケージサイズと共にリーズナブルですが、日本製プレ
イヤーで再生不可など(国内において再生可能なプレイヤーも販売されていま
す)デジタル映像ライブラリーの曙が訪れるには、今しばし時間がかかるよう
です。

デジタル映像で思いましたが、前日の10月2日(土)に足を運んだ、恵比寿
の東京都写真美術館において開催されていた「Being Digital-アニメーション
とメディア展」で上映されていた「人狼 JIN-ROH」「バンパイアハンターD」
の予告編+メイキングが大変秀逸だったことを付け加えておきましょう。

http://www.production-ig.co.jp/ig/studio/special/jinro/diary.html

「人狼 JIN-ROH」は年内に公開されると思いますが、2001年4月頃公開さ
れるであろうトリロジー社(http://www.trilogy.co.jp/ )の「鉄コン筋クリ
ート」etc 、久々に見る気のする新作ジャパニメーションにめぐり会えて10
代の頃の体感記憶がふと過ぎったのですが、躍動感ある世代交代の息吹が感じ
られるメディアの風に当たり続けていたいと願うのは自分のみではないのでは
ないでしょうか。

クリエイターの制作意識の新陳代謝が行われなくなるカルチャーは、世代を問
わず「全日本ろくろ回し協会」と化す運命にあることは歴史が証明しているに
も関わらず、「ただいたずらに自虐の美を愛でる」しきたりを良しとする風習
にシミュレーショニシズムの美学を追い求めておられる方は別として、「表現
意識のプライドの最前線において全面戦争を展開されている」クリエイターの
仕事が数多く見渡せる渓谷、「パーソナルコンピューターの使用」とは無情勢
なディジタルクリエイターが生息する地域としての「都営地下鉄新宿線」沿線
を貫くアウラについてのレポートは次回に続けるとして、絶対的に推薦させて
いただきたい美術展レポートを2件程。

まず一つ東京都現代美術館(都営新宿線菊川駅より徒歩15分程度)にて開催
中の「身体の夢」展。タイトルがピンとこなくて宣伝美術でもかなり損(失礼
!)していると思われるほどに充実した内容。

関心を引かれなかった方にこそ、おすすめしたい展示レベル。とくに永野護の
「The Five Star Stories 」マニアには堪らない内容と見ました。もちろんア
パレル関連に興味のある方や、MS以上に重機動メカ好きの貴兄に(自分もそ
うだから)はモーターショー以上に優先させるべきイベントとなること間違い
なし。近所に住んでいる所為もありますが、自分が4回も行ってしまったのは
ジャコメッティのオリジナルが展示された時以来。

もう一つは、やはり次回「官僚体質を揶揄する表現手段としてのガンダムちゃ
んの魅力についてin1999」にて紹介させていただきます。以下次号。    

【さぎ・よしかつ】D-NeST DESIGN STUDIO INC
e-mail.dnest@gol.com
HandsOn.0902-634-0677

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■連載 THE WAY PDF ADVERTISING LOOKS 1.
文芸とアート、広告との接点-「PDFメディアの新展開」


北澤浩一
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今発売されているアゴスト「アート&デザイン」012号の特集は、「DTP、
そのモダンスタイル」である。その中に、4頁ほどの原稿を書かせていただい
た。Acrobat 4.0 による作品作成と、それによる広告的展開の手法についてで
ある。

サブタイトルは、編集部、Oさんの発案による。これはなかなか大胆なタイト
ルで、PDF をメディアと言ってしまっているところに、若い女性特有の思い切
りの良さがある。ま、その通りなんですけれども。

アゴスト編集部の好意で転載の許可をいただいたので、この原稿に若干の加筆
・補足などを加え、デジクリ読者の皆さんに紹介させていただきます。読者の
皆さんには、Acrobat 4.0 リーダーの用意と、カタログおよび作品のダウンロ
ードをオススメします。本当はアゴスト「アート&デザイン」当該号を買われ
るのが一番いいでしょう。

アゴスト「アート&デザイン」
http://www.agosto.com

「緑坂PDF」
http://www.yominet.ne.jp/forum/lane/
(id/pass:とも半角英語 guest で閲覧可能)
本作品の雛形は、1「緑色の坂の道」の中にある。メニューにPDF と記載された
もの。制作に関する日々のコラムは、3「青い瓶の話」に掲載。また、画像付
き小説「夜の魚PDF一部」は、サン電子株式会社の運営するEC、SPIS-NET で販
売されている。
http://www.spis.ne.jp/kitazawa


「MAGPRESS」使用作品
セイコーエプソン株式会社メディア推進グループ
TEL: 0263-39-2281 FAX: 0263-39-2285 FREE: 0120-17-2283
http://www.magpress.ne.jp/catalog/download.htm
ここではカタログのダウンロードが可能。
99年10月分「ブルックリンで、真夜中に色はあった」

■「夢の器」(リード)

自身を取り巻く環境が急速に変容してゆくとき、私たちは自己と世界に対する
認識の枠組みを作り出す。つまり、新しい概念を創出してゆく。
これはデザインや表現の現場でも同じことだろう。つまり、表現とは自己否定
でもあり、世界観の創造でもあるような気がしている。


○補足
イントロダクション。
この部分は原稿の要みたいなもので、始めは何を言っているか分からないけれ
ども、最後にここに戻ると「ナルホド、サヨデッカ」という具合になるように
書く。酒を嘗め、唸りながら書いていた。

■「乾くのは底が濡れているからだ」(特色・企画意図)

本作品の特質はいくつかある。まず、「撮影、画像処理、コピー、デザイン」
などの各要素が統一的に行われていること。
DTP の世界では、各々が職能によって分業されていることが多い。今回の作品
は、基本的にそれらを私個人が一人で処理している。
それによってある種の色合い、作家性が付与される。同時に、「文芸、アート、
広告」という質的に異なる三つのベクトルを、微妙なバランスで調整・統合す
ることをも、その目的としている。
試みに、付与された一行のコピーがないものだと想定して欲しい。全く違った
もの、なにがしか緊張感を欠くものにならないだろうか。
つまり、画像と言葉が互いに「分化」(differentiation )しながら、背後で
一定の緊張感を保ち、ある段階で全体として「統合」(integration )される
ことによって、新しい広告表現の実現を目指しているものだといえる。

○補足
なかなか難しいこと書いていますが、つまり自分のやっていることを言葉にし
なければならない訳です。
まて、次号。


【きたざわ・こういち】lane2526@yominet.ne.jp
1958年生。97年12月より、読売新聞社の有料会員制インターネットサ
ービス「yominet 」その文芸フォーラムを業務委託され執筆・管理・運営して
いる。短文には定評がある。
北澤事務所 tel:03-3444-3214 fax:03-3444-3269
http://www.yominet.ne.jp/forum/lane/
(id/pass: guest)
http://www.spis.ne.jp/kitazawa/

・なんの話だ? と思われた方もいるでしょう。要するに、Acrobat 4.0 によ
る作品作成と、それによる広告的展開の手法を解説しています。以下のサイト
でPDF作品をダウンロードして参照してください。(柴田)

緑坂PDF、最新作のありかは、
http://www.yominet.ne.jp/boss-cgi/bconfer.cgi?SVC+238+1+-N+-r529+238

アゴストに掲載した「pride」の雛形は
http://www.yominet.ne.jp/boss-cgi/bconfer.cgi?SVC+238+1+-N+-r527+238

どちらも、(id/pass:guest)でアクセスできます。

http://www.magpress.ne.jp/catalog/download.htm
ここではカタログのダウンロードが可能。
99年10月分「ブルックリンで、真夜中に色はあった」

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■個展案内
花野文男写真展「 INSCAPE -内なる眺め- 」

魚住耕司
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北九州で活躍されている写真家花野文男氏の個展を紹介させて頂きます。

花野氏の作品は、インターネットを通じて広く世界に紹介されており、例えば、
1997年に氏が開設したサイト「Art Create Photography」 
http://www.artcreate.com/photo/
は、国内外のFine Art作品と作家を紹介するグローバルなサイトとして、アク
セスは毎月10万件をコンスタントに記録する人気サイトとなり、翌98年に、
自身の最新モノクローム作品を発表するために個人的に開設した
「monochrome-fine art photography-」
http://www.art-photo.com/mono/
は、海外写真関係サイトからのリンク依頼が800件を超え、海外の雑誌メデ
ィアでも紹介されました。

また、先日開かれ、ネット上でのLive中継の実施も含め話題となった*1「北九
州+デンバー交換写真展 " The Exchange Show "」の日本側メンバーであると
共に、この展覧会開催のきっかけを作った人物でもあります。*2

花野氏が、「デジタルでは表現できない」と明言されるモノクロームのオリジ
ナルプリント約30点で個展を開催されます。題名は「INSCAPE-内なる眺め-」
廃墟や遊園地、草原や木などをモティーフにして心のうちなる眺めを表現しよ
う、というものです。*3

ぜひ会場に足を運んで頂き、「モノクローム」という人間の目とは異質で、写
真しか表現することができない世界を堪能して頂きたく思います。

・日時 10月16日~31日 9時~19時 無休
・会場 北九州市門司区港町2-27 門司港郵便局 コミュニティールーム
・入場料 無料

なお、この写真展の紹介サイトを、粗末なものながら用意させて頂きました。
http://mojiko.com/HANANO/

【この紹介及び個展websiteの文責 魚住耕司】
紹介者プロフィール:日刊デジクリ開設直後からの読者であると共に、会場と
なる門司港郵便局に勤務する郵便局員(^^;) 花野氏に、今回の会場を「使いま
せんか?」と勧めたのも私です。こんなダサイ名前のギャラリーでも会場とし
て選んで頂いたので、感謝しております。

*1 http://www.kis.or.jp/photoex/ をご覧下さい。
  北九州市小倉、ギャラリーSOAPにて、11月3日まで開催しております。

*2 日本カメラ10月号p177「EXHIBITION PREVIEW」をご覧下さい。

*3 門司港という街は、近年大正~ 昭和初期頃のイメージあふれる「レトロ
な風景」を売り物に、観光地となりつつあります。花野氏は、この個展の会場
を決定された後、会場であるこの街がもつイメージを作中に取りいれるべく、
門司港での撮影を何度か行われていると伺っております。

感謝すると共に、私は、地元の人間として、氏が私のこの街をどう眺め、どう
表現されるのか? ということも大変興味をもっております。

また、割合にご遠方の方なども、作品展を見ると同時に、この街を見歩かれる
と、程よい一日を過ごせるかもしれません。

22日からは、写真家の藤原新也氏と、トーナス・カボチャラダムス氏という
現代美術の方による二人展も開催されています。
(この件の案内web http://www.qbiz.ne.jp/retro/newf/new38.html

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■イベント案内
mACademia 第53回「書を携えよ町へ出よう」
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以下は案内より抜粋

・米国からiBookが到着!
・内芝大博覧会
あの伝説の "BookcaSE" から、新しくは "COZO"、"Caerio"、"iMac Button"
そして iMac DV Special Edition を予感したかのような "Carbon iMac"と
Mac ユーザの心理を巧みにくすぐる製品を次々に開発する内芝製作所の
グッズ特集。
・visionplus7 ビデオレポート
多摩美術大学で開催された、情報デザイン国際会議「ビジョンプラス7」の
映像レポート。
http://www.visionplus7.com/tokyo/
・シリコン・パイレーツ(Pirates of Silicon Valley)とは何であったのか?
~ あの名作が今、関西弁で蘇る!~
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9906/11/n_pirates.html

●10月14日(木)19:00~21:00
(お申込みは不要です・会場に直接お越しください)
参加費1,000円(紅茶・クッキー付) 定員120名
大阪・梅田・阪急電鉄本社ビル「1F/エコルテホール」
http://www.mACademia.org/map/map.html
主催 Team mACademia( http://www.mACademia.org/
阪急電鉄ネットナビ( http://www.o-kini.or.jp/netnavi/
●お問い合わせ
中西 博: nyan@mACademia.org まで
http://www.mACademia.org/

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■編集後記(10/14)
・12月29日発売の「ISIZE あちゃら」でメールマガジン大賞という特集が
組まれる。応募された情報の中からベスト100 を人気投票で決め、誌面で紹介
される。ということは、おわかりですね。ぜひともあなたの愛読しているメル
マガを投票して下さい。10月29日に途中経過が発表されます。(柴田)
http://www.isize.com/acara/award99/MMawardn.html

・おなかすいた…。ライブ行きた~い!!(hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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