[0453] 気になるレイアウトソフトAdobe InDesign

投稿:  著者:  読了時間:15分(本文:約7,300文字)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0453   1999/10/28.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 14209部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで mailto:info@dgcr.com
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 <これぞプロの鏡と思える仕事>

●デジクリトーク
 気になるレイアウトソフトAdobe InDesign
 水無月 実
 
●デジクリトーク 
 モニターメーカー「ナナオ」に教えられたプロの心
 "Yume"(竹久マサオ)

●デジクリソフト案内
 初心者でも3DCG創作を楽しめる「Put!」
 


■デジクリトーク
気になるレイアウトソフトAdobe InDesign

水無月 実
───────────────────────────────────
アメリカではAdobe InDesign 1.0E が9月はじめに発売された。このソフトウ
ェアはその優れた機能が漏れ聴こえてきて、開発中から気になっていたのだが、
アメリカで使われ始めたと聴くと一層気になる。日本では来春発売らしいが、
いつ発売になるのか。

インターネットでは、アドビシステムズ社のサイトには、Adobe InDesign1.0E
に関する文献がいくつか上がっている。その文献を読んだので、今回はその話
をしたい。

Adobe InDesignは多国語対応というのはよく聞く話である。それぞれの国語対
応の辞書とスペルチェック機能、ハイフォネーション機能が備わっている。OS
はMacOS8.5.1、Windows 98、Windows NT 4.0に対応している。

Adobe InDesignはアドビシステムズ社のこれまでの戦略を受け継ぎ、紙への印
刷とインターネットへの情報発信を見据えた機能を持っている。PDF、XML、デ
ータベースとの連携が良さそうだ。

インターフェースは、既存のアドビシステムズ社ソフトウェアと同じデザイン
になっている。これは使いやすさにつながるだろう。見た目にはインターフェ
ースだけが同じかと思われがちだが、実はもっと深くつながっている。Adobe
Illustrator、Adobe Photoshopと同じ基本技術を使っているので、Illustrator、
Adobe Photoshop のオリジナル・フォーマットでアートワーク、ページがその
まま取り込める。

Adobe Photoshopで制作したパスはAdobe InDesign 1.0Eで、そのまま使えると
いうから驚きだ。もちろん、Adobe InDesign 1.0E でもペンツールで手書きし
た図形、テキストはベジェ曲線に変換できる。これは便利だ。

Adobe InDesign 1.0E ではドキュメント・ページとマスター・ページ機能が使
えるが、マスターページの機能も進化している。マスター・ページ間でも親子
の設定ができる。子のマスター・ページは親のマスター・ページのレイアウト
を反映する。親のマスター・ページのレイアウト、パーツ、背景色などを変更
すると、それが子のマスター・ページに反映する。

また、編集にはレイヤーが使える。複数のレイヤーが自由に差し替えられるの
で、多国語版のカタログ、マニュアルがどんどん作れる。

テキスト、画像、図形はフレーム(ボックス)でレイアウトするが、テキスト
・フレーム、画像(図形)フレームの区別がなく、テキスト・フレームと画像
(図形)フレームの機能はその場で簡単に切り換えられる。

また、ドキュメントに取り込まれたテキスト、画像、図形などへのリンクは、
リンク・パレットでリスト管理される。もちろん、テキスト、画像、図形をす
べてドキュメントに埋め込むこともできる。

文字組版もAdobe InDesign 1.0E には面白い機能がいろいろ搭載されている。
しかし、ここは日本語版になったときに、最も変わる部分だろう。ドロップ・
キャップスやその他の変則的な(イレギュラーな)テキスト・ボックスを使っ
た組版、組版エンジンのカスタマイズ機能などは是非、日本語版でも搭載して
欲しいところだ。

Adobe InDesignは基本的に2バイト対応で考えられているところに、期待の根
元がある。文字環境はユニコードと新しいOpenTypeフォントの規格に対応して
いる。ユニコードは16ビット(2バイト)対応、65,356文字まで登録でき、特
殊な文字幅を持つフォント、数学記号、科学記号、非英語圏で使われている文
字にも対応している。

Microsoft社とAdobe社が共同開発した規格であるOpenTypeフォントは、1つの
フォーマットでポストスクリプトとTrueTypeフォント・データを両方サポート
している。さらに、マルチプル・マスター・フォントもサポートしているとい
うから、さらに面白そうだ。

また、Adobe InDesignはCoolType機能を持っている。Adobe Photoshop では起
動時に見かける名前なので、CoolTypeをご存じの方も多いと思うが、CoolType
はPostScript、TrueType、OpenTypeフォントのためのフォント・ラスタライズ
機能を持つ。だから、Adobe InDesignではスクリーンにテキストをきれいに表
示するために、Adobe TypeManagerを必要としない。

Adobe InDesign 1.0EではICC(International Color Consortium)準拠のカラ
ーマネージメント・ツールが使える。Illustrator 8.0とPhotoshop 5.0ととも
に、「Rainbow Bridge」と呼ばれているAdobe社のコア技術が共有されている。

このほかに、カラーマネージメントは拡張できるので、サード・パーティが提
供するICCコンパチブルのカラーマネージメント・エンジンも使える。

ここまで、Adobe InDesign関連のドキュメントを読んで、ますますInDesignへ
の期待が募ってきた。アメリカで発売された価格を見てみても、これは私にも
買えるかなと、さらに関連ソフトウェアからのバージョンアップ料金にはさら
に期待させるものがある。早く日本語版が登場しないかな。

【みなつき・みのり】MMinatsuki@aol.com
関西出身のライター。1990年初め頃からDTPの世界に入り、現在は電子
出版、DTP、インターネット、マルチメディアと何でもあり状態。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■デジクリトーク
モニターメーカー「ナナオ」に教えられたプロの心

"Yume"(竹久マサオ)
───────────────────────────────────
7月に空から大魔王こそ降って来なかったが、最近、山陽新幹線のトンネルか
らは物がよく落ちる。まさかノストラダムスがこの事を言っていたとは思えな
いが、やれこっちではこんなのが落ち、今度はあっちでは何センチ大の…。

まるで大きさを競うかのように連日降ってくる。加えて昨日は大阪と神戸方面
を結ぶ高速道路からも通行人の目の前でコンクリート塊が落ちたという。あっ
ちもこっちも突然のように一体どうしたんだぁ?

今回はたまたま大きいのが落ちたからニュースになり、一度ニュースになると、
これまでなら起こっても取り上げられなかった小さな事故までが、あたかも初
めて立て続けに起きた事のように大小取り混ぜてそこらじゅうのメディアで報
道されるようになる。近所に住む人などは、ひょっとすると「何をいまさら。
そんなのウチのガキがずーっと昔から積木にして遊んでらぁ」と言っているか
も知れない。まぁこれだけ騒がれたら電車走らせるにも、道歩くにもみんな気
をつけるようになって良いとは思うけど…。

東海村の事故となるともう犯罪としか思えない。これに至っては「そんなの家
族で花火大会だって言いながらベランダから青い光をしょっちゅう見てたぞ」
などという冗談を挟むのもはばかられる。素人が考えても恐ろしいことを、専
門の技術者が簡略化による事故。プロ故に簡略化が出来る部分はあるかも知れ
ないが、「臨界」という事の意味すら十分に把握していなかったフシもあると
言う。さすがにここまで来ると無知の為せる業と言われても仕方がない。プロ
の仕事って一体何なんだろうか。

高速道路の保守の現場責任者かと思われる人に遠慮がちながらも「もう出来て
30数年経っているので、剥落しても仕方ないことですけれど」とコメントさ
れてしまうと、頭上を走る道路が安全に立っていて当たり前と思っているこち
ら側利用者、通行人が自分で防衛のリスクマネージメントを張っていくしかな
い事を痛感させられてしまう。長期的な不況によって、それまでに築き上げら
れて来た設備やシステムのメンテナンスさえ滞ってしまう恐ろしさなのか。

突然、ここで話の規模はずーっとスケールダウン。ウチのモニターが全く発光
しなくなった。映って当たり前のものが映らないのはやはり困る。停電に等し
い状態に、デジタルワークのよりどころの脆弱さを痛感。

確かに7年間も本当によく働いてくれた。さすがにもう寿命かと思いながらも、
ひょっとしてケーブルでも代えれば…と甘い期待。

以下、その顛末の経時報告。(今回のメイン。ここだけでも読んで欲しい)

●神頼みの水曜日
メーカーに問い合わせ。症状を伝え、ケーブル断線などの可能性はあるかと聞
くと「お話からするとたぶん本体の故障かと思われますが、一度ケーブルを送
りますので調べてみて下さい」との返答。

●びっくり木曜日の朝一番
早速クロネコがケーブルを連れて飛んできた。繋ぎ直してみるが、やはり素人
の甘い期待ははずれた。指摘どおり本体がおかしいようだとメーカーに知らせ、
箱の有無を聞かれたので、引っ越しで処分したと答えた。

●もっとびっくり金曜日午前
モニター代替機とともに返送用の箱まで到着。代替はこちらの希望なので着払
いかと思ったら空箱ともどもメーカー持ち。同封されてきた書類には故障の症
状、使用環境の現状など、こちらで細かく書き込む欄がある。

中には普段モニターをどちらの方角を向けて設置しているかという設問。これ
は今回の私のように全く映らない場合ではなく、画面が映りながらも画像が歪
んだりする場合のための、何か裏付けがあっての事前調査なのだろう、などと
勝手に思いながらも記入(風水を見るんじゃあないですよねぇ、ナナオさん)。

必要な項目を書き終え、ハイハイと尻をたたかれるように故障したモニターと
共に発送。

●サイテー週末3連休
この週は運悪く週末に祭日が重なり月曜日は代替休日。多分先方でのチェック
は火曜日の朝だろう。

●ホラ来た火曜日、昼過ぎの電話
それまでのサービス窓口の女性ではなく、技術担当の男性から症状の細かい説
明と見積もりの知らせ。ほどなくFax にて正式な見積もり書。着払いもOKと
のこと。

●こちらがぐうたら水曜日
返答をさぼっていたら、技術担当の人から電話。型式が古いので、次回にもし
CRT 自体がダメになったら買い替えたほうがよいが、今回はとりあえず大丈夫
でしょうとのこと。またまた丁寧な説明に文句なく修理を依頼。

●嬉し楽しや木曜日
修理が完了し本日発送との電話。

●待ちに待った金曜日
午前中に修理品到着。早速セッティング。ノープロブレム、パチパチパチ!。
礼状を添え、最初に送ってもらったケーブルと共に代替機を発送。

不自由ではあったが、何とも気持ちのよい10日間だった。修理としては軽症
だったのかも知れないが、連休と私が対応をさぼった期間を差し引けば発送か
ら3日後には戻って来た計算になる。代替機はありがたかったが、やはり永年
のつきあいで色合わせの出来ている自前でないと落ち着かず、その間は色合わ
せのない作業をしていた。

依頼した最初から最後まで、その電話の応対といい対処の早さといい、これぞ
プロの鏡と思える仕事を見せてもらえた。他社よりは割高な価格設定のメーカ
ーではある。でも私はきっとまた同じマークを探すと思う。

個人であれ組織、企業であれ、そこに関わりあう人たちの真摯な心が伝わる仕
事には拍手を送り、これからも期待を持って見続けていきたい。心と技がとも
なった物は世界中どこでも通用するはず。同時に私自身もそうありたいものだ
と襟を正したら……どっーとヒヤ汗が出てきた。

PS.
エレベーター無しの4階に、モニターの入った大きな箱が4回行ったり来たり
した。毎回嫌な顔もせずに階段を上がり降りしてくれたいつものクロネコのお
兄さんにも最敬礼の日々だった。

【Yume/たけひさ・まさお】YUMEWORK@aol.com
http://members.aol.com/yumework
Digital Iconography 【WORKSHOP YUME】主宰
写真家/フォラストレーター/ディジタル・イメージ会員

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■デジクリソフト案内
初心者でも3DCG創作を楽しめる「Put!」

AntennaTV:増嶋 masujima@fsn.co.jp
───────────────────────────────────
Put! は用意された3Dパーツを組み合わせて3DCGを作成するソフトです。
様々なジャンルで分けられて用意された3Dパーツをツールパレットから選択
して、3D空間に置いていくだけで、3DCGを作成することができます。モ
デリングすることなく、作品を作ることができるので初心者でも創作を楽しむ
ことができます。

重力機能により、パーツを空中で離すと地面に落下して着地します。もちろん
空中に配置することも可能です。

パーツは色、サイズなどが編集可能で、編集した後で新規パーツとして登録す
ることができます。パーツの組み合わせによっては個性的な物体を表現するこ
とも可能です。照明を自由に動かすことができます。結果はリアルタイムで表
示されるので、照明演出を非常に分かりやすい手順で行うことができます。視
点は自由に切り替え可能で、好きな視点で作業を進めることができます。視点
は保存可能、プリセットの視点をいつでも呼び出すことができます。

パーツは AntennaTVサイトでフリーデータとして多数配布されています。これ
らを集めれば創作の幅がぐっと広がります。また、一部の3Dソフト(例えば
Form-Z)でオリジナルのオブジェクトデータをつくり、Put! でパーツとして
使うことができます。

AntennaTVホームページ
http://www.fsn.co.jp/antenna_tv/

・できることばっかりですね。Webサイトに行って確かめましょう。(柴田)

───────────────────────────────────
■編集後記(10/28)
・日本シリーズはあまり盛り上がらないみたいな。それでも、テレビのバカ番
組よりは面白いから夕食のときに眺めている。まあ、なんとなく中日を応援す
るが、巨人しかない妻はダイエーを。なぜかというと、ダイエー系列のスーパ
ーの優勝記念セールが目当てである。でも、スーパーに勤める人の話では、す
でに商品の発注は済んでおり優勝すれば記念セール、しなければ応援感謝セー
ルになるだけという。スーパーや安売り店のチラシをしっかり見る妻からは、
明日「十六茶」を1箱買ってくるよう命じられているわたしである。(柴田)

・昨日の切断デジクリの原因である「マックで見ていると豆腐になってします」
って、どういう意味なのか? デスクは答えるよーに。

・え、豆腐は豆腐です…。えーと、いろんなマシンやフォントがありますよね。
私のマシンで表示できない外字などが使われると、その部分が別の文字に置き
替わったりしますが、置き替わる文字もなければその部分は□で表示されます。
もちろん今は「口」という漢字で表現しましたが、本当は単なる四角で表示さ
れ、その形状が白くて四角い豆腐に似ているので、そう呼んでいます。これっ
て一部のユーザー特有の表現なのでしょうか…。(hammer.mule)

----------------------------------------------------------------------
■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.shohyo.co.jp/nagesen/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
----------------------------------------------------------------------

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
 担当:濱村和恵
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
広告の御相談はこちらまで   mailto:info@dgcr.com

★等幅フォントでご覧ください。
★【日刊デジタルクリエイターズ】は無料です。
 お友達にも是非お奨め下さい (^_^)/
★日刊デジクリは、まぐまぐ<http://rap.tegami.com/mag2/>、
Macky!<http://macky.nifty.ne.jp/>、Pubzine<http://www.pubzine.com/>、
E-Magazine<http://www.emaga.com/>のシステムを利用して配信しています。

Copyright(C), 1998-1999 デジタルクリエイターズ
許可無く転載することを禁じます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■