[0541] 「羊たちの沈黙」の逆襲あるいはリベンジ

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0541   2000/02/26.Sat発行
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   1998/04/13創刊   前号の発行部数 15320部
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<『ウソをつかないように生きて行こう!』と固く誓い…>

■デジクリトーク
「羊たちの沈黙」の逆襲あるいはリベンジ
十河 進
 
■デジクリトーク 「CIAO from Italy」復活編
 ウソつきはナポリ人の始まり?:その4
 アキ・ダモーレ
 
■デジクリトーク 「眠ル繭」制作楽屋落ちシリーズ 
 こねこ日記-下
 こねこ


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■デジクリトーク
「羊たちの沈黙」の逆襲あるいはリベンジ

十河 進
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第4 クォーター、残り時間1 分54秒、ラムズのクォーターバック、ワーナーが投げたパスは見事にブルースの胸に納まり、ブルースは迫るコーナーバックやセイフティーを振り切って、エンドゾーンに駆け込んだ。さらにトライ・フォー・ポイントを蹴り込んで、23対16である。

この時点で、タイタンズの黒人クォーターバック、マクネアはまだ諦めていない。時間は1 分以上残っていた。タッチダウンを決め、トライ・フォー・ポイントを成功させれば同点になる。いや、タッチダウンの後、2 ポイント・コンバージョンを狙って成功すれば奇跡の逆転勝利だ。

しかし、それはあまりに危険な賭けだ。とりあえず同点にすれば、オーバータイムに持ち込める。どちらかのチームが点を入れれば、そこでゲームセットになるサドン・デスではあるが、オーバータイムになればチャンスは生まれる。

1 月30日に行われた第34回スーパーボウルは、最後まで目が離せない好ゲームだった。あの時のゴールキックが成功していれば、あるいは2 ポイントを狙ったアフタータッチダウンのパスが成功していれば、という局面は様々あったが、終わってみれば今シーズン絶好調だったラムズの勝利だった。

80年代末から90年代にかけてロサンゼルス・ラムズは弱小チームだった。ヒット映画「羊たちの沈黙」にひっかけて「サイレンス・オブ・ラムズ」と言われる屈辱に甘んじていた。

だが、今シーズンのラムズは強かった。ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のシーズンは9 月から始まり、17週をかけて16試合を行う。二桁勝てば、悪くてもワイルドカードでプレーオフには出られるが、ラムズは圧倒的に勝ち進んだ。

NFL は、アメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)とナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)に分かれそのAFC、NFCがそれぞれEAST、CENTRAL、WESTの地区に分けられている。

それぞれの地区には5 チームが存在し、地区優勝でAFCとNFC 3チームずつが選出される。さらに勝率などから割り出し、3 チームがワイルドカードに選ばれプレーオフへ進出する。

地区優勝3 チームとワイルドカード3 チームがカンファレンスのチャンピオンシップ目指してトーナメントを始めるのがプレーオフである。これは、年末年始にかけて行われる。

つまり、シーズンで16勝あげたとしても、プレーオフで1 回負ければ、そこで終わりなのだ。トーナメントの怖さである。運良くそれぞれのカンファレンスのチャンピオンシップを制してチャンピオンチームになると、ようやくスーパーボウルへ進出できる。これは、ほとんど奇跡的なことである。

その奇跡を「羊たちの沈黙」と言われたラムズが起こしたのだ。残念ながらフランチャイズをセントルイスに移したので、もうロサンゼルス・ラムズではないが、サイドに渦を巻いた羊の角を描いたヘルメットは変わっていない。昔のままのラムズである。

そのラムズが苦労人クォーターバック、ワーナーのパス414 ヤード成功の新記録付きでスーパーボウルに勝利した。ワーナーは、「神に最も近い男」と言われた伝説のクォーターバック、あのモンタナの記録を塗り替えたのである。

どんなモンタナ!

(昔、三菱電機のCMで流れたこのコピーを書いたのはダジャレ・コピーライターの眞木準さんかな? 何しろ「ホンダ買うボーイ」だもんね)

ラムズの快挙は、たとえて言えば1978年のヤクルト初優勝みたいなものである。万年弱小チームで、前年はシーズン途中の監督交代によって途中から監督代行になった広岡は翌年から正式に監督になり、ヤクルトに奇跡を起こした。

若松、大杉を擁し、松岡、安田の2 枚看板を大矢くんを使って頑張らせ、逆転勝ちに次ぐ逆転勝ちを続けて、とうとうリーグ優勝はおろか、当時、最強を誇った上田監督率いる阪急ブレーブスを破って日本一になってしまったヤクルト・スワローズ。

しかし、今年のスーパーボウルを僕は負けたテネシー・タイタンズの側に立って見ていた。惜敗である。スーパーボウルは長い歴史を誇るが黒人のクォーターバックが出場したのは、今回のマクネアで二人目だ。圧倒的に黒人選手が多いNFL なのに、なぜかクォーターバックは白人ばかりである。

タイタンズの前身ヒューストン・オイラーズは、スマートなプレーをする黒人クォーターバック、ウォーレン・ムーンを擁しながら、一度もスーパーボウルには出場できなかった。

僕が初めてスーパーボウルを見たのは、俳優チャック・コナーズに似ているのでライフルマンと呼ばれたテリー・ブラッドショーをクォーターバックに擁するピッツバーグ・スティーラーズとダラス・カウボーイズの対戦である。1976年1 月18日に試合は行われている。

それ以来、毎年9 月になるのを待ちかねるほどのNFL ファンになった。「タッチダウンNFL」は隔月刊のNFL 専門誌だが、一時期は欠かさずに買っていた。衛星放送も早くに入れた。NHK にもきちんと視聴料を払っている。

シーズン開幕直前には毎年、選手年鑑が出版されるが、それも買い込んでいる。最近は特に選手の移動が激しいから、誰がどこのチームにいったかわからなくなるからだ。

今年、大活躍したワーナーは下積みが長かった選手で、1995年から97年にかけて室内リーグでプレーし、NFL ヨーロッパを経て、昨年NFL に入った28歳の男である。

ワーナーは室内リーグ時代に、時給5 ドル50セントのスーパーマーケットで働き生活を支えていたのが最大の話題で「スーパーマーケットからスーパーボウルへ」と中継の時にもアナウンサーに散々言われていた。

28歳で人生の最高峰を極め花開いたのだから、下積みが長かったなどと言うな、と30年も下積みを続けている身としては僻みたくなるが、NFL の選手にとって27歳でのデビューはやはり遅い。カレッジ・フットボールから華やかな話題を振りまき高額な契約金をもらってデビューする、松坂みたいな選手がやはり多いのだ。

だが、遅くに花開く人生もある。名手ジョー・モンタナがいたために、ずっと控えのクォーターバックを続けていたサンフランシスコ49s のスティーブ・ヤングが、モンタナの故障でスターターに起用されフルシーズン出場し「元々、モンタナ以上の実力があったのだ」と言われ時、彼はすでに30も半ばを過ぎていた。

スポーツは人生のメタファーとして、あるいは人生をシンボライズするものとして語られることが多い。皮肉なことに、あのモンタナでさえ故障から復帰しても、ヤングの活躍の前にポジションはなく、49s からチーフスへ移り、全盛時の活躍にとうに及ばず寂しく引退した。

1990年1 月28日、第25回スーパーボウルで55対10の屈辱的大差をつけられ、モンタナにボロボロにされたデンバー・ブロンコスの悪がきクォーターバック、ジョン・エルウェイはすっかり紳士になったとマスコミに持ち上げられて1998年のスーパーボウルで優勝し、そのまま引退かと言われたが、もう一年引退のためのシーズンを送り、再びスーパーボウルに出場し人生の頂点を極めて引退した。

昨年のスーパーボウルは、ジョン・エルウェイのためにあった。あの悪戯小僧丸出しのような顔をしたエルウェイは、1999年1 月の3 時間、アメリカ中で最も愛された男だった。

O.J.シンプソンは元の妻と愛人を刺殺したとして起訴されたが、刑事裁判では無罪になった。O.J.はフットポールのスーパースターだった。引退後は映画スターになった。事件後、警察に追われてハイウェイを逃走するシーンは、日本のテレビニュースでも何度も放映された。

刑事裁判では無罪になったものの民事の損害賠償では有罪になり、莫大な金額を支払わなければならなくなった。O.J.の人生の頂点は、やはりNFL 時代だったのだろう。O.J.が元妻と愛人を殺したニュースは、日本でたとえれば長嶋が殺人を犯したくらいショッキングなニュースなのだろうと、想像している。O.J.の現役時代は知らないが、それほどの選手だったという。

人生の頂点をどこで迎えるか? 頂点が一度もこない人が多い中で、一度でも頂点があったと思えるならそれでいいじゃないか、という考え方と、なまじ頂点などないほうがいいのだという思いが、僕の中にはある。頂点は極めるにむずかしく、持続させるのは、さらにむずかしい。

短編小説「夏服を着る女たち」はアーウィン・ショーの宣伝マン・常磐新平のエッセイによって有名だが(現役時代の山口百恵が愛読書としてあげた方が影響力はあったと思う)、同タイトルの作品集の最初に「80ヤード独走」という短編が入っている。

フットボールの試合でパスを受ける主人公の描写から小説は始まる。晩秋の土曜日の午後、カレッジ・フットボールの試合だ。主人公はパスを受け、80ヤードを独走しエンドゾーンに飛び込む。

エンドゾーンからエンドゾーンまでは100 ヤード。80ヤード独走は、自陣20ヤードの地点でパスを受け取り、ハーフラインを超え敵陣50ヤードを走りきりタッチダウンするということだ。人生の頂点である。

80ヤード独走の描写が1 ページほど続いた後「いつのことだったろうか?」と文体は転調し、355歳になった男が、15年後、同じグラウンドに立ち回想しているのだとわかる。

「その15年のあいだに、目方が10ポンド増え、1925年から1940年までの歳月が顔に滲みでていた」

最初の跳ねるような軽やかな80ヤード独走の文体とは異なり、このシニカルな文体でわかるように、この後に綴られる主人公の15年の人生は苦渋に充ちたものだ。

金持ちで美人の娘との結婚、大恐慌による義父の自殺、事業の失敗。主人公とは反対に、華やかで金持ちのお嬢様だった妻は魅力的な女になり、才能を開花させ雑誌編集者として成功する。セレブレティたちと交遊し、華やかな世界に生きている。経済的にも妻に養われるようになった主人公は酒浸りになる。

今は洋服のセールスマンになり、全国の大学を回っている男は、母校のグラウンドで苦い思いをかみしめる。彼は、人生の頂点だった瞬間を思い出し、その時のままにジャンプし空想のパスを受け取り、ゴールライン目指して走る。

アーウィン・ショーが短編の名手だと思うのは、この後の展開だ。主人公を不思議そうに見つめている若い男女を登場させ、主人公に言い訳のように「僕は…、昔…、僕はここでプレイしたことがあるんだよ」と言わせるのだ。

自分が最高に輝いていた瞬間に戻った中年男が一瞬の幸福感を噛みしめた後、己が太った惨めなセールスマンであることを、他者の視線(それも年若い幸福な恋人同士)によって改めて思い知らされるのである。

その時には、二重の惨めさ、屈辱を感じるだろう。そのうえ、言い訳みたいにひとりつぶやくのに「青年と少女は何も言わ」ずシカトする。〈なーに、あのオジサン、バッカみたい〉などと思っているかもしれない若い男女に言い訳する、己の独り芝居の虚しさ。

「……はてれくさそうに笑って、ぴったり寄り添ってすわった二人を凝視し、それから肩をすくめると、踵を返して、ホテルの方へ行った。汗が顔をつたって、カラーに流れ落ちていた」

ショーの小説を読むたびに、人生のエッセンスを抽出されたような思いを感じてしまう。シニカルではあるが、デスペレートではない。「人生とはそういうものだ」という苦さを感じさせられてしまう。

「80ヤード独走」でシンボライズして使われたように、スポーツほど輝きの頂点がわかりやすいものはない。勝者の輝きと栄光、敗者の屈辱と失意、敗者が復活し雪辱を晴らす時の得意、そんなものに共感しながら、僕はまた、NFL のシーズン開幕を待っている。

【そごう・すすむ】DG@genkosha.co.jp http://www.genkosha.co.jp/dg/

玄光社勤務。現在は季刊DG/デジタルグラフィ編集長。「羊たちの沈黙」の続編「H(ハニバル)」の翻訳がそろそろ新潮社から出ます。トマス・ハリスの処女作「ブラック・サンデー」はスーパーボウル会場がテロの標的になる話。ショーの長編「ピザンチウムの夜」も名作です。シリアス・ノヴェルですが、ハードボイルドファンにお勧め。故小泉喜美子もその線で絶賛していました。

▼518 号で、ヌーヴェルヴァーグのスペルを間違えてしまいました。正しくは
nouvelle vagueです。原稿整理の時にミスしました。

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■デジクリトーク 「CIAO from Italy」復活編
ウソつきはナポリ人の始まり?:その4

アキ・ダモーレ http://users.iol.it/akicaterina

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挽回する、もう一度俺と会社を信用してくれ! と、哀願してきたおじさんを、私は数日間だけ信頼しましたが、それでも連絡はありませんでした。カナダの友人が日本に行く日も迫っていましたし、もうどうしようもありません。

「もうおじさんは信用ならないから、ローマ本社に電話してみよう」と、私は主人に言いました。主人は、苦情で会社にまで電話をかけると、旧友の面目が潰れる事を心配していました。それに「アイツがそれほどまでに言うんだら、もう一度信じてあげようよ」と言っていました。

が、私は「ちょっと、ちょっと! 私の面目はどうなるのよ? 旧友どころじゃなくて旧友&親友の彼女に、すでにもう面目ナシだよ!! 彼女が日本に行くまでの日数だってもうないんだし、ここまで待ったのだから、私はもう信用なんて出来ない。ほら、さっさと電話して聞いてみてよ!」と。

しかし旦那は本社に電話するのではなく、ナポリ支社に電話をかけました。荷物がローマに留まっていたとしても、ナポリからでも分かるハズだと。それにナポリ支社長は旦那も面識のある人ですし、話がスムーズに運ぶから……という訳です。が、そこで意外な事実が発覚してしまいました。

おじさんの上司にあたるナポリの支店長の言葉は、誰もが予期していないものだったのです。「は? カナダ行きの荷物? 大きさは40センチ四方位? ああ、それなら彼のデスクの下に1 ヶ月近く前からありますが……。」

生粋のナポリ人の主人も、この時は一瞬言葉を失ったそうです。結論は、おじさんはなんやかんや言い訳を言い続けていたが、実際何もせずに荷物を放ってあったという事だったのです。

主人は気を取り直して、支社長に事情を話し、支社長は「お気の毒ですが、私達は何も彼から聞いていませんでした。お急ぎという事ですが、私が早速手配しましても3 日はかかるでしょう。値段はこの程度になります。それでもよろしければ送付しましょう」という事に。

その話を伝え聞かされた私もしばし唖然とするしか、なす術を知りませんでした。ストの話はなんだったのか? ストが長引いたというのは? カナダ側で止まっているという話は? 荷物がローマで止まっている事が分かって詫びたのは? ……いろんな『?』が頭に一気に押し寄せて来ましたが、その全て、全部が、おじさんがでっちあげた『ウソ』だったのです。

電話での会話で、私は声をあらげておじさんに抗議する時が何回もありました。しかし、そんな時彼は「ストだから仕方ないだろ! どうしようもないんだ」とか「カナダで止まってる物は俺の責任じゃない」とか「ローマの社員の手違いで止まっているんだ。すまない、って謝ったじゃないか!」と、反論してきて、最後の決めセリフはいつも「アキの友達の為を思ってやってる事なのに、なんで俺を信用しないんだ!! そこまで俺を非常識人間扱いするのか? こうやってちゃんと説明しているのに!!」

が、しかし、それが全部『ウソ』。怒る暇もなく、私は即カナダの友人に電話をし、事の全貌を話し、謝り、彼女は早速カナダの宅配業者に頼み、こちらに荷物を引き取りに来てもらって、しっかりと期日通りに到着となって、話は一件落着したのですが……。

私は、それまで数週間おじさんとやり合った会話を反芻し、一人呆然としてしまいました。あれもこれもそれも、全てがでっちあげだったなんて、怒る気力も失い「まぁ、よくもここまでウソがつけるものだ」と変に感心してしまった感じでもありました。

以後、おじさんは私に顔を合わせる事もせず、避けていました。もちろん私だって挨拶する気にもなれませんでした。しかし、主人が彼に渡す会計報告書が少しでも遅れると、私には名を名乗らずに我が家へ電話をして来る事になって、以後数ヶ月たち、ほとぼりが冷めた頃になると、堂々と電話してきて「なのね、ご主人、俺にもう1週間も報告書渡してないんだぜ! 早くしてくれって伝えてくれよ。こっちは毎日待ってるんだから……」と不平を言う始末。

「よくもそんな事言えたもんだね!!!!」と叫びたい衝動にかられましたが、大人な私は(笑)、怒りを抑え「はい」とだけ答え、電話を切りました。自分に甘く他人に厳しいナポリ人の性質をイヤという程感じた時でした。

そして今日もナポリではそこかしこでウソがつかれています。可愛いウソ、おじさん的なウソ、犯罪に及ぶまでのウソ、まさに様々。どれが真実でどれが嘘なのか、考えていたらパニックになるだけです。ナポリで生き抜く為の対処策は『信用しない方がもっと良い』ではなく、『絶対に信用しない事。先ずはウソと思え』という感じでしょうか(笑)。

考えてみれば、私の主人も「デジカメ、急に電池の蓋が壊れたよ」とか「プレステが急に動かなくなったんだけど」とか言いますが、それは『急に』でもなんでもなくて、単に主人が操作法を誤っただけの話(笑)。「うるさ〜い! つべこべ言い訳言うんじゃないの! アンタが壊しただけの話でしょうが?? このウソつきめ〜、白状しろ!」と10回叫んでようやく「へへへ」と答えます。まったくもぅ、何が『へへへ』なんだか……。

自分を正当化する為には、どんな言い訳もウソも平気なナポリ人。そんな中で、私は一人、『ウソをつかないように生きて行こう!』と固く誓い、頑張っています!! でも、たまにはつくかな……ま、それは『ウソも方便』という事で勘弁してもらお、へへへ。(←結局ジブンでも言ってる:笑)

余談:おじさんは、イタリアでも吹き荒れるリストラの嵐で、昨年会社をクビになりました。この場合は不況のリストラというより、あるべくして起こったクビ切りでしょう。

【あき・だもーれ】イタリア在住/フリーのグラフィックデザイナー&イラストレーター:次回はナポリの良い所を書こう!! 予告:『仕事しなけりゃこの世は極楽(仮称)』さて、次回はいつになるでしょうか?(笑)

イタリア&ナポリ情報サイト『LA MATTINA』
http://users.iol.it/akicaterina

STUDIO D'AMORE(akin@iol.it)

▼4 週間ぶりにやっと結末の掲載、う〜んナポリ的?! へへへ。

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■デジクリトーク 「眠ル繭」制作楽屋落ちシリーズ 
こねこ日記-下

こねこ tacomi@wta.att.ne.jp
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「呪われた魔書」をのぞいてしまったこねこがみた「眠ル繭」の現場日記

1998.8 またまた新メンバーの登場、平野崇之さん。CGデザイナー。彼がつくるヒト型CGには定評がある(後に、かなり妖しいSM系美少女たちのCGにみんなをあせらせる)。その彼を含めてCGチームの合宿が始まる。信州のマルチメディアセンターに5 日間。こねこも弁当係として1 日だけ参加。

1998.9『ザ・プレイステーション』(ソフトバンク発行)の隔週連載が始まる。なんかゲームつくってるというかんじがひしひしとする!

1999.1 「やったー。ミリオンだ!」ゲームがバカ売れする初夢をみて御機嫌だったのも束の間、こねこ倒れて入院する。そして手術。『眠ル繭』の印刷物は、こねこの係だったので心配。もしこねこの身になにかあった場合は、友達のゆうこさんにたのんであるからね。だが、こねこの心配をよそに印刷物の類いは全く動かず、3ヵ月後、復帰。

1999.5 覇王の剣、審査最終的に6000点近い応募があった。第2 次審査通過までの作品で500点400人程度、ここまで通過したひとはゲームのクレジットにみんな名前がはいるみたい。スゲーうれしいんじゃないかな? こねこも応募すればよかったかな...。

1999.6 毎日、毎日、所さんはグラフィックチームの人たちから送られてくる画像に赤ペン先生のごとし、「ここは、こうしたい」と直しを入れて送りかえす。また、直したのを見ては、送り返す、、。こんな作業を何度ともなくやって作品をつくっていく。みんな、頑張って!

1999.7 『AGOSTOスーパグラフィックス』にて、所さんとCG軍団のグラフィックと新城さんのテキストで綴る新連載が始まる。ゲームに登場する精霊たちのサイドストーリーを紹介。

1999.8 『眠ル繭 公式ホームページ』を立ち上げる。制作はシンメイさんと木曽さん。超多忙だったにもかかわらず引受けてもらって一同感謝しています。

1999.10 ファミ通などで広告を打ち始める。4 精霊の内の赤精霊のイズィムをアイドルに見立てて、その周りにゲ−ム画面をひきつめるという繭独特のレイアウトが誕生。この時発売予定日を2000年2 月と打つ。

1999.12 繭の印刷物関係が動きだしたのでこねこもちょっと忙しい。所さんが手取り足取り口をはさむので、なかなか時間がかかる。おしりが決まっているので、かなり焦る。取り説のほうは封印王の新城さんが色校正で別原稿をいれてくるなど、こねこにとって呪われていた仕事だった。

1999.1 お正月返上で宣伝用ポスターをつくる。繭の中に入った精霊たちをメインビジュアルにしてその周りにゲーム画面をひきつめるイメージ。この時発売予定日を2000年2 月24日と打つ。はたしてまにあうのか? うー、どきどきする。『眠ル繭 公式ホームページ』のリニューアル。いいかんじ。

2000.2 マスターアップ!!! この日をみんなが待っていた!!!
と、喜んだのも束の間。なんかバグがとれきれなかったらしい、、。プレステ2 のあとの発売になりそう、、。ドラクエも延期になったし、いいゲームを作る上でこれは仕方がないこと! こうなったらいいのを作ろう!!
ここまできたらデュアルのみなさまにお願いするしかないでしょう。所さんは日中、最近連載を始めたFOCUS(新潮社)の表紙の作品づくりに。夜はデュアルにゲームをやりに。寝る時間があまりない上に不眠症とかで死んでいます。はやくゲームがでることが睡眠薬になりそう。
ゲームづくりってほんと、たいへん。所さん曰く「でも最高に面白い出来になった。」とか。RPG 好きの某ゲ−ム雑誌のかたなどその良さを語ってました。RPG をあまり知らないこねこも「とにかくグラフィックが凄い、戦闘も楽しそうだ、流石」と唸っちゃうもん。

この日記を読んでしまったあなた! このゲームがお店にならんでたら、是非手にとって買おうかどうか迷ってみて!
それでは店頭レジで。ばいばい。

「眠ル繭」サイト
http://www.porcu-pine.com/mayu/


【特報! 眠ル繭キャンペーン企画第二弾】
僕のゲーム「眠ル繭」購入者の中から先着300 名様に、素敵な特製ポストカード10枚セットか、所幸則豪華ミニ写真集「天使に至る系譜」(非売品)を差し上げます。発売日の5 日前にHP上にて詳細を告知!
ゲーム中イベントシーンでこういう人がなんといったか! といった問題をだします。アンケートハガキに解答を書いて送ってください。先着300 名ということになると思うので、みんな頑張って予約できるお店、もしくは間違いなく入荷するお店を確認や問い合わせをするなど用意しておいてください。大手のソフトではないから、予約が間違いないぞ。さあ、電話だ!(笑)--ところ

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■編集後記(2/26)
・宮沢章夫の「わからなくなってきました」を読んでいる。朝日新聞の連載コラムも読んでいる。以前は「牛への道」なる著書も読んだ。わからん。ほとんど役にたたないことをうだうだと書いているのだが、麻薬的にひかれるものがある。不思議な文章なのだ。まあ、この文庫本は書評らしきものも編集されていて、これはわかる内容だ。しりあがり寿の挿画と絶妙に相性がいい。モニタを見るのがいやになったときなど、ぽつぽつ読んでいる。わからん。(柴田)

・近くの出張所で申告できるというので、早々と確定申告に行ってきた。友達に経理のことは任せきりだったのでよくわからない。去年も今年も税理士の人がとっても親切。優しい。戻ってくるのが嬉しい。これでウインドウズ版のアプリを買おうっと。投資、投資。昨日紹介したハリポタ。出版社サイトを見つけたのでご紹介まで。(hammer.mule)
http://www.sayzansha.co.jp/


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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
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デスク     濱村和恵 < zacke@days-i.com >
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