[0629] イントレランスは諸悪の根元

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0629   2000/06/17.Sat発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 16257部
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 <「なんか、ほっとけへんねん」という感覚。>

■デジクリトーク
 イントレランスは諸悪の根元
 十河 進

■デジクリトーク
 関西人とモスクビッチの共通点とは?(その2)
 モスクワの関西人  東 知世子

■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0093 6/17
 ぽっかりできたコロンボの1日、スリランカロケ日記part3
 ------(フェーズ1)航海日誌26日目-------
 川井拓也@land



■デジクリトーク
イントレランスは諸悪の根元

十河 進
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●映画の表現手法を発明した監督

tolerance 忍耐、我慢、寛容、寛大さ
intolerance 不寛容、偏狭、狭量、我慢できない、許せない

映画の父と言われるのがD・W・グリフィス(1875~1948)である。だったら、
母親は誰だ、と問い詰めたくなるが、人間と違って両親がいなければ映画が生
まれなかったというわけではない。

映画の父といっても、グリフィスは撮影や映写システムなどハードの発明者で
はない。今で言えばソフトの発明者・発見者である。彼が発明した映画の手法
として有名なのは、クローズアップとカットバックだ。

現在なら普通に見ているクローズアップも、最初に見た観客は驚いた。大きな
スクリーンの上に、たとえば巨大な目玉が映し出されたとしたら、やっぱり最
初は驚くだろう。

ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」(1928)は、映画が始まっていき
なり目のクローズアップになる。それだけで衝撃的だが、さらに剃刀で目玉が
切られるに及んでは、ショック死した人もいるのではないだろうか。

僕は半世紀ほど後に予備知識を持って見たから、そんなに驚きはしなかったが、
ショッキングではあった。伝説によると死んだ犬の目玉をアップで撮影し、本
当に剃刀で切ったという。実写するしかない時代の映画だが、凄いことをやる
ものである。

「アンダルシアの犬」は、若きサルバトール・ダリが脚本を書き出演をしてい
る。あのグロテスクでシュールなイメージの連なりは、人騒がせで挑発的なダ
リのものなのだろう。

彼らに影響を与えたであろうグリフィスの映画は、それよりずっと以前、主に
1910年代後半に作られている。「ホーム・スイート・ホーム」(1914)「国民
の創生」(1916)「イントレランス」(1916)「散り行く花」(1919)「東へ
の道」(1920)「嵐の孤児」(1921)が代表的な作品である。

グリフィスが映画を作っていたのは、第一次世界大戦前後のことである。やは
り歴史を感じてしまう。同時期で今も有名な映画としては、チャップリンのサ
イレント時代の作品がある。「犬の生活」が1918年、「キッド」が1921年だ。

最初の大作「国民の創生」では、クローズアップ、カットバック、フェードイ
ン・アウト、ラスト・ミニッツ・レスキューなど、グリフィスは様々な手法を
創案し使っている。

実は、グリフィスのことを改めて調べていて、ラスト・ミニッツ・レスキュー
という言葉を初めて知った。これは、映画の表現手法と言うより、作劇法であ
ろう。ラストまでハラハラドキドキさせ、最後の最後でどんでん返しによる救
出が訪れる。その後、サスペンスを作り出すための常套手段になった。

●カットバックと東映時代劇の関係

カットバックは、編集によるサスペンスの醸成である。たとえば、インディア
ンに襲われる開拓者たちのカットと、救出に駆け付ける騎兵隊のカットを交互
につなぐと、手に汗握るシーンになる。さすがに最近の映画はこんな単純な編
集はしないが、カットバックが基本になっている編集はよく見かける。

昭和30年代、父親に連れられてよく見た東映時代劇では、この単純なカットバ
ックが多用されていた。よくあったのがヒロインの貞操の危機と救出に向かう
主人公のカットバックである。

たとえば進藤英太郎あたりが演じる悪代官が、花園ひろみなどが演じるヒロイ
ンを屋敷にさらってきて襲う。ヒロインが逃げようとして隣室のふすまを開く
と、そこには目も鮮やかな夜具が敷かれている。勝ち誇ったような悪代官のア
ップになり、そこでカットされる。

続いてスクリーンには、大川橋蔵あたりが演じる主人公が大江戸の夜の道を走
る姿が映る。と思うと、再び悪代官の屋敷になり、ヒロインは帯を解かれてい
る。その帯を悪代官が引っ張ると、ヒロインは「あ~れ~」などと言いながら
クルクル回るのである。

再び、救出に向かう主人公。しかし、そこに悪代官が放った刺客の群れが……。
ここで、観客は悲鳴のような絶望の声をあげる。「あ~、早くしないとやられ
ちゃう」

しかし、幼かった僕は、何をやられちゃうのか、よくわからなかった。ヒロイ
ンが帯を引っ張られてクルクル回っているのも、何だか遊んでいるみたいに思
えたものだった。

ヒロインの状況はいよいよ逼迫している。脂ぎった悪代官の顔が間近まで迫っ
てくる。花園ひろみや高千穂ひずるのようなお姫様純情系女優の場合は、ここ
までの描写はなかったが、千原しのぶや北条菊子のような色っぽい姉御系女優
の場合は、深紅の肌襦袢まではOKよ、という感じで悪役に抱きすくめられるシ
ョットも厭わなかった。

主人公の救出が間に合わず、悪代官の屋敷に着くと、彼女は貞操を守って自害
した後なんていう設定もあった。もちろん女優の格で設定が異なる。高千穂ひ
ずるや花園ひろみの場合は必ず救出は間に合うが、北条菊子のような二線級女
優だと間に合わなくて自害するか、貞操を犯されるか、あるいは救われるか、
まったくわからなかった。

サブ・ヒロインが多かった北条菊子は後に霊感女優などと言われたが、時代劇
には欠かせない人で、妙に色っぽかった。ハリウッド映画で言うなら、ヴァン
プ女優タイプである。

ちなみに僕は、清純派お姫様女優より千原しのぶや北条菊子が好きだった。鳥
追い女の扮装で三味線を抱えた千原しのぶの姿は、今も目に焼き付いている。
笠の端を右手でつまんで見上げた時の細い目が、子供心にもドキッとしたもの
である。

いかん、話が横道に逸れている。要するに何が言いたいかというと、グリフィ
スが作り出した映画の手法は、その後の映画にずっと影響を与えているのであ
る、と言いたかったわけですね、ハイ。

しかし、グリフィスも結局はサイレント時代の巨匠である。ビリー・ワイルダ
ーの自伝だったか、晩年のグリフィスを見かける場面が出てきた。1940年代の
グリフィスは「映画の父」ではあったが、すでに過去の人だった。

●「イントレランス」で復活したグリフィス

完全に映画の歴史の中に埋もれていたグリフィスの名前は、1980年代後半にな
って急に復活した。1989年に大作「イントレランス」が交響曲付きで再上映さ
れたからであるが、その前にも「八月の鯨」(1987)や「グッドモーニング・
バビロン」(1987)などグリフィスがらみの映画が公開されたのだ。

「八月の鯨」は東京では岩波ホールで長期上映されて評判になった。イギリス
人であるリンゼイ・アンダーソン監督の久しぶりの映画である。話題になった
のは、主要人物たちが皆、老人だったからである。主役のリリアン・ギッシュ
は80歳を越えていたはずだ。

リリアン・ギッシュは、グリフィス映画で数多くヒロインを演じた女優である。
したがって、「八月の鯨」の映画紹介では、必ず「映画の父グリフィスの作品
でヒロインを演じたリリアン・ギッシュ」と書かれた。

「グッドモーニング・バビロン」はイタリアの聖堂の建築と修復をする職人の
兄弟がハリウッドに渡り、「イントレランス」の巨大なセット作りに関わる話
である。

「イントレランス」は、壮大なセットと壮大な群衆(モブ)シーンで伝説にな
った映画だ。特に古代バビロンのセットは凄い。この映画で大俯瞰ショットを
撮影するために高い櫓を組んだのだが、それがそのまま業界用語になり、現在
でも日本の映画界で「イントレ」と言えば撮影用の櫓のことである。

「イントレランス」は162分もある超大作で、4つの時代のエピソードが描かれ
る。それらをつなぐテーマは、イントレランス(不寛容)が生み出す悲劇であ
る。不寛容、偏狭、狭量……、人間が生み出す悲劇の元はイントレランスであ
る、と僕はこの映画から教えられた。

「国民の創生」が人種差別的であると非難されているグリフィスに、イントレ
ランスが悲劇の根源というテーマを伝えられても説得力はあまりないのだが、
そのテーマ自体は本質を衝いていると僕は思う。

現在も世界の各地で起きている民族間の紛争、人種間の対立、宗教対立など、
すべてはイントレランスによる悲劇である。人間は自分と違うものを否定する。
国が違う、人種が違う、宗教が違うというレベルからどんどんミニマム化し、
結局、個人個人の違いにまでたどり着く。

イントレランスはいかん、と僕はよく自分に言い聞かせる。自分が人に対して
偏狭で狭量になっていると感じる時があるからだ。そんな時には「トレランス、
トレランス」と二度唱える。なぜ二度かというと、何でも二度唱えると、瞬間
的に昇った血が下がるのである。

「はい」と「はいはい」、「わかった」と「わかった、わかった」のように何
でも二度言うと馬鹿にした感じになるが、相手の言葉に怒りそうになった時な
ど、同じように心中深く「トレランス、トレランス」と二度言うと、一気に冷
静になれる。

トレランスは、忍耐、我慢、寛容、寛大さ、そして許すこと。キリストのよう
に「右の頬を打たれたら、左の頬を出せ」とまでは思わないが、とにかく寛容
であること、相手を許すこと、それを念じているのである。

二度唱えることで、すべてのことが馬鹿馬鹿しく、どうでもいいことに思えて
くる効用がある。「まあ、そう目くじら立てて、ムキになることもないよなあ。
どうせ一度きりの人生なんだし」という心境になれるのだ。

僕は、瞬間湯沸かし器と言われることがある。労働組合の委員長をやっていた
時には、すぐ怒るので有名だった。社長にも「君は瞬間湯沸かし器だなあ」と
言われてしまった。もう18年くらい前のことだ。

それ以来、自分が怒りやすく感情を露わにするタイプだと肝に銘じて、そのこ
とを直そうと心がけてきたつもりである。だから、ミスをしたスタッフにも、
理不尽なことを言う上司にも「トレランス、トレランス」と唱えて、好々爺の
ような(?)日々を過ごしているのである。

でも、「堪忍袋の緒は、切れるためにあるんだあ」と叫んだという小林桂樹の
言葉もまた、僕には説得力があるんだなあ。人間、怒りをなくしたらおしまい
じゃないか、という囁きが……。

【そごう・すすむ】DG@genkosha.co.jp http://www.genkosha.co.jp/dg/
玄光社勤務。小型映画編集部、フォトテクニック編集部、ビバビデオ編集長、
コマーシャルフォト副編集長を経て、現在は季刊DG/デジタルグラフィ編集長。

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■デジクリトーク
関西人とモスクビッチの共通点とは?(その2)

モスクワの関西人  東 知世子
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しかし、前回に述べた共通点というのは、いかにも単純な見方に過ぎない。や
はり、二年近く過ぎ、毎日のように芝居を見たり、日常の生活のようすなど、
ロシア人の暮らしと生き方に密着すると、より彼らが関西人に近いと感じる。
要するに独特の基準により、よそ者には理解できない「ええ加減さ」があるこ
とだ。

これが耐えられない外国人も多いし、ビジネスが絡むと金のこともあるし、そ
う悠長なことは言ってられないだろう。それでも、ヨーロッパのように時間も
秒刻みに思える生活より、街のあちこちで時計が故障して、いつまでも同じ時
間のままだったり、やたらとそこらの人に「今、何時でっか?」と聞かれるの
も、モスクワ恒例。もちろん、こんな調子で遅刻するとか、急に店員がぶらっ
とどっかに出掛けて、「30分休憩」とか書き置きしてるなんてしょっちゅう。

ま、こういうことも重なると、さすがに怒り狂うこともあり、実際「喧嘩くら
い何時でも買ったるで」というくらいの厚かましさも時には必要。言い合いを
恐れてはいけない! たいてい、男性はやさしく、女性には弱いので、すぐ折
れてくれるし、ちょっとしたことは許してくれる。

大体、あんな怖いおばちゃんが多いのに、おっちゃんの穏やかさ、ロマンチス
トぶりには驚かされる。これは、関西にない。日本でも東北くらいにしかない。
そう、あの体格でナイーブで、繊細、涙もろい。小津の映画で父親が息子に、
「男だったら、泣くんじゃない!」とのたまうだけで、グスンと泣いてしまう
のである。あるいは、偶然一晩の夜行で一緒の車両になった人と別れるときに、
思わず男泣きする・・・なんてことまであるのだ。

●「みんなで生きてる」という不思議な気持ち

そして、彼らは文学を熱狂的に愛する。芝居ももちろんだが、下地になる部分
もしっかり読み込んでいる人も多く、朗読プロの俳優などは、まるで演技の延
長のごとくテキストを完全に見ないで、かなり長い戯曲や詩を暗証している。

したがって、今まで会ったロシア人の普通のおっちゃんの日本に対する知識。
最大の関心といえば、そう、大好きな詩。「日本には俳句、短歌というスチヒ
ー(詩)があるらしいやん!」とかいう方向に当然行く。

さらに、ご自身の言葉に対する表現力が詩人だ。本人が気にしているホクロの
ことすら「まるで星のようだ」とか、「それは幸福の兆候だ、君は幸せだろう
?」(「ダー(はい)」と答えると、満足そうに「そうだろう!」と言ってい
た)「こんな広いロシアで知り合った俺のことを忘れるなよ」とか、とにかく
地下鉄で偶然会っただけの人でも、この調子である。

一方、ビール瓶片手に豪快に飲む彼らのこと、しょっちゅう、地下鉄のベンチ
なんかで、ゴロッと熊のように寝込んでしまう。それを見たおっちゃん。私の
耳元で、「今、彼はお休み中やねん」とか、なんか渋い顔で、おちゃめにコソ
ッと言ってみたりする。

一見、あんなゴツイ鉄仮面ような表情なのに、汚い捨て犬でさえ「見ていると
かわいそうで、かわいそうで」つい、ソーセージをあげてしまう人々が続出。
しっかり地下鉄に生息する生き物と化し、市民権を得ている犬も少なくない。

とにかく、犬好きが多い。たまに都心を子ヤギ連れで「ヤギの乳」を売ってい
るおばあちゃんに会うし(どうも彼女も地下鉄を利用しているらしかった。ち
なみに、一本買ったら、ヤギを抱かせるサービス付きであった)、とにかく動
物好きなのも、彼らの純心さを表している気がする(動物市場には、子供より
大人の方が多い。みんなゴツイ柄して必死で小動物や熱帯魚に見とれていたり
する。空き瓶に熱帯魚を入れて帰る様子は壮観。またなぜか犬にも猿にもベビ
ー服を着せるのが趣味らしい)。

また、人間として一番親近感を持てるのは、「義理人情、なんか割り切れない
とこが、人生にはあるもんやで」というのを知ってる、厳しい時代を生き抜い
てきた年とった人たちに、和みを感じる。

そんなん言うと他の国も同じだろうけど、モスクワは普通の貧乏な人ほど、大
体、心があったかい。物乞いの口上に、すぐ同情してしまう優しさがある。そ
れだけでなく、なんかどことなく雰囲気的に、ときどき、「みんなで生きてる」
という不思議な気持ちにさせてくれる。

そういう寒いとこ独特の、あったかーい包容力があり、もしかすると、関西で
も最近は失われつつある感情や昔っぽい庶民性が残っているみたいな・・・

「なんか、ほっとけへんねん」という感覚。

しかも、照れくさいから「ええ格好しい」なことはできへん、というシャイな
部分を持った男の人が多く、ちょっと関西を美化し過ぎかもしれんけど、うち
の父の出身、河内にはこういう感覚強かったから、そう思ってまうんですわ。

ところで、日本人でロシア通のビジネスマンに限って、たいてい決まって「ア
ンチ・ロシア」みたいにロシア人の欠点ばっかり言うのは、どうも狭い範囲し
か見てない気がしていけまへんな(その割に、夜の商売の女性とばっかり親し
い人が多いそうで、そういうのこそ、まさに”国辱”やと思いまっせ)。

日本人ゆうても、いろんなとこの人がいるから正直言って、自分みたいなタイ
プの日本人は少ない気がしますわ。関西人やから思うことでっけど、多分、そ
の人ら、通天閣周辺の新世界に生きるおっちゃんの人情の世界とかきっと分か
らへんのちゃうかな? 貧乏やけど、心はめっちゃ豊かな人たちのことを。

ロシアの芝居とか、庶民が愛してる文化とか、根っこでは同じでっせ。違う、
違う思てるのは、勝手に高い垣根を作るからでっせ。ロシア人もいろいろいる
けど、こっちが心を開くとすごい向こうも正直で、嘘のつけない人が多い。だ
から好っきゃねん。

もちろん、国としてやってきたことは、最低。人権も糞もない独裁政権の密告
社会で、日本の捕虜を強制労働させて、正式に謝罪もしない、その神経は許せ
ない。アフガニスタンでしたことも、同じくらい許せない。それにチェチェン
でやってることも、たいして進歩がない。国としては、大きいだけみたいにな
ってしまって、なんかどうも、情けないみじめなとこばっかり目立つ。

でも、対照的に、人間はそんな悪くない。一般の人のことは、あんまり話題に
ならへんけど、純粋な意味で、すれてない人が多い。

「この人ら、しあわせやなあ」と見てて思うくらい金がなくても、人生楽しめ
る人が多い。ロシアは関西人から見たら、「パルナス」の哀愁だけとちゃう、
なんか妙に懐かしい絆があるんとちゃうか? と思ったりしますねんけど、ど
うでっしゃろ?

もちろん、関西人以外でもディープな人情に”拒否反応”が出ーへん人は、き
っとはまる(こういうディープな世界を知ってたら、少年犯罪なんか絶対減る
と思うねんけどなあ)。どないでっか? 次の時代のパートナーはロシアでっ
せ。アジアだけが隣国とちゃいまっせ(日本海側の人はご存知のとおり)。み
なさんの御理解御協力、愛想ないロシア人ともども、よろしゅうたのみまっせ!

ほな。また出てきたモスクワに生息する、関西人・別名未来派批評家より

*メールマガジンやってまっせ。その名も「ロシア天井桟敷」
http://melma.com/mag/24/m00010124/

▼続きを楽しみにしていますよ

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■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0093 6/17
ぽっかりできたコロンボの1日、スリランカロケ日記part3
------(フェーズ1)航海日誌26日目-------

川井拓也@land
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【現在の船の位置=凸】
東京>>香港>ベトナム>シンガポール>スリランカ>セイシェル>ケニア>凸>>>
エリトリア>エジプト>イスラエル>ギリシア>イタリア>>>>
Transportation by http://www.peaceboat.org/
Produced by http://www.taiyokikaku.com

【ip2000チームが航海しながら制作・発信中のコンテンツ】

●「ドリームキャッチャー~人生の宝物」(スリランカ受付中!)
世界中の好きなものオーダー権が当たる!新感覚番組連動プレゼントクイズ!
http://www.vaionet.com/

●「ip2000ポータルサイト」(Yahoo Internet ガイドに掲載決定)
ポータルらいし顔つきとは何かを3日3晩考えて試行錯誤中です。
http://www.ip2000.net/

【今日の東京プレゼン日記】

ビデオサロンとDV LIFEという競合雑誌を抱えているにも関わらずさらに「ビ
デオα」まで手を広げようという作戦。というのも鈴木健介が「DV LIFE」用
に「香港夜景撮影レポート」でライターデビューしたのであるが、これがなか
なかどうしておもしろいのである。やはりプロデューサーとしてはスタッフの
能力に「火をつけて」回るのが役目とするとここで、もう一発連載を入れて
「まぐれでなくて実力ね?」的検証をしたいところ。しかし「火をつけ」たの
はいいが、火達磨になられても困るし・・。難しいところである。

今回Reel time NITROのスペアボードを提供していただいたピナクルの山下さ
んの紹介で、神保町にある写真工業出版社をたずねる。映像の会社である太陽
企画なので当然「ビデオα」も購読していたので事前予習はばっちり。ちょう
ど最新号では「バップ制作のオリジナルSFアクションムービー」の制作レポー
トがでていた。このあたりのページを相談すればいいかなと切り出してみると
担当の中村さんは「そうです。4ページから5ページで割と毎回扱うものに応じ
てレイアウトを変えています」とのこと。ということで25日最終入稿(withエ
ジプト素材)で7月23日発売の「ビデオα」にカラー4ページ決定!! そして
恒例のおねだりプレゼン。

今日のおねだり品目はずばり「VX2000」発売当初から名機の呼び声高いカメラ
だ。すると中村氏となりのブースからVX2000とPD150の箱を取り出して「今、
借りてるんですよ。ちょっと聞いてみますよ」との返事。おおっ、遂に念願の
「目」を手に入れることができるかもしれない!
(続く)

【今日のコラム】
■□□□テクニカル度
■■■■旅行シズル度
■■□□おもしろ度
□□□□制作プロセス度

無事にロケも終わり食事ということで、パーニニさんに念を押して「地元の人
がいくおいしいレストランに行きたいです! 観光客向けでなくて、地元の人
がいくところで!」「はいはい、分りました。手で食べますか?」「教えてく
ださい! もちろんです」ということでやってきたスリランカカレー屋さん。
(▼1)

のーんびりとしたそのレストランで、ライムソーダを飲みながらカレーがくる
のを待つ。待つこと20分(!)辛そうな香辛料がいっぱいのカレーとライスの
登場。「手でこうして親指で押し出して食べるんです」とパーニニさんは教え
てくれた。

そんなロケも終わり船に戻ると、衝撃の事実が! 今日のコロンボ深夜発の便
で東京に帰ると思っていたのだが、なんと明日の夜便であるという。コロンボ
一泊というわけだ。また船のゆれに戻らなければいけないスタッフは少しうら
やましそうに(次の寄港地セイシェルのくせに!)こちらを見ながら「じゃあ、
スリランカのお金寄付してあげる~」と紙幣をくれた。うれしい。この紙幣が
最後に自分を救うことになるとは思ってもみない展開になるのである。(月曜
のコラムをお楽しみに!)

船に戻るとあと1時間あるとのこと。それならばと、まとめた荷物からVAIOを
取り出しメンバーのデジカメのスマートメディアカードから画像の吸い上げを
開始。少しでもローカルメディアで持ち帰った方が通信費が安くて済むから。
そんなこんなでギリギリまで作業をしているのだが、なんとなく落ち着かない。
グラッと船が揺れて出航してしまいやしないか? とハラハラ。そんなことは
ないのだが地に足が着いていないので(そりゃ、そうだ。海に浮いているんだ
から)気もそぞろだ。下船時刻が近づきいよいよスタッフともお別れ。オリビ
ア号が港を離れていく。(▼2)

離脱するスタッフや乗船者は4人くらい。かなりさみしい。船では大勢の人が
手を振っている。あれ、うちのスタッフいない。もう作業に入っているのだな
・・・。さみしいな。とそこへものすごいスコール!!! ドシャーっと雨が
降ってきてあっと言う間にずぶぬれ。民族衣装のアンリさんもずぶぬれ。しか
し、船から手を振ってくれている人々のためにみな外に出たままずぶ濡れで手
を振っている。感動的だ。と思いながら、風邪引いたら日本での仕事にまずい
からなと言い訳を考えながら。ギリギリまで小屋で雨宿りする私。

出航というのは「出そうで、出ない」ものなのだ。音楽が鳴り「さよーならー」
とかやるのだが・・・・船が出ない。これまた、さみしい。手を振りつづけて
30分後船は出て行った。巨大な客船がスルスルと出航していくのはダイナミッ
クだ。しかもポツリとずぶぬれで残された4人。互いに顔を見て「いっちゃいま
したね・・」さ、さみしい!!

で、インターコンチネンタルホテル(▼3)に泊まり、さあ通信するかと思っ
たら「やばい!」すべて通信設備を船に置いてきてしまった・・・。グローバ
ルモデムカードがないのだ。日本に帰る側が大切な通信カードを持っていって
もしょうがないとの判断だったのだが・・ここでこんなに時間があると通信し
ないわけにはいかないだろう! という悲しい性が出てくる。よく見ると電話
のラインが直接電話機に入りこんでしまっているタイプ。そこでビジネスセン
ターとやらに行き30分いくらの端末(▼4)を使わせてもらう。

Yahooメールでログイン。ここにはすでに仕事用の3つの外部POPサーバーの設
定を入れてある。「あれ?おおっ!」不思議なことが。yahoo.co.jpでアクセ
スすると当然文字化けしているのだが、my yahooに入ったとたんに日本語の
表示が出たのだ。(▼5)
慌ててフォントを見るが日本語のフォントはマシンに入っていないようだ。
??? なんか特別なネットワーク上の仕掛けがあるのだろうか? 知って
いる人は教えていただきたい。(mailto:kawai@ip2000.net)

仕事のメールを処理して、ちょっと得した気分でホテルから3輪タクシーに乗
りコロンボ市街へ。久しぶりのひとりの休日が始まる。楽しもうじゃないか。
(▼6)

※文中に▼がついている部分は以下のダイレクトURLに写真が掲載されている。
http://www.ip2000.net/todayspic/

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【ip2000プロジェクト】6/17
インマルサット復活とともにセイシェル映像届きました!
上陸寸前エリトリア和平締結?
http://www.ip2000.net/
───────────────────────────────────

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(6/17)
・藤原新也「俗界富士」を見ている。「富士写真」といわれるジャンルもある
ほど、美しく撮られた富士山の写真集は多いが、この写真集は視点が違う。富
士という山を望遠し、塵芥、俗界の中をめぐったものだ。富士宮市や沼津市、
御殿場市などの俗界から望む富士山というのも美しいけどなんかヘン。いまま
でこういう雰囲気の富士山写真って見たことなかったのだ。それにしてもこの
人の写真のすごさは尋常ではない(アラーキーもそうだけど)。さいきんのね
むったい写真ばかり載った雑誌を見て腹がたっていたが、こういう濃厚な色彩
の写真集を見ると印刷ってこうでなくちゃと思う。すごい、、   (柴田)

・届いたばかりのデジカムを持って、祖母の家を訪ねた。仕事の都合で夜遅く
に2時間ほどしかいられなかったが、久しぶりに会う祖母や叔母は元気そうで
嬉しい。クリエイターな従兄弟(変な言葉)も遊びに来ていて、その手の話題
に花が咲く。祖母にカメラを向けたら「もっと綺麗な格好をしている時にして」
と笑う。89才なのだが、やはり女なのですな。撮ったばかりのビデオをTV画面
で再生したら、自分の顔が大写しになっているのを見て、照れくさそうだった。
さぁまた口実作って遊びに行くかな。うん。        (hammer.mule)


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デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
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