[0640] もっとWeb的な編集者が必要だ 後編

投稿:  著者:  読了時間:28分(本文:約13,800文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0640   2000/06/30.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 16349部
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 <原稿料と人件費だけでWebコンテンツが作れる????>

■デジクリトーク
 もっとWeb的な編集者が必要だ 後編
 須貝 弦

■デジクリトーク
 アメリカ紀行(学校編)
 吉井千恵

■デジクリトーク
 毎日がパニックなWebのお仕事・・・
 山田博久

■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0103 6/30
 やっとオリビア号17ノットに追いついたweb更新サイクル
 ------(フェーズ1)航海日誌39日目-------
 川井拓也@エルサレム



■デジクリトーク
もっとWeb的な編集者が必要だ 後編

須貝 弦
───────────────────────────────────

●やっぱりちょっと浅かった?

MdN7月号の山名氏の書かれた記事に対しての、私の先週の原稿での「解釈」は、
やっぱりちょっと浅かった。というか、あの原稿を書いている段階ではMdNが
手もとになかったせいもあって、うまい表現が自分でもみつからなかった。

ここでちょっと言い直させていただくと、「Webデザイナーは"構造物"を作っ
てるという意識を持たないと、やっぱこれからやってけませんぜ!」というこ
とになる。そういった意識ができるデザイナーが「Web的なデザイナー」と、
私の中では勝手に名付けられてるわけ。

とまぁちょいと言い訳しておいてから、先週の続きである。いちばん私が言い
たいことを先に書くと、Web的なデザイナーがこれから(これからも)求めら
れるのと同時に「Web的な編集者」っつーのも求められるんじゃない? と思
う。そして悲しいかな、案外とこの「Web的な編集者」はいないようだ。で、
自分は「Web的」な面も持ち合わせた編集者ってものになりたいなぁとも思う。

●ある仕事での悪魔的状況

じゃぁ「Web的な編集者」って何さ、ということになるんだが、その前にある
実例を出してみる。実はいま、ある出版社の情報系Webサイトで企画の新規立
ち上げが行われる話が進んでいて、自分もそこにちょびっと関わることになっ
た。あるテーマを持ったコーナーでどういうコンテンツを用意するかというこ
とを、何人かで(大きなテーマ以外は)真っ白なところからネタ出しするのだ。
また、アクセス数を増やすために、編集/ライターサイドからどんな提案がで
きるか? ということも話し合われている。そこには、20代から40代までのフ
リーランサー数人が関わっているのだが、では実際どんな話をしているのか?

そのサイトはあるテーマに沿って毎日更新される予定で、中身は情報誌系に近
いものとなっている。まだ企画段階なので詳しいことは言えないが、「読み物
系」ではなくて、タイムリーな情報を提供するためのサイトとなる予定だ。

では実際にミーティングの中で話し合われることはと言えば、これが「何曜日
に何を載せるか」という程度の話でしかない。それだけ? と私は思うのだが、
本当にほとんどそれだけだったりするのが怖いところだ。もちろん「編集/ラ
イター」という立場でみんな集まるので「どういう見せかたをするか」といっ
たことも話し合われるのだが、それも「画像がこんぐらいで、テキストはこん
ぐらいで…」という程度の話。アクセス数を増やす仕組みについても、「一本
の企画を何ページかに分けて、サイト全体のヒット数を増やす」というたいへ
んアホなことが具体化してしまうような(まぁ常套なんだけどさ)、悪魔的な
状況だ。

これはもう、「発想力」の問題だ。紙媒体から移行しただけの人と、そうでは
ない人、つまり「ただWebに流れてきただけの人」と「積極的にコミットメン
トしている人」との間で、どうしようもない「発想力」の差が存在する。ジェ
ネレーションギャップみたいなもんだ。この壁をどうやって取り払うか。

●編集者にとって「Web的」な発想を持つこととは

「何曜日に何を載せるか」という程度の話から抜け出して、「Web的」な考え
を持つ――それはいったいどういうことか。私なりにここ数カ月ずっと考えて
いる。

ひとつは、デザイナーに対しても言われていたWebサイトを「構造物」として
捉えて、どんな可能性があるのか、何ができて何ができないのかを考えていく
作業が必要になるということ。情報系のサイト、しかも毎日更新して情報が蓄
積されていくようなサイトにおいて、読者に対してどういったカタチでの情報
提供ができるだろうか? 

それは見せ方(インターフェイス)の問題であり、同時にプログラムの問題で
あり、そして作り手のワークフローの問題でもある。デザイナーやプログラマ
ー側にそれらを横断的な考える人材が必要とされているように、編集者側にも
同じく求められているのだ。

たとえば、旅行情報のWebサイトを作るとする。そこには各地方の観光情報―
―自然、食、街、宿、交通など様々な要素――を総合的に掲載して「観光情報
のポータルサイト」を目指すとするじゃないですか。「どういったコンテンツ
が考えられるか、ちょっと考えてちょ!」と言われたときに、編集者の立場で
何が考えられるか?

これが紙媒体からただ流れてきただけの人だったりすると、先に挙げた要素が
「コーナー」として設定されて、そこにはこんな文章や写真が入りますよ~っ
てとこで終わってしまう。つまりは、あらかじめ決められた要素を、決められ
たページ数の中に落とし込んで台割を作ってみる――で止まってしまうのだ。
もちろん、そういった作業は必要だ。でも、そこで終わってしまうのはちょっ
とお粗末ではないかと、私は思う。

●だって、イニシアチブ取るのは編集者だから…。

Webを構造物として捉えましょう! なんて言ったって、そんなの編集者の仕
事じゃないよって思う人もいるかも知れない。「そこまで編集者が考えること
があるの?」と思う人も、きっと多いだろう。でもね、やっぱり「そこまでや
んなきゃダメ!」なのだ。だって、出版社のWebサイトってたいてい、イニシ
アチブとるのは編集者なんだもん……。その編集者の発想が制限されていたら、
それ以上のモノは出来上がらないと思うんだけど。

私は「ほんのちょっとのコトでいいのに!」と思う。たとえば、編集者がいき
なりWebの仕事を任せられたからって、いきなりASPについて詳しく調べたりと
かは、しなくていいと思う。軽くかじる程度でいいんじゃないか、と。そのか
わり、全体として「今Webの世界で、どれくらいのコトができるか」というこ
とを的確に理解していればいいのではないか。

旅行情報のWebサイトを作るとする。そこには各地方の観光情報――自然、食、
街、宿、交通など様々な要素――を総合的に掲載して「観光情報のポータルサ
イト」を目指す。先に挙げた要素が「コーナー」として設定されて、そこには
こんな文章や写真が入りますよ~ってとこを考える。

トップページは「目次」として機能する――これに+αして「最初に地域と要
素を選べば、見たい情報をにすぐアクセスできるような機能もつけましょうよ」
とか、「iモードとかモバイル端末からも見れるように、テキストオンリー版
もほしいですよね!」とか、「フォームを作って読者から宿や観光スポットの
評価を書いてもらって、記事に反映しましょう」とか、「そのフォームに入力
した人にメールアドレス入力してもらって、更新情報を毎週送らない?」とか
――とりあえず、ここまででいいや。これぐらいのコトは、議論として挙がっ
てもいいと思う。

●最後に、もうひとつのカベ。

逆に言うと、この程度のコトでも「難しいこと言ってる」とか「面倒な話」と
か思われるのが現状だったりするのだ。つい最近まで紙媒体作ってた人が担当
したりするから、仕方ないかも知れない。これには担当者の「発想力」の問題
の他に、もうひとつ大きな問題が横たわっている。それは――。

原稿料と人件費だけでWebコンテンツが作れると思っている、「会社」という
存在なのだよ、悲しいかな…。

【すがい・げん】gsugai@hh.iij4u.or.jp
とくにコンピュータ雑誌を出している出版社の発想力って、実は危機的な状況
にあるところが多いのではないかと思いはじめている。それも、大きな会社ほ
ど。だって彼ら、「Webは情報が早ければそれでいい」ぐらいに思っていると
ころが少なからずあるから。だから、紙媒体の紹介と関連分野のニュース、そ
してメールのヘッドラインニュースしかコンテンツが用意できない。実際、ど
このサイトを読んでもネタは同じだったりする。内容で差がつかないなら、せ
めて仕組みで差をつけるのもアリなんじゃないか? そういう話をしているハ
ズのミーティングでも、実際の議論は上記のありさまだ。こんなこと書いたら
「また」抹殺されるかも――と心配な1975年型男子。

そうは言いつつも何のシカケもないWebサイト:マッカー
http://www.dgcr.com/mac/ 

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■デジクリトーク
アメリカ紀行(学校編)

吉井千恵
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なぜここにいるのか。なぜアメリカの美大に来たのか。柴田さんから書いてみ
ては、と言われて改めて考えた。ある意味での自分探しだったのかも知れない。
日本という社会や常識を越えて、一人の人間として生きてみて、何が生まれて
来るのか見たかった。アメリカという、何でも受け入れられるような自由な環
境でデザインを学びたかった。そして世界共通語といわれる英語もマスターし
たかった。これらが主な動機だったと思う。

こちらに来て、やっぱりよかった、と思う。いろいろな意味で。自分の弱い面
や強い面、嫌な面や好きな面もいっぱい発見した。日本の良い面、悪い面もや
っぱり見えて来た。でもまだまだ何かが足りないような気がする。思い返して
いるうちに見えて来るかな、とコンピューターに向かってみた(筆を取ってみ
た、と何年か前までは言ってたんだろうな、とふと思う)。

**学校**

美大生としてアメリカで学べたことは本当に貴重だった。まず生徒と先生の関
係が違う。お互い名字ではなく名前で呼び合い、ジョークを交わす。クラスの
構成もまるで違う。講義というよりもいつも論議だった。先生の意見に生徒が
反論することは珍しくもなく、先生もそれを快く受け取って、論議をもり立て
る(この状況をうまく扱えるかどうかで、先生の力量が分かる)。

一学期間(3~4ヵ月間)、3回休めば単位はなし。生徒の評価は作品、論議の
参加率、そして出席で決まる。学期末には学校側から先生の評価用紙がくばら
れ、生徒による先生の評価がくだされる。これは先生自身は見ることができず、
学校側の手に直接渡ることになる。授業をもっと良くしたいという先生が、そ
れとは別に先生自身の作った評価用紙をくばることも珍しくはない。

こうした、「生徒あっての学校」、という態度はあらゆる所に見受けられた。
月に一回ほど、「学長とピザ」という、学長と学校の在り方について生徒が論
議するイベントも開かれていたくらいだ。

**生徒**

日本の大学も経験している私にとって、こちらの大学との違いは驚くべきもの
だった。入学が簡単で卒業が難しい、なんていうことは良く聞くと思うが、そ
れはもちろん本当で、それより何より、生徒の態度が違う。特にうちの学校は
アメリカで一つしかない国公立の美大で、学費が安くて、それを理由に来てい
る人が多かったのも理由の一つにあげられるかもしれない。

大抵は学校からのローンで学費を払っていて、卒業後のローンを覚悟で、ぎり
ぎりの生活をしている生徒が多かった。学校以外の時間は宿題に費やすかアル
バイト。もちろんパーティーもあるが、誰かのうちに集まって、というパター
ンが多い。授業に対しても、出来るだけ多くのことを身につけようという姿勢
が見られた。

**第一週目**

クラスは先生による課題の説明から始まる。どういう規定で、どういう目的で
この課題が出されたかが説明され、生徒はどれだけを自分の自由にできるか、
念を押すように質問する。実際、課題が先生の手で出されていても、大抵生徒
の意見や質問によってもっと自由なものへと変形されて行く。そうしてクラス
で了解された新しい課題ができあがる。

こちらに来たばかりの頃は、こういう文化に手間どった。特にその頃取ってい
たクラスは大抵ファイン・アート(美術)のクラスで、課題は特に自由なもの
が多かった。例えば、「対照」だとか、「夢」だとか、非常に抽象的で、先生
がどういう作品を期待しているのか全く分からないのである。自由であること
が難しかった。的はずれのものを作ってしまったらどうしよう、と不安だった。

後々授業を重ねるごとに分かって来たのが、先生が期待を裏切られることを期
待している、ということだ。期待を裏切られてこそある新しい発見、発想、個
性。授業は先生の計画や経験の枠に納まるはずのものではなく、先生の放りだ
した種から、クラスごとに作り出されるものなのである。

先生は自分の殻を守ろうと、出し惜しみすることもなければ全知全能のふりを
することもない。持ったものを全部出し切って、生徒と体当たりし、クラスか
らまた新しいものを学ぼうとするのである。ここで、「先生の期待に添った作
品を作るのが一番」という日本で培われた感覚が快く打ち砕かれた。そうして
やっと作品が自分表現の場所となった。

後に、いかに期待はずれの新しいものをものを作ってやろうと考えている自分
に気づき、変わったなあ、と驚いたりもした。

**第二週目**

生徒はもろもろの作品を持ち寄ってクラスに発表する。大抵課題からは想像も
つかないようなものがずらりと壁に張られる。課題という種が、違う土によっ
てどれほど違う育ち方をするか、それをかいま見る最初の段階である。

生徒は生徒で自分の表現の仕方を知っている。それは視覚的にはもちろん、言
論の点でも明らかだ。たとえ作品が白い紙に殴り書きのスケッチであっても、
自分のアイデアについて10分以上語れる(第一週目はそれでも充分認められる。
人によって、プロセスの仕方もスピードも違うことは暗黙の了解なのだ)。

もちろん、それが続くとクラスメートの反感を買ったりもするが、そこで反感
にとどまらず、反論を受けることになるのがまた日本の文化との違いだ。もち
ろん反論された側もそれに応じなくてはならない。そこで思っても見ないおも
しろい論議が生まれたりもする。論議は勝つためではなく、お互いの意見を交
換し合って、一緒に何か新しいものを発見するためにあるのである。

まだ自分のアイデアがはっきりしないまま発表をする人も少なくない。日本で
はまだ準備も出来ていないのに、という意見も出るかもしれない。しかし、ク
ラスから助けを得ながら一緒に学ぶ、というのが目的である分、こうした状況
は好まれても厭われることはない。

また、課題の規定にどれだけ添っているかということよりも、いかに課題の目
的を果たしているか、が見られる。形式よりも中身なのである。

**そうして**

こういったプロセスで、最後には生徒それぞれの個性を反映した作品が出来上
がる(学期末にそれがどの作品でもあまりに明らかであれば、ワンパターンだ、
と非難を受けることにもなるが)。生徒の評価としては、出来上がった作品よ
りも、どれだけ過程で上達できたかが見られる。

うちの大学に展覧会兼講義にこられた、サイトウマコトさんの言葉が思い浮か
ぶ。「僕たちは何かを作り出すために作ってるんじゃなくって、作る過程で何
かを発見するために作ってるんだ」(確かこういう内容だったと思う)

私も結局は何か発見しよう、と、簡単に言えばそれだけが動機だったのかもし
れない。

【よしい・ちえ】 chieyoshii@hotmail.com
ボストンの美大でデザインを専攻。先月卒業し、只今アメリカで就職活動中。

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■デジクリトーク
毎日がパニックなWebのお仕事・・・

山田博久
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初めまして。私こと山田博久は岐阜県(名古屋のある愛知県の隣の県です、念
のため・・・)でデザイン事務所をやっております。メンバーは、私のほかに
従業員2名とお手伝い2名&ミニチュアダックスフンドのダンディーくんの、総
勢5人と1匹(あと、プラモのガンダム数十体が、いるといえばいる)で、おも
にWeb関係とグラフィックデザイン(印刷物のデザイン)と3DCGの仕事をして
います。

私自身は仕事に追われつつも、扶養家族は事務所のダンディーくんと自宅にい
るねこのジュニアくん(事務所開設当時のスタッフ!!)と一見のんびりと親バ
カな日々を過ごしているようにみえるのですが、内情はそうでもない。2年前
に、ひょんなことから事務所を建ててしまい、借金生活に突入しています。

●毎日が更新・更新・更新

私は岐阜県で生まれ、工業高校の電気科を卒業後、当時の友人につられてデザ
インの「デ」の字も知らないままにフラフラ~っと専門学校に入ったのをきっ
かけに、この世界に足を踏み入れました。卒業後、岐阜の某グラフィックデザ
イン事務所に12年間一生懸命(?)勤め、そのまま過ごすはずだったんですが、
ある時インターネットというものを知ってしまい、まだほとんど知られていな
いにもかかわらず「こんな仕事がしてみたい」と、私自身もわからないままに
独立してしまった無謀な男です。

独立してはや6年、岐阜の自分のデザイン事務所HD(HARD DISK)を運営しなが
ら、神奈川に友人とミディアグルーヴ株式会社というデザイン事務所を設立し、
行ったり来たりの「人間インターネット」をやっています。ネット社会では、
場所などあまり関係ないという言葉をよく聞きますが、「FACE to FACEがいち
ばん」的な日本人特有の感覚を思うと、いや、場所は関係あるぞ! と、私は
言いたい。行き来の手間と時間を考えると、やっぱり便利のいい場所の方がい
いよな~等と思いつつ移動しています。

そんな中でWeb関係の仕事が増えてきて、今は7~8割はホームページづくりが
占めています。人間わがままなもので、今みたいな環境で仕事がしたくって独
立したのに、実際そうなってくると何かほかのことがしたくなってきたりもし
ます。毎日追われてるんです。何にって、扶養家族のメシとシモの世話、じゃ
なくて、更新にです。

更新・・・。
現在岐阜の事務所の方でWebサーバーを運営しており、お客さんのドメインを8
つほどあずかっている関係上、毎日が更新・更新・更新の力技+CGIのプログ
ラムの改造などで追われています。

「お金は安く、デザインと機能はいいものを」という要望が多いのは地方の特
徴でしょうか。お客さんと喧嘩(?)しながら、少ないお金でやりくりするた
め自分でCGIやJAVA SCRIPTなどの改造やテストをしなくてはいけなくって、私
自身グラフィックデザイナーなのに、どこまでが自分の仕事なのか、だんだん
分らなくなってきた今日このごろです。みなさんはこんな思いはありませんか?

毎日が更新なので、どこからでもできるようにPowerBook G3を買ってしまいま
した。前はPowerBook 5300cを使っていたのですが、画面が小さくて仕事には
使えず(その当時はIllustratorやPhotoshopがメイン)売ってしまい、結局不
便になり買ったシロモノです。

「出かけるときには忘れずに・・・」の言葉どおり、重いにもかかわらず持ち
歩き、Mobileもどきをしています。でも、携帯電話を持って以来どこでもつか
まるようになり、PowerBookでどこでも仕事ができるようになると、お客さん
に「今、外ですので戻ってから・・」などという言い訳が通じなくなり、自分
をさらなる窮地に追い込む結果になっています。

いっそ売り払って「仕事の料金が安くって生活できず売ってしまいました」と
言ってやろうかとも考えましたが、不便なのと小心者の私にはできずに、毎日
更新・更新・更新の力技を繰り返しています。

事務所の専用線は現在2本入っており、iMac4台+PowerMac G3でサーバーを運
営しています。初めLinaxで構築しようと思いやっていましたが、メンテナン
スなどいろんな面を考えるとやっぱりMacの方がなれているので、Macで運営し
ようと考えを改め現在にいたっています。

ソフトはWeb ServerはMac上でApacheが動くWEBTENとMail ServerはPostOffice
が動くNETTENを使用しています。この2つのソフトは非常に優秀で、各専用線
iMac2台の構成で動かしていますが、ほとんど落ちません。そのうえCGIのプロ
グラムはUnixのものがそのまま動くので、非常に便利です。あまり詳しくない
私でさえ、Web Masterをしています。しかし毎日Web関係の本や、英語の本と
ホームページ等と格闘しています。

●携帯電話とPowerBookを持ってトレーニングジムに通う

運営を始めて一年半ほど経ちましたが、日に日に新しいものがでてきて、いつ
になったら解放されるのか不安になります。もうそろそろついていけなくなる
んじゃないかと思いつつ、多少年齢を感じる毎日です。

ついていけなくなるんじゃないかというのは何もWebだけでなく、DTPや3DCG関
係でもよく思います。現在専門学校でデジタルデザイン科を教えていますが、
ソフトのバージョンアップが速く、結構コマンド+○を間違えてしまいます。

最近の学生を教えていて思うことがあります。すべてではないですがソフトの
使い方や隠れ技を覚えて「自分はできる」と思い込み、卒業してフリーのデザ
イナーとして始める人がいますが、今一度考えてほしいものです。別に止める
気はありませんが、本当のデザインとは何か分かっているのでしょうか。1mm
や1pixelのこだわりがあるのでしょうか。こんな事を考えること自体「今の若
い者は・・・」などと同じように扱われ、“じじい”呼ばわりされそうですが
・・・私はじじいなのでしょうか・・・?

愚痴になってしまいましたが、毎日がパニック状態なので、ついついイライラ
してしまいます。おかげで胃潰瘍になり、そのうえだんだん太ってきてしまい、
運動しなければと思い、携帯電話とPowerBookを持ってトレーニングジムに通
う変な毎日を繰り返しています。本当にいつになったら、解放されるやら・・

今回はこの辺で終わらせていただきます。次回があるかどうかはわかりません
が、その時までには、何とか今の生活が改善されるようにがんばっていきたい
と思います。

デザイナーの方々、くれぐれも体には気をつけましょう。昔のように切った貼
ったの世界ではないですが、今後しばらくはどこまで逃げきれるかが勝負にな
るような・・・(コマンド+Q)

【やまだ・ひろひさ】yamada@harddisk.gifu.gifu.jp
1963年2月14日生まれ。日本デザイナー学院名古屋校グラフィックデザイン科
卒業。グラフィックデザイン事務所を12年勤め、94年独立、HD(HARD DISK)設
立。広告、インターネット、CD-ROM等の企画、デザイン、制作を中心に活動す
る傍ら、日本デザイナー芸術学院名古屋校のデジタルデザイン科の講師として
勤務。(社)日本グラフィックデザイナー協会会員(岐阜地区運営委員)/ディジ
タル・イメージ会員/岐阜グラフィックデザイナーズクラブ会員(広報委員長)
/日本デザイン事業協同組合会員。HD(HARD DISK)代表及びミディアグルーヴ
株式会社取締役。

現在リニューアル制作中なので表紙のみですが・・
http://www.harddisk.gifu.gifu.jp

ディジタル・イメージサイトの山田さんのページ
http://www.digitalimage.org/artists/YAMADA_H/index.html

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■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 0103 6/30
やっとオリビア号17ノットに追いついたweb更新サイクル
------(フェーズ1)航海日誌39日目-------

川井拓也@エルサレム
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【現在の船の位置=凸】
東京>>香港>ベトナム>シンガポール>スリランカ>セイシェル>ケニア>
エリトリア>エジプト>イスラエル>>凸>>ギリシア>クロアチア>イタリア>カナ
リア>キューバ>メキシコ>カナダ>ロシア>東京
Transported by http://www.peaceboat.org/
Planning&Produced by http://www.taiyokikaku.com

【今日のコラム】
■■■□テクニカル度
■□□□旅行シズル度
■□□□おもしろ度
■■■□制作プロセス度

東京にいる時に久しぶりにマウスまめが出来た。数年前にCGルームに在席して
いたときに、SUNの光学マウスを使用して毎日モーションライドのマッピング
作業をしていたときがあった。その光学マウスは専用の金属にクロスのライン
がプリントされたマウスパッドを使用しなくてはいけなくて、そのせいで手の
ひらと手首の間の部分(ここなんていうんでしたっけ?)にまめができたこと
があるがそれ以来である。

マクロメディアの「ドリームウェーバー」を覚えるために毎日作業を続けたか
らだ。まだ基本的な機能しか使っていないが、ポータルサイトの更新はできる
ようになってきた。ボランティアスタッフの薮中さんからもドリウィを教わり
つつの日々。やはり、画像とバラの写真を船から送り、日本サイドで更新して
いくのは人的、時間的にかなりの負担となる。そこで今後は船から更新を行い
フォローを東京サイドが行う形式に変更しようという訳である。今回カイロに
戻り、まずはその実践と。

デジカメは4人が撮影している。私はシャープのインターネットビューカムで
320/240の静止画と160/120のMPEG4動画を撮影。テクニカルの鈴木健介は富士
のファインピクスで1024XGAの静止画を。広報の吉澤由香とライターの伊勢華
子は共にサンヨーのマルチーズで同じくXGAの静止画を撮影する。それぞれが
32MBのスマートメディアと予備に4MBのカードを携帯している。これらのカメラ
が1日に撮影する静止画の数は500枚以上となる。現在までのクルーズで撮影し
たデジカメ画像の容量は700MBを超えていた。

これらの画像を効率よく管理し、なおかつ素早くアップデートするためにソフ
トの組み合わせを考える。VAIOにはピクチャーギアという画像管理ソフトが付
属しているが、これがオマケソフトと侮るなかれ。なかなかの優れものである。

まずデジカメの画像のマスターは保存しておきつつ、webで使用するものは別
のディレクトリーに複写して加工していきたい。そこでまずはピクチャーギア
の連番ファイル名変更複写機能を使用する。そしてひととおり複写できたら解
像度の変更。90/60のアイコン画像と160/120の画像、そして1ページ1枚ずつの
HTMLにするため320/240の画像と4種類である。フォトショップのアクション機
能を使用してそれらを一括変換を行う。

何回か上陸を経験すると、港から都市まで30分から1時間かかる場所が多いこ
とに気が付いた。この時間を有効に使わない手はない。揺れる車内でも安定し
て使えるポインティングデバイスとしてLogitechの光学式トラックボールを使
用する。これは潮風に吹かれ使い物にならなくなるトラックパッドや操作に面
積が必要になるマウスと違い、どんな場所でも確実に動作してさらに場所を取
らない。バスの中でもお腹の上に置いて操作が可能である。しかもボールなの
で希望場所にポインタを合わせやすい。IBMや東芝、DELLならスティックポイン
トを使用できるので問題ないがVAIO(C1シリーズ以外)にはこのデバイスが一
番いい。

バスの中では主にメンバーからの画像の吸い上げと複写、ディレクトリ整理、
複数解像度のファイル作成を行う。ほとんどがマウスでできる作業なのでマウ
スポインタを特大にしておけば揺れるバスの中でも作業が充分可能である。

準備ができた画像をドリームウィーバーでコーディングを行い、サーバーにア
ップというのが基本段取りである。インマルサットで連続して通信できる時間
は20分。日々バッテリー容量は低下しており、そのフォローのためにカイロで
は車のバッテリーを購入して補助電源とすることにした。

20分の通信の中でやらなければいけないことは多い。メールの送受信、webの
ブラウジング、FTPサーバーへのデータアップロードなど。特に気を使うのは
FTPである。圧縮ファイル等を作成してプットする場合、電源が切れるとそれま
での分がすべて無駄になる。通信費は1分あたり800円もするのだから、その損
失は大きい。そこで小分けにした圧縮ファイルを小刻みにアップさせることに
なる。

さらにそこに船の角度や揺れ、突然のスコールなどさまざまな要因が重なるわ
けである。最近は、自分の段取り通りにデータを規定時間で送り込めるかどう
かが、一種の競技のようなもものになってきた。なにごとも自分のイメージ通
りことが進むのは気持ちがいいものである。

船というのは「アポロ13」のようなものだ。たとえトラブルが起こっても船内
で解決しなければいけない。アドバイスを外からもらえても、実際に手をくだ
さなければいけないのは乗っている側なのだ。クリエーターシップとして魅力
的なのはそうした物理的な制限をクリアして、ユニークなものを創出していく
ことにある。なんでも使える環境でいいものができるのはあたりまえである。
webの更新は、物理的に船の速度に同調させることはクリアできるようになっ
た。これからはそこで何を発信していくかの実験のフェーズに入る。

───────────────────────────────────
【ip2000プロジェクト】6/30
ギリシア、ピレウスへ到着! 
オリンピックの聖地でなにを撮影しているのだろう? 
http://www.ip2000.net/
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■編集後記(6/30)
・仕事部屋の窓から見えていたビルの高さの防音パネルの壁がなくなって、空
が見える。解体が終わった。いままで建物に隠れていた東の方の家がすぐそば
に見える。眺めがいい。このままこの空き地が保たれればこんないいことはな
いのだが、来週からは整地、月の半ばからは杭打ちが始まる。新築の建物本体
についてまだ充分な話し合いが終わっていない段階で、建築確認がおりて業者
側は強気な態度に変わった。まだまだ一波乱起きそう。今夜も会議。(柴田)

・回転焼肉屋さん。実在するのだそう。国重さんからタレコミあり。ありがと
うございます。かなりびっくりしたので検索かけてみた。長野県塩尻市にある
「グリムクック」というお店らしい。気になるぅ。どなたか近所の方いらっし
ゃいませんか~! 塩尻インターから車で3分、焼肉だけではなくデザートな
ども流れてくるようで、子連れでもOKだとか。詳細は、infoseekあたりで「グ
リムクック」で検索かけてみてくださいな。        (hammer.mule)


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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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