[0673] 人形&クレイアニメーションのたのしみ

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0673   2000/08/23.Wed発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 16632部
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 <めっちゃ根性の入った映像!>

■デジクリトーク
 人形&クレイアニメーションのたのしみ
 まつむら まきお

■展覧会案内
 第6回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2000

■公募案内
 マルチメディアグランプリ 2000 応募締切は9月8日

■イベント情報
 MACWORLD Conference & Expo/Tokyo 2001 始動!
 2001年2月22日(木)から24日(土)まで、幕張メッセで開催



■デジクリトーク
人形&クレイアニメーションのたのしみ

まつむら まきお
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今週は相方の笠居さんが仕事で忙殺されているというこで、まつむらが一人で
お送りすることになりました。休み明けなんで、あんまり頭使いたくないしぃ
(^_^;)、というわけで、今日はきっとアナタの創造力をシゲキしてくれる、近
所のビデオレンタルショップで借りられるまつむらオススメアニメーションを
御紹介していきましょう。有名なものばかりですが、もし見落としている作品
があればぜひチェックしてみてください。

●3DCGでは得られない表現

最近はなんでもかんでも3DCGばっかですが、3DCGが一般化する以前は、人形or
クレイアニメーションってのが多く使われていました。とにかく、手間暇がか
かるアニメーションの中でも、おそらく最もめんどくさいのがこの人形&クレ
イアニメでしょう。

なんせ、分業がほとんどできない。広い撮影スタジオが必要。卓越したアニメ
ーション技術が必要ということで、どんどん3DCGにとってかわるのもわかる気
がします。特に、ストップモーション撮影では「ブレ」が表現できないという
致命的な問題があるため、実写映像と合成するとどうしても違和感が残り、特
撮としての立体アニメはすっかり衰退してしまったようです。

しかし、アニメーション作品としてみた場合、立体アニメには現在の3DCGでは
得られない、空気感や質感があり、なにより職人芸としてのアニメーションは
何物にも代え難い価値があります。

●「ウォレスとグルミット」が渋い

まず紹介するのは、近年キャラクターとして大ブレイクした「ウォレスとグル
ミット」
<http://www.aardman.com/wallaceandgromit/index.shtml>。
これをぼくが最初に見たのは、NHK教育の年末こどもスペシャル枠で、おもわ
ず大掃除の手をとめ、TVにかじりついたのを覚えています。

その後、劇場公開などが実現し今や超有名アニメになってしまいました。「プ
ッチンプリン」のCMで見た人も多いでしょう。キャラクターのかわいさもさる
ことながら、イギリスらしい世界観がとても渋い作品です。個人的には一作目
「チーズホリデー」が一番好きなんですが、アニメーション技術としては二作
目の「ペンギンに気をつけろ」が圧巻です。この作品では背景にブラした画像
を使用し、スピード感を出すのに成功しています。

●児童番組枠はアニメの宝庫

スピード表現で感心したのが、日本の山村浩二さんの「パクシ」をはじめとす
る一連の作品です。
<http://www.jade.dti.ne.jp/~yam/>
この人の作品は一見、クレイアニメーションなんですが、実は完全な立体では
なく、半立体という、ちょっと特殊な方法がとられています。

まず、粘土でつくったキャラクターの様々な顔を写真に撮り、それを切り抜い
たものを、レリーフ状に作られた半立体の身体とセットの上に配置するという
方法、いわばクレイアニメと切り紙アニメの折衷のような表現です。手や足な
どは2次元的に描かれた絵だったりして、とてもフシギな雰囲気の画像を実現
しています。

この作品の中で、時々つかわれるのが「オバケ」という、2次元アニメの手法
です。これは画像のブレを漫画的に描く手法なんですが、ヤマムラアニメでは
それが違和感なく使用されているのです。レンタルショップでみかけるのは
「パクシ」ですが、個人的には「カロとピヨブプト」というシリーズが大好き
です(山村さんのサイトで直販あり)。

同じく、日本の作家で、伊藤有壱さんという方のシリーズ「ニャッキ!」は、
小さな芋虫が主人公のショートストーリーのクレイアニメです。この作品では、
背景の多くに実際の風景のスチル写真が使用されており、その風景の中で粘土
の芋虫「ニャッキ」が動き回るという趣向です。

山村さんや伊藤さんの作品はNHK教育の児童番組枠で放映されたもので、様々
なアニメーションの宝庫です。デジクリに時々寄稿されている「なゆみ かす
い」さんのマニアックなページ
<http://member.nifty.ne.jp/project/petit/index.html>
で他のアニメーションも紹介されていますので、興味のあるかたは一度チェッ
クしてみてください(なゆみさん、いちどチャットでプチアニメ談義でもしま
せんか(^_^)?)。

●「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のすごさ

さて、今度は人形アニメ。なんといってもすさまじいのは「ナイトメア・ビフ
ォア・クリスマス」です。この作品の恐ろしいところは、人形アニメであるの
に、ミュージカルである! 群舞シーンだらけ! 移動撮影だらけ! しかも
主役のジャックはひょろひょろの身体!(人形アニメの場合、こういう細身だ
と相当ジョイントを堅牢に作らないとブレてしまう&堅牢に作るとアニメート
しにくいので、避けるのです)トドメに一時間を超える長尺! という、従来
の人形アニメのタブーだらけ。見ているだけで胃が痛くなります(笑)。おそ
らく、これだけのモノはもうだれも作ろうとは思わないでしょう。

最初見たとき、これはきっと人形は機械仕掛けでPCでモーションコントロール、
あとはデジタル合成しているのに違いないと思ったくらいですが、移動撮影の
カメラをPCでモーションコントロールしている以外は基本的にトラディショナ
ルな人形アニメだということで恐れ入ります。

これらの作品作りには、ビデオやPCといった、「すぐにモーションを再生でき
る装置」も利用され、アニメーターの「補助記憶装置」として役立っているら
しいのですが、それにしてもいやはやすごいのはアニメーターの根気です。

手描きのアニメーションや、PCでのアニメートの場合は、動きの要となる部分
(原画/キーフレーム)を先に描き、間を補う(中割/トゥイーニング)わけで
すが、人形&クレイアニメでは基本的には頭から順に撮って行かなくてはなら
ない、カットの途中でミスがあれば、最初から全部撮り直しというわけで、そ
れだけでもどれほど大変な作業であるかがわかるでしょう。

リアル世界を志向する「特撮」とは違う、独自の映像世界を構築できる「アニ
メーション」として見た場合、これらの「めっちゃ根性の入った映像」はCGI
では絶対に得られないお宝だと思うのです。

撮影や、合成、後処理などがフルデジタル化されつつある現在、従来の手作業
もかなり軽減されるはず。今後、またクレイアニメや人形アニメが復権して、
とんでもない映像を見せてくれないかなぁと密かに思っているのです(だった
ら自分で作れって(^_^;))。

【まつむら まきお/まんが、イラスト、アニメーション作家】
今年もMacromedia UCONにてなんかやれとお達しが
<http://www.macromedia.com/jp/macromedia/events/ucon2000/program/>。
うーむ、仕込みをやらなくてわっ。

<http://www.asahi-net.or.jp/~GU5M-MTMR/>


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■展覧会案内
第6回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2000
http://www.pref.toyama.jp/branches/3042/3042.htm
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会期 8月5日(土)から10月29日(日)まで
会場 富山県立近代美術館 富山市西中野町1-16-12 076-421-7111
時間 9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)
会期中の休館日 毎月曜日(但し9/11、10/9、10/16は開館)及び10/10(火)
観覧料 一般1,000円(800円)高校・大学生750円(550円)小・中学生500円
   (350円)※( )内は20人以上の団体料金
後援 社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)
協力 YKK株式会社

内容 世界ポスタートリエンナーレトヤマ(IPT)は、世界の最新ポスターデ
ザインの現状と成果を紹介する国際公募展であり、今年で第6回展を迎える。
今回の公募では、作品募集を、既に印刷発表されたものと未発表オリジナル制
作のものの2部門に改めるとともに、新しく亀倉雄策国際賞が設けられた。世
界53ヶ国2,602点の応募から厳正な審査の結果入選となった417点と、審査員作
品を通して、世界の最先端を行くポスターの数々が見られる。

グランプリはパリ=クラヴェル,ジェラール、亀倉雄策国際賞はモングッツイ,
ブルーノ、日本人入賞者は泉屋政昭、唐仁原教久、日高英輝、U.G.サトー、矢
萩喜従郎、成沢豪。

会期中の行事
講演会 「デザインの樹に登る」
日時 9月2日(土)14時から 入場無料
会場 富山県立近代美術館1階ホール
講師 原 研哉(グラフィックデザイナー)

講演会 「誰のためのデザインか」
日時 9月16日(土)14時から 入場無料
会場 富山県立近代美術館1階ホール
講師 葛西 薫(アートディレクター)

講演会 「佐藤晃一の仕事と日本人の美意識」
日時 10月9日(土)14時から 入場無料
会場 富山県立近代美術館1階ホール
講師 佐藤晃一(グラフィックデザイナー)

その他イベントあり、詳しくはサイトをごらんください
▼デジタルぎんぎんではないデザインの世界ものぞいてみよう

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■公募案内
マルチメディアグランプリ 2000 応募締切は9月8日
<http://www.mmca.or.jp/mmgp/2000entry/index.htm>
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<主催者情報>

財団法人マルチメディアコンテンツ振興協会では、通商産業省と共催で、コン
テンツ産業の総合的育成、発展と創造を図ることを目的として、様々な分野の
マルチメディア作品および制作者を選奨し、表彰する総合コンテスト「マルチ
メディアグランプリ2000」の募集を7月より開始いたしました。

本年も、<作品表彰の部>の最高賞として「パッケージ部門」「展示・イベン
ト部門」「ネットワーク部門」「CG部門」の4部門の中から「マルチメディア
グランプリ・通商産業大臣賞」を、マルチメディアコンテンツにかかわる制作
者や技術者などで業界に多大な貢献や影響を与えた人物に対する<人物表彰の
部>の最高賞として「マルチメディアグランプリ・MMCA会長賞」他、各賞を贈
ることといたします。

また、独自の技能・技術を有し、明日のコンテンツ産業を牽引し得る制作者の
新しい才能を積極的に選奨する<「新しい才能」の部>を通じてコンテンツ産
業の充実と活性化を図ります。

本コンテストでは、社会性や公共性、創造性、市場性、革新性や新規性、技術
性などに秀でた作品や制作者の応募を広く国内外から募り、優れた作品と制作
者を顕彰いたします。

応募の詳細につきましては、「マルチメディアグランプリ 2000」応募要項の
ページをご覧ください。
http://www.mmca.or.jp/mmgp/2000entry/index.htm

なお、募集部門と応募締め切りは下記のとおりとなっております。コンテンツ
制作に携わる皆様方には応募要項のサイトをご参照の上、奮ってご応募くださ
いますようお願いいたします。

【募集部門】作品表彰の部(4部門*)と「新しい才能」の部
※「パッケージ部門」「展示・イベント部門」「ネットワーク部門」「CG部門」
の4部門
【応募締め切り】9月8日(金)

問い合わせ先
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-21-8 秀和第三虎ノ門ビル8階
財団法人マルチメディアコンテンツ振興協会
産業振興第二部 中村、川田、福島
TEL: 03-3506-1702 FAX: 03-3506-1739 E-mail: sinko2@mmca.or.jp
マルチメディアグランプリホームページ
<http://www.mmca.or.jp/mmgp/>

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■イベント情報
MACWORLD Conference & Expo/Tokyo 2001 始動!
2001年2月22日(木)から24日(土)まで、幕張メッセで開催
http://www.idg.co.jp/expo/mw/
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<主催者発表>

会期:2000年2月22日(木)~2月24日(土)
場所:幕張メッセ(日本コンベンションセンター)
主催:IDGジャパン、日本工業新聞社、ニッポン放送、産経新聞社
   フジテレビジョン、毎日コミュニケーションズ

2000年2月のMACWORLD Expo/Tokyo 2000(2000年2月16日~19日)は、18万人を
超える熱狂的な来場者を前に、米国以外では初めてという新製品発表が、米国
Apple Computer社最高経営責任者Steve Jobs氏によって行われ、例年にない盛
り上がりをみせ、閉幕しました。

11回目を迎える次回開催では、米国のMACWORLD Conference & Expoにならい、
MACWORLD Conference & Expo/Tokyo 2001に名称を変更、2001年2月22日(木)、
23日(金)、24日(土)の3日間にわたり、幕張メッセ(日本コンベンションセ
ンター)で開催いたします。

21世紀最初のMacプラットフォームのイベントとして、またコンピュータシー
ンにおいてのモニュメンタルなイベントとして、本年に引き続き、大きな注目
を集めると期待されます。イベントの展示企画等、詳細は後ほどリリース、
Webで発表します。

問い合わせ先:MACWORLD Conference & Expo/Tokyo事務局 IDGジャパン内
一般の方は→TEL:03-5800-4831 FAX:03-5800-3973
プレス関係者は→TEL:03-5800-4831 press@idg.co.jp

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■編集後記(8/23)
・手塚治虫「ぼくは漫画家」を読んでいたら、北杜夫の「谿間にて」について
の記述があった。台湾の山中で「フトオアゲハ」という蝶を追う話だが、手塚
氏は「感激のあまり失禁しかけたくらい」だと言う。さっそく全集を開いて件
の短編を読む。昆虫少年だった私には、この話がよくわかる。じつは何度も読
んでいる。ついでに「幽霊」というわたしが最高に好きな自伝風の作品も読む。
北杜夫はユーモア小説やエッセイで知られるが、純文学にものすごい作品があ
る。イギリスに2週間いたときは「楡家の人びと」を毎晩読んでいた。文庫の
厚さが長旅の友にぴったりなのだ。文庫の厚さといえば、今日買ってきた夢枕
獏の4冊は重ねると9センチを超えた。改行が多いからすぐ読めるけど。(柴田)

・PINK。リアルタイム体験したかったバンドのひとつ。早すぎたというイメー
ジのあるバンド。その元PINKの岡野ハジメ氏がプロデュースした今回のエンズ
のシングルをゲット。う~ん、イイ。ギターは元マッドカプセルマーケッツで
あり現布袋寅泰のサポート石垣愛。ドラムは元EZOで現ラウドネスの本間大嗣。
ピアノは元筋肉少女帯で、戸川純とゴルゴダや、オーケンと特撮!をしている
三柴理。パーカッションはレベッカや山崎まさよしらのサポートで活躍した中
島オバヲ。ボーカルは元ソフトバレエの遠藤遼一。これで面白くないわけがな
いじゃな~いと思っているんだけど、まったく売れてません(泣)。ラジオや
TVでなかなか曲がかかりません。ライブはそこそこ人が入っているし、若いフ
ァンも徐々に増えているみたいなんですが、「過去の人」と思われてしまって
いるのでしょうか。一度「元」がつくと、どうしてここまで無視されちゃうの
かなぁ。布袋さんや民夫ちゃんがうらやましいです まる  (hammer.mule)

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http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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デスク     濱村和恵 
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