[0692] 夢に賭ける(その1) 解雇通告

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0692   2000/09/14.Thu発行
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 <今やったら死んじゃうかも知れない(笑)>

■デジクリトーク 連載:夢に賭ける(その1)
 解雇通告
 石田博嗣

■デジクリトーク 連載:クリエイターの健康問題(その1)
 ぼくが太っていった経緯
 所 幸則

■デジクリトーク リレー連載:泥縄式☆展覧会顛末記(その1)
 P-Nuts展の舞台裏
 中村晋也 

■イベント案内
 「TOKYO SCENE 2000」in 佐賀町エキジビットスペース
 倉嶋正彦ライブドローイング 9月17日(日)




■デジクリトーク 連載:夢に賭ける(その1)
解雇通告

石田博嗣
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締め切り間近の編集部。すでに次号の取材も入ってきており、毎月のことでは
あるがかなり切羽詰まった状態にある。そんな中、めったに編集部に来ない社
長がやってきた。その後ろには深刻な表情を浮かべた編集長もいる。

「とうとう来たか」

その空気でもう分かった。案の定、バイトやデザイナーも含めてスタッフ全員
に招集がかかる。終わった。今作っている号で雑誌が休刊することが宣告され
た。そして、会社は存続するけど、社員は今月いっぱいで全員解雇となること
が通告された。

まず内情を話せば、すでに一年前から危ない状態だった。リストラしたり、家
賃の安い事務所に引っ越したり、あらゆる経費削減の策を練って、なんとかこ
れまでしのいできていたのだ。しかし、それももう限界にあった。

音楽シーン的にもCDの売れない時代となり、レコード会社も広告が出せなくな
ってきていたし、雑誌自体の売り上げも芳しくない…となると、近い将来にこ
うなることは見えているようなもの。

だから、自分としてはその覚悟ができていただけに、それほどショックはなか
ったのだが、やはりそういう覚悟できていなかったスタッフはかなりのダメー
ジだったみたいだ。泣いている者もいる。もちろん自分だって悲しいが、正直
言って“終わった”という事実よりも“解放される”という気持ちの方が強か
ったりする。

編集長を入れても編集スタッフの数は4人。その人数で取材をこなし、編集作
業を行なって、毎月150ページもの全国誌を作っていたのだから、尋常じゃな
い忙しさで働いてきたのだから、そういう気持ちになってもおかしくはないだ
ろう。

とにかく今は最後となる、今月分の仕事を責任を持って終えることが最大の目
的だ。後のことはそれからゆっくりと考えればいい。職探しという大問題が目
の前にあるけど、これから数日間は今の仕事を悔いが残らないように終えるこ
とだけを考える。しかし、この先どうする? 自分に何ができるのだろうか? 
嫁さんにどう言おう…。

【いしだひろし】free_jam@mx9.freecom.ne.jp
1966年生まれ、神戸生まれの神戸育ち(震災後一年だけ高槻で避難生活を送る)
学業卒業後、2年間のフリーター、7年間のサラリーマンを経て、どこで人生を
誤ったのかいきなり某音楽雑誌社の編集者となり、現在は扶養家族と多額の借
金を抱えながらも利益の上がらないフリーペーパー『J.A.M.』の発行人をして
いる…。
http://web9.freecom.ne.jp/~free_jam/

▼ショックなスタート、、、どうなるのか?

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■デジクリトーク 連載:クリエイターの健康問題(その1)
ぼくが太っていった経緯

所 幸則
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ぼくも以前こういうタッチになるまえは(どういうタッチだ?)撮影して現像
して納品、最短だと次の日にわたせたりしたので、一日3本仕事をしたり、朝3
時からロケスタート、11時に1本目、13時から16時まで六本木スタジオ2本目、
18時から0時までアートスタジオで3本目、その上、午前一時から打ち合わせが
あったりもするというスケジュールだったりしたのです。

それで月に20本くらいは撮影していたのだからすごいもんだと思います。そう
いう生活、健康に悪いなーとその当時思いながらも、今考えるとタフだったよ
うな気がしますし、丈夫だったなあと思いますね。

今やったら死んじゃうかも知れない(笑)

途中からエアブラシを使った手法やら内緒の(というか文章で説明するのが面
倒)テクを使うようになってから、月に多くて12~13本受けるのが精一杯にな
っていった んですが、そのころから体力が徐々におち...ふとっても来たよう
で....(汗)

体力が落ちると制作も根気がなくなるものなんですよ。心と体はやっぱり同じ
ところにあるからなんでしょう、以前は体力がなくって良い作品作るのがかっ
こいいとか思っていたんですが、作りたい物が多いと体力も必要なんですよね。

僕は数年前にやっと体力がなくなっているのに気付いたのですが(というか20
代はなにもしなくても体力があるので実感できない)一度、コント山口君と竹
田君を恵比寿のジムで撮る機会があったので、当時白金に住んでいた僕はすぐ
にジムに入会したのですが、ちょっと遠かったみたいで(笑)つづきませんで
した。

ガンガン汗をかいても全然効果もなかったような気もします。結局2か月で5~
6回いって、そのあとはもう行かなくなってました(入会金がもった いなかっ
たなあ)。体重もへるどころか若干ふえてました(笑)。ジムの後、うまいも
ん飲んだりくったりしたせいかなあ(馬鹿?)

作風もまた少しづつ変化をとげ、3Dソフトも使うようになりました。そうする
と撮影回数も8~10回が限度になっていき、ますます運動量がへったんです。
もちろん運動量がへると体重が増えるのですね(泣)つづく

<ps>そういえばshadeという3Dソフトが、ぼくがマックでは初めて買ったも
のですが、保守料やら並列計算ソフト2本をふくめると250万ぐらいしたんで
すよね、いまは10分の1ですが、その後開発しているひとから最初に買ってい
ただいたお客さま(少なかったらしい)にはさいごまで無料でバージョンアッ
プさせていただきますといわれていたのですが、最近音沙汰ないんですよね、
メールもだしたのですが返事がきませんでした。だれかその会社の方に知り合
いがいたら連絡くれるようにいってください。

【ところ・ゆきのり】
最近HPをリニューアルしました。
(マック版のIEだとカートシステムがまだちゃんとうごかないらしい)
http://www.ajbb.co.jp/tokoro/

▼健康コラム書いてください、トお願いしてでてきた第一弾、次はダイエット
(に失敗した)話だそうです。

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■デジクリトーク リレー連載:泥縄式☆展覧会顛末記(その1)
P-Nuts展の舞台裏
 
中村晋也 
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この世の中にある、すべての事象が計測可能です。僕は常日頃から、自分の日
常を数学的考察の元に計測することを怠りません。

たとえば、僕は毎日腹筋運動、スクワット、反復横飛びを行ない、自分の身体
のラインを30プヨリン以上、80マッチョ以下に保つことにしているし、毎日の
生存疲労は20,000パパラッチ以下に抑えることにしている。このような計測行
為が、古代ギリシャ人の呪いのようなものであることは重々承知しているが、
たとえばそれは郷ひろみの生き様なようなもので、決して逃れることの出来な
い悲しい性なのである。
 
8月の初頭から開催された「第2回P-NUTs展」は500カラリオの新鮮な光で、僕
の心を照らしてくれた。僕の通常時の心の数値が180ブロークンハートである
ことを考えると、開催前後一週間の平均値が1,300ブロークンハートを記録し
ていたことは、如何にこの展覧会が僕にとって有意義なものであったかを想像
してもらうことは、決して困難なことではないだろう。

この展覧会の告知はずいぶんと以前にあったそうなのだが、引っ越しを0.13回
/月の割合で行っていた自分には、もちろんDMなど届くこともなく、開催ちょ
うど一週間前の2000,7/22までその存在を僕は知り得なかった。それなのに僕
は、展覧会にはもちろん出展しているし、顛末記なるものもこのように書かせ
ていただけている。つまり、僕の「P-NUTs展」は開催一週間前に、ある人との
出会いにより「突然」始まったのである。

「2000年7月:まったく! 彼女は僕のアンディだよ。僕より足の数の多い連
中がたむろする裏道で、自慰行為にふける少年のような僕に、一つのきっかけ
を下さった。まるで、バスキアの気分さ! 叶姉妹のおっぱいの大きさぐらい
どうでも良かった日常が、こんなに眩しいものだったなんて! ハレルヤ!
ありがとう神様!」
 
上の文章は、展覧会一週間前の日記で、突然の出会いに感動した自分が書き手
である。人との出会いは面白いもので、ある人との出会いが、その人の運命を
変えてしまうことは、人生の中で多々あること。そしてその出会いの多くが、
いたずらのような偶然に支配されている。

僕が「P-NUTs展」に参加できたということも極めて偶然で、僕の勤める会社が
外注でデザインをお願いするデザイン事務所が、たまたま同じビルの中にあり、
たまたまその会社の女の子が展覧会のDMを先輩に持ってきて、たまたま先輩が
不在だったので僕が受け取り、たまたま彼女がリマークの出身者であることが
わかり、たまたま僕も同じ学校の出身者であったということによる。多分、こ
の偶然は小学校の同級生の女の子を、TSUTAYAのアダルトコーナーのパッケー
ジの中で発見した時と同じぐらいの確率だったと思う。きっとそうだ。

このような幸運の中で、わずか一週間の中で作品制作に取り組むことのなった
のだが、それについてはあまり述べることはない。僕の利き手の筋組織の30%
が硬直し、会社の仕事の75%をおっぽりだし、永平寺の修行僧のごとく禁欲に
ふけったことぐらいのことである。

半死半生の仔猫たちが闊歩するような、20.9世紀の荒廃した世の中に見いだし
た輝かしい500カラリオの光。7日ごとに繰り返していた、168時間目の憂鬱も、
訪れることを忘れている。

今僕は「P-NUTs展」をきっかけに知り合うことのできた5人の仲間たちと共通
の目的を持ち、作品制作を行なっている。小学校の頃に見た、TBS制作の啓蒙
番組の中で、教師の役を演じていた新撰組マニアの髪の長いおじさんはこう話
している。「人間は、支え合って生きている」あの話は本当だったんですね、
金八先生。ある人との出会いが、ある人との出会いを呼び、その出会いがまた、
ある人たちを知るきっかけをもたらす。

毎日が文化祭初日のようなそんな気分。これからなにが起こるか見当もつかず、
どきどきして、嬉しくて。それが「第2回P-NUTs展」であり、僕にとって計測
不可能な事象の一つであった。この有意義な企画が、これからも、そこはかと
なく続くことを願いたい。うん、そんな感じ。

【なかむらしんや/詩人(自称)】
定期的にポエムを連載中。それはイラストであったり、文章であったり、まん
がだったり。尊敬する人はアムロ・レイ。人間っぽく生きたい。


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■イベント案内
「TOKYO SCENE 2000」in 佐賀町エキジビットスペース
倉嶋正彦ライブドローイング 9月17日(日)
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2000年8月25日から9月30日までのプログラム中、9月17日(日)午後3時と午後
7時の2回、「出会いのためのリテラシー」ダンス:馬場ひかり 音楽:吉川洋
一郎の会にライブドローイングのプロジェクター投影で参加します。
入場料:2800円(シニア(60歳~)、学生(学生証提示)2000円)
開場は開演の15分前、全席自由
当日券や整理券は開演1時間前より販売、発行致します。

会場:佐賀町エキジビット・スペース
   江東区佐賀1-8-13 食糧ビル3階 03-3630-3243
   地下鉄、東西線 門前仲町 3番出口より徒歩12分。
   半蔵門線 水天宮 2番出口より徒歩8分。

イベント全体のお問い合わせは、東京ダンス機構 03-3443-2622 

倉嶋正彦サイト
http://www1.odn.ne.jp/~kurashima/

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■編集後記(9/14)
・みうらじゅんの「とんまつりJAPAN」にはまった。みうらじゅんはマイブー
ムの元祖で、仏像をスターよろしく見物したり、もらっても少しもうれしくな
いみやげものを「いやげもの」と呼んでコレクションしたり、そのほかいろい
ろあったが、とにかくユニークなジャンルを発見して楽しむ天才である。そし
て今度は「とんまつり」だ。とんまな祭り(ふつうは奇祭という)を、とんま
つりと呼ぶ。思わず「どーかしてるよ!?」と叫びたくなる祭りのレポートだ。
たしかにあきれるばかりの、はずかしい祭りのオンパレード。ニッポンの性教
育はこうなっておるのだ! どんどんツッコミをいれるみうらの文章のテンポ
の良さ! これはたいした芸だ。本のつくりも格調がないのがいい。(柴田)
http://www.alles.or.jp/~arkwing/tukkomiTuhan1.html

・土曜日に行ったデジイメ大阪、模様の一部をサイトにアップ。インタビュー
あり。不肖ハマムラ撮影、島田氏編集である。見てね。/今日の石田氏のコラ
ム。身につまされる人は多いのではないでしょうか。私もそのひとり。こうい
うのって、半年以上経ってから実感するんだよな~。でも乗り越えられないこ
となんてないと思うから、昨日の後記にも書いた「努力・根性・気合」でベス
トを尽くすしかないっすね。もちろん時期もあるけど。家康。(hammer.mule)

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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