[0714] 「CGオペレーター」で行こう!

投稿:  著者:


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0714   2000/10/13.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 16914部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで mailto:info@dgcr.com
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 <ノーギャラ万歳!>

■デジクリトーク EXIT EXHIBITION 2000 MOVIE5(その2)
 「CGオペレーター」で行こう!
 富岡 聡

■デジクリトーク
 快適な移動空間
 須貝 弦

■イベント情報
 WORLD PC EXPO 2000



■デジクリトーク EXIT EXHIBITION 2000 MOVIE5(その2)
「CGオペレーター」で行こう!

富岡 聡
───────────────────────────────────

●勘違い

まず始めに。ここで出てくる「CG」という言葉は「3DCG」に限定する。「2DCG」
は専門外なのでよく分からない。

職業を聞かれると最近はプウ太郎と答えてる。一応、フリーランスの3DCGオペ
レーターなのだが、最近はアマチュアのオリジナル制作ばかりやっており、本
業の仕事をしている時間がない。

CGオペレーターという職業は他人が描いた絵コンテを渡され、他人が描いたデ
ザイン画を渡されてそれをCGに起こす仕事だ。CGオペレーター自身がデザイン
したり演出したりすることは殆どない。基本的には下請けである。

しかし、何を勘違いしたのかオペレーターなのにCGクリエイターとかCGアーテ
ィストとかを名乗ってしまう人がいる。実は私も専門的なメディアで紹介され
る時にクリエイターだのアーティストだのと勝手に肩書きをつけられてたし、
当初は自分でもCGクリエイターと名乗っていた。

しかし、友人の誘いで漫画家やイラストレーターの人と飲む機会があり、そこ
で自分の勘違いに気がついた。自分の作品を持って来いと言われてたので私が
作ったアニメーションのビデオを持っていった。そのビデオにはオリジナル作
品が一点と仕事で作った作品が数点収録されていた。

最初に「SiNK」というオリジナル作品を上映したが評判がよかった。漫画家の
人がいろいろと尋ねてきた。
「なんの仕事でこれ作ったの?」
「仕事じゃなくて趣味なんです」
「え? これだけのもの作ってお金は貰ってないの?」
「趣味ですから、、、」

なかば呆れた顔をされた。次に仕事で作った作品を上映した。オリジナル作品
とは全く違うアニメ調の作風の映像や、作風すら存在しないリアルなCGの映像
だった。また漫画家の人が尋ねてきた。

「随分作風が違うねえ」
「はあ、仕事ですから」
「仕事だと作風が変わるの?」
「指示されて作ってますから」
「え? 君が考えて作ったんじゃないの?」
「絵コンテ渡されて作りました」
「キャラクターデザインは?」
「他のキャラクターデザイナーの方が担当されてます」
「演出は?」
「ディレクターの指示に従ってます」
「君は何をやったの?」
「CGパート担当です」
「CGパートって、、、、。君の名刺にクリエイターって書いてあるけど、仕事
では何をクリエイトしてるの?」

●ノーギャラの依頼

その時はなにも答えられなかったが今考えてみれば自然な質問だと思う。漫画
家の人は自分で話を考え、キャラクターをデザインして漫画を描く。イラスト
レーターは常に自分の作風でイラストを描く。ミュージシャンは自分で曲を作
る。映画監督は自分で演出して映画を作る。

しかし私は他人の考えたものをCGにしてるだけなのにクリエイターと名乗って
いる。とても滑稽に見えたことだろう。

こうして最初は抵抗がなかったCGクリエイターという肩書きが、自分の実際の
仕事とメディアでの紹介に極端なギャップが感じられて、非常に恥ずかしくな
った。

それで、メディアで紹介されるときは先方に必ずアマチュアクリエイターかプ
ウ太郎にしてくれと頼むようにしたのだが、実際に誌面にはCGクリエイターと
紹介され、それを見てまた赤面してしまう。

中には私にノーギャラでオリジナルイラストを制作させておきながら、誌面で
は売れっ子クリエイターみたいに紹介する性質の悪いメディアもあった。

つまり私の作品には商業価値はないと言っておきながら、誌面はかっこよく見
せたいのでウソをつくのである。さすがに嫌気がさしてきて、最近は私自身の
紹介等はすべて断っている。

ただ私は、自分の作品が目立つことには異常に執着心があるので、作品の紹介
や好きに作っていい仕事はノーギャラでも安くても喜んで引き受ける。と書く
と、またノーギャラの依頼が増えそうだ。

ノーギャラ万歳! けど割に合わない仕事を引き受けるのは露出の高いメディ
アだけ。よくアマチュアバンドや学生テクノミュージシャンが「PV作ってくれ。
金はない」とメールしてくるのだが、そういうのは勘弁して頂きたい。メジャ
ーになったらやっぱり作らせて下さいとこちらからお願いします。

●CGオペレーターはイマイチな職業ではない

ではCGクリエイターというのはどういう職業か。私が思うに、自分で企画した
CGの映像やキャラクターを商品化して、それで食べてる人のことだ。そういう
ことを可能にしている人はいったいどれだけ居るのだろうか? 特に個人に限
定すると極端に少ないような気がする。さらにCGアニメーションとなると殆ど
皆無ではないだろうか? 私が知る限りでは二組しかいない。

また基本的に商業CGはゲームのおまけムービーであったり、映画のエフェクト
にしか過ぎない。それらの制作をCGプロダクションが下請けで引き受ける。し
かし中には、自社企画でフルCGアニメーションを立ち上げようとするCGプロダ
クションの話を時々聞く。

だが下請けの仕事を怠り、自社作品制作に走り始めると会社が傾く。それで沈
んでいったプロダクションをいくつも見た。市場が確立されていて、コストに
見合った制作を行わないとダメになる。

このように、CGを主体としたアニメーションを個人で作ってそれだけでご飯を
頂くのは今のところ不可能に近い。私自身も自分の作品で一生食べるつもりも
なければ実力もない。本業のCGオペレーションで生活費を稼ぎ、空いた時間で
アマチュアクリエイターとしてオバカな作品が作れればそれで楽しい。

ただ残念なのは、オペレーターの人たちの殆どがCGクリエイターもしくはCGア
ーティストと名乗り、自分の本当の肩書きを恥じているように感じるのだ。僕
はCGオペレーターがイマイチな職業だとは思わない。

CGの場合、造形、塗装、アニメーション、照明、構図、編集、演出、さらには
医学的な骨格、筋肉構造など美大の全学科を卒業しても足りない技術が必要で
あり、一人前になるのは並大抵の努力ではかなわない。私はまだ半人前だが、
やりがいのある仕事だ。それらを完璧にこなすオペレーションは素晴らしいと
思う。

オペレーターでいいじゃないか。アマチュアクリエイターでいいじゃないか。
僕のように他のメディアのクリエイター達の前で恥をかかないで欲しい。

【とみおか・さとし】tomioka@tt.rim.or.jp
1972年生まれ。97年株式会社ドリームピクチャーズスタジオ入社。99年SGIキ
ャラクターアニメーションコンテストC&R・GAGA賞受賞。99年NewTek Wavy
Awrad入選。99年マルチメディアコンテスト新しい才能の部「銀の翼」賞受賞。
2000年ロッテルダム映画祭入選。現在フリーランス。
http://www.tt.rim.or.jp/~tomioka/

▼ディジタル・イメージ東京展、大阪展でも絶賛を博した「COINLAUNDRY
XYZ」はたしかにすごい。本人は「おバカでマヌケでとっても無駄なCG作って
ます。すごいCGは他の人にまかせてひたすらチープに行きます」と言うがは
んぱじゃなくすごい。「ディジタル・イメージ上田展」で見られます。
10/7~10/29 上田市マルチメディア情報センター
http://www.umic.ueda.nagano.jp/index.html

EXIT EXHIBITION 2000 MOVIE5
http://www.info-g.co.jp/ko2/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■デジクリトーク
快適な移動空間

須貝 弦
───────────────────────────────────
最近の僕は移動空間に対する興味が尽きない。クルマの免許すら持たないが、
助手席や後部座席ならしょっちゅう乗っているし、パッセンジャーとしてはた
いへんうるさいほうである。たとえば新幹線に乗ったときも、居住性やサービ
スに常にいろいろと考えを巡らせている。

新幹線に乗ったとき、「快適だ」と感じる人はどれくらいいるだろうか。実を
言うと僕は、全然快適だと思ったことがない。また、運賃や特急料金に見合う
だけのサービスを受けていると思ったこともない。

新幹線は、日本の大動脈の役目を果たす交通機関だ。そして、高速道路のよう
にインフラとして寝転がっているわけではなく、線路の上に車両を走らせ人を
運ぶというサービス業でもある。しかし、何度も新幹線に乗って感じるのは、
サービス業としての意識の欠如だ。彼らはきっと、「オレたちインフラ」くら
いの気持ちなんだとおもう。

で、今日ここで考えたいのは極めて個人的な「新幹線快適化計画」だ。それも、
モバイラーという立場から考えたい。

まず、主要な駅の待合室にモバイラーコーナーを作る。椅子とほんのちょっと
のテーブル、そしてACコンセントがあればそれでいい。比較的時間に余裕のあ
るユーザーは、ここでメールのチェックをしたりWebをダウンロードすれば、
後は新幹線の中でゆっくり見ることができる。新幹線の中でデータ通信をする
のは、あまりに非現実的だろう。

新幹線の車内については、まず「ビジネスクラス」を設定して欲しい。テーブ
ルは、お弁当を広げるためではなくモバイルPCを開くためにある。そしてACコ
ンセントが使用可能。ただしこれは、プリペイドカードでの有償サービスとし
て提供される。一編成に2両組み込まれるグリーン車のうち一両は、こんなサ
ービスでもいいと思う。

全列車はムリでも、「のぞみ」の一部だけでもいいからぜひ実現して欲しい。
東北方面なら、2階立てのMaxなんかにお似合いのサービスだろう。那須塩原と
東京の間との通勤新幹線「なすの」でやっても面白いのではないか。

もうひとつ欲を言えば、静かでゆったりくつろいだり、寝たりできる車両があ
ればいいと思う。まあ通常のグリーン車ならふだんから空いているからいいだ
ろうが、それでも半個室のようなグリーン車がもっとあってもいい。2階立て
グリーン車で1階部分が4人個室のものがあったと思うが、そういうのももっと
増えて欲しい。

・・・などと言っても急に新幹線のサービスが変わるわけもないし、のぞみの
グリーン車などそうそう手が出ないのが悲しい現実。とりあえずは、大阪など
に行く機会があれば、「ひかり」のグリーン車でも使ってみようかと思う。普
通車に比べて劇的に高いような気もするが、一度使ってしまうとなかなか忘れ
られないのがグリーン車なのだ。

【すがい・げん】gsugai@hh.iij4u.or.jp
とはいいつつ「ひかり」のグリーン車でもだいぶご無沙汰の25歳。しかし休日
の新宿~町田の移動は、かなりの割合でロマンスカーを使用。

▼新幹線の2階建てのグリーンには2席だけ一人がけがあって、そこは最高です。
高い位置から見下ろせるのと、隣がないってのは気楽ですよ~。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■イベント情報
WORLD PC EXPO 2000
http://wpc.nikkeibp.co.jp/wpc/contents/index.html
───────────────────────────────────
10月17日(火)から10月21日(土)まで(10/17は特別招待日)、アジア最大
のデジタル総合展 WORLD PC EXPOが、東京ビッグサイトで開催される。事前登
録すれば、入場無料で、特別招待日(10/17)の入場もOK。

いま、カウントダウンメールが配布されていて、見所ガイドなど役立つ情報が
いっぱい。メール配信希望する人は、WORLD PC EXPOへの事前登録しよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(10/13)
・わたしは偏屈においては人後に落ちないのだが、「住民のみなさんがよいと
いわれるなら」とか「会員の諸君がそう考えるなら仕方がないね」とか、日常
では不本意ながら寛容な人物を演じているだけなのである(寛容? うそつけ、
ト土曜日の筆者あたりから聞こえてくるが)。わたしは中島義道氏のように偏
屈に徹底できず、曖昧に妥協してしまうところが情けない。昨日に続いて、嫌
いな言葉を追加しよう。それは「~させていただいております」というやつ。
とくに、新聞も読まないようなマヌケ面の青年にこう言われると、誰もお前に
頼んじゃいねえよト心の中で思う。正しくない謙譲は不愉快である。(柴田)

・わかんないぞ。何と言えばいいんだろうか。正しくない謙譲か…やはり耳が
痛いぞ。/富岡さんのコインランドリーのCG。ビデオ欲しいです。技術だけで
なく感性もかっこいい。見ていない人は見た方がいい!
・島田氏の友人が以前勤めていた書店。サイトを教えてもらったのだが、品揃
えがいい。グラフィックデザインに関するものから、アート、建築、絵本に漫
画、CDまである。京都にあるらしいので、今度連れて行ってもらおう。大好き
なヴィレッジヴァンガードのアート版って感じかな。    (hammer.mule)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/keibunsh/index.html
http://www.vvvnet.com/

----------------------------------------------------------------------
■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
----------------------------------------------------------------------


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
 担当:濱村和恵
登録・解除・変更・FAQはこちら <http://www.dgcr.com/regist/index.html>
広告の御相談はこちらまで  

★等幅フォントでご覧ください。
★【日刊デジタルクリエイターズ】は無料です。
 お友達にも是非お奨め下さい (^_^)/
★日刊デジクリは、まぐまぐ<http://rap.tegami.com/mag2/>、
Macky!<http://macky.nifty.com/>、カプライト<http://kapu.cplaza.ne.jp/>、
Pubzine<http://www.pubzine.com/>、E-Magazine<http://www.emaga.com/>、
melma!<http://www.melma.com/>のシステムを利用して配信しています。

Copyright(C), 1998-2000 デジタルクリエイターズ
許可なく転載することを禁じます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■