[0751] ノンリニアビデオ編集奮闘記

投稿:  著者:  読了時間:28分(本文:約13,700文字)



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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0751   2000/11/28.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 17130部
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■新宿   | 外資トップソフトメーカーにて制作コーディネーション
■虎ノ門  | 外資系企業でのクライアント向け資料作成のマネジメント
■祐天寺  | 外資系Webローカライズ企業でのコミュニティーマネージャー
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 <やっててよかったクリエイターって感じだ>

■デジクリトーク
 ノンリニアビデオ編集奮闘記
 森川眞行

■デジクリトーク
 ようこそ映像新世紀!(中編)
 神田敏晶

■連載「ip2000-phase2」 疾走記(165---749号は164)11/28
 3つのキーワードを覚えている方がいるだろうか?
 川井拓也@東京

■展覧会案内
 DIGITAL IMAGE 2000 Christmas
 ディジタル・イメージのクリスマス展 東京、長野、大阪で開催

■展覧会案内
 『DreamChristamasIII』FAM the Gallery PRESENTS
 




■デジクリトーク
ノンリニアビデオ編集奮闘記

森川眞行
───────────────────────────────────

●FinalCut Proで初めての編集

日本橋で60GBのハードディスクを購入して、仕事場のMacintosh G4/400に取り
付け、さっそくAppleのFinalCut Proをインストールする。はじめて操作する
ソフトウェアだが、自分にとってはAVIDのメディアコンポーザーを操作したこ
とがあるので、なんとなく直感で操作できそうな気になる。

まず、旅行と娘の運動会だけにしか使っていなかったSONYのDVで撮影した素材
を、G4に取り込む。本当はOKカットだけをチョイスして取り込めばいいのだが、
めんどうくさいのでそのままキャプチャする。キャプチャしてびっくり! な
んと1ファイルが10GBもあるファイルもあるではないか! 今までWebデザイン
で1ファイル10~30KBのデータを扱っていた自分とは感覚が全く異なることに
唖然とする。

DTPで画像合成を行なっていた時でも、10~50MBが平均ファイルサイズだった。
…まったくデジタルデータってのは、仕事の内容によってこんなにも扱いが変
わるものなのだ…と改めて感心する。

そんな調子でキャプチャを繰り返し、最終的に60GBのハードディスクは、残り
32GBとなってしまったのである。1時間のビデオを作るのになんという浪費か!
と笑いたければ笑え、こっちは初心者で恐いものなしだ(笑)なんといっても
60GBで4万円という、腰砕けの価格がこうしてデータの浪費をしているのでは
ないか…と思うことも実際にはあるのだが。

すべての素材を入力したあとは、FinalCut Proで荒編集を行う。3ポイント編
集はメディアコンポーザーと同じ感覚だ。初めてのソフトウェアだが、それほ
ど苦労せず、2日ほどで編集を終えた。

●やり直したナレーション録り

次にナレーション録りを行なう。荒編集した映像を見ながら、DVに向かってナ
レーションを入れるのである。本来ならば、ちゃんとシナリオを考えて読むの
が一般的なのだが、コンピュータの操作をしたのも僕本人なので、なんだか改
めてシナリオを書くのがめんどくさくなり、そのままぶっつけ本番でいくこと
にする。

実際には、これが一番大変な作業だった。今までに何度も何度も講演やセミナ
ーを行なってきたので、喋ることには慣れている…と自分では思っていたのだ
が、改めて自分の喋りを聞くと、大赤面の大反省である。不明確な発声や、支
離滅裂でつじつまの合わない解説が連発している。とくに発声については、自
分の癖を直すのが大変だ。僕の場合には「タ行」の発声が弱いことがよくわか
った。

今回のビデオは、低予算でなんとか1本仕上げるというのが、目標の一つであ
る。今までこのビデオに対して投資したものは、撮影用の液晶モニタ。60GBの
HD。FinalCut Proの3つで金額的には26万円くらい。ナレーションもビデオカ
メラの内蔵マイクで音を拾う方法で行なっていた。録音にかかった日数は3日。
すべて録音を終了し、音声データをFinalCut Proにキャプチャして愕然とする。

3日に渡って行なった音声データの、それぞれのボリュームが大きく異なって
いるのである。ビデオカメラの内蔵マイクを使ったので、カメラの置く場所に
よって音量が異なるのだ。音量だけなら、ビデオ編集時になんとか調整できる
のだが、内蔵マイク故に音量と同じように、音質も変わってしまうのだ。つま
り周囲のノイズの成分が微妙に異なっているためだろう。

そこで、マイクを購入する決心をする。翌日楽器屋に足を運んで、シュアのヘ
ッドセットマイク(セミナーでよく使っているやつね)を購入する。さすがに
シュアだけあって3万円が飛んでいく。大学時代バンドをやっていた頃と値段
が変わっていない。この辺は前回のハードディスクの価格でびっくりして、も
うちょっと安くなっているのでは? と期待したのだが(笑)

そして、今までの音声データをすべて録音やり直し! さすがに何度もやって
きた工程なので、今まで3日かかった作業が1日で完了する。そして音声データ
をFinalCut Proに取り込んで本格的な編集を行なうことにする。ここまででか
かった日数は7日。前回も話したように撮影に3日。そして録音に4日である。
次回この作業を行なうのであれば、多分4日、多くても5日あれば素材を用意す
ることはできるだろう。

●どんどん「ビデオ映像らしく」仕上がっていく充実感

編集作業で一番大変だったのは、音声データの修正だ。なにしろぶっつけ本番
で喋っているものだから、かなり大変。何よりも映像データに合わせて、音声
と映像の両方をトリミングして調整する作業に時間を要する。音声の場合など
では「ここで」「マウスを」「クリックします」という別々のコトバをトリミ
ングして合成したりする、ノンリニア編集ならではのごまかしも頻繁に登場す
る。最終的に仕上がったテープで、僕はまるでロボットのように話をしている
のがわかる(笑)

映像データも同じようにごまかしの連発だ。コンピュータで時計が回っている
ような箇所はすべてトリミングでカットしてしまう。おそらくこの映像のなか
で使用しているコンピュータは、市販されているどのMacintoshよりも処理能
力が早い(笑)。逆に映像の時間を伸ばすには、静止画像を何秒かインサート
したりもする。

さらにオープニングのムービーやジングルのアニメーションや、音声、テロッ
プやキャプションなど細かに仕上げていく作業は大変だけど、何か手を入れる
ごとに「ビデオ映像らしく」仕上がっていく充実感は言葉では表せない。やっ
ててよかったクリエイターって感じだ。

僕にとってのMacintoshによるデスクトップビデオ編集の大きなメリットは、
やはりデータの互換性の高さだ。編集作業中のFinalCut Proのバックグラウン
ドでは、FlashとFireworksがスタンバイしていた。

特に大活躍したのは、テロップやキャプションを挿入するために使用したFire
worksだ。FinalCut ProではFireworksのPNGデータをそのまま読み込むことが
可能だ。Fireworksでドキュメントのキャンバスカラーを透明にすれば、グロ
ーやドロップシャドウのデータもそのまま綺麗に透かした状態でビデオ合成が
できる。

またFireworksのスタイルをテロップやキャプションの種類別で用意し、一発
で属性を適用させるワザも今回改めて感心した次第だ。もちろん、フレームレ
ートを秒/30に設定して作成したFlashアニメーションがQuickTime書き出しに
よってFinalCut Proで動く美しさは感動以外の何ものでもない。

もともとFinalCut Proは、マクロメディアの製品として開発され、Appleに里
子に出されたものである。この辺の互換性の高さは当たり前なのかもしれない
(ちなみにFinalCutがマクロメディアからリリースされていれば、FreeHandも
含めて『F』ばかりのプロダクト名称で面白かったのに…と思ったりもする)。

そんなこんなで、ビデオは完成する。もともとは某印刷会社の社内教育用に作
成したビデオだったのだが、これをこのまま一般にも市販することが決定した。
『Fireworksビデオトレーニング・基礎編1』というタイトルで販売します。ま
だ販売経路とか流通とかは現在未確定なのだが、詳細が決まり次第、僕のサイ
トか、デジクリで報告しますね。シロートが作った割には、分かりやすい…と
評判なんスよ(自画自賛モード)

とにかくビデオ編集作業もラストスパート。この作業を通じて森川は、いちク
リエイターとして「なんでもやればできるもんだ」を改めて実感しました。

●12月18日に、大阪厚生年金会館で20世紀最後のセミナーを行います。マクロ
メディアの手嶋社長もゲストスピーカーでお願いしております。
テーマは「Webサイト構築」で、森川はFireworksとDreamweaverのセミナーを2
本やらせてもらいます。また文中に登場したビデオも放映する予定なので、お
楽しみに! 神田さんも出るよ~!
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■デジクリトーク
ようこそ映像新世紀!(中編)

神田敏晶
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●インターネット放送局は10万を超える?

1993年4月、IMC(インターネット・マルチキャスティング・サービス)社のカ
ール・マラムッド氏(現:MIT主席研究員、'96年のインターネット博覧会の起
案者)がワシントンDCの中華料理屋の2Fから、M-BONEと呼ばれたスプリット配
信方式でインターネット放送を開始した時から、インターネットストリーミン
グ放送の短かくも偉大な一歩は口火を切ったのであった。

IMCは、自分たちをインターネット放送局であったが「プレス」だと自ら名乗
った。それにより、ワシンドンDCのナショナルプレスクラブの入場を認められ、
その場のスピーチを全世界に向けてM-BONEで発信した。どんなに著明なメディ
アとしても、スピーチを全て放送することはできず、ダイジェストのニュース
でしか報道できないのであったが、IMCはプレスクラブでのスピーチを全て報
道することができた。これはスピーチする側からすると願ったものであり、そ
のスピーチを聞きたければ、地球の裏側でもそれを疑似体験することが可能で
あったことだ。カールたちは、それらをインターネットで可能にした。しかも
放送局ではなく、中華料理店の2Fのアパートから…。それはインターネットと
いうパケットに乗せられた最初の動画コンテンツであった。

MBONEから始まったインターネット放送は、xing社が開発した「Stream Works」、
Progressive Networks(現:Realnetwork社)社の「Real Audio」などを経て、
インターネットの普及に合わせて拡大され、多数のコンペティターを生んでい
った。その後、ストリーミング技術はブレイクする前に淘汰の時代を迎え、多
くのコンペティターは吸収合併や市場から姿を消していった。現在では、マイ
クロソフトというガリバーの参入を加えて、メジャーな3大フォーマットで展
開されるに至っている。それが、Realnetworks社のRealフォーマット、Apple
Computer社のQuickTimeフォーマット、そしてMS社のWindowsMediaPlyerフォー
マットである。

1996年には、世界中でたったの178局のインターネット放送局しかなかったが、
1997年には400局を超え、1998年には5000局を超えた。1999年には3万局を超え、
2000年おわりには10万局を超えるといわれる。RealNetworks社からのダウンロ
ード数だけをでも、1億4000万人の視聴可能な人口がいると考えると、すでに
ディストリビューション可能な体制はできていると考えることができるだろう。

1999年、アップルは動画技術QuickTimeによる放送チャネル、「QuickTimeTV」
のサービスを開始した。また、スターウオーズの予告編を数100万回ダウンロ
ードさせることにも成功している。しかし、実際に「QuickTime TV」を見れば、
真剣にインターネット放送にアプローチしていると思えるコンテンツが非常に
少ないことがわかるだろう。

24時間のライブ放送をおこなっている英国のBBC放送でさえも、ただ、テレビ
の放送を「QuickTimeTV」で見せているだけだけである。CNNでさえも、ストリ
ーミングに関しては、クリップファイルを掲載しているだけである。確かに、
英国以外で英国のテレビが見られることはいいことではあるが、それだけでは
爆発的な普及を生み出すコンテンツとは考えにくい。

また、通常のテレビ局ではストリーミング放送技術を使い、販促番組を掲示、
TV番組へのアクセスアップ(視聴率)へ反映させたいと願っての販促番組形式
のスタイルをとっている場合が多い。反対に考えれば、かつての映画のように、
大手が動いていない今がチャンスでもあるのだ。

テレビメディアの自社サイトこそ、圧倒的な視聴率や宣伝効果を持ったサイト
をすぐに構築できるチャンスを持っている。ポータルサイトやテレビ番組で補
足できなかった部分をより深く補うことができたり、コミュニティを深めたり
して、さらに番組についての理解や共感を得られる経験を視聴者に提供できる
のであるが、その部分に長けている既存放送局はあまりにも少ない。

●映画の未来

逆に、映画の販促サイトでは、いろんな側面を見せている。パンフレットを販
売する習慣がない米国では、ウエブサイトが映画の詳細を見せ、予告編を見せ
るために積極的にストリームが利用されている。今まで、高価なテレビスポッ
トに投資していた予算を、インターネットの映画サイトやマニアックなターゲ
ットサイトへのバナーで展開する方法がよくみかけられるようになってきた。

さらに同名映画タイトルのドットコムドメインを獲得することにより、映画公
開の前からのストリーミング予告、公開中での情報提供、撮影秘話、NGシーン、
コミュニティとなるBBS、会員システムによる抱え込み、個別のオプトインメ
ール、DVDやビデオリリース、ディレクターズカット版の案内。書籍のアフリ
エイト販売にいたるまで、映画というコンテンツで見事に顧客を360度抱えるサ
イトが増えてきている。

これは再加工しにくいテレビコンテンツの弱さと、再加工しやすい映画コンテ
ンツの差が物語っているサイトでの展開といえよう。しかしながら、ようやく
テクノロジーが確立され、回線の品質向上が見られ、ストリームにふさわしい
コンテンツがビジネスモデルも含めて模索されている状況といえるだろう。

1890年代、映画のテクノロジーは、演劇のコンテンツを土台として、映画独自
の文法を築いてきた。演劇で客席が動くとどこでどう見たいか、などを創造し
てきた結果のアングルであり、舞台をロケにすることにより、どこででも演じ
ることができる。さらに、CGやブルーバックによって、見た事がない世界でさ
えても舞台に演技ができるようになった。しかし、役者がたとえCGモデルとな
っても演技を指導(プログラム)しなければいい俳優にはなりえない。

だが、経験を積んだキャラクターであれば、近い将来、台本を理解し、演技を
アルゴリズムで演ずるキャラクターが登場してもおかしくはないだろう。最初
はチャップリンの真似のようなコミカルな表現かもしれないが、そのうち、チ
ャップリンの動きのデータがデジタル解析されると、チャップリンを使ったCG
作品の新作が公開されるかもしれない。実際にブルース・リーなどのアクショ
ンシーンは完全にデータ化されているそうだ。近い将来、CGで蘇ったブルース
・リー映画が公開される日も近いかもしれないだろう。

もちろん、インターネット上でナビゲーションするキャラクターとしても利用
できることだろう。例えば、映画会社がストリーム向けにデジタル化された俳
優のレンタルサービスを開始したとなれば、ジーン・ケリーや、フレッド・ア
ステアなどを俳優として主演さえ、台詞を喋らせ、背景のスタジオセットを購
入し、カメラアングルを指定して、友だちの結婚式にむけてフレッドアステア
のダンスメッセージ入りのビデオをストリームで送るなんてことも夢ではなく
なるだろう。

すべてデジタルでブロードバンド時代となり、CPUパワーがあれば、あとは個
人のイマジネーションがあれば面白い作品は作れる時代なのかもしれない。し
かし、これから俳優は死ぬ時に自分がどう使われたいかまでも遺書に契約とし
て残す必要があるのかもしれないが…。

テレビメディアは、映画コンテンツの再放送を土台とし、映画ができなかった
ニュース番組や生放送でのバラエティショウやクイズショウなどの部分で差を
つけてきた。家にいてスイッチをonにするだけでコンテンツが提供されるテレ
ビの手軽さは、映画にはない機能だ。しかし、ストリームとなるとその手軽さ
はもっとドラスティックに変革することだろう。(つづく)

The smallest digital TV station in the world
KandaNewsNetwork http://www.knn.com
Toshi Kanda mailto:knn@rr.iij4u.or.jp

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■連載「ip2000-phase2」 疾走記(165---749号は164)11/28
3つのキーワードを覚えている方がいるだろうか?

川井拓也@東京
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現在のオリビア号の位置(凸)
ラスパルマス(カナリア諸島)凸>ハバナ(キューバ)バルボア(パナマ運河)
>カヤオ(ペルー)>イースター島>パペーテ(タヒチ)>ラウトカ(フィジー)
>ポナペ(ミクロネシア)>東京

デジクリをなにげなく読む。このコラムは事前にデスクに送っておくと、誤字
脱字や改行を修正して最終のコラムに載せていただけることになっている。号
数も間違えてはいけないのでデスクでつけてもらっている。ふと見ると前回で
165号となっていた。(デスク注・前号は間違い、164です)

モノ書きとして素人の私が、このようなメールマガジンで連載を持たせていた
だいていること自体、改めて大変光栄なことだなと思った。それと同時に、他
の方のコラムには必ず著者の経歴なるものが簡略に記されているのだが、自分
のものはいつからかなくなっていることに気が付いた。

この連載を始めたのは今年の1月17日。その時の読者数は14738人である。前号
はというと17139人となっている。2400人増えていることになる。今年の夏前
後までは「地球一周する船にデジタル機器を載せてひとつのクルーズから複数
のメディア向けにコンテンツを作っていく洋上クリエイティブプロジェクト」
という目標に向って猪突猛進する若者の手記ということで、多くの読者の方に
認識していただいていたような気がする。

しかし、10月から始まった第2フェーズでは、洋上を航行する船から乗船者と
その家族をつなぐコミュニティサービスのサイトプロデュースの手記になって
いる。メールマガジンというのは、人によって毎日欠かさず読む人とある程度
ためて読む人、また登録したものの奥深いフォルダにフィルタリングして読ま
ずにたまったところで捨ててしまう人までさまざまだろう。私のコラムを読ん
で頂いている方がどれくらいいるかは知るよしもないが、私が一体何者か?
ということを知らない読者の方もいると思うので、改めて自己紹介をさせてい
ただこうと思う。そしてこの自己紹介自体が、自分自身がどこへ進もうとして
いるかの確認の作業でもあるからだ。

●社内転職の連続から得たもの

私は映像の魅力にとりつかれCM制作会社に入った。映画をやりたかったがその
当時の映画界に飛び込む気にはなれなかった。フィルムの近くにいるためには
CM業界が一番。最先端の機器を使え、秒単価でもっとも高価な映像制作の現場
を見ることができる。理由は極めて単純だった。

会社に入ると、一流の広告クリエーターと多くの仕事をさせていただき、毎日
が新しい発見だった。そして興味はCGへと移る。車内のCGセクションに誘われ
移動してからは2年、端末と向き合いインタラクティブゲームのマッピング担
当として格闘した。椅子に根っこが生えるくらいのハードな室内ワークだった。

その後「映画やりたい!」の口癖を知ってか知らずか、上司から「映画をやら
ないか?」と言われ佐藤雅彦氏の「KINO」という映画の制作担当をすることに
なった。東欧をロケハンしつつ、インターネットで制作情報を共有していく手
法をとったこの制作プロセスでは多くのことを学んだ。

その後、社内LANの未整備に気付き全社LANを立ち上げる。ここからインターネ
ットに本格的に関わりだす。会社からは突然「プロデューサー」という肩書き
を与えられ、CSの番組制作やデータ放送等を担当する。

それぞれの仕事で、マネージメントをしつつ現場を手伝うというスタンスで渡
り歩いてきた。全体を把握しなければいけないマネージメントを常に経験して
いることは、のちに大きな自分のアドバンテージとなる。手法論がそれぞれの
ジャンルでまったく違うのがおもしろかった。いわば毎回の仕事が転職してい
るようなもので、カルチャーショックの連続だった。

●借りを返さなければいけない

今年といえばNGOというまったく違う文化を持つ団体に飛び込んでの「ip2000」
である。私が「ip2000」をやっている半年の間に、会社の他のプロデューサー
がどのくらいの仕事をしているかといえば、CMでいえば一人一億円以上の売上、
web等でいえば10サイト以上の立ち上げをしているはずだ。仕事の出会いでいえ
ば、通常の仕事をしていれば50人以上の新しいクリエイティブなスタッフとの
出会いがあっただろう。

私は? といえば、売りあげでいえばマイナス、多くのサイトを立ち上げたわ
けでもない。しかし2つのクルーズを通して1000人以上の乗船者、そして10カ
国以上の人々と出会うことができた。映像、web、雑誌連載等を通して新しい
視野を広げられた。

このチャンスをくれた会社にたいして、借りを返さなければいけない。それが
2001年だ。自分への投資に対しての借金返済といえる。返済のためのビジネス
のキーワードは「ブロードバンド」と「個人の情報伝達能力」だ。フェーズ1
の衛星放送番組制作やweb制作が、「ブロードバンド」のキーワードをカラダ
で理解させてくれた。フェーズ2のPeaceBoardが「個人の情報伝達能力」の無
限の可能性を理解させてくれた。

「ip2000」の制作工程が私に与えてくれたインスピレーションは相当なインパ
クトであった。私は今「なに」と「なに」を組み合わせればいいのか、そこに
どんなクリエイティブを付加していけばビジネスになりえるか、頭に描けるよ
うになってきた。あとは「カタチ」にすればいいのだ。

覚えいただいている読者がいらっしゃったら感激なのだが「ip2000」とは「イ
ンスピレーション」「インディペンデント」「インスパイアー」の略だった。
船というのはそれが実現しやすい舞台として最初に選んだロケーションだった。
つまりこのうちの2つは船を使ったフェーズ1と2を通して実現できた。

残るは「インディペンデント」つまりビジネスとしてきっちり立ち上げること
ができるかなのだ。それができたときに、私はデジクリの連載を終わらせるこ
とができる。えっ? もういいかげんやめろって? 苦情はこちらまで
(Kawai@ip2000.net)

http://www.japangrace.co.jp/board/

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■展覧会案内
DIGITAL IMAGE 2000 Christmas
ディジタル・イメージのクリスマス展 東京、長野、大阪で開催
http://www.digitalimage.org/
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日本で唯一、最大のディジタル・アーティストの団体(会員数約200名)が12
月に東京、長野、大阪でクリスマスにちなんだアートの展覧会を開催する。

●東京会場
会期 12月4日(月)~9日(土)午前11時~午後7時 入場無料
   12月4日は正午開場、12月9日は午後6時閉場
   12月4日午後6時よりオープニングパーティ 誰でも参加自由、無料
会場 パステルミュージアム
   東京都港区南青山2-24-15 青山タワービル アネックス 
   TEL.03-5410-6445(銀座線外苑前駅b1出口から30秒、噴水の奥のビル)

●大阪会場
会期 12月5日(火)~17日(日)午前10時~午後7時 入場無料 
   会期中無休 最終日午後5時閉場
   12月16日(土)午後6時よりパーティ 誰でも参加自由、無料
会場 ギャラリー トノムラ
   大阪市北区西天満4-3-13 河合ビル2階 TEL.06-6361-9403
http://www14.freeweb.ne.jp/art/tonom/

●上田会場
会期 12月16日(土)~24日(日)20日休館 午前9時半~午後5時半 入場無料
会場 上田市マルチメディア情報センター 企画展示ギャラリー
   長野県上田市下之郷812-1 TEL.0268-39-1000
http://www.umic.ueda.nagano.jp/

●問い合わせ先 〒102-0074 東京都千代田区九段南3-7-14 K-BLDG.B1
株式会社マルチメディアセンター内 ディジタル・イメージ事務局
TEL.03-5212-1633 info@digitalimage.org
http://www.digitalimage.org/

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■展覧会案内
『DreamChristamasIII』FAM the Gallery PRESENTS
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3i-kmy/kokuti.html
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<主催者情報>

表参道のオ-プンカフェレストランにて厳選80名のアーティストによる2000年
末を飾るにふさわしいクリスマスアート展を開催!
オ-プニング・パ-ティ  12月4日(月)16~18時(ライブあります)

日時 12月2日(土)より12月25日(日)11時~23時
場所 カフェ・ド・ジェノワ-ズ南青山プラ-ス店 TEL.03-3401-1193 
   東京都港区南青山3-13-23南青山プラ-ス内

主催者・企画 ファム・ザ・ギャラリ- 高野隆児 

参加予定者
川野隆司、吉井宏、川上幸子、神谷一郎、みやかわさとこ、桶あきら、MAKO、
大賀葉子、花山由理、高橋里季、なりた麻美、佐々木悟郎、千須和正之、吉田
利一、渡辺宏ほか

▼12月4日(月)はまず16時から表参道のこのオープニングパーティに参加し
て、引き続き外苑前のディジタル・イメージのクリスマス展のオープニングパ
ーティ(18時から)に参加するのがよろしいと思われます。

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■編集後記(12/28)
・このごろ、娘と妻と3人で夕食することが多い。テレビを見ながら、ビール
を飲みながら、一日で一番くつろげる時間だ。しかし、娘は妻以上にいじわる
でわたし以上に辛辣で、なかなかおもしろい。悪いことはひととおりやったト
いうトンデモ娘だから、けっこう人を見る目がある。妻よりはよほど世間ずれ
している。昨日は、かつてマイアイドルだった松野明美がテレビにでてきたが、
ふたりの女からはさんざんだった。かつて小さな体で懸命に走る姿を見て、わ
たしは時には涙ぐんだりしたものだが、「オリンピックに出してくれ」トいう
おばかな記者会見をやらかしたあたりから関心がなくなった。それでもまあ、
かわいいタイプの女の子だったが、昨日はまるで林家パー子みたいな雰囲気の
騒がしい女になっていて幻滅した。ふたりの女は、日清サラダ油セットの中山
ゴンが最後まではずれっぱなしの音痴であることを発見し喜んでいた。(柴田)

・流行のタイミングがよくわからない。オンタイムがなかなかないのだ。今頃
何いってんの、というものもあれば、そんなのが流行っているの、まである。
なので、検索サイトの検索ワードランキングは、流れを客観的に見るのに役立
つ。まぐまぐの部数ランキングだと「得する懸賞やギャンブル」「英語」「出
会い」「芸能」「占い」が強い。一時は50位以内に入っていたデジクリは、今
や100位以下。他のメルマガもまぐまぐ以外のシステムを併用しているので、
このランクは仕方ないところ。ニーズはランキングが教えてくれる。情報だけ
を送ったほうがいいのかと、他の好きなメルマガがランクインしていないのを
見ると、めげそうになることがありまする。        (hammer.mule)
<http://www.infoseek.co.jp/Keyword?pg=ranking.html> インフォシーク
<http://www.fresheye.com/hayamimi/total_r.html> フレッシュアイ
<http://www.lycos.co.jp/50/> ライコス
<http://www.mag2.com/ranking/rankingw.htm> まぐまぐ部数ランキング

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 < mailto:tdo@green.ocn.ne.jp >
デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 < mailto:kanda@knn.com >
        森川眞行 < mailto:morikawa@siliconcafe.com >

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