[0774] 展覧会、はじめます
── 2000-2001 ──

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0774    2000/12/24.Sun発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 17201部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで mailto:info@dgcr.com
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
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20世紀はこの774号(特別号)でおしまい。21世紀は1月9日からスタート!
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■デジクリトーク
 展覧会、はじめます ~ 創作とコミュニケーションの舞台装置「krietron」
 なゆみ かすい

     <特集:デジタルクリエイターズの2000~2001>



■デジクリトーク
展覧会、はじめます ~ 創作とコミュニケーションの舞台装置「krietron」
http://www.krietron.net/

なゆみ かすい
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●はじめに

旧来のパソコン通信はクローズドながらも集積を生んだ。そして迎えたウェブ
の時代、そのグローバル化とは裏腹に草の根化をもたらした。なぜなら、パソ
コン通信の主たるギミックが集積であるのに対し、ウェブのそれは接続であり、
レイヤーの全く異なるものだったのだ。

つまり、地面に足が付いたネットワークから、混沌とし成長を続ける銀河のよ
うなネットワークへとコンパスも持たずに放り出されてしまったわけだ。移動
の手段はあるし、道も分かる。ところが、奇妙なことに目的地が分らない。

そのため、それに対応するためにディレクトリー・サイトや検索サイト、ポー
タル・サイトといったものが台頭してきた。それでも、依然、混沌した様に変
わりはない。情報の網羅は肥大化を呼び、一般に利便性とは矛盾するからだ。

その模索のひとつは専門化だ。確かに専門化によって見通しは良くなる。それ
でも、存在する情報量というのは絶対的に増大の一途を辿っていくはずだ。そ
うなると、もはや五十歩百歩としかいえない。

また、検索情報の鮮度は技術が解決してくれる方向に進んでいるが、解説文の
鮮度とその内容の一致性を保つには人手に頼らなければならず実に骨が折れる。

そこで、分散から収束へ……クリエイターの今を切り取ったような、異なるク
リエイター同士の作品が整然と並ぶような、新作限定の展覧会、それでいて、
コミュニケーションの場としての機能が織り込まれたサイトの開設を決めた。

その名は「krietron(くりえとろん)」。ロシア語では「криетрон」
になると思うが、フランス語だと……と、とぼけている場合ではなく、創作と
コミュニケーションの舞台装置、そんな装置になれればと思いつつ「Create」
の発音表記「krieit」と装置という意味を持つ接尾辞「-tron」の組み合わせ
からだ。

●出品案内

さて、ちょっと肩の力を抜かせていただいて……補足がてら出品案内をさせて
いただきます。

「krietron」はコンテストではありません。だから、賞もありませんし、人気
ランキングの仕組みもありません。また、当面は静止画(「CG」または「CG化
されたもの」)のみを対象としますが、時が来ればビデオ、インタラクティブ
といったジャンルも対象に含めていく予定です。

ただし、(少なくとも現在は)オリジナル作品限定です。許可の有無を問わず
いわゆる二次創作物、著作権まわりがクリアでない素材の使用等は禁止とさせ
ていただきます。

また、月ごとにテーマと締切りを設けますので、それに対して出品していただ
く形の「定期展」が基本となります。そのテーマは六ヶ月分を随時公開してい
きます。毎月出品して皆勤を狙うもよし、数ヶ月先を目指して作り込むもよし、
ということです。これからのテーマは以下の通りです。

締切り プレビュー 展示期間 テーマ(いずれか)
2001/01/31 2001/02/01~ 2001/02/10~ 天使、街灯
2001/02/28 2001/03/01~ 2001/03/10~ 薄紅、永遠
2001/03/31 2001/04/01~ 2001/04/10~ そよ風、メタモルフォーゼ
2001/04/30 2001/05/01~ 2001/05/10~ 線路、高い空
2001/05/51 2001/06/01~ 2001/06/10~ 湖底、森の中
2001/06/30 2001/07/01~ 2001/07/10~ 航海、遺跡

受付は締切り月の10日からとなります。また、上にあるプレビューというのは
サムネイルのみのカタログ的展示期間です。その期間までに随時登録していき
ますので、フルサイズのものの閲覧は展示開始日からとなります。展示期間は
最低1ヶ月間。サーバーの消費容量を見ながら判断していきたいと思います。
ただし、大容量のサーバーが確保できた時は展示が終了したものも復活させた
いと思います。

画像の規定は下に挙げる通りです。規定外のものはリサイズないし出品をお断
わりすることがありますのでご注意ください。

画像のサイズ 400px × 560px (1.0:1.4)\
560px × 400px (1.4:1.0) | いずれか
472px × 472px (1.0:1.0)/
ファイルサイズ 最大 150KB程度(100KB以内が好ましい)
ファイル形式 JPEG(PNG対応は予定していますが、GIF対応の予定はあり
ません)

サムネイルの添付は任意とし、添付されていない場合はこちらで縮小したもの
をサムネイルとして作成させていただきます。また、サムネイルはフルサイズ
の縦横比と一致する必要はありません。ファイル形式は上記に準じます。

サムネイル 100px × 140px (1.0:1.4)\
140px × 100px (1.4:1.0) | いずれか
118px × 118px (1.0:1.0)/

なお、出品方法等につきましては、後日、詳細な出品要綱をサイトに掲載する
予定ですので、そちらをご参照くださいませ。

最後に、著作権は作者さんに帰属するものとします。出品していただいた作品
をご自身のサイトや他のコンテスト等へ応募されることも可能ですが新作限定
という理由から公開や審査経過・審査結果の発表がプレビュー期間以降である
ことを条件とさせていただきます。ちなみに「krietron」が主張するのは基本
的に「編集著作権」のみとなります。

http://www.krietron.net/ ―― 12/25、仮オープン予定!

【なゆみ かすい】mailto:kasui@flux.gr.jp
この夏頃から、企画を練っていたのですが紆余曲折を経てこのスタイルに決ま
りました。でも、先日までうっかりDNSの設定を忘れていたりと、慌ただしく
やってま~す。(笑)

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■やりたい仕事をできる幸せ
森川眞行
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2000年から2001年の間、おそらくずっと仕事をしている。だって不意打ちのよ
うにFireworks 4が発売されてしまったんだもん。ほんまにねえ…1年間でソフ
トウェアが2回もバージョンアップするなんて、DTPの時代には考えられなかっ
たことだよな。それだけスピードが早いということなのねん。

だから年末年始、もちろん2001年になっても当分の間はFireworks関連のコン
テンツ(Web・映像・執筆・セミナー)制作においかけ回されているのだろう。
そうこうしている間に、また次のバージョンが出るのかな? そして2002年が
やってきて、また次のバージョンが出て、2003年がやってくる…。

その間にまた次々に新しいテクノロジーが登場するのだろう。まったく! こ
の業界はどうなっているんだ。全く先の予想がつかない。とにかく今は目先の
仕事をなんとかやっつけるだけで精一杯なのである。

でも、誰もが予想できない世界だからこそ面白い。僕だけが予想がつかないの
なら不公平だけどさ。みんなが手探りで未来を見つめている。

先日の大阪のイベントでマクロメディアの手嶋社長が、この業界は「猛烈に忙
しくて儲かりまくって、人出が足りない人達」そして「必死になって徹夜して
いるのに儲からないと嘆き、DTPの頃よりも状況が悪化している人達」と二分
化されている…と言っていた。まあ、僕なんか決して「儲かっている」と胸を
張れるような収入ではないけど、それでも人並みにはやっと生活できるように
なった。

考えてみれば、もしもWebの仕事をしていなかったら…もっと切羽詰まった年
末を迎えていただろうし、Webの仕事を開始するのが遅れていたら、やはり悲
惨な年末を迎えていただろう。もっとも年末年始も休めない程忙しいので、同
じように悲惨なのかもしれないけどね(笑)

僕はDTPの仕事も長い間していたので、そっち方面の情報も入ってくるのだが、
やはり多くの人達が、仕事がないと悲鳴を上げている。あっても単価の安い仕
事で儲からないと嘆き「Webはやっても儲からないし、時間ばかりかかって徹
夜ばかりになってしまう」と愚痴をこぼしている。

なんでやろ? と僕は思う。ボク自身Webの仕事はDTPの頃よりも短時間で終わ
ってしまうし、個人で大きな仕事を任されることも多くあるし。ネットワーク
とフットワークを使えば、大きな仕事もなんとか納品まで漕ぎ着けることがで
きる。もっとも「森川眞行」という個人の仕事(執筆やセミナー)では大変だ
けど、これは特殊なものだろうしね(Webや映像なんて個人の企画なので、勝
手に自分の首を絞めているのかもしれないし…)。

じゃ、その人達と僕の差はなんやろ? と思うわけです。それはセンスとか、
デザイン力なんかではなく、おそらく「情報」の差だと思うのですよ。それは
ツールをひとつとってみてもそう思う。FireworksとDreamweaverを使っている
から本当に仕事がシステム化されているし、短時間で納品も可能だ。ルーティ
ンワークを短時間で始末できるのであれば、余った時間で仕上げにかける時間
を多く取ることができる。プレゼンなら「もう一案」作ることだって可能なの
である。

新しい情報ってのは、これからの時代を乗り切っていく大きな武器になると思
う。一旦「新しい情報」を手に入れて使いこなすコツを知れば、それらはイモ
ヅル式にさらに新しい情報にアクセスしていく。

個人的には、忙しくて先の事を考えるとうんざりすることも多少あるが、それ
でも今僕は仕事が楽しい。儲かるとか儲からないとかは別の話として、今はや
りたい仕事をできることに幸せを感じているし、何よりも仕事をしていて楽し
いのである。これは重要だ。

そういえば、今年は夏休みがなくて秋に夏休みをとったんだけど、このままで
いくと春になる頃に年末年始の休みを取ることになるのかもしれない。

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■ピープル・トゥ・ピープルの時代へ!
神田敏晶
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1999-2000年の幕開けは、「y2k-tokyo」というプロジェクトをおこないました。
そこで、幾人ものすばらしいメンバーをこのデジクリという媒体を通じて出会
うことができました。また、そこに参加した人たち同士の強固なコミュニティ
もできています。

今年は、「日刊インパク http://www.knn.com/inpaku/ 」というメディアを発
刊して、そこにまた、ゾクゾクと面白いメンバーが集まりつつあります。クリ
スマスからお正月にかけてのこの期間、みんな師走の大変さにかたづけて、本
来の自分のやりたいことに没頭できるわずかな期間なのかもしれません。

インパクレポート、そのものよりも、毎日増える協力会社のネットワーク、そ
のものに興味があります。日刊インパクでは、わざわざパビリオン建設に何億
円かけなくても既存のサービスを提供している会社の製品をリンクしていくだ
けで立派なインターネットコンテンツになると思っていたりもしています。

ボクは毎年、この時期にイベントをしかけていきたいと思っており、普段会え
ない人や一緒に仕事ができない人と、ひとつの目的をもってアクションをとっ
ていければと思っています。それがまた非常にいい刺激となっています。

かつて、印刷媒体で月額400万ほど広告がないととても出版などできなかった
し、入稿してから、色校正して、出版されて、ラベルをはって、郵便局へ送り
にいってようやく届くという配本作業を経由していました。そのアトムの労力
たるやすさまじいものでした。何枚ものコピー用紙が、FAXが、インクが、印
刷用のロール紙が、トラックが空気を汚して、道路を渋滞にして…、そして、
返本される…。

今や、読者の地域別にメールマガジンに掲載する内容をかえたり、男性、女性
の読者向けに広告を差し替えたり、いろんなことができるようになってきまし
た。セミナーも、思い立ってから、会場をおさえて、講師を手配して、1週間
もあれば開催できるようにもなりました。かつてはDMや大量のFAXを送信して
いましたから、その労力からの解放はすさまじいものです。

来年はそれが、ブロードバンドインターネットで映像が流れ出す年になります。
この日がくることをどれだけ待ち望んでいたことか。KNNにとって、来年は勝
負の年になりそうです。とにかく、先頭集団に奇襲ゲリラ攻撃をかけていくチ
ャンスと隙間はたくさんあるので果敢にチャレンジしていきます。

デジクリ創刊時のコンセプト、「とまらない男」は、21世紀も止まりません。
また、この日刊デジクリの2万人ものクリエイターに届く、ネットワークを活
用して、オフラインのイベントも今後は充実させていきたいと考えています。
またメディアとの連携も充実させたいと思います。

デジクリのメーリングリストでも、いろいろ買い物する時に相談にのっていた
だいたり、プロジェクトメンバーを募集したり、いろんな意味でのピープルト
ゥピープル(PtoP)のコミュニティとして楽しませていただいています。著名
な方々もフランクに書き込んでいただき、いいサイバー空間であると思います。
単にデジクリというメディアを拡大させるのではなく、人と人が出会い、交流
できるインタラクティブなメディアへでないといけないと思うのです。

2000年は、BtoCやCtoC、さらにCtoBtoCとか、BtoBtoCとか、とどまるところを
知りませんでした。しかし、消費者も、ビジネスをやっている人も、「人」な
のです。人と人の間に介在するさまざまな事象を解決するのが、インターネッ
トを活用したメディアの役割をどこかで忘れてきてしまったのではないでしょ
うか?

ボクは21世紀は、PtoPのコミュニティになると思うのです。インターネットの
進化はSOHOのようなライフスタイルを生み出しましたが、今後は好きなことを
して仕事になる時代だと思います。いやコンピュータを使って、人間は好きな
ことができなければコンピュータを使う意味がありません。

江戸時代の呉服屋さんが、大福帳に墨とそろばんで計算している時代と比較し
て、平均的な日本のビジネスマンはコンピュータを使って、1万倍の仕事をし
ているそうです。1万倍効率があがったならば、1万倍裕福になって、1万倍幸
せにならなくてはならないのです。

しかし、現実は100倍忙しくなって、20年間も寿命が延びて労働時間がさらに
増え、ストレスも増えて給料はほぼ同じ…、地球環境は1000倍汚れてしまった
そうです。効率があがって、価格がさがって、人間だけが忙しくなる進化は、
もはや退化とよぶべきでしょう。「やりたいことが誰もが実現できる!」そん
な21世紀にむけてがんばりたいと思うのです。

今、ボクにはデフォルトの住所がありません。神戸・東京・シリコンバレーの
どこかにいます。しかし、本当は拠点なんて、もういらない時代です。寝袋と
ネットワークとコンピュータがあれば世界のどこでも生活できるし、仕事もで
きる。もっとシンプルな生き方を目指しています。買った書籍もすべてネット
ワークにあればいいのです。仕事や会議は、日本では「まんが喫茶」というア
クセスポイントですればいいのです。アメリカではスタンフォードの図書館が
24時間使えます。問題はシャワーぐらいのものですが、最近のベンチャーの事
務所には完備されていますので、問題は洗濯者くらいでしょう。

人生は80年しかありません。しかしみんなのWebサイトは孫子の代にまで伝わ
ることでしょう。ウエブサイトはこれから、何100年間も残ると思うべきなの
です。ミケランジェロやダビンチの作品以上に保存能力があるのです。彼ら
でさえできなかったことがいまや誰もが、メーリングリストに書き込んだりメ
ルマガを発行することによって簡単に実現できるのです。もしかすると25世紀
になってから、20世紀のインターネットの黎明期の人たちのコミュニティが研
究されるのかもしれません。未来の新聞に「デジクリハードディスク発掘!
インターネット史における縄文文化の人々の実態が明らかに!」というような
ニュースがでるのかもしれません。

そのためにボクたちは、今という時代をデジクリで表現したいのです。今の苦
労や不便は未来のためのネタとして考えれば楽しくなるのものです。メルマガ
を発行していると不幸や失敗はまったく怖くなくなります。すべてネタになる
のですから(笑)。

メールマガジンを発刊するということは、大変かもしれませんが、それ以上に、
人生を楽しませてくれるハプニングが次から次と訪れてきます。これは、出版
や放送とはちがった拡大されたコミュニティメディアだと感じるからです。ピ
ープル・トゥ・ピープルの時代のメディアの黎明期を試行錯誤しながら、いま
まさに作っている最中なんです。この苦労と体験は、親を質屋にたたきこんで
もやっておく必要があると信じています。

近況を毎週、報告しているので、暑中見舞いも年賀状も書かずにすんでしまう
のもこのデジクリのおかげです。さて、それではみなさん、メリークリスマス
&ハッピーニューイヤー、来世紀もよろしくお願いいたします。

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■後記を書いていて、こんな自分がいるんだ、なんて発見もあったりする
濱村和恵
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編集長から「2000-2001」というお題が出た。うーん、うーん。まったく何も
出てこない。こりゃまいった。そうか、未来のことを先に考えたから、まずい
のだな。では今年の自分はというと…、楽しいこともあったし、嫌なこともあ
ったし、エキサイティングなことも………あーっ、つまんない、この文章。も
うほとんど2000年の出来事覚えてないよ。

だいたい2001年とか言っても、今年の延長なんだし、どう変わるかじゃなくて、
どう変えるかって感じだから、自分に関しては未知数なんだよな。感慨深いこ
とっていっても、とうとう「2001年宇宙の旅」に来ちゃったわ、とか、連載当
初のドラえもんは21世紀から来たんじゃなかったっけ? とかその程度なのよ。
つまんない? つまんないわよねぇ、この文章。

だってさぁ、普段から後記でいろいろと書かせてもらっているじゃない? わ
ざわざ締めるような内容が見つからないの。後記はね、編集長からいきなり、
「書くように」命令が来て、「考えさせてください」と応える余地もないまま
始まったの。でね、ネタがないんですよ、これが。毎日なので日記になっちゃ
うの。なので新聞読み漁ったり、外出したら他人の行動をじっと観察していた
り、誘われるままいろんなお店に行ってみたり。

で、素直にへぇー、とか、なんでやねん、というのを、読んでる人いるのかな
ぁなどと不安に思いながら書いていると、反響があったりするんですよ。感想
や情報メールをいただいたり、自分が紹介したサイトのカウンタが跳ね上がっ
たりね。これがとっても嬉しいの。あっ、そうなの、いちいちカウンタの確認
に行くのよ。少しストーカーの気があるかも。

でもね、自分の価値観を人に示すのは、すごくしんどい。提示する際は怖い。
書いている時は、特定の相手を想定しているわけじゃなく、自分へのメッセー
ジであったり、記録であったりすることがほとんど。でも自分が少数派であろ
う価値観の提示や、政治に関するコメントだと、いきなり不特定多数の人たち
が頭の中をつついてくる気がする。恥をかきたくない、とか、馬鹿な自分を人
に見せることないんじゃないの? とか。

仕事の納期が迫っている時なんかは、後記を書いてる時間があれば、なーんて
思うこともあります、はい。子供の頃から、自分を表現する、ということの必
然性を感じないまま育ってしまったので、おとなしいと言われることが多いの
だけれど、後記を書いていて、こんな自分がいるんだ、なんて発見もあったり
する。

少数派に属することが多いから、他人に自分の価値観を提示して、それに同意
を求めることなんてあんまりない。どちらかというと、意見を意見ととれる判
断力のある友人に対して、「これってこうだよね」と話す程度。程度って言っ
ても、語り出すと長いけど。あはは。

だから不思議なんですよ、会ったこともない読者の方々に、「見て見て、サン
タクロースだって。いいよねぇ。こういうの」などと言っている自分が。いろ
んな価値観の人がいるのに、わざわざ自分の価値観を提示し、共有したいと思
う自分が。自分だけがこんないいことを知っていたら勿体ないと思い、行動し
ている自分が。

きっと自己満足であったり、ええーと、言いにくいけど、マス、マスタベー…
な内容だったりするんだろうけれど、2001年も、5回に1回、いや、10回に1回
くらいは、役に立つものを書きたいな、と。同じ境遇の人の励みになれば。こ
んな馬鹿な奴でも生きてるで~、って感じで。

でも、日々向上しているつもりなので、「あの頃のハマムラは、こうだったけ
ど、今は良くなったよね」と思ってもらえるようになれば、と思ってます。あ、
文章埋まった。オケ。ではでは、今年一年ありがとうございました。来年も、
さ来年も、末永くおつきあいくださいね。見捨てちゃやーよ! デジクリ面白
くないっ! って言う人は、ぜひコラムを投稿してみてくださいね。あなたの
価値観が、他人の人生を変えるかもしれないですよん。Go ahead!
<おまけ>
去年ラスト号ってどんなんやったっけ? よし、検索。お、同じやんか~!
http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=0202&FN=19991225142603

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■2001、フットワークの良さを取り戻す決意
柴田忠男
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一年間の記録を見返したら、外出したのが100日をわずかに越えた程度。月に
平均9日くらいしか電車に乗っていない。妻からは「亭主元気で在宅がいい」
といわれており(1日3回の犬の散歩が我が家の生活の中心)、午前中はだいた
いデスクにべったり着いている。

今年の最大のイベントは葬式を2回出したことだろう。14か月入院していた義
母が2月に、追いかけるように5月に義父が。義父の本格的な介護は半月もしな
かったが、妻とふたりがかりだったのにかかわらずじつに大変だった。この日
のためにSOHOを選んだのだなあ、という実感がわいた。実の父母はまだピンピ
ンしており、実家に行くといまだに小言をいわれる。

次は、やはりマンション問題である。9か月という異例の長期対決もつい先日
いちおうの幕を下ろしたが、どたんばで恥知らずな造反組が出現した。このこ
とは「武士の情けを知る」委員会の秘密事項だったが、あっと言う間に噂は広
がっていた。わたしはこの運動の実質的なリーダーを担わざるを得なかったた
め、善意の人にも悪意の人にも接し、人間関係のむずかしさを学ぶ。それにし
ても、なんという我慢強さよ(我ながらエライ)。性格が変わったかも?

2000年はこのふたつの出来事で終わってしまった。その隙間をぬって満足のい
く編集仕事もいくつかできたと思う。デジクリには以前にも増して時間を使っ
ている。かつては前夜に作っていたのだが、最近は朝10時にデスクに送り、最
終的に仕上げてもらうスタイルになってしまった。その理由は、夜はまったく
仕事をしなくなり、本ばかり読んでいるからだ(極楽)。

デジクリのビジネス化はやはり2000年内には実現できなかった。もっとも、本
気でやろうとしたかというと、そうでもない。部活の気楽さ、面白さは捨てが
たい。デジクリの人気コラムを選抜してを紙で出版というプロジェクトが年頭
に始まったが、途中で放り出したまま。版元はあきれているだろうなあ。なん
とかしなければ。後半、カメラ系メルマガの編集協力をして、そこそこビジネ
スになったとは言える。

2001年のわたしはなにをするのか。「バーチャルビューティ専門サイト」の編
集長(ガイド)をやることになった。いい歳をして3DCG美少女なんか専門にす
るなと言われそうだが、「バーチャルビューティ」という分野の出版の発起人
としては、他人にやられたくなかった、というだけの理由。この「総合的お気
に入り集紹介サイト」は2月にスタートとのこと。

本職である紙の編集仕事はどうなることやら。だんだん減っているので先行き
はけっして明るくない。企画とかプロデュースに仕事の内容が変わっていくの
かもしれぬ。それもよし。どこに行っても、どうせ「最年長」なんだから(住
民運動は最年少だったケド)最先端に多少うとくても恥ずかしいことはない。
こわいもの知らずだ。

2001年はもっと外に出よう。かつて自慢だった「あきれるほどの腰の軽さ」フ
ットワークのよさを取り戻そう(いま腰は痛いだけだ)。体をきたえよう。

じつは数日後の北京でのセミナーの原稿つくりに追われている。現地に早く送
って翻訳をお願いしなければならないのだ。2000年最後の最大のイベントはも
うすぐ。2001年のことなど考えておられないというのが本音だ。そして………
早くも2001年の最大級のイベントは決まってしまった。娘の結婚だ(涙)。

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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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