[0780] でっかいモニタ

投稿:  著者:  読了時間:16分(本文:約7,600文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0780    2001/01/16.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 17336部
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 <やっぱり持つべきもにはでっかいモニタである>

■デジクリトーク
 でっかいモニタ
 森川眞行

■デジクリトーク「青い瓶の話」2408
 渡るのは、震えるひとの思いだ。
 北澤浩一

■ウェブマガジン情報
 『REALTOKYO』(1/15-1/21号)を公開

■ウェブマガジン情報
 『月刊 CHARAMIX.com 』第3号発行(毎月25日更新)
 
■公募案内
 世界の「初日の出」フォトコンテスト



■デジクリトーク
でっかいモニタ

森川眞行
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コンピュータで仕事を開始して今年で11年になる。11年前…当時コンピュータ
を使ってデザインを行なう場合の選択肢は、当然Macintoshだった。当時のMac
intoshは「パソコン界のポルシェ」と呼ばれていて(冗談ではない)、とくに
Macintoshでデザインするとなるとかなりの高額な出費であった。僕の場合、
最初に組んだセットが300万円近かったことを記憶している。

中でもデザイナーが好む大きなサイズのモニタは極めて高額で、グラフィック
カード(当時のMacintoshはカードを差さないとカラー表示できなかったので
ある)込みで、21インチでフルカラーを表現するとなると、150万円くらいの
経費がかかったのであった。僕の場合も最初からフルカラー21インチという環
境で仕事を開始していた。バブリーだったのだ…と改めて思う。

それから数年経過して、僕はシリコンカフェという名前でフリーランスとして
独立した。当然マシンも自前で揃えなければならない。独立したばかりの僕に
はモニタに100万円も出せる余裕はなく、そこで初めて17インチのモニタ1024
×768解像度のものを使うことになった。

慣れとは恐ろしいもので、かつて「やっぱデザイナーは、でっかいモニターじ
ゃないと仕事ができんがね」と言っていたのだが、目の前のモニタが17インチ
であれば、それはそれでなんとか仕事になるものであった。当時はDTPがメイ
ンだったけど、そんなに苦労はなかった。しかしそのモニタも2年くらいでオ
シャカになった。窓を開けっ放しにして外出し、その後降りこんだ雨のせいで
ある。

次のモニタは、金欠の時期で15インチを4万円で購入した。これはかなり小さ
い。解像度は832×624。これでDTPの仕事をするにはかなり苦労した。しかし、
その頃仕事のメインはDTPからWebデザインに変わっていた。ブラウザで標示す
ることが最終納品形態であり、さらにDTPほどシビアなカラー調整が必要でな
かったので、そのまま832×624のモニタサイズで仕事を続けた。

昨年の夏から僕は、自宅以外の仕事場で作業をするように生活の環境が変わっ
た。その仕事場では22インチのモニタを使っていた。解像度は1152×870。そ
こでもWebデザインを行なっていた。やはり大きなモニタはキモチがいい。

Fireworksでの作業では、ブラウザでの仕上がりサイズで作業をすることが多
い。そんな時に大きなモニタだと、ブラウザと同じサイズをドキュメントでオ
ープンして、さらにフローティングパネルも沢山開いた状態で作業を進めるこ
とができるのである。

●ページの左右サイズ、天地サイズについて

Webページをデザインする時に、一番気にすることはページの左右サイズであ
る。ある時期、僕は640×480ピクセルを前提にデザインしていた。それは僕だ
けじゃなく、多くのWebデザイナーがそのサイズを前提にデザインしていたよ
うである。有名どころのWebサイトを50くらい見れば一目瞭然である。

しかし、最近は左右幅もっと大きく設定しているサイトが増えたことに気が付
いた。モニタサイズは832×624。ここからスクロールバーなどを引いた数値で
デザインしているページに多く遭遇した。僕も最近はそのサイズでデザインを
している。この作業を832×624のモニタでページデザインを行なうと、ほんと
に余裕がない。やっぱり持つべきもにはでっかいモニタである。

しかし、でっかいモニタで作業をしていると、余りに快適な環境であるが故に、
ついついブラウザのサイズを大きくしてしまいがちである。特に縦幅に関して
は顕著だ。縦624からブラウザのボタンバーなどの要素を差し引いてデザイン
しないと、圧倒的に多くのユーザーを持つ832×624サイズの人は、いちいち縦
スクロールしないと全体のデザインが見られない。

そこで僕はコンピュータのデスクトップの壁紙に640×480、800×600、832×
624、1024×768を左上を基準値にしたものを作成して使っている。自分が作業
しているモニタのサイズと、Webページデザインは密接な関係にあるとつくづ
く思う。

さて、昨年後半通っていた作業場も年末に撤収し、また僕は自宅の仕事部屋で
仕事を行なっている。今年は映像製作も仕事の中で大きな割合いを占めるから、
年末にマシンを新しくした。Macintosh G4デュアル450というマシンで、メモ
リは650MB。ハードディスクは160GBという(!)ごっついスペックである。

さらにモニタも新しく22インチのフラットブラウン管にした。このモニタ、こ
れだけのスペックで10万円だったのである。ちゃんと名前の通ったメーカであ
る。本当に最近のマシンって安くなったよね。でもさすがに自宅で22インチは
巨大だけどさ。

【もりかわ・まさゆき】morikawa@siliconcafe.com
昨年末にマシンを新しくしたにもかかわらず、今度は新しいPowerBook G4が欲
しくなった。思えば今のPowerBook G3を購入したのは2年前。しっかり全国行
脚で稼いでくれたのでモトはとれている。あとは家庭内稟議(笑)。しかし、
ノートを新しくすると、また全国行脚をしたくなる欲求を押さえられれるかが
心配……。

Silicon Cafe'
http://www.siliconcafe.com/

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■デジクリトーク「青い瓶の話」2408
北澤 浩一
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渡るのは、震えるひとの思いだ。





■ もう数日で今世紀が終わるという週末の夜、これを書いている。
 何時掲載されるのかは、適宜な按配。ソコハ流れで。
 先ほど〆切を送るため外に出ると、このあいだまで高かった月は次第に欠
け、プラタナスと銀杏の枯葉が粉になっていた。
 風の具合だろうか、舗道の一ヶ所に固まる。音もする。
 日本海側の都市では、雪になっているのかもしれない。



■ せんだって、ベンヤミンの「『複製技術時代の芸術作品』精読」(多木
浩二著:岩波現代文庫)を読んだ。
 ポストモダン論の先駈けとも言われる名著だが、我が国で初の翻訳が出た
のは1965年のことである。我が国における写真論の分水嶺は、同著が紹介さ
れた65年だとする方も多い。
 ベンヤミンは、写真から映画まで、技術の進展に従って導かれた決定的な
知覚の変容を分析し、歴史の中での写真の情報化の意味を明らかにした。

 同著は、「アウラの喪失」「礼拝的/展示的価値」などのキーワードで知
られている。「アウラ」とは何か、と今説明している余裕はないけれども、
「写真小史」、あるいはロラン・バルト「明るい部屋」などと同様、写真を
語る際の基本文献のひとつだとされている。
 静止画像ならびに動画に関わる若い方々には、個人的にお勧め。
 全部を読む必要はないっす。
 手元に置いておくだけでいいのだ。



■ ベンヤミンの論の特徴は、第一に「技術の進展」ということに着目した
ことである。
 続けて、それによる知覚の変容、ある時代における受け手の共通の認識の
仕方を総合的に探ろうとしたことであった。
 迫りくるナチズムの足音。全てが単一な美意識で統一された世界あるいは
芸術というものに、生理的な拒絶反応を覚えていた、とも読めてゆく。
 実際ベンヤミンは、枢軸側の追求により亡命先で自死している。

 わかりやすいように書けば、例えばデジタル技術の進展は、表現やコミュ
ニケーションの在り方を左右してきた。
 テキストであっても同じことで、毎日届けられるこのメールマガジンの文
体やその表記はどうだろう。
 従来の活字、組版とは全く異なっていないか。
 文庫本の読み易さと、メールマガジンのそれとは同一平面で語ることがで
きない。
 受け手の我々は、斜め読みの技術を身につける。
 本質的なキーワード、あるいは匂いのようなものを文章全体から探ろうと
する。それは個々人の編集あるいは速度ということで、編集長ならびにデス
クの元で巧みに編集されたテキストが、あっという間に複製・消費されてゆ
く。それは決して否定的にだけ捉えられるものではない。



■ 私は、21世紀の始めの幾ばくかは。20世紀後半にやりのこしたこと、そ
の宿題を片づけることで終わるだろうという気がしている。
「何も終わってはいない。始まってもいない」
 と、いうのは、ハメット、チャンドラーを始めとするハードボイルド小説
の主人公が呟く台詞だが、物語には続きがある。
 世紀が変わる瞬間、別にどうでもいいことなのだが、せめて私はこのよう
にも考える。

「震えて眠れ」
(「甘く苦い島」のコピーより)

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北澤浩一:kitazawa@kitazawa-office.com
コピーライター/デザイナー
写真家ともいう。
http://www.kitazawa-office.com
本文はほぼ一ヶ月前に書いた。そこは流れで。

▼PhotoExchang
…………………… http://www.dex.ne.jp/photoweb/index.html
プロ向け高解像度デジタル写真サイト。
小川勝久・藤井英樹氏など一流写真家の作品がギャラリーに展示されている。
「甘く苦い島」 - Little One - として、北澤作品の一部が常設。

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『REALTOKYO』(1/15-1/21号)を公開
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<案内より>

・「Tokyo, 4 Weeks」
演劇評論家のウニタモミイチさんに、話題の劇団ゴキブリコンビナートの過激
(にちがいない)ワークショップについて書いてもらいました。昨年末、僕も
彼らの公演を観て圧倒されました。スゴイ! です。

・「世界のMust-see Events」
福田幹さんの隔週連載。今週は香港、ロッテルダム、NY、ザグレブなどのアー
トイベントを中心に紹介しています。世界は動いている!

・「Out of Tokyo 006」
小崎の連載コラムは、年末に亡くなった劇作家・如月小春さんについてです。
44歳という早すぎた死。今もって実感が湧きませんが……。

・BBS
お待ちかね! 掲示板をつくりました。面白かった(あるいはつまらなかった)
映画や芝居やライブや個展について、ぜひ激論を闘わせて下さい。トップペー
ジにボタンがあります。

▼とてもきれいで読みやすいウェブマガジンです。おすすめ。

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特集:デジタル・キャラクターの身体性

ロングインタビュー<1>
「マンガとキャラクター」・・・西村繁男
最大部数653万部を記録した『週刊少年ジャンプ』3代目編集長が語る、少年マ
ンガ創世期から現在に至るマンガとキャラクターの変遷と未来 。

ロングインタビュー<2>
「メカデザインの拡張子」・・・カトキハジメ
アニメ、プラモ、フィギュア…2Dから3Dへ拡大を続けるメカデザイン。その進
化の先にはどんな世界が姿を現すのか。圧倒的な人気を誇るメカデザイナーが
語る、メカデザインの現在。

インタビュー
「CG制作の現場から」
・タナカノリユキ
表現者としてメディアを横断した活動を繰り広げるアーティストが語る、デジ
タル時代の表現論。
・庄野晴彦
圧倒的な映像感覚で日本のCG界を牽引してきたCG作家が語る、ポスト・リアル
時代のデジタルキャラクター。

審査委員メッセージ
・鈴木 裕(ゲームクリエイター)・近藤左千子(CGIディレクター)

連載「私がつくったキャラクター」・大地丙太郎「おじゃる丸」

トピックス「平成12年度文化庁メディア芸術祭」受賞作品決定

▼本文はちいさな別ウインドーが開いて表示されるが、これがチョット。
文字は小さく、行長が長く、行間がベタのため読みにくい!

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世界の「初日の出」フォトコンテスト
http://www.isize.com/travel/ab_frame/photo_con1.html
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ワイワイプラネット・ドット・コムとイサイズトラベルは「初日の出」フォト
コンテストを開催中。日本だけでなく世界の「初日の出」フォトを募集、公開
する。応募受け付けは1月21日まで。1月11日から1月21日まで一般の投票を行
う。入賞者21名に、21世紀にちなんだ賞金21,000円やオリジナルグッズなどが
プレゼントされる。

▼1月16現在応募者はまだ21人に達していない。チャンスです(笑)

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■編集後記(01/16)
・徳間文庫「超古代文明論」を衝動買い、反省。南山宏はオーパーツの研究者
で、精力的に現地取材している信頼性は高いお方(と思う)。いっぽう作家・
高橋克彦はヒコーキに乗れない想像力満点のお方。なんぢゃこりゃ~というし
かない小説家の珍説・奇説おしゃべりには正直笑える。「と学会年鑑2001」で
も、脱常識、いやはや、、、と酷評されていた。1999年に世界は終わるトカ言
っていた高橋サンだったがなあ。だいぶ前に、横尾忠則さんのインタビューを
終えたあとで、高橋さんがあちこちで破滅破滅っていってますが東京も大破局
ですかねえト聞いたことがある。彼には困ったもんだトいうニュアンスの横尾
さんは、東京はしばらく大丈夫ですと応えてくれた。安心した!? (柴田)

・ADSLを検討している。ビジネス街なら光ケーブルなので引っ越しも考えてし
まうのだが、この不況だと、次はどう動くかわからないので、ADSLがお手頃。
各社のサイトをまわるが、いまいちよくわからない。NTTさんだとマシン一台
しか使えないって書かれてあるけど、イーアクセスならルータ接続もある。じ
ゃあ必然的にイーアクセス? もうひとつ面倒なのがプロバイダーを選べるっ
てことなんだけど、途中でプロバイダーをほいほい変更することは難しそう。
となると、バックボーンや評判はどうなのかと、真剣にプロバや使用者のサイ
トを見てまわることになる。そうやって絞り込んでいるけれど、考えてみたら
口コミって怖いよね。会員数が多ければ不満を言う人も増えるだろうし、でも
だからといって、会員数全体から見て、その割合が多いかどうかはわからない。
存在するプロバ全部を体験しているわけじゃないから、その人の経験・基準に
左右される。私にとっては、サービスが悪く、全然早くないかもしれない。お
試しADSL・ISP期間ってあればいいのになぁ。今週はここ、来週はあそこで接
続してみま~す! なんてね。             (hammer.mule)

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        森川眞行 

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