[1036] ただの道具ってなによ?

投稿:  著者:  読了時間:22分(本文:約10,900文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1036    2002/02/27.Wed発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20274部
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 <サルやラッコも多少つかうけどさ>

■デジクリトーク MKチャット対談
 ただの道具ってなによ?
 笠居トシヒロ&まつむらまきお

■デジクリWEBデザイン研究室
 無意識的ウェブデザイナーの遠吠え・4
 Rey.Hori

■新刊案内&プレゼント
 「一週間でマスターするPainter7 for Windows & Macintosh」



■デジクリトーク MKチャット対談
ただの道具ってなによ?

笠居トシヒロ&まつむらまきお
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かさい: まいど、もう1週間経ってしまいましたねー。笠居ですー
まきお: まつむらですー。今日は伊藤有壱さんのセミナーに行ってミーハーモ
    ードのまつむらですぅ(^_^)
かさい: その上、しこたま飲んできたらしいやんけ(-_-;) こっちは朝から胃
    痛で苦しんでるってのにー
まきお: はーい、ただのミーハーの酔っぱらいでーす(笑)からだ大事にせな
    健康に悪いよぉ
かさい: さすが酔っ払いだな、日本語が変だぞー(^^;) でぇ、今日は何の話を
    しようか?
まきお: んと、酔っぱらいのタワゴトですがね、「道具」の話をしたい
かさい: 大工道具ですか? のこぎりの目立てのやり方とか
まきお: 高校時代の友人に、目立てが趣味ってやつがいてねぇ....
かさい: ・・・・って、乗りっぱなしかよ(^^;) やっぱボケとツッコミ入れ替
    えるとうまく行かんな

●中途半端な「ただの道具」という言い方
 
まきお: だって実話なんだもん(^_^;)じゃなくてだなぁ(笑)よく「コンピュ
    ータ(でもなんでもいいが)なんてタダの道具なんだから…」みたい
    な言い方をすることあるじゃない?
かさい: はいはい、ありますな。結果さえ出れば道具は何だっていいとか
まきお: そういう言い方を聞くたびにね、なんか釈然としないワシがおるわけ
    よ。なんかひっかかるの
かさい: ふむふむ。じゃあ何が釈然としないのか探ってみましょうか。まつむ
    らさんはやっぱ道具にはこだわるよね
まきお: こだわっちゃう部分と、ぜんぜんこだわらない部分の両方があるの、
    ボクの場合 
かさい: ほう、たとえばどんな?
まきお: んと、たとえば今、ぼくのメインの道具はFlashなんだけど、Illust-
    ratorやDirectorをすててFlash(スマスケ)を選んだ、というのがね
    これはこだわりがあったのか、なかったのか(^_^;)
かさい: いや、こっちが聞いてるのだ(^^;) Flashを選んだことは「こだわり」
    なのか? と(笑)
まきお: なんていうのかな IllustratorやDirectorやfreehandやCanvasを使い
    ながら、ずーっと感じていた違和感が Flashにはなかった、という意
    味で、これがぼくの求めていた道具だっ! という直感はあった 
かさい: つまり Flashにこだわると言うよりは、手になじむ道具を求めていた
    ということだな?
まきお: うん。ほんとに自分の道具ってのをずーっと探していた気がするのね
かさい: なるほど、そういった意味では、道具に対するこだわりはあるわけだ。
    じゃあこだわらない部分ってのはどんなの?
まきお: もし明日、電気が止まって Flashもコンピュータもネットも使えなく
    なっても、そんなに困らないだろうなぁ、と思う 
かさい: ええ~~、それは困るんじゃないのか?(^^;)
まきお: んー…別に。最低限、紙と鉛筆があれば、それでいい、っていうとこ
    ろもあるわけ 
かさい: そうかなあ・・・(^^;) まあ絵がかければ、ということならそれでい
    いかもしれないが
まきお: マンガかいて道ばたで売るしー、みたいな。でね、そういうボクから
    すればね、「ただの道具」ってとらえ方って、すごく中途半端な気が
    するのよ 
かさい: ふむ。いわゆる「ただの道具」という言葉に感じる中途半端さ、違和
    感、みたいのものってなんだろうね
まきお: 道具というものを見切っているのならいいんだけど。なんていうのか
    な、道具って、もっとすごいし、同時にもっとどうでもいいモノなん
    じゃないかなぁ、うまく言えないんだけど 
かさい: かくいう僕も、講師をしてる関係上、「アプリは単なる道具、こだわ
    るな」って言うことが多いんだよ 
まきお: もし、笠居さんにそういわれたらね「こだわらなくていい道具ででき
    る仕事なら最初からしなくていい」って言う(笑)
かさい: こらこら(^^;) まぜっかえすんじゃないよ。最後まで人の話を聞け、
    この酔っ払いめ(笑)
まきお: あ、すまん(笑)もちろん「道具にふりまわされるな」という意味だ
    ってことはわかるんだけどさぁ 
かさい: まあ、そういうことなんだけどね。生徒さんから「(プロでやってい
    くには)どんなアプリを覚えれば(買えば)いいでしょうか?」的な
    質問を受けることが多いのね
まきお: なるほど、それに対する「道具にこだわるな」なのね 
かさい: そうそう。そういうときにプラス「どんな道具を使えば自分の表現が
    できるか、ということがわかるくらいの基礎体力をつけることのほう
    が先決だと思う」って言うことが多い
まきお: なるほどー。たしかにボクもまんがを書こう、と思ったとき、Gぺん
    と開明墨汁買ったけど(まあ、1000円でオツリがくるんだけどね
    マンガの場合(^_^;))実際、それって違ったなぁと、今にして考えれ
    ばわかる(実際の仕事はピグマとポスカでやってた) 
かさい: この道具が手になじむ、だからそれにこだわる、ってのはわかってか
    らの話だもんね 
まきお: 「探す、なければ作る」なんだろうなぁと。たとえば自分で曲線定規
    を作るとか、ミリペンの先をカッターでけずるとか 
かさい: えっとね、畑正憲(ムツゴロウ)さんのエッセイで読んだんだけど、
    旅行中に交通事故にあった犬を見つけたんだって
まきお: ふむふむ
かさい: ところが、同行していた獣医さんは「ここには手術台もないしメスも
    持ってない、だから何にもできない」と
まきお: で、ムツゴロウ氏は自分でなんとかした?
かさい: ムツゴロウさんは持っていた剃刀の刃をタオルでくるんで割って、小
    枝にくくりつけて即席のメスを作って手術したそうな
まきお: 明日電気がとまっても大丈夫なワシと同じ(^_^)
かさい: これがいわゆる「弘法筆を選ばず」ということだろうなあ、と思うわ
    けですよ。何をどう使えば目的を達成できるか、わかってるからでき
    ると 
まきお: ああ、なるほど
かさい: だからといって、ちゃんとした設備のあるところで剃刀の刃と小枝の
    メスは使わんだろう?
まきお: その時その時で、ベストな環境を整えたいよね 
かさい: そういうことだと思うよー。ベストが何かを判断できることが大切 
まきお: そういう意味での道具に頼るな、ということか。が、しかし、まだナ
    ットクできない気もする(^_^;)

●道具は選ぶべきなんだよ

かさい: 納得できない部分を伺いましょう~(笑)
まきお: んと、それはわかった。それとは別に、道具を探求することって、も
    っと必要な気もするわけ 
かさい: あ、それはそうでしょ。ベストが判断できるのであれば、ベストを探
    すのは当然だと思うー
まきお: 同意されるとなにも言えなくなってしまうのだが(^_^;)
かさい: 反論して欲しかったのか(笑)
まきお: いやいや(^_^;)えーっと、道具の話を考えたとき、あ、道具をつかう
    のって、人間なんだなぁーって思ったの 
かさい: ほほう
まきお: 道具をつかうから人間。もちろん、サルやラッコも多少つかうけどさ
かさい: 道具(手)を使う動物=人間、か サルやラッコは使うけど自分で作
    ることはないわな 
まきお: うん。道具をつかうから、人間なのに、道具って言葉がね、あまりい
    い意味で使われないんだよね「人を道具としか思ってない」とか。こ
    れはどうしたことなんだろう、と 
かさい: ははあ、たしかにそういわれればそうだな。なんでだろうね?
まきお: たとえば、言葉って、道具だよね?
かさい: ですね。意思伝達の道具
まきお: で、「言葉なんてただの道具じゃん」っていうことはさ、人間である
    こと自体を否定してるような印象があるのだな 
かさい: なるほど。ふーむ
まきお: 言葉って、ものすごくプリミティブな、うなり声、叫び声から、今の
    状態まで進化していったんだよね。みんなが進化させていった。道具
    の進化ですよ。それによって文明も文化も生まれた。それを「ただの」
    って、どういうこと?って。それがずーっとぼくがひっかかってる違
    和感 
かさい: 道具というのが自然に反するものだから・・・かな? 否定的な意味
    合いで使われるのは・・・
まきお: もともと、自然に対抗するための手段だからねぇ。それと、日本人特
    有の自然崇拝から来るものなのかしらん
かさい: 他国で「道具」という言葉がどんなニュアンスを持っているかわかん
    ないから何とも言えないけど、日本では「道具に頼る」とか言うじゃ
    ない。あまり良い意味ではなくさ
まきお: うん、言うねぇ>頼る
かさい: 生身の人間としての能力以外のものを使うのは好ましくない、という
    考えが見えるよね
まきお: 自然崇拝かなぁ。存在自体が地球にとって悪、みたな...
かさい: 突き詰めるとそこまで行っちゃうかもしれないけど・・・コンプレッ
    クスではないかなあ
まきお: 自然のままでは生きられない、というコンプレックス?
かさい: うん、まあ明確に「対自然」と言ってしまっていいかどうかは「?」
    だけどね。たとえば、素手で殴り合いをすればAのほうが強いとして
    も、対するBが拳銃持ってたら、Bが勝つでしょう。
まきお: まあね
かさい: でも、第三者的に見ると「Bは卑怯」ってことになる。
まきお: でも、拳銃を用意していなかったAがウカツ、という考えもあるわな
かさい: いや、一般的な印象としてですよ(^^;) このへん道具を使うことに対
    するコンプレックスと言えないかなぁ
まきお: あ、わかった。道具は選ぶべきなんだよ。選ばないのは手段だ
    戦うのであれば、手段は選ばない、でも武器は選ばないと勝てない。
かさい: 手段を選ばない、というのもあまり良い言葉ではないが・・・(^^;)
    でも言いたいことはわかる
まきお: プロは勝つためなら、ヒキョウにならない範囲で手段は選ばないべき
    だ、というのがボクの信条(^_^;)/
かさい: (笑)言い換えると「プロは目的達成のために、ありとあらゆる手段を
    検討するべきだ」となるかな(ちょっとは良い言い方(笑))
まきお: そうそう。で、そのためには当然道具は選ぶべき。それをはしょると
    違和感があるわけだ
かさい: 手段は選ばず、それに沿った道具は選べ、か。ふむ
まきお: 目的が一番上にあるのね。目的遂行のためには、ね。いやー、すっき
    りした(^_^;)
かさい: 「手になじむ」「しっくりくる」ってのとは、またちょっと違うよう
    な気がするが、そのへんどう?
まきお: まつむら的には大丈夫ー。手になじむ、しっくりくる道具じゃないと
    その道具を信用できない。できなければ、目的を遂行できないもの
かさい: 最終は、やっぱり目的なわけね。うん、それならわしもスッキリ(笑)
まきお: 目的がなければ、道具をもてあそび、もてあそばれているだけ、とい
    うことですなー
かさい: ですね。というわけで、今週はこれまで。また来週~~(^^)/~~~
まきお: いやー、デジクリ水曜ってホント勉強になりますねぇ(^_^;)ではでは

【笠居 トシヒロ/WEB&グラフィックデザイナー】
胃が痛い以外は特に変わったこともないので、今週は近況報告なし(笑)
<http://www.mad-c.com/>

【まつむら まきお/まんが、イラスト、アニメーション作家】
アニメーション作家&ディレクターの伊藤有壱さんとお会いすることができた。
まさに手段は選ばず道具を選ぶ、というお仕事ぶり。いい仕事されてる人を見
ると、いつもたくさんエネルギーをもらえる。ありがとうございました。
<http://www.makion.net/>

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■デジクリWEBデザイン研究室
無意識的ウェブデザイナーの遠吠え・4

Rey.Hori
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●一番苦しいのが複数デザイン案のひねり出し

この一カ月はWEB仕事の当たり月だったらしく、旧来抱えていた仕事に加えて、
新たに3本の仕事がほぼ同じタイミングでスタートした。この稼業、ゼイタク
はテキなのだが、同じタイミングというのがツライのであって、WEB以外の仕
事も含め、ここ二週間ばかりは「コンスコン強襲のアムロ」状態でヘバってい
る(わかんない人は置いて行くのである)。

僕にとっての標準的なWEB仕事は、ページの外観を示す静止画や、主要部分だ
けを実際にコーディングしたプロトタイプによるデザインや操作性の提示から
始まり、素材作成、コーディング(いわゆるバラシ)と進んで、微調整で終わ
る。このパイプラインが互いにズレてさえいれば複数本の仕事が走っていても
比較的楽なのだが、同じタイミングで複数のパイプラインが走ると、腕は2本
しかないし頭はひとつしかないので、結構苦しい。

どこが苦しいかというと、一番苦しいのがデザイン案をひねり出すのが、であ
る。クライアントさんは気軽に(と思うのだが)「じゃ、違う方向でラフを2
~3点ほど」とおっしゃるし、大抵は最初の打ち合わせから帰る電車の中で頭
の中におぼろげ絵が浮かぶけれど、そのあと既存のページがあればダウンロー
ドして目を通し、競合する同業他社サイトも幾つか調べ、その上でバラシなど
後工程も考えて独自の方向を主張しうるデザインを練る、というのは手間がか
かる。
 
これがほぼ同タイミングで3件も重なると、相当な消耗戦を強いられるのだ。
実時間よりも精神的にである。今回もアイデアが「降りてくる」のを待ってい
る暇はないので、上記の他に、雑誌や写真集、画集などからヒントを漁り、何
冊も付箋だらけにして乗り切った(パクったわけではない、念のため)。今は
提出案について色々と先方の意見が返って来ているところだが、幸いにも現時
点で星一徹と化しているクライアントはいないようだ(わかんない人は置いて
行くのである)。
 
そんな中で、去年からずっと断続的に続いていたWEB仕事が2件、ほぼ完了した。
これはメデタイことと言える。そのうちの一つがこの連載で同時中継していた
案件だ。
 
前回の時点ではバラシに「ゴーサイン」が出たところだったが、その後新規の
案件の合間を縫って下層ページをバラし、先方提供の画像を全てブラッシュア
ップして減色をやり直し、Flashで作成したメインメニューをCGI連携用に作り
変えてクライアントご希望の機能も追加し、Flashプラグインがなかった場合
のバックアップページなども作り、リニュアル初版としての完成にこぎ着けた
わけだ。

当然のことだが、デザインの段階でこれら下層ページの構造やバラシの方法な
どは概略検討済みだったので、細かい部分にいちいち口をはさまないタイプの
クライアントの場合、こうしたバラシは比較的スムーズに運ぶ。それだけに初
期デザイン案の決定にはそれなりの手間がかかり、重なると苦しい、とこうい
うわけなのだ。
 
ちょいと脱線するが、中には下層ページの見栄えについてもピクセル単位で指
示を出すクライアント氏もいる。明確な完成形があってこちらに指示を出すの
なら良いのだが、経験上、こうしたクライアントに限って自分でゴールが見え
ていないことが多い。指示がループしたり、とんでもない方向へ飛んで行った
りする。

そうした場合、どうするか。またぞろシモジモのデザイナーには難しい判断が
要求されるが、こちらにモチベーションがあるうちは折り合える点を探し、次
に盲目的に従うようにし(この段階で、とっくにOKが出たはずのデザイン案か
ら崩れていくことが多い)、最終段階としては「あとはご自分でどうぞ」とブ
チキレる、という段階を踏むことになっている。
 
恥ずかしながら、僕の場合、最終段階まで進んでしまったことが実は一度だけ
だがある。ある意味でプロ失格状態なのだが……そのサイト、ちなみに現在は
僕がブン投げた時点のデザインベースで公開されていたりする(笑)。ふふふ。

というわけで、世のクライアントの皆様、なかなか言うことを聞かなかったデ
ザイナーが急に指示に従いだした場合、ことによると最終段階が近いかもしれ
ない、とお考えになられるほうが良いかもしれません。

(って、こんなことばかり書いてたら、この連載をクビになるかもしれんなあ
……基本的には初回に書いた通りミナミハルオ的関係代名詞を尊重して、ちゃ
んと言うこと聞きますから、お仕事下さいませ<笑>。)

●エゲツないコードを生成するHTMLエディタ

さて、そんな風にソースファイルごとブン投げてしまうことは希であるにして
も、WEBサイトというもの、こちらの手を離れてからクライアントや別のデザ
イナーの手によって改変されることは不可避であると僕は考えている。

理想的には初期デザインをした人間が同じ判断基準と手法でメンテも引き受け
るのが良いし、素材の著作権の観点からもそれがベストなのだが、諸事情によ
って事実上それがかなわないこともWEBでは多い。同業者ならお分り戴けるこ
とと思う。

一度手を離れた後、全面リニューアルまで返って来ないのであれば何の文句も
ないのだが、時として、他人がイジったHTMLファイルがこちらに戻って来るこ
とがある。で、頭を抱えることになるのだ。

筆者は全てのコーディング作業をごく普通のテキストエディタで行なっている。
いわゆる「手打ち」だ。一応Dreamweaver / Fireworksの正規ユーザではある
のだが、起動率は極端に低い。で、テキストエディタ手打ち派の多くがそうで
あるように、コーディングには自分なりの流儀を持っている。

例えばタグ名(要素名)は大文字、オプション名(属性名)は小文字、ただし
カラーコードは大文字、インデントはタブひとつだけで、それ以上インデント
ではネスティングせず必要ならコメントで表示する、等々だ。結果、自分で言
うのもナンだが、クライアントからは「見やすいコードだ」とご好評を戴いて
いる。

しかるに、他人の手を経たファイルは当然のことながらこの点でとても見づら
いものに変貌してしまう場合が多い。元凶はHTMLエディタ(特にGUI型の高機
能なヤツ)のお行儀だ、と僕は睨んでいる。

(元ファイルの流儀を読み取って、それに合わせてくれるHTMLエディタ、なん
てないかしらん。もちろんオンオフ設定可能で)

大文字小文字ぐらいは我慢もするが、入れ子のテーブルなんかだとインデント
がネスティングされて、画面の右方向はるか彼方へブッ飛んでしまっている場
合もある。原則論としては正しいが、かえって見づらいと感じる僕のような人
間もいる。

これらについては、小規模な修正の場合は辛抱するし、規模の大きな修正の時
には作業にかかる前に正規表現の置換を使って「自己流」にガシガシ戻す。た
だの偏屈と笑うなかれ、その後の作業の効率や凡ミスの低減にかかわる重要事
項なのだ。

とは言え、こうした書式上の問題は「閲覧者に実害がない」点でまだ軽いと言
える。ところが中にはなかなかエゲツないコードを生成するHTMLエディタもあ
る。何を考えているのか、中身のないSPANタグをあちこちにバラまくとか、長
い文章の途中や、TDやAの閉じタグ直前で改行するとかだ。「深刻な問題」と
は言わないまでも、これらは実害を引き起こす可能性がある。大体、ウツクシ
クない(エディタに勝手に改行されてしまうほどの長文をページ内に置くのが
ウツクシイのかどうかは別問題)。

もちろんこれらはHTMLエディタが本質的に悪いわけではなく、こうしたことに
ならないように使いこなせていない使い手側の問題なのだろうけど、毎度のよ
うにやられるとその度に頭をかきむしる時間が長くなるのだ。

毎度おのれの行状を棚に上げてエラそうにほざくが、特にGUI型のHTMLエディ
タに慣れている同業者の皆さん、一度そやつが吐き出したコードを眺めてみて
下さいな。お気楽に使っている人ほど結構エライことになってる場合が多いと
思いヤスぜ。ブラウザ上で思った通りの表示ができれば結果オーライなのでし
ょうが、その汚いコードをクライアントに納めることについてどう感じるか、
が焦点でありますな。

とまあ現状のHTMLエディタについては結構否定的な僕なのだが、一定以上の規
模のサイトのコーディングをテキストエディタ一本でやることについての非力
さというものを、やはり感じなくもない。

目下気になる製品がひとつあるので、お試し版でも使って、感触が良いような
らこの連載で報告などもしてみたいと思ってはいるのだが、何せ目下冒頭に書
いたような状況なので、お約束はできかねる。どうかお許し戴きたい。……
「3っつ、次!4っつめ」(笑)(わかんない人は置いて行くのである)。

本名、堀内営【ほりうちまもる】。'63年 大阪生まれ。'97年8月より、フリー
ランスとして3次元CGやHTMLコーディングを中心に制作活動中。'98年4月より
横浜美術短期大学非常勤講師。……2月17日まで都内でやっていた「サンダー
バード展」を納品帰りに駆け足で見て来た。一人でニヤニヤうなづいたりしな
がら展示パネルに見入る、アヤシイ客と化してしまったが、改めて今見ると僕
の“原点”のような気さえするなあ。わはは。

▼【MacWIRE-D】毎週火曜日は「デジクリWEBデザイン研究室」が掲載される。
http://www.zdnet.co.jp/macwire-d/

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■編集後記(2/27)
・歩きたばこは区が罰する、という条例が千代田区議会で検討されるという。
路上で喫煙すると2万円以下の罰金。すばらしい。ぜひ条例を制定してほしい。
いままで取り締まりの対象にならなかったのがおかしいくらい、歩きたばこは
危険だし迷惑で不愉快なものである。仕事でよく行くのがさいわい千代田区だ。
千代田区からはじまって、東京全体からあまねく日本全体にいきわたってほし
いものである。昨日は長時間の会議があり、会議中は禁煙で助かったが、その
後に行った居酒屋はたばこ天国だったので、今日になっても頭痛が。(柴田)

・月曜日にも書いたファンの方が、昔の音楽雑誌をオークションにかけている
のだが、河村隆一のものはまったく売れないのだそうだ。イエモンは根強いフ
ァンがいるらしく、そこそこ売れ、山崎まさよしはTVにほとんど出ないにも関
わらず、高値がつくらしい。/生活水準や知名度が上がったとしても、望んだ
生き方ができなければつまんないよねと、エンズや布袋さんの歌を耳にして思
った。表現方法は全然違うけど同じことを歌っていたから。 (hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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