[1064] 流行性舞踏病のはなし

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1064    2002/04/09.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20544部
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 <和服着て気合いをかけて~>

■デジクリトーク
 流行性舞踏病のはなし
 モモヨ(リザード)

■デジクリトーク
 クリエーター交友録/大賀葉子編
 海津宜則

■公募案内
 キヤノン・デジタル・クリエーターズ・コンテスト 2002



■デジクリトーク
流行性舞踏病のはなし

モモヨ(リザード)
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前回、復帰後二度目のギグについて書いた。

それが通常のギグのカタチと異なり、私のパフォーマーとしての歴史をなぞる
カタチで行われたということも、すでに報告した。そして、中で演じた即興詩
のパフォーマンスが若きファンの興味を惹いた事も書いた。

かつては、セッションによって生まれたアルバムが数多くリリースされた時代
があった。ロックのセッション、そしてインプロヴィゼーションが当然だった
時代がある。

ジャムセッションというと、ブルースだとか、ロックンロールの典型的コード
パターンを繰り返すものを想起する方が多いと思うが、実際には、モードやス
ケールによるもの、コードプログレスを基盤とするもの、あるいは12音全てを
使うものなど多種多彩である。

がちがちの音楽理論が支配しているかのような西洋音楽事情においても、記譜、
理論がまとめ上げられる以前は、音楽家達は、延々とセッションを繰り広げて
いた。これをまとめたものが音楽通論。通論である以上は普遍的原理ではさら
さらなく、実際に、音楽は融通無碍。これは、当時の演奏家にとって常識であ
った。
(……便宜的に産み落とした通論が人のセンスを呪縛するのは、どこにでもあ
る構図だが、いつどこで見ても、いい気持ちがしない)

ポエトリーリーディングがポップカルチュアの意識変革をうながしたのも、そ
んな時代だった。

同じ曲をいつも同じように歌うなんてのは、それこそカラオケ上手でもこなせ
る、オリジナルイメージをその日その時しか、できないような表現で、ライブ
空間に立ち昇らせる、それこそがパフォーマンスというものだ……ジミ・ヘン
ドリックスやマイルス・ディビスといった天才がフロンティアとなり、ポップ
カルチャーは、それまで見えなかった世界を描き出したのである。私は、その
時代に、薫陶を得たものとして、これを後代に伝える義務を痛切に感じている
者である。

とりあえず、我がポエトリーリーディングだ。そのビデオクリップをリアルで
エンコードしたものを私のサイト、http://www.babylonic.com/で公開してい
る。ロックを自ら演ずる人、そして音楽に興味のある方はご覧いただきたい。
また、紙に書いた文字としての詩を偏愛なさっている方もお誘いする。

中の一つ、『メメントモリ DANCE TO DEATH』を例に手法をざっと説明すると、
当日の朝に書いた十行ほどの散文詩をメンバーに示し、幾つかのキーワード、
私の所作を場面展開のトリガーと決めておく。あとは、それにしたがってプレ
イするだけである。もちろん、実際にステージで私が口にする文字内容は、私
の言葉に反応して奏でられたメロディ、リズムに、私が呼応することで、さら
に大きくなっていく。十行の詩句は、ある意味で種にすぎない。

デジクリ読者なら今更説明の必要はないと思うが、タイトルの「メメントモリ」
は、翻訳すれば「死を思え」である。これだけでも十分イメージ喚起力がある。
しかし、この語だけでは、デスペラートな退嬰的な響きも免れないのである。
実際には、反語的に生を照り返すためのモットーであることは、いまさら言う
までもないことだろう。DANCE TO DEATH、死の舞踏も、言葉だけでは、妙にう
わついた悪趣味なヘビーメタルを思わせるが、ここでは、語本来の、中世ヨー
ロッパにおいて繰り返し流行した舞踏病の意味で使っている。

リザードを昔から聴いてくれているファンならいざしらず、流行性舞踏病とい
う言葉はおなじみだろうが、一般的には耳慣れないはずである。わが国で言え
ば、江戸期に繰り返し流行した伊勢参り・おかげ参りなどがそれに相当する。
映画『ええじゃないか』のアレ、そう言った方がわかりが早い。

昭和の一時、原宿の歩行者天国でブームとなった竹の子族なども、社会現象と
して見た場合、明らかに、この流行性舞踏病として分類される。これらの現象
は、おおむね、踊る本人の自覚に関わらず、体制の爛熟と崩壊に対する集団的
不安の表出とされている。

中世ヨーロッパの場合、その大半はペストなど疫病流行とあいまって発生。人
々は、病に没した骸を広場に集めて積み上げ、火葬にふした。その際に、生き
残った人々が、焚炎のぐるりを「メメントモリ」と口々に唱えて踊り狂ったと
いうのである。昭和末年の、竹の子なんぞでは比較にならない重苦しさといえ
る。日本において類似のイメージを探すなら、平安時代、大飢饉と疫病流行で
市中あちこちに置き去りにされた骸を河原で荼毘にふし、念仏を申しながら周
囲を巡り踊ったという空也上人の踊り念仏……この方が適切なイメージを喚起
するだろう。

本来的に、踊り、舞踏は呪術の重要なエレメントといえる。法悦に自我を没入
しさり、自我と法悦の境を見失い、その果てにカタルシスを得る。これは身勝
手な精神論では決してない。フィジカルな方面からも理論的に推察できるもの
である。例えば、マラソンランナーなどが、苦痛の、とある一線を越えると歓
喜に満ちた光輝の境に入ることがあるという。いわゆるランナーズハイである。

死の舞踏と呼ばれた中世ヨーロッパの舞踏病では、皆が口々に呪詞を繰り返す。
単なるリズミカルな呼吸法ではない。意味がある。メメントモリメメントモリ
メメントモリ……死を思え、死を思え、死を思え……となれば心に及ぼす影響
は、はかりしれない。

カタルシスとは、文字通り、浄化の謂いである。不安を浄化するには踊るしか
ない。自ら踊りに身を参入させるしかないのである。

こうした例を見るにつけ、舞踏病は、本来、人類共通の病であるように思われ
る。今日、我々の世界でそれが目立たないのは、コンサート会場やテーマパー
クなど、あちこちで連日開催されるイベントの中に、日常的にガス抜きシステ
ムが用意されているからではないか。そして、構造的不況から抜け出せないで
いる現代日本にあって、そうした業界のみ、やけに景気がよさそうなのは、多
分、静かに、そして深く、新たな舞踏病が拡がりつつあるからなのだろう。さ
すれば、すでに、あなたも、そして私も、流行性舞踏病の最中に巻き込まれて
いるのかもしれないのである。

……そして、当人の知らぬ間に、潜在的不安や凶兆に対する予感はクリーニン
グされてしまう。それが未来から見た、二十一世紀初頭、日本の舞踏病なのか
もしれない。

舞踏病に踊りこむのであれば自覚的に没入したい、と常々思っている私は、呪
詩に没入する我が身をリアルプレーヤーの小さな画面に見て、ほくそえむ。彼
方へ踊りこめ、子供達よ、そう彼は歌っている。

モモヨ(リザード) 管原保雄
momoyo@babylonic.com

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■デジクリトーク
クリエーター交友録/大賀葉子編

海津宜則
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●海津: 昨年の夏頃に大賀葉子さん(実は吉井宏さんも同席)と酒呑む機会
があり、その席でKacisを勧められて私も遂に信者となり、突然柴田さんに布
教(実は布教後に余計な事してしまったのではと少し反省していた)。でも、
案外気に入っていただけた(デジクリNo.1030編集後記参照)ようで取りあえ
ず安堵(実はこの原稿もKacisファイルでやり取りしています)。で、ここだ
けの話、ソフト情報は電話や呑み会(約2年前に禁煙してから、呑み会にあま
り誘われなくなった)なんかでストレートに情報交換する場合が多い。そんな
わけで、吉井さんとの怪しい情報交換ネタは既にデジクリで公開(ネタ)して
いるので、今回は大賀さん編(こんな切り口だといっぱい書けそう)というわ
けである。ただし雑談形式。

と言うことで、大賀さん(最初にお会いしたのは1998年2月のMac World Expo
Tokyoで行われた"Meet The Creators"というパーティー会場だったと記憶)と
言えば、私の中では強烈にPainterとExpression使いというイメージが強いん
です(実際、大賀さんとはExpressionを筆頭に真面目なモノから怪しいモノま
で色々なの情報交換を頻繁に行ってます)けど、オリジナルストロークなんか
はどう整理(IllustratorやFreeHandとは違い、管理は楽ですが)してますか?

●大賀: とりあえず、オリジナルストロークはカテゴリー別に保存というお
約束ですね。今は名前をつけるとそれがファイル名になっているので、後で整
理したい時はファイル単位で移動したりできますが、以前はファイル名が文字
化け(?)っていうんでしょうか、ストローク名と完全に一致していなかった
ので、カテゴリー別にフォルダ分けするのがクセになってます。もうしなくて
いいのに(笑)。あとは、仕事(イラストレーション)のたび日々増え続ける
ストローク(他のアプリケーション用のブラシとか設定ファイルもそうですが)
をバックアップするタイミングがとっても微妙で難しいです。海津さんの場合
はいかがですか? 話が違いますがニィスさんの単線ストロークフォントとか
は使っていらっしゃいます?

●海津: 最初のExpressionと比べれば凄く便利だけど、どうも昔の癖(最初
のExpressionは香港製なのに(?)内部的に2バイトは考慮されていなかったよう
です)が抜けず、相変わらず英語で命名(やたらLeaf~とか、Line~なんてい
うのが多くて混乱ぎみ)してます。

あと、私はIllustratorがメインなので、データの共有ということを考えてま
す。もちろんデータ形式がまったく違う(ExpressionってDraw PICTに近い感
じ)ので、そのまま相互に利用することは出来ないから、現在、最適な共有方
法を試行錯誤中です。また、新規作成ストロークデータは、Illustratorのよ
うにファイル毎ではなく、Strokesフォルダーに無限に増え続けるので、ネッ
トワーク上にデータ専用のハードディスクを用意し、そこに定期的に他の汎用
性の高いオリジナルデータ類とともに転送し、更にCD-Rに焼くという2段階処
理をしてます。

ええと、単線ストロークフォントについてはExpresion専用としてリリースさ
れましたが、Illustrator3形式にすれば、他のプロ用Draw系ソフトで利用可能
になる(幸せは分かち合いたい)と、ニィスの伊藤社長に直訴したら直ぐに実
現(製品版では、『Expression形式』『EPS形式』『llustrator 3形式』の3タ
イプが同根)しました。やっぱり提案はしてみるものです。フォントというこ
とで用途は有る意味で限定されますが、今までにないイメージを作り上げると
いう意味では大変重宝してます。もっともDTP上での利用を想定してのデータ
作成なのでExpression上ではあまり使っていません。

●大賀: おおお。私はDVD-RAMにシンクロさせてバックアップという手しか
使ってなかったのですが、確かにCD-Rにしておかないと危ないかもしれない…。
HDがぶっこわれる時に限って、大事なストロークや完成間近の作品が未バック
アップだったりしますよね~(涙)。しかしIllustrator3形式とは! なかな
か盲点ですわ。Illustratorにしかないメリットも活かせるというわけですね。
確かに、Illustratorだと簡単処理がExpressionではまどろっこしいという場
合もありますからね。自分にとってメリットのある方法をとれるのがベストか
と…。

●海津: 私がIllustrator3形式を力説すると、Illustratorの為と思われが
ちですが、実はFreeHand対策だったりします。現実的に私は3つのソフトとも
ユーザーで、ファイル形式はどうでも良かったんですが、普通はいくつも同系
統のソフトは持ってないですからね。だから実質的な業界標準形式である
Illustrator形式あるいはEPS形式であれば互換性は相当高いはずです。その結
果、Expressionも孤立せずにすむわけです。棲み分けではなくて共存しないと、
これからのソフトは相互に生き残れないと思っています。

あと、IllustratorはExpressionととかく比較されますが、この関係はちょう
どPhotoshopとPainterに似ていると思います。でも、Painterほどプロあるい
は一般的に認知されなかったのは少々残念でした。私も大賀さんを突っつきな
がらもう少しメディアに紹介してみれば良かったと少々後悔していますが、意
外にプロの方で利用されている方がいるらしいです。なんだか隠れキリシタン
みたいですね~。

●大賀: 確かに、最近PainterもPhotoshopとの共存を重要視しているようで
すね。もちろん、Painterはすばらしいソフトだと思っていますが、印刷に出
す場合はどうしてもPhotoshop-CMYKなどのファイル形式に頼らざるを得ないで
すから。どんなにPainterですばらしい発色で絵を作っても、CMYKで死んだ色
ばかり選んでいると(印刷不可能色)結果は悲惨ですものね(何度もやりまし
た…>自分)。Painter7はそう言う意味ではなかなか気に入ってます。CMYK書
き出しがあるだけでもかなり嬉しいです。最初からCMYKで描ければもっといい
んですが(笑)。

そういえば、3月29日にExpressionの代理店が変わるというリリースがありま
したね。アクシムさんからピーアンドエーさんに。これを機会にプロユーザー
が増えて、シビアな現場の声が聞けたり、日本のCMYK印刷に対する要望などが
取り入れられるといいですね。

●海津: 事前に噂を掴んでいましたが、突然代理店が変更になったのは何か
あったんでしょうか。少し気になっています。ただ、新代理店ですが、実は私
はピーアンドエーのシューティングゲームのファンで、相当ゲームを買い込ん
でいたりします(大賀さんもバイオハザードなんかか好きだとか?)。なにせ
ピーアンドエーのID番号持っているくらい(ヲタク?)ですから。プロの意見
と言えば、Expression2は確かにあまり反映されていませんね。私にも少々責
任があります。

実は、Expression2の公開β版の時にメールでRGBプロファイルが固定(sRGB固
定はプロ用ソフトとしては失格)されているとプロユースでは困ることがある
と指摘したんですが、どうも真意が伝わらなかった(英語は得意じゃないけど、
今のところ英文メールでのやりとりで唯一意思が正しく伝わらなかったケース
です)ようで、そのままリリースされちゃいました。おかげで約束していたPS
プリンタのテストが出来ませんでした。Creature House自身が映像関係をメイ
ンに活動しているので、印刷用途は軽視されちゃったのかもしれないですね。
それと日本人のカラー管理に対する考え方は意外に五月蠅い(すると結構ラフ
な私は日本人失格?)そうです。

●大賀: (げ、なぜ私がバイオ・ファンなのをご存知?(笑))私も深くは知
らないのですが、Expressionの延長線上にはテレビなどのアニメーション映像
というものがあるようですね。今のところFlash対応という印象だけですが、
ソフトの制作者はテレビコマーシャルとかも作っているらしいですし…。

いかんせん制作者(プログラマ)もプロクリエータってわけじゃないので、絵
的には、よく言えば癒し系というか(笑)そんなアニメが多いですよね。大抵
の人をねじ伏せるくらいの魅力的な作家さんの絵がもっと登場してくれないと、
求心力が働かないんじゃないかな~。べつに、スターが欲しいわけじゃないん
ですけど、Photoshopでの海津さん、Painterでの吉井さん、みたいな、「どう
だ、このソフトでここまでできるんだぜ、文句あるか!!」的な作品が見たい
ですね(笑)。ちょっと乱暴な言い方ですが。

●海津: 私はPhotoshopで人をねじ伏せたことはないです(体力ないですか
ら)が、笑いを取ったことはあります。特に仲間内では大受けした【駄場さん
三変化(私が撮影した駄場寛さんの顔写真を元に、20年前、20年後を勝手に作
成)】が一番受けました。

話を戻すと、個性というのは大切ですね。でも意外と自分(単に私だけの問題
かも)じゃ自分自身の個性が分からないんですよ。妙に意識しすぎても失敗す
るし、特に私みたいに節操がない(Drawから3D、そしてPhoto Imagingと守備
範囲が広すぎる)者はあまり考えないようにした方が自然体になれて良いのか
も知れません。でも、どうあがいても第三者的には『~さんらしい』という部
分は直ぐに分かるんじゃないかな~。大賀さんのも一発で分かりますよ。

というか、作者の生き様(大袈裟だけど、これって無意識に絵に出るみたい)
みたいなものって反映されているような気がします。昔から絵は作者に似るっ
て言うじゃないですか。たぶんそれは絵柄じゃなくて、作者が持つ内面的なオ
ーラが絵に封じ込められる(呪いの世界みたい)とでも言うか。だから性格悪
い人(そう言われないように日々努力してま~す)の絵なんかは意外と直ぐに
バレちゃったりしますよ。

 フォトコラージュについて

●大賀: 私の20年前の顔写真もお願いします(プロフィールに使うので…オ
イオイ)。以前、WinGraphicで花山由理さんに「イケイケギャル風・パツキン
の顔写真」というのをつくってもらったら、なぜか顔写真に対するファンレタ
ーが来たことがありましたっけ…。

ところで、全然話が変わりますが、いつも訊きたいと思っていた質問をしてよ
いですか?(もうすでにインタビュー等で訊かれ飽きた質問かもしれませんが)
海津さんのフォトコラージュのセンスのよさにはいつも脱帽なのですが、海津
さんの作り上げるイメージというのは、写真や素材を見てふつふつと沸いてく
るものなのですか? それとも、自分の頭の中にあるイメージに引き寄せて写
真や素材選んでいくのですか? そして、それは直感的に、理由や意味にとら
われすぎないように行っていることなんでしょうか? それとも、イメージの
もつ意味というものをどこか意識して使ってらっしゃるんでしょうか? 私か
らみると、2つ以上の、まるで別の次元に見えるようなイメージ複数を一緒に
組み合わせて、しかも確かに、「なにか言葉では言えないひとつの方向と意味
を感じる世界」に導いているあの手法は、マジックとしか思えないんですよ~。

●海津: 大賀さん誉め殺しうまいですね~。クライアントの依頼で合成する
場合は素材も、完成イメージも決まっているので、いかに本物らしく嘘をつく
かだけに没頭すればいいけど、個人的な作品(好きに作ってOKよ~的な仕事)
は、自分の中で漠然としたイメージだけはラフスケッチしています。場合によ
りクロッキー帳にイメージ構成みたいなものを描いたりします。もちろん、な
んとなく完成してしまう場合もあります。ケースバイケースですね。

実は完成間近で気に入らず破棄してしまう(といいつつ失敗作もしっかり保存
してます)方が多いんです。そんな時は風呂に入っていてもイメージと構成を
考えていたり(危ないオヤジサン?)してます。だから多分大賀さんがイラス
トを描くときの状況と同じ(と、さりげなく仲間に引きずり込む)かも知れな
いですよ。私もイラストを描くときはラフスケッチをクロッキー帳に描いたり
(描いたラフは粗っぽくデジカメで取り込んでしまう)、最近はIllustrator
を使うことが多いが、ExpressionやPainterでダイレクトに下絵を描いたりし
ます。

ところで、逆に質問なんですけど、下絵のほうが勢いがあるのに、本番だとど
うも気に入らないって事ありませんか? これは特に手書きで下書きをした場
合に多いんです。多分ソフトウェアだと紙と画材の擦れる音がないからではと
勝手に推理しています 。例えばPainterでコットン紙に鉛筆ツールを走らせた
ら、ちゃんとあの鉛筆が擦れる音が出てきたらアナログ画像のように五感で描
くことが出来るかもと。更に、筆圧を強くしすぎると紙が破けてしまえば完璧
です。サードパーティーでもいいからそんなプラグ出して欲しいです。

●大賀: いえいえ、私はマジです。そうですか、やはり最初にイメージが頭
の中やスケッチにあるんですね。緻密に計算されたものなんですね、あれは…。
私にはなんとなく、海津さんが和服着て「ええい!」とか気合いをかけて、短
時間でチャネリングのようにフォトイメージングをやっている勝手な想像があ
ったんですが…(いや、イメージですよ)。

下絵は私もスケッチがありますが、完全に同じようにできることはないですね。
自分が見るとかなりスケッチ通りなのに、他人がみると(多分)線画ががのた
くっているだけのようなものもあり、スケッチの中ではとても小さな面積なの
にいいアイディアが小さく描かれている時もあり、その逆もあり…(笑)。そ
ういえば、私も入浴中、「アレをここに描いてみたらどうだろう?」と思いつ
くことってありますね(危ない?)。リラックスしているせいか、別の角度か
ら自分の作業をとらえることができて、自分が行き詰まっている事がバカバカ
しくなったり…。

スケッチの中では、下絵が本物の絵よりいい味だしている時も確かにあります。
本番になってどうしてこのいい味がでないんだろう? と。まあ、完全に描き
込んでないために、よけいにその余白が美しく見えている場合もありますしね。
紙をすべる鉛筆の音はオプションでつけてくれると楽しいかもしれませんね。
やっぱりPainterで。もしそうなると、キッドピクスのように、変わった音を
つけてしまいそうな私ではありますが…(笑)。

●海津: 『和服着て気合いをかけて~』っていうのはセミナーなんかでやる
と面白いかもしれないですね。あるいは展示会等でどこかのブースにガラス張
りの部屋を作成し、そこに閉じこめられて『いきなり黄金伝説!』とか。

冗談(半分本気かも)はさておき、何か余裕というか、遊び心というようなも
のが少なくなってきていますね。もう少し業界全体がリラックス出来れば少し
は面白い展開も出てくるのではと思っています。そんな意味でもExpressionに
は心機一転頑張ってもらいたいですね。まっ、他力本願的ではなくて、大賀さ
んとは今まで通りに情報交換の関係をキープしてネタ(当然お笑いネタではな
くて)を蓄積したいと思います。いっその事、何人か集めてイベントでもやっ
ちゃいましょうか? Expression2に関してはExpressionの時とは対照的に表
だって活動はしていませんので、そろそろその反動がといった感じです。

●大賀: いいですね~。海津さんのExpressionデモみたいです。やっぱり実
際に絵で仕事しておられる方々のデモって迫力ありますもんね。ワクワク。

●海津: いっその事、大賀さんと私に三河一郎さん(泣く子も黙るFreeHand
の達人)を交えて【Drawソフトフェチ対談&トリッキーTips】なんてやったら
面白いかも。柴田さ~ん。どっかでやりませんか? …と他力本願へ逃げる私
であった。

Creature House
http://www.creaturehouse.com

株式会社ピーアンドエー
http://www.panda.co.jp

株式会社ニィス
http://www.nisfont.co.jp

大賀葉子【おおが・ようこ】イラストレーター
<http://www.questions.gr.jp/ogre/>

海津宜則【かいづ・よしのり】グラフィックデザイナー/イラストレーター。
<http://www.kaizu.com>

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■公募案内
キヤノン・デジタル・クリエーターズ・コンテスト 2002
http://www.canon-sales.co.jp/pressrelease/2002-04/pr_cdcc.html
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キヤノンは、デジタル時代、インターネット時代の新しい映像表現の可能性を
追求するすべての方を対象としたコンテスト「キヤノン・デジタル・クリエー
ターズ・コンテスト 2002」を開催し、4月1日から9月3日まで作品を募集する。

第二回目の昨年は、海外からの応募も受け、第一回目の3倍以上にのぼる6,209
点の作品が世界57カ国から寄せられたという。第三回を迎える今回のコンテス
トでは、これまでの東京にくわえ、ニューヨーク、アムステルダム、香港、シ
ドニーに作品の受付拠点を設け、さらにグローバル規模で、プロ・アマチュア
を問わず、斬新でオリジナリティーにあふれる作品を募集する。
デジタルフォト(プリント)、デジタルグラフィック/イラスト(プリント)、
デジタルムービーおよびWEBの4部門で、各部門のゴールド賞金US$20,000をは
じめとする総額US$112,000の賞金に加え、キヤノン賞、協賛企業賞などが用意
されている。

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■編集後記(4/9)
・近所の大型回転寿司屋に行く。回転台(というのか)が6つもあって、大層
な規模だ。1皿100円、普通の寿司にまじってイカフライ巻、てんむす、メロン、
ジュース、プリン、ケーキなどなんでも回ってくる。注文も受けつける。注文
品を上流の人があやまってゲットしないように、注文品という台に乗ってくる。
職人の姿は見えない。清潔な工場といったおもむきだ。肝心の味はどうかとい
うと、ぜひまた来たいというほどでは……。吉野屋のほうがいいや。(柴田)

・専門学校時代のクラスメイトが個展を開いているので、駆け込んだら懐かし
い顔がいっぱい。私は社会人になってから、専門学校に行ったので、ほとんど
が年下。みんな私よりはるかに絵が上手かったり、センスが良かったのに、絵
やデザインに関係のない仕事やフリーターを続けている。いくら不景気でも、
そういった仕事につく方法はいくらでもあるのに、と勿体なく思っている。別
の目的があるのか、それとも、その種の仕事に価値観を見いだしていないのか。
あ、こっそりコンテストの応募作品を作っているのかも。私は毎日ぜぇぜぇ言
ってても僅かずつしか進めてないから、仕事継続するのだ。 (hammer.mule)
プレゼントの応募受付中です! クリエイター本の当選確率1/3。応募待つ!
http://dgcr.com/present/

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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