[1072] 理想の人・醜悪な人

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1072    2002/04/19.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20611部
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 <僕は、映画や本の効用を信じている人間である>

■デジクリトーク 122
 理想の人・醜悪な人
 十河 進

■金曜ノラネコ便
 ピッピッ、ピピピ、ピーピー!/そんなお前にピクセル単位の話はさせない
 堀本真理美+須貝 弦

■サイト案内 Too企画サイト「クリエイターズ・カフェ」
 第10回記念特別版 「祖父江 慎」(そぶえ しん)氏



■デジクリトーク 122
理想の人・醜悪な人

十河 進
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●理想的な人物が現実の世界で生きている

「アラバマ物語/TO KILL A MOCKINGBIRD」(1962/129分)を初めて見たのは
いつだっただろうか。僕は小学生の高学年にはなっていたはずだ。原作は暮ら
しの手帖社から発売され、ベストセラーになったと記憶している。先日、新宿
紀伊國屋書店で昔のままの原作本が並んでいるのを見つけて懐かしくなった。
 
原作本の表紙は、映画で主人公を演じた少女の写真である。映画は、大人にな
った主人公が少女時代を回想する形で語られる。1932年、大恐慌まっただ中の
アメリカ南部が舞台だ。主人公は六歳。少し年上の兄がいる。父親は弁護士を
している。
 
この父親を演じたのがグレゴリー・ペックだ。「ローマの休日」からほぼ10年、
ペックは少し歳を取って落ち着いた感じになり、相変わらず誠実そうな人柄を
スクリーンで見せてくれる。ペックは長く大根役者と言われたが、「アラバマ
物語」でようやくアカデミー主演男優賞を獲得する。
 
僕はグレゴリー・ペックが好きだった。ペックが演じる役が「子鹿物語」の農
夫、「ローマの休日」の新聞記者、「紳士協定」のジャーナリストなど、どれ
も誠実で公正で勇敢で誇り高い男というイメージだったから好感を持ったのだ
が、「ナバロンの要塞」や「マッケンナの黄金」というアクション映画に出て
も、また歳をとってからの悪役も僕は好きだった。
 
「アラバマ物語」でペックが演じたのは、妻に先立たれてふたりの子供を育て
ながら田舎町で弁護士を営む男だ。彼には知性と教養があり、真面目で誠実な
人物である。穏やかで落ち着いた話し方をし、感情を露わにせず、そのくせ堅
物ではなくユーモアに満ちている。
 
子供たちには愛情に溢れた理解のある父親だし、誰にも偏見を持たず公正に接
している。人を思いやる優しさを持っている。また、町の中に現れた狂犬を射
殺するシーンでは、かつて射撃の名手だったことが判明するが、そのことを誇
らない奥ゆかしさも描かれる。

彼はリベラルな考え方をする人間である。「偏見」という頑迷な呪縛から解放
されている人間だ。1930年代のアメリカ南部の白人としては、とても珍しい存
在かもしれない。彼は黒人が白人女をレイプしたとして告発されている事件で、
判事の頼みによって黒人の弁護を引き受ける。

1930年代のアメリカ南部。その頃、黒人たちがどのように迫害され差別されて
いたのか僕にはわからないが、白人たちのリンチに遭い木に吊るされた黒人の
死体を「奇妙な果実」と歌ったビリー・ホリディの名曲「ストレンジ・フルー
ツ」が録音されるのは1939年のことである。

誰も引き受け手のなかった黒人レイプ犯の弁護を父親が引き受けたがために、
主人公の少女は学校でいじめられる。彼女は「なぜ、引き受けたの」と父親に
問う。
 
まだ幼い娘に「自尊心を保つため」と父親はきちんと正面から答える。それは
彼の信念であり、生き方のスタイルである。困難な弁護になることはわかって
いる。町の人々から誹られるだろうことも予想できた。だが、彼は引き受ける。
なぜなら、自尊心をなくさないでいたいからなのだ。
 
無知と偏見と愚かさと、いわれのない敵意に充ちた南部社会の中でペックは誇
りを失わず、「黒人びいきめ」と唾をかけられても毅然とした態度を崩さない。
ここでペックが演じる弁護士は、僕が考える理想の人物である。
 
そんな非の打ちどころのない人物は、とかく聖人のように描かれ血肉の通わな
い非人間的なものになってしまいがちだ。しかし、ペックはそんな理想的な人
物が現実の世界で生きているのだと思わせてくれる。

●父の理想は子供に伝わることもある

NHK衛星放送で放映された「アラバマ物語」を久しぶりに見ながら、僕はもう
ひとりの父親を思い出した。二年ほど前に見た「ヒマラヤ杉に降る雪」(1999)
の主人公(イーサン・ホーク)の父親(サム・シェパード)である。日系人が
多く住んでいるシアトルに近いある島が舞台の映画だ。

第二次大戦に出征し日本軍と戦って片腕を失った主人公は島へ帰り、父親が発
行し続けた新聞社を継いでいる。彼は社主であり記者であり印刷工でもある。
ある日、彼は日系人の漁師が殺人罪で起訴された法廷を取材する。太平洋戦争
終結から間もない頃、日系人に対する偏見はまだ払拭されていない。

その被告人の妻は、今でも彼が愛している日系女性である。彼は少年時代から
彼女に憧れ、いつか森の中で密会する間柄になっていた。しかし、日系人と白
人という違い、太平洋戦争の勃発、その後の日系人の隔離政策などによって彼
らは結ばれなかった。

WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)っぽいイーサン・ホー
クと工藤夕貴のラブシーンは見ていて少し違和感があったけれど、描き方に工
夫があり見応えのあるラブストーリーになっている。特に少年少女の時代のエ
ピソードは心に沁みるものがあった。

主人公の父親は戦前から島の新聞社を主宰している。彼はリベラルで公正で、
偏見からは最も遠いところにいる人物だ。時は1941年を迎え、真珠湾攻撃が起
こり、日系移民たちは迫害される。

その時、公正な立場から日系移民には何の罪もないことを彼は自分の新聞でキ
ャンペーンを張る。しかし、そのことによって新聞は購読拒否に遭い経営難を
迎える。彼の家には嫌がらせの電話がひっきりなしにかかってくる。自宅に石
を投げ込まれる。「日本人びいき」と町では誹られる。

だが、彼は自分の信念を曲げない。日系人がアメリカ政府の命令によって強制
収容され、自分の土地を奪われることを彼は正義ではないと説く。

その父親も死に、主人公は父親の偉大な幻影を感じながら同じ道を歩んでいる。
取材先で出会う人々は「立派なお父さんだった」と彼に言う。誇らしい反面、
彼は自分自身に忸怩たるものを感じている。彼にとって父は決して越えられな
いライバルなのだ。

彼は独自に調査を続け、殺人で告発されている日系人の漁師にとって有利な事
実を発見する。彼は、その事実をどうするだろう。彼は日本人の攻撃で死に瀕
し片腕を失った。彼の恋人は日系の男に奪われた……。彼は日系人に対する自
らの感情を手探りする。〈俺は日本人を憎んでいるのだろうか……〉

その時、彼は思ったはずだ。〈父だったらどうするだろう〉と。彼にとって父
親は指針なのである。指標、基準、あるいはひとつの価値観なのである。理想
を求めた父親の生き方は、間違いなく子供に伝わっている。

●偏見に満ち自己を正当化して恥じない人間たち

「アラバマ物語」は黒人に対する迫害と偏見、「ヒマラヤ杉に降る雪」は日系
人に対する迫害と偏見がテーマになっている。共に法廷ドラマを核に物語が進
行し、意外などんでん返しがあり悲しくせつない結末がある。

この両方の映画に共通して出てくる醜い人間たちがいる。偏見に凝り固まり、
己の欲に無自覚な人間たちである。黒人の弁護を引き受けたグレゴリー・ペッ
クを誹る男たち、日系人を正当に扱ったゆえにサム・シェパードを非難する狭
量な人間たち、日系人の弱みにつけ込み土地をだまし取り「だってあいつらは
敵国の人間よ」と自己を正当化して恥じない女たちである。

グレゴリー・ペックはユダヤ人に対する偏見をテーマにした「紳士協定」(19
47/119分)という映画にも出演している。ジャーナリストの役で、彼はユダ
ヤ人に対する偏見をレポートするために「実は僕はユダヤ人」という嘘のカミ
ングアウトをして人々の反応を見る。しかし、そのことによって彼はひどい迫
害、選別、差別を受ける。

見るからにWASP風なペックだから、ユダヤ人だとわかってからの相手の態度の
変化が見られるのがこの映画の面白さだ。偏見を持つ人々は普段は紳士や淑女
然としていても、相手がユダヤ人だとわかった途端にソワソワし落ち着かない。
皆、一様に醜い表情に変わる。

人種偏見はアメリカだけの話ではない。コリアン・ジャパニーズを自称する金
城一紀の直木賞受賞作「GO」の中に出てくる恋人の父親は金持ちでインテリで
教養もありリベラルな振りをしているが、「韓国人の血は汚れている」と平気
で口にする、やはり醜い人間である。

主人公は、日本人の恋人に在日韓国人であることを告白できない。初めて彼ら
がセックスをしようとする直前、主人公はそのことを言い出し、ヒロインは肉
体が相手を拒絶していることに気付く。「GO」は若いふたりが、偏見という実
体がないくせにやっかいなものをどう乗り越えるかがテーマだった。

昨年の9月11日のニューヨーク貿易センタービルへのテロ事件以来、アメリカ
ではアラブ系移民に対する緊張感が高まったそうである。真珠湾攻撃後の日系
人に対する迫害を、そのことに重ねて論じるジャーナリズムもあった。半世紀
以上たっても、人間の社会はそうしたことを未だに乗り越えられない。

映画はそんな人間の醜悪さを具体化して見せてくれる。「黒人びいきめ」とペ
ックの顔に唾を吐きかける白人男の醜さ、黒人をリンチしようと集まってくる
白人たちの下卑た顔、「白人のくせに日系人の味方をするのか」とサム・シェ
パードの家に石を投げ込む人間たちの卑劣さ、それをビジュアルで見せてくれ
るのだ。

「アラバマ物語」を見て、偏見に満ちた男たちに感情移入する人間はいないだ
ろう。「ヒマラヤ杉に降る雪」を見て、自分もサム・シェパードの家に石を投
げ込みたいと思う人間は(中にはいるかもしれないけど)いないと思う。

僕は、映画や本の効用を信じている人間である。そして、映画は理想を描くべ
きだとも思っている。フランスの映画監督ジャン・ピエール・メルヴィルはこ
う言っている。

──映画は夢を描くものだ。私の映画は、もし私だったらこうこういうふうに
行動したいという願望から作られている。

ギャングが主人公なら「こうありたいギャング」を描き、殺し屋が主人公なら
「こういう風に行動したい殺し屋」を描いたメルヴィルである。そういう広い
意味で、僕は映画は理想(夢)を描くべきだと思っている。

理想(夢)を求めないで、どうして成長がある?

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
雑誌編集者。前回、後記でぼやいたら励ましのメールをずいぶんいただいた。
ありがたいことです。ということで、改めて勝手なことを書かせてもらうこと
にしました。よろしくお願いします。

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■金曜ノラネコ便
ピッピッ、ピピピ、ピーピー!/そんなお前にピクセル単位の話はさせない

堀本真理美+須貝 弦
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デジクリにおける何なのか、それとも何でもないのか――スクロール・バーに
すべてを委ねて。そんな金曜ノラネコ便。


■ピッピッ、ピピピ、ピーピー!――堀本真理美
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新しい携帯電話を買った。さっそく設定入力のためキーを押すとピッピッと操
作音がしたので、説明書を読んですぐさまその音を消して入力を続けた。

わたしは、ピッピッ、ピピピ、ピーピー、というような家電などに設定されて
いる電子音がものすごく苦手なのだ。けれど、その手の音はそこら中に氾濫し
ている。

銀行のATMの操作音も自分が操作しているときはそれほど気にならないのに、
長蛇の列のなかにいながら大勢が一斉に操作しているのを聞くとはなしに耳に
するとき、イライラ度数が上昇。これは「待たされている」という心理的状況
のせいだろうか。

ときどき電車やバスの中で小学生が(ときに大人も)音を消さずに携帯ゲーム
に熱中しているのに出くわすこともある。そんなときも「あぁ……」と小さな
ストレスが溜まってゆくのである。

ウチにある全自動洗濯機と電子レンジは仕事が終わると知らせる電子音がピー
ピー鳴るのだが、これが聞こえるとわたしは素早くスイッチを切りに行く。そ
れは「お知らせ」されたからではなく、一刻も早く耳障りな電子音を消したい
ためなのだ。

あの手の音は確かに人の注意を喚起するかもしれないが(単に急かされている
気がする…)、わたしにとってはイライラの種でもある。あんまり気に触るの
で、速攻で消したあとホッとしてしまい、たびたび洗濯物や料理を取り出すの
を忘れてしまったりする本末転倒ぶり。

デジクリ執筆者や読者の皆さんも、ごくごく日常的にあらゆる電子機器を使っ
ていると思いますが、あの愛想のない操作音が気になることありませんか?


■そんなお前にピクセル単位の話はさせない――須貝 弦
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そうそう、携帯電話のキータッチトーンほど迷惑な音はないよ。個人的には、
電車の中で携帯で通話しているよりももっとムカツク。どうしていい大人が電
車の中でキータッチトーンもオフにできないのか。というか、そもそもどうし
てマナーモードにできないのか。大きな疑問である。

ちょっと前も、小田急線の特急電車(全席指定の有料特急である)で隣に座っ
たオネーサンがずーっとピッピピッピいいながらメールを打っていたので、私
は思わず「うるせぇなぁ(ボソ)」と言ってしまった。自称「プチ・ストレス
大王」の私としては、いちいち気が滅入ってしまうのだ。

携帯電話がどうこうと言う前に、いろいろな物事に対して鈍感な人間が増えた
のは間違いない。キータッチトーンがピッピピッピと音をたてていても「自分
自身は全然気にならない」というヤツが多いわけだ。従来型のマトモな大人で
あれば、ラッシュ時の静寂の中で不意に自分のキータッチトーンが響いたら、
気恥ずかしさが先に来て当然だと思う。

ちょっと話が離れるが、自転車の無灯火もたいへん多い。これは「自分は別に
大丈夫だから」の典型で、夜中に「他人からどう見られるか」という視点がま
るで抜け落ちている。自分の身を守るということに対して、それだけ鈍感な人
間が増えたと私は勝手に解釈している。

電車の座席をつめないのも、駅のホームの階段付近のいちばん狭いところにワ
ザワザ並ぶのも、喫煙コーナー以外での喫煙も、若いくせにコンビニのレジで
814円出すのに40秒くらいかかっているのも、夜中に車のヘッドライトつけ忘
れるのも「アイツは鈍感なんだよきっと」と言われれば、あ~なるほどね!と
思えるのだ(きっと私だけだね、そんなの)。

とにかく、そういう輩を見るにつけ、私は心の中で叫ぶ。

電車の座席も詰められないお前が実は編集者で校正紙に「ツメ」とか入れてた
ら首しめるぞ! とか、ケータイのキータッチトーンを消せないアナタが実は
どこかのメーカーの広報担当者で「この件はエンドユーザーに対してはサイレ
ントリリースってことで」とか言ってたらコラお前にとってのサイレンスって
何だ! とか、無灯火で自転車乗ってるヤツが企業のセキュリティ担当者だと
したらそんなセキュリティならヘルズエンジェルスにでもやらせとけ! とか。

こんなことばっかり考えてるから胃が痛むんだ……。

でも、今日も帰りの電車の中で思った。ジャケットの裾が広がって座席を塞い
でしまってる男性。もしこの人が雑誌の進行管理やデータ管理の担当とかで、
「スガイさん、さっきもらった画像データ、320×241ピクセルだったんで1ピ
クセル分トリミングして削っておきましたよ」とか言われたら、絶対切れそう
!などと。

今週の画像:3つ同時にキータッチトーン出したらうるさそう
http://www.macforest.com/dgcr/010.html

【ほりもと・まりみ】mari@macforest.com
ウェブデザイナー/フォトエッセイスト。まもなくGWですが、会社員時代も今
も大型連休とはあまり縁のない生活……。今年は衣替えと部屋の整理整頓を徹
底的にやるのだ(と心に誓っています)!

【すがい・げん】sugai@macforest.com
最近疲れがたまっていて、先週の日曜日なんか20時間も寝てしまって大変にユ
ウウツな感じがしたものです。飲酒量も微妙に増えてます。トシか。
Side Aの「ピッピッ、ピピピ、ピーピー!」ってタイトルは私が勝手に付け替
えてみた。「黙れ全自動洗濯機」とどちらにしようか2、3秒悩んだ。

▼スガイさんとわたしは腹が立つ物件が同じだ (柴田)

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■サイト案内 Too企画サイト「クリエイターズ・カフェ」
第10回記念特別版 「祖父江 慎」(そぶえ しん)氏
http://www.too.com/communication/cafe/
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<主催者情報>

株式会社Tooの企画サイト「クリエイターズ・カフェ」の第10回記念特別版が4
月18日(木)より公開。時として「非常識」にも見える独特のデザインを展開
するエディトリアル・デザイナー「祖父江 慎」(そぶえ しん)氏に迫ります。

同氏は、見返し一面に印刷されたイラストや、印刷ミスに見える際どいレイア
ウトで、印刷会社が困惑するほどの、固定概念にとらわれない独特の作風を持
つデザイナーです。

デジタルツールを駆使しながらも、絵の具の持つ色の繊細さに思いを寄せ、実
寸大の紙に描く時の実感など、手作業の感覚を大切にする同氏は、さらに、デ
ザインをしている時は、そのコンセプトを忘れるようにしていると言います。
このような同氏の姿勢は、デジタルツールもアナログツールも、表現のための
「道具」であることを再認識させてくれるとともに、時間に追われて、ついデ
ジタルツールの機能に頼り、「感性」の表現という意識が希薄になりがちなク
リエイティブ・ワークの世界に、力みのない語り口調で、本来あるべき姿に気
付かせてくれます。

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■編集後記(4/19)
・おそるべき出版不況だが、「出版不況」という名の単なる業界の話でないこ
とが深刻である。「本は死なない、しかし出版業界は崩壊する」という佐野眞
一さんの基調講演(東京国際ブックフェア2002)が行なわれ、会場は超満員。
こんなに参加者の多いセミナーは珍しい。日本の近代化を推進した両輪は学校
と本であった、しかし学校は崩壊し、本もいま未曾有の危機に直面している、
どうなるんだこれからのニッポン、話を聞いてウンウンと同意しながらも、こ
れはえらいことですよ<(c)ルーキー新一>ト冗談抜きで考え込んだのであった。
佐野さんは「グーテンベルグ以来の文化の変容状況に、われわれは遭遇してい
る」と力説し、しかしながら悲観的になるのではなく歴史の劈頭にいることを
面白がる感覚を持とう、と言う。わたしも1989年にイギリスでDTPに出会って
以来7~8年、ニッポンのDTP転換期のまっただ中で悪戦苦闘、痛い目にもそう
とうあってきたが、それでも充実の日々であった。いまニッポンが「歴史的大
断層に直面している」という。出版業界半現役の身としては、なにか新しいこ
とができるかもしれないというファイトもわいてこようというものだ。5万部
も売れた本の第二弾「だれが『本』を殺すのか・延長戦」という本が近く書店
に並ぶという。よっしゃ、まずは正対して読んでみましょう。   (柴田)

・のびのびになっている東京オフ。実現に向けてのアンケートをお願いしてい
るのだが反応は薄い。やめよっかなぁって少し思ったり(オイ)。記名式では
ないのでお時間のある方はお願いします。/阪神二連敗から一引き分け。ナゴ
ヤドームでは、対巨人戦よりも客が入るらしい。星野さんのおかげだねぇ。あ
れだけ連勝連勝と騒いでいたのに、もう二位と二ゲーム差。 (hammer.mule)
http://www.dgcr.com/fps2001/cgi-bin/video/enq.cgi?id=dgcr  アンケート

・プレゼント応募受付中。どんどん応募してくださいね!
http://www.dgcr.com/present/  芳岡ひでき大博覧会ペア招待券
http://www.dgcr.com/present/index2.html  テライユキのタイピングソフト

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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