[1083] 今、そこにある未来出版

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1083    2002/05/16.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20583部
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 <その答えは「行動」>

■Powerbook Publishing Project ~ (13)
 今、そこにある未来出版
 8月サンタ

■デジクリトーク
 UNTITLED
 永吉克之

■デジクリトーク
 何に対して安全なのもの……か、ということ [1/3]
 なゆみ かすい



■Powerbook Publishing Project ~ (13)
今、そこにある未来出版

8月サンタ
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●動き出した燃料電池

前回ご紹介した燃料電池の話題が、5月10日の日経新聞の見出しを飾った。政
府が燃料電池を、次世代のエネルギー源として認め、実用化を推進するため、
2005年までに、関連する規制法を緩和・撤廃するというのだ。

数年前までの、エネルギーの未来予測の本を読むと、燃料電池の素晴らしさは
書かれていても、例えば「ガス会社は発電事業に携わってはならない」などの、
日本独特の法規制が撤廃されなければ、普及は不可能と書かれていた(燃料電
池は水素ガスを電力に変えるので、昨日までのガス会社が電力会社に代わる、
などということもありえる)。今や電力事業への参入も緩くなったし、ハード
ルは確実に下がっている。政府も結構頑張ってる、と思う。

あと10年、たった10年後には、火力・原子力を問わず国内の発電所が、相当な
数、老朽化を迎える。水力発電はといえば、滞留土砂、ダムが砂で埋まってい
るので、掻き出さなくてはならない問題が、一気に吹き出してくる。10年後に
は、1960年代のイケイケ公共事業のツケが、日本中で微笑みながらやってくる。

そこで前回のセイコー・エプソンのような「2010年までに、全社の使用エネル
ギーを60%減らす」などという宣言は、国民皆大歓迎かというと、そう簡単で
もない。例えばエプソンは長野県をベースに持つ企業だが、中部電力の営業担
当は、売上が落ちるので青くなっているはずだ。公共事業で食ってきたゼネコ
ンも、あと10年耐えれば、大規模な発電所の新設などでも、少しは息を吹き返
せるはずだった。

でも電力の需要予測自体が落ち込み、燃料電池などというライバルが現れたお
かげで、山一つ突き崩し、鉄骨ばりばり、生コンクリートもりもりの「大規模
発電所」という手軽で美味しい公共事業自体の意味が、なくなってくるとなれ
ばもうヤバく、支持政党と役所(地方自治体)にもっと公共事業を、と猛烈に
働きかけることになる。

ゼネコンだけでなく、役人も某政党も、将来のエネルギー需要予測を、少なく
見積もりたくはないはずだ。しかし「大規模な生産」事業は、今後、あらゆる
ものが安く調達可能な海外にシフトしていくのが明らかで、日本の社会はこれ
からは、「量より質、集約より分散、モノより情報」の方向に進んでいく。

いや、とっくの昔になっていたのだが、速やかに世代交代出来ないでいる、と
いうのが実情だろう。今の日本で、主役が上手く世代交代できてるのは、サッ
カーの日本代表チームだけに思えるくらいだ。やっぱり外国人に任せるのがい
いんだろうか。

…などということは、日本の出版著作物の中で言い尽くされてきたことだが、
実はそのお膝元の出版界が、一番世代交代出来ていなかった、というのが最近
露骨に目に見えてきた。10年前と今で、その業界の収益構造と権力構造が全く
変わっている気配がない。ベストセラーを生み出す作家などのプレーヤーの姿
は変わっても、根っこの部分は全く同じで、ただとうとう、4年連続で売上が
減少してきた。来年は更に落ち込むだろう。書店は年間、1500店潰れる時代に
なってきた。

●もう、出版界に意見を聞いても無駄だ

発売されたばかりの「誰が「本」を殺すのか PART-2・延長戦」(佐野眞一・
プレジデント社刊)を読んだ。一作目より、むしろこの二作目(内容は講演集)
の方が、一般の読者には分かりやすいと思った。短い時間に聴衆に理解しても
らうための、講演会用の語り口がずばっと効いている。

そして恐れていたことが起こっていた。本を殺した真犯人を、混沌とした出版
界から捜すという、ミステリ仕立てに酔ってるバカ業界人が一杯いるのだった。
特に巻末の~「本コロ」は、誰に、どう読まれたか~という、前作に関し、マ
スメディアに掲載された記事を集めたものは、まったく、どうしようもない。
巻末部分は読まなくても全く問題はない。

皆が皆「問題だ問題だ」と言いつつ十年間、実は出版を聖域化して、ただの一
歩たりとも動かなかったから、この出版危機に陥っているわけで、今回、最早
業界人にこれ以上「ご意見」を賜る必要がないことがはっきりしたのではない
かと思う。

出版業問題は、出版界の人間に尋ねるのではなく、例えば食品流通の専門家や、
大規模小売業、金融の専門家など、利害関係のない外部の人間に相談すべきだ。
皆がかたくなに目をそらしている、物流の問題に、当たり前の解決策を提示し
てくれるだろう。タイトルはやっぱり、「本は届いているか」にすべきだった。

では出版業界内部の人間はどうすべきだろう? その答えは「行動」以外にあ
り得ない。例えば編集者なら、この時代・この状況で今、何らかの具体的な行
動に移っていなかったら嘘である。

●「供給過剰」に真正面から立ち向かえるか?

書店に届いた新刊の返品率40%、誰がどう見ても商業出版界は供給過剰のひと
ことに尽きるのだが、相変わらず版元は「いい本をつくる」「読書文化がうん
ちゃら」印刷屋は「新時代のカラーマッチング」「高品質なグレイバランス」
とかぶつぶつ言っている。

ほかの業界なら供給過剰は即、商品の値下がりにつながる。市場に溢れれば、
国債だろうが野菜だろうがフランス料理店だろうが、値段が下がるのが資本主
義経済というものだ。本の世界も、再販制に守られて随分頑張っているが、現
実には値下がりが始まっている。

内部から言えば、昨年の出版界を引っ張ったコンビニ売りの300円コミックが
その一例で、次は300円文芸書がいつ流行ってもおかしくない。300円なら辻仁
成や江国香織や渡辺淳一を買っても良いと思う人は必ずいるだろう。外部的に
はもちろんブックオフである。本屋が値下げしないので、ブックオフが、安く
売ってくれるということだ。

供給過剰を何とかするなら、徹底したマーケティングと受注・生産管理しかあ
りえない。「欲しい人に、欲しい分だけ」製品を造って届ける。これを実現し
なくては未来はない。基本的には、入り口の出版社と、出口の書店が結託しな
いと、売れ行きと在庫管理の正確な数字が出ない。何冊売れましたから、何冊
出しましょう、刷りましょう、届けましょう、ということだ。ところが別の流
通業界の人が聞けば、唖然として二の句が継げないほど、本の流通は、ずさん
な管理がまかり通っているということを知って欲しい。出版界の常識は世界の
非常識なのだ。

●今、そこにあるインフラ

そろそろ具体的な話に入ろう。委託販売制と再販制に縛られた既存の書店ルー
トは、最早バイパスしてしまっても良いのではないか、とはっきりと思うよう
になった。書店は年間1500店閉店しているけれど、パソコンとブロードバンド
と高性能なプリンタが今まさに、日本の隅々まで普及していっている。ADSLの
加入者は200万人を超えた。家庭用インクジェットプリンタは年間600万台売れ
ている。

都内の某巨大郵便局に勤める友人に言わせると、今年正月の年賀状は、確かに
パソコンとカラープリンタで作られたと思われるものが増えたけれど、その美
しさにおいて、街のDPEやコンビニで受け付けている、よくある写真とコメント
の印刷された年賀状に、全く敵わなかったそうだ。「パソコンで自作の年賀状
は、相変わらず、チャチかった」らしい。

ということは、プリンタもパソコンも、一昔前の業務用クラスの性能のものが
普及しているのに、全然そのポテンシャルが生かされていないのだ。これをも
ったいないと言わずになんと言おう。各家庭にある印刷設備として、プリンタ
本体は普及したのに、その力を生かす「使い方」の方は普及していない。これ
はまだまだ活かせるはずだ。

ホームページを印刷して楽しむ人は既に多い。そのかたちをもう一歩進めるだ
けで、理想的な出版はすぐそこまで、見えてきているのではないだろうか。こ
ういう話を笑い飛ばす出版人のほとんどは、初版10万部の世界を見過ぎた夢追
い人と言って良い。今や大手でも初版3000部、などという話が当たり前のよう
に交わされている。それすらもきちんと売りきっているんだろうか。「小規模
でも、無駄のない出版」という価値観を、受け入れなくてはならない時代なの
だ。

●「内容だけ配送」

というボタンがアマゾンやbk1のページに、いつ付くだろう、と思っているのだ。
郵便の代わりに書物の内容だけデータで送ってもらって、手元のプリンタで印
刷、というのはそれほど変だろうか? もちろん変ではない。ただ、そういう
かたちで流通する、魅力的な製品が開発されていないだけだ。

結論から言えば、
■手元のパソコンで編集・制作・発行、
■PDF、もしくはeBookの形式でサーバにアップロード・配布
■ユーザが手元で入手、画面で閲覧、必要な分だけプリント
が今すぐに可能な、最も望ましいかたちではないかと思う。この説明だけでは
かたちが見えないので、次回、「A4書物の可能性」で更に具体化していきたい。
出来ればサンプルが間に合えばいいんだけど。もちろん「PowerBookで出来るこ
と」にも踏み込みたい。

【8月サンタ】ロンドンとル・カレを愛する33歳 santa@londontown.to
・おかげさまで、4月からまだ、1日と休んでおりません。でも、今はとにかく
稼ぎたいので仕方なし。英国の河野さん来日。またお話を伺いに行きます。
・Beatles、" You won't see me "。リバプール・サウンドが心に染みる。

・ロンドン好きのファンサイト
http://www.londontown.to/

・デジクリサイトの「★デジクリ・スターバックス友の会★」
http://www.dgcr.com/

▼「デジクリPowerBook Publishing Project」が「ZDNet Mac」(旧MacWIRE)
でも始まった。この「Powerbook Publishing Project」で掲載したものから
何編かを掲載している。
http://www.zdnet.co.jp/macwire/0205/14/nj00_kenkyusitu.html

▼デジクリの各種研究室
「日刊デジタルクリエイターズ」 を発行するデジタルクリエイターズ内にあ
る秘密の研究室 (ほんとか?) 。「ZDNet Mac」リニューアルを機に、研究室
の組織改編、および研究員の人事異動がおこなわれた。デジイメ会員の植物
派・小笠原たけし研究員の「Webデザインレビュー」、謎の実業家・8月サンタ
の「PowerBook Publishing Project」、Webサイト構築の苦労を文学する女性
・UZの「Webディレクションの花道」、そしてデジイメの良識・Rey.Horiとデ
ジイメの元天才少女・清水宏美による「Webデザイン研究室」から構成する。
(デジイメとは作家集団ディジタル・イメージのこと)

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■デジクリトーク
UNTITLED

永吉克之
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●接続

仕事から戻って、家の郵便受けを覗くと、えらく大きな封筒が入っていたので、
部屋で開けてみると、タワー型の VAIO が出てきた。きっと私の教え子が、御
中元に送ってくれたんだナ、感心なやつだ、でもピンクのではなくストライプ
のやつが欲しかったのに腹が立つナ、とかなんとか思いながら、とにかく起動
させようと電源コードを取り出したが、長さが10センチしかなくてコンセント
まで届かない。そこで本体を開けて、電池スロットに単三の電池を 500個差し
込んだ。

さて、パワーキーをオンにすると、これを送ってくれた教え子が起動音をカス
タマイズしておいてくれたらしく、彼の好きな石川さゆりの『津軽海峡冬景色』
が全コーラス流れた。叫びだしたい衝動を抑えながら根気よく最後まで聞いた
が、私は起動音のカスタマイズの仕方を知らないので、起動させるたびにこの
曲を全コーラス聞かなければならないのか!

ともかく立ち上げると、漢字トークver.7.0 がインストールされていた。まず
はインターネットに接続できなければならないので、コントロールパネルの中
のTCP/IPを、COMMAND + CONTROL + ALT + F2 + ; + \ + DELETE キーを押しな
がら開いて、経由先を内部スピーカーにすると、すぐに常時接続が始まった。
すると、いきなり画面に、イカをデフォルメした3Dのキャラクターが現れて、
「やあ、ぼくジョージ・雪族。アクセスしてくれてありがとう!これからもよ
ろしくね」というと、さっさと消えてしまった。なぜイカをキャラクターに使
ったのかよくわからない。

●プロバイダー

加入しているプロバイダーは(株)栄橋セメントという同じ町内にある会社で、
家族で経営している。コンクリートミキサーの出入りが、少しうるさいが、皆
いい人たちなので安心だ。家族の父親が社長で市会議員もやっている。母親は
専務でPTA の会長。運転手の長男は珠算二段。妹は経理係で、海外青年協力隊
でアフリカにいたこともある。最高のスタッフを揃えたプロバイダーである。

他の従業員も含めて、この会社のひとびとは、自分達がプロバイダーであるこ
とに自信と誇りをもっている。私はセメントが好きで、この会社によく買いに
いくので、従業員たちとは懇意にしてもらっている。コンクリートとモルタル
の違いや、セメントと水の割合など、彼らに答えられないことはない。

一度だけ、無理をいってサーバーを見せてもらったことがある。社長直々に、
自分の机の錠のついた抽き出しからガラスケースに入ったサーバーを取り出し
て見せてくれた。それは VHSのビデオカセットほどの大きさで、全体が銀色の
板状の物体で、細かい突起物が表面にびっしりと植え付けてあり、微妙に色を
変えながら、波うつようにうごめいていた。家族でタイに旅行した時に買った
そうである。

●WEBサイト

私はアーティストで自分のサイトをもっている。もっているだけでは何にもな
らないので、あちこちのサイトからリンクしてもらって知名度を上げなければ
ならない。そのためにはインパクトのあるバナーを掲載してもらわなければな
らないので、ヨコ800pix.タテ600pix.のバナーを載せてもらっている。しかも
それが、5分間のGIFアニメになっているので、破壊的なまでのインパクトを与
えているに違いない。

しかし、私も恩知らずではない。バナーを載せてもらったからには、こちらも
相手のサイトのバナーを載せるのがこの世界の仁義ってえもんだ。しかも、倍
返しというのが鉄則だから、こちらのサイトには相手のバナーをヨコ1600pix.
タテ1200pix.で、10分間の GIFアニメにして載せている。だから通常のモニタ
の解像度では、バナーの全貌を把握するために、かなりスクロールしなければ
ならない。こんなバナーを20件ほど載せているので、私のサイトは壊滅状態だ。
こんな悪習は一刻も早く無くすべきだ。

●メール

ある日、聞いたことのない差出人名のメールが添付ファイルとともに届いてい 
たので、こりゃウイルスだなと思って、添付してあったEXE ファイルを開いて
みた。するとテキストがすべてスワヒリ語に変わってしまい、何も読めなくな
ってしまった。それだけではない。OSがLINUXに変わってしまったのでアプリ・
ソフトが全部使えなくなってしまった。

また17インチだったモニタが15インチに縮んでしまい、ピンクだったPC本体の
表面が黄と青の水玉模様になってしまったのである。被害甚大である。自らの
能力を披瀝するために多くの人間を泣かせる犯人が赦 せない。これを防ぐ方
法はないものか。

【永吉克之/アーティスト】katz@mvc.biglobe.ne.jp
先日、東京に行ったついでに、新大久保にある韓国料理店がたくさん並んでい
る通りのある店で、初めて「マッコリ」という朝鮮の酒を飲んだ。実に不思議
な味で、一度飲んだら病みつきになる人が多いと思う。アルコール度はビール
と日本酒の中間くらい。輸入ものの酒類を扱っている店でなら買えるだろう。
でもこれ、お酒の嫌いな人にはぜんぜん興味のない話ですね。すいません。
URL / http://www2u.biglobe.ne.jp/~work/

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■デジクリトーク
何に対して安全なのもの……か、ということ [1/3]

なゆみ かすい
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しばらく前のことなのですが、この年が明けてから、デジクリMLにて、32,768
色(RGB各5bit、計15bit)環境および65,536色(Gのみ6bitで、計16bit)環境
(以下、16bit色環境とまとめて表記します/一般的にはハイカラーとも呼ば
れています)におけるブラウザー上での色の再現に関する話題がちらほら出た
ことがありました。

中でも驚いたのはInternet Explorer(以下、IE)の背景色とJPEG画像の色の
再現問題(話の中ではMacintosh版IE5.0)。いわゆる“Websafe”な色を指定
していても、背景色とGIF画像の色は揃うのに、背景色とJPEG画像の色が揃わ
ないというのです。この手の話であれば、一般に(!)可逆圧縮と非可逆圧
縮という根本的な圧縮手法の違いに起因しているということができます。

そのため、「えっ、IE? (Windows版)NetscapeのNavigator(以下、NN)が
16bit色環境でメタメタという話なら、それは明らかなんだけど……」と半信
半疑でいろいろと試してみたところ、これはWindows環境のIEでも起こり得る
ことを確認しました。IEにもNNのような問題が潜んでいたとは予想だにしてい
ませんでした。ほんと、不覚です。

でも、ちょうど別件で色の処理を扱いだしたこともあって、16bit色環境問題、
特に落とし穴の多いWindowsの描画を中心になんとなく検証してみることにし
ました。

ただし、手元のWindows 95環境(BitDepth=16、ColorDepth=5+5+5=15 *1)に
おける挙動を中心に構成しているため、OS、ハードウェア、デバイス・ドライ
バー、その他の要因の違いによって結果が異なる可能性があることを予めお断
りさせていただきます。

*1 ... Windowsは15bit色環境と16bit色環境を簡単に区別する方法を提供して
いません(DirectXが使用可能な環境では間接的に可能)。そのためか
JavaScript等では15ではなく、16という値しか得られませんでした。
また、Microsoftはローテクな判別方法(*2)を紹介しています。(笑)

*2 ... 下記の文書(英語、開発者向け)を参照。
HOWTO: Determine the RGB-Bits-Per Pixel for the Display (Q195829)
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;EN-US;q195829

●「Death」という言葉を使わしめた慣例

まず、ここでの話を簡単にするために、いわゆる“Websafe”と呼ばれている
216色のパレットに限定しつつ、これまでも議論の題材とされることの多かっ
た「Death of the Websafe Color Palette?」という記事を原典とさせていた
だきます(これ以降、その記事の各ページを指して[page N]と略記します)。

Death of the Websafe Color Palette?
http://hotwired.lycos.com/webmonkey/00/37/index2a.html

ウェブセーフカラー・パレットは死んだのか? (日本語版)
http://www.hotwired.co.jp/webmonkey/2000/39/index2a.html

この記事は16bit色環境における背景色と画像の色の関係について、いわゆる
“Websafe”と呼ばれている216色のパレットに絞った考察を中心にまとめられ
ています。もし、未読でしたら、是非、目を通してみてください。

ただし、その記事の内容を鵜呑みにはしないでください。既に指摘されている
こと――海外のサイトでしか見かけたことはありませんが――なのですが、微
妙に事実とは異る記述が含まれているため、以下に続く内容と書いてあること
が異なる部分もあります。

また、[page 5]で挙げられているテスト・ページは216個もの画像を一度に読
込むため、環境や状況によっては一時的または持続的に極端に多くのリソース
を消費し、ブラウザーないしシステムが異常終了してしまう恐れがあります。

●名実の相伴わない“Websafe”とされているパレット

216色からなる“Websafe”とされているパレットの構成は例えば以下に挙げる
ようなページに記載されています。

Netscape Navigator's color palette on Windows
http://help.netscape.com/kb/consumer/19960513-14.html

The Safety Palette
http://msdn.microsoft.com/library/en-us/dnwebgen/html/safety.asp

The Browser-Safe Color Palette (Non-Dithering Colors in Browsers)
http://www.lynda.com/hex.html

それでも、以前からWindowsの場合は、16bit色環境でブラウザーとしてはNNを
中心に使用していたために、どうにも“Websafe”と呼ばれていた216色のパレ
ットを信じきれないでいたどころか、あの記事のこともあって、どうせ変色し
てしまうのだから……と、256色環境では色の再現性を無視して可読性のみを
考慮したり、たとえ変色しても違和感のないように最初から画像は矩形のもの
と割り切ってきました。

そのため、この手の問題とは基本的には無縁だったのですが、今回、[page 5]
で示されているテスト・ページ(216色)や“The Reallysafe Palette”(22
色)などを用いて手元の環境でも改めて検証してみたところ、様々な問題点が
見えてきました。

【なゆみ かすい】mailto:kasui@flux.gr.jp
これを書いていて「ひかぎゃくあっしゅく」のつもりが「ひかがくあっしゅく」
とミスタイプ。もちろん変換候補は「非科学圧縮」。個人的にはツボにはまる。
それはそうと、対象のメールアドレスを告げることなく(spamメールなんかの)
配信リストから削除してくれる方法を誰か発明しないかなぁ……この際、もう
非科学的な方法でもいいから。あ、いちおう、法律も分類的には非科学的かも。
 
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■編集後記(5/16)
・小泉吉宏「大掴源氏物語 まろ、ん?」をやっと読み終えた。与謝野も円地
も瀬戸内も、源氏物語すべて討ち死にのわたしだったが、ようやく通読したと
いえるのか。いえるわけない。読んだ気にならなくはないが。五十四帖を一帖
あたり見開き2ページでマンガ化するというとてつもない仕事は、構想6年、制
作3年かかったという。それも当然。時代考証などはしっかりしているようだ。
光源氏が栗顔なんだから、とんでもないおんな漁りも生々しくなくてよいかも。
で、シンプルなマンガだけどかなり複雑、人物系図を何度も何度も見直しなが
ら苦心してようやく読了。これで源氏物語をマスター、できませんて。(柴田)

・発行のためのシステム利用先を増やした。読者数の集計や、発行に時間がか
かる。携帯版は、島田氏がページを作り発行する。ひとりじゃなくて良かった。
手間がかかるだけかもしれないんだけど、ひとりでもたくさんの人の目に触れ
て欲しい。今日登録してくれた方、ずっと登録してくれている方、復帰した方、
ありがとうございます。記事やコラムでの参加も待ってます。/阪神首位奪回。
勝率0.006差という微妙な数字。ゴールデンウィーク過ぎても首位だなんて、今
年の阪神は違いますな。巨人ファンの父親は楽観してるけど。(hammer.mule)

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プレゼント応募よろしくです。詳細は1078号、1081号を。

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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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