[1152] 本屋を店として考える

投稿:  著者:  読了時間:23分(本文:約11,400文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1152    2002/09/05.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 21408部
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             <美人は得だ>

■Powerbook Publishing Project ~ (24)
 本屋を店として考える
 8月サンタ

■笑わない魚
 美は善で真か
 永吉克之

■新刊案内&プレゼント
 「ベンチャー失敗の法則」~失敗したやつが成功する
 吉田雅紀



■Powerbook Publishing Project ~ (24)
本屋を店として考える

8月サンタ
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●評論誌「La Vue」に書きました

大阪の「黒猫房」主、山本さんに誘われて、黒猫房発行の評論誌「La Vue」に
原稿を書きました。8月下旬より、関西・関東の協力書店で配布が始まってい
ます。

・評論誌「La Vue」11号 内容と配布先リスト
http://member.nifty.ne.jp/chatnoircafe/lavue.html
・るな工房/黒猫房/窓月書房
http://member.nifty.ne.jp/chatnoircafe/index.html

A4見開き・8Pですが、(私以外は)寄稿者・記事とも、非常に濃い内容の文化
評論誌です。投げ銭型のペーパーで、常連がいるのか結構早くなくなってしま
いますので、ご興味をお持ちの方は、早めにリスト掲載の本屋さんへどうぞ!

このお話もデジクリを愛読して下さっている、黒猫房主さんからの一通のメー
ルから始まった。ネットの縁というのは本当に不思議で、有り難いものです。

●本屋を店として考える

文章を書くのは好きだし、自分の好きなことを書くことはさらに楽しい。それ
がきれいな装丁で、値段がついて、人様がお金を出して買ってくれる! とい
う快感は、まるでお祭りのような、最上クラスのものではないかと、常々思う
のだ。

しかし一方、この不況下に、手堅く稼ぎ、食べて行かねばならないという現実
があるわけで、道楽としてはいいけれど、では「商売」としてはどうなの?

私は今の仕事で、「利益をしっかり含めた見積もり」を出すことに一番苦労し
ているけれど、例えばそんな計算や事業計画が成り立つ商売なんだろうか?
そんなことを、今回は書いてみたい。

●まずは食べるための仕事、私の「本業」のお話

ZDNet-Macで私、8月サンタを紹介するにあたり、デジクリの柴田編集長は「謎
の実業家」と付けた。私は別に「ベンチャー精神」とかを持ってるわけではな
いけれど、規模と内容から言えばベンチャーだろう。以前の会社で「雇われの
立場」にさんざん嫌気が差したので、昨年、なんとか自分で出来る仕事で、組
織に属さず食べていこうと決めた。ありがちな会社立ち上げである。

本業はシステム開発、ということになる。中小、というより「小」企業にパソ
コンを含めた業務システムをオーダーメイドで導入している。最初はWeb制作
から始めたが、結局「喜ばれて、儲かる仕事」に徐々にシフトしていってこう
なった。使いやすいデータベースを業務に取り入れたいが、だからと言って
IBMに1000万円は払えないという会社がうちのお客さんだ。

昨年独立したときの一番の問題点は、ズバリ「営業」、どうやって仕事を取る
かである。食うためだったら飛び込み営業だってテレアポだって、やる覚悟は
出来ているけれど、自分の乏しい体力の限界から考えて、「営業の効率」こそ
が、食べていけるかどうかを左右することは間違いがなかった。

私の場合の答えは、「会計事務所とタッグを組む」だった。システム屋と会計
士のコンビの有効性は、容易に分かってもらえるものと思う。会計士が抱える
顧客の、ITがらみの相談事ひとつひとつが、仕事になる。私の方は、どんな学
校に行こうと学べない「商売のセオリー」を、ライブな現場で教わることが出
来る。

また「IT不況」と言われるけれど、この数年で「IT」は随分巷に普及したよう
でいて、2002年現在でも、会計士、弁護士、行政書士… 「士」の付く商売は
まだまだIT化は進んでいない。だから、入り込む余地は十分ある。同業の人に
は、頑張って欲しいと思う。イケルよ。

自分で受けきれない仕事は、知り合いに振ることもあるけれど、基本的には
Webやチラシなどのビジュアルもの制作も含めて、自分でやる。時々、丸投げ
をやってコンサルと仲介業務に徹すれば、結構楽して儲かるかなとも思うけど、
それでは実業でなくて、虚業の世界に入っていくような気がしている。

この一年を黒字で生き延びて、いろいろとやりたいことが出来てきたから、も
う少しだけ、規模を大きくするつもりだ。若くて、まじめで、凄いやつも結構
見つけたから、集めて活躍させてみたい。商売のネタは別に全部バラしても構
わないけど、いい人材だけは絶対人には紹介しない。独り占めだ。

吹けば飛ぶような最小限の所帯だから、場所によっては随分と馬鹿にされるこ
とも多いけど、気にならない。「ぶら下がり」の同僚や部下を持たなくてすむ
から。ワーカホリックにはなりたくないけど、労働意欲に欠けるナマケモノ連
中のために働くなんて、死んでもいやだ。 …このへんが、私のモチベーショ
ンの源かも知れない。

●書店という名の「お店」

とまあそんな、もの書きでもなかった私が、「PowerBookで出版社開業!」な
どという企画を始め、あまつさえこんな原稿まで書いている理由は、そこにも
ちろん、冒頭に書いたような夢があるからだ。しかし、自分で資金を切り盛り
して商売をしている以上、道楽か、商売かはきちんと考えなくてはならない。
その辺を、一番「カネに近いところ」から考えてみたい。

例えば「○×新聞」という商売は、立派な自社ビル、高学歴の記者連中だけで
はなく、印刷所、街の配達拠点、配布員・拡張員・集金人も含めて成り立って
いる。

ご存じのように新聞は、直接客のドアを叩いて営業し、直接客のもとに商品を
配り、直接客のもとに現金を取りに行く。顧客に確実に商品を届け、確実に回
収するやり方である。商品の値段は同じだから、客単価を上げるということは
出来ないが、末端の拡張員・集金人に、常に会社は歩合制の報償を用意して、
客の新規獲得と回収率の向上に勤めている。

出版界も同様に、「街の本屋さん」が、出版社の立派な自社ビルと、高学歴な
社員を支えている。しかし営業力では新聞界よりも2ランクほど下だ。書店は
基本的に「待ち」の商売である。限られたスペースを使い、商品を数多く捌か
ねば儲からないのは、小売業として他の業態と変わらない。だから、まず「立
地」と「品揃え」が受けの商売として生命線となる。

Webでショップを経営している人なら痛感しているだろうが、まずはアクセス
数だ。数多くの人が来訪しないと話にならない。とにかく沢山の人間が来れば、
その内の何人かは「客」になる可能性を持っている。多摩川にアザラシを見に
行った連中相手に、アイスやTシャツを売った業者のことを考えて欲しい。こ
れは駅前など、とにかく人通りの多い立地を選択しなくてはならない。

次に「品揃え」だ。欲しいときに、欲しいものが、財布の中にある金額で売っ
ていたなら、これは売れない方がおかしい。川岸に場所取りをして、炎天下ア
ザラシを待ちつつ、目の前にアイス売りが通れば、それは抵抗なく売れるだろ
う。書店も同じで、手頃な値段で自分の欲しい本が目の前にあれば、絶対に売
れる。

街の本屋さんは基本的に、本を78%程度で仕入れて売るから、一冊売って価格
の22%程度が粗利、ということになる。その中から家賃も従業員の給与も経費
は全て引いて、儲けなくてはならない。一般的に小売業は33%程度で仕入れて
100%で売るというのが健全な状態というから、結構厳しい。その代わりに、
本屋さんは売れなかった本を問屋に返品出来るので、リスクは軽減されている
けれども、薄利多売であることには違いがない。

ということは? 本屋さんとは、「相当に忙しい商売であるはず」なのだ。小
さくても数千~多くは数万、数十万にのぼるアイテム数の商品を、客が必要と
しているものとそうでないものに選り分け、限られたスペースに効率的にディ
スプレイして、客にアピールしなくてはならない。

書店というのは、業界内の取り決めで、過剰な景品や不当な安売りによって客
を呼び込むことを禁じられているから、実は「商品管理」こそが、本屋という
商売の生命線であるはずなのだ。

●確実なチャンスがなくっちゃ…

ところが現状は皆さんもよくご存じの通り、「本屋勤め」は気楽な商売の代表
格とされている。「いい本を出していれば、客は勝手に買うものだ」という体
質がたたったのか、年間数百もの街の書店が閉店していっている現在だが、そ
ういう問題にはここでは深入りはしない。具体的に、自分が本を出版して、客
に売って、カネを受け取って食べていくことをまずは考えたい。

本屋さんで自分がつくった本を売ってもらうためには、まず「取次店」と呼ば
れる本の問屋さんに本を納める。一般的な本は、この取次店から、全国の書店
に配本される。取次のマージンは約8%だから、固定の流通コストとして、そ
れほど高価ではない。(考え方にもよるけどね)

問題はその先だ。私の本は、毎日どんなに最低でも100冊以上は届く書店の仕
入れ荷物の中の、たったの一部でしかない。ものによっては、店長判断でその
場で段ボール箱に詰められて送り返されるケースすらある。運良く店頭に並べ
てもらったとして、それが店の目に付くいい場所、あるいは分類上あるべき妥
当な場所に並べてもらえるという保証はない。

つまり、商品をつくって納めたはいいが、「販売チャンス」が保証されていな
いのだ。客の来ない本屋に売上が見込めないように、いい場所に置かれない本
に売れる見込みはない。商売にするのであれば、当然しっかりと売上予測を立
てなくてはならないから、あてずっぽうで商品をつくって「面白いから、きっ
と売れるでしょう」と投げ込むわけには行かない。

ベストセラーなど絶対にあてにしてはいけない。100冊でもいいから、確実に
買ってくれる客のもとに届け、代金を回収し、利益も出す。そう考えると、ま
ず、今の書店は絶望的に商品管理が甘いし、よほどメリットのある営業をかけ
ないと、相手にしてもらえない。

逆に、100店舗でもいいし、10店舗だが、必ず10冊ずつ並べてくれる店でもい
い。商品を売るチャンスのある、しっかりとした販売拠点さえ自分のものに出
来れば、希望が持てる。可能性が広がる。(本当のことを言えば、本屋さんで
なくたっていいくらいだ)

このへんで、ようやく企画書に手を付けられる。まずは「販売拠点の確保」。
既存の本屋さんに新しい提案を持ち込んでもいいし、Webでやってもいい。い
ろんな可能性が考えられるが、やはり基本は人の繋がりだ。まだリスクは負っ
ていないうちに、真面目にいろいろ考えるのだ。

●カネに一番近いところ…

この間コンビニで買って読んだマンガ「ザ・シェフ」12巻では根本的に間違っ
ている設定があった。パリのホテルで出世しながら、不祥事でクビになったス
タッフが、再び戻ってドアマンからやり直すという話なのだが、これは全く逆。
ヨーロッパのホテルでは、若い見習いは、フロントの机の後で事務作業、ポー
ターやドアマンはベテランしかやらせてもらえない。

これはチップ制ゆえのお話だけど、一見ドアを開けたり、荷物を運ぶだけの単
純肉体労働に見えるけど、ドアマンやポーターの方が、客に直接接してカネを
せしめるチャンスが多いのだ。だからその他の職種でも、客に直接接する方が、
現業部門では偉かったりする。(事実稼いでいるしね)

私は「資本家」ではないので、なるべくカネに近いところを探し、ちゃんとあ
てになる収入をつくって行かなくてはならない。そう考えると、今の街の本屋
さんというのは、随分無駄もあり、またチャンスもあるように、見える。

【8月サンタ】ロンドンとル・カレを愛する34歳 santa@londontown.to
・秋の名曲シリーズ。実は、「ストリート・オブ・ファイアー」という映画が
大好きなんですよ。音楽はライ・クーダー師なんだけど、随所にはさまれる曲
も格好いい。その中から、しみじみする名曲、Dan Hartmanで " I can dream
about you "。

・ロンドン好きのファンサイト
http://www.londontown.to/

・デジクリサイトの「★デジクリ・スターバックス友の会★」
http://www.dgcr.com/

▼「MacWIRE Express」もよろしく。今回は夢見るPowerBook Cat。
http://www.zdnet.co.jp/macwire/0209/03/nj00_digicre.html

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■笑わない魚
美は善で真か

永吉克之
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教師や親がいくら人間の価値を容姿で決めるなと、こめかみに青筋立てて子供
に説教しても、テレビをつければ、ドラマのヒーロー、ヒロインはたいていが
美形。ファッション性のあるCMのイメージキャラクターなどは当然の如く美形。
ニュースを読んでいる女子アナウンサーまで美人なのだからタチが悪い。ただ、
さすがNHKの女子アナは民放に比べて容貌がまだ多少庶民的だ。素晴らしい。

                 ■

現実を知っている子供たちは「人間は顔じゃないよ」という「良識ある」言葉
をどう受けとっているのだろうか。理想と現実、建て前と本音という区別がで
きているのだろうか。

いっそのこと「美人は得だ。ヒトは醜いものよりも美しいものに惹かれるよう
にできている」という客観的事実を、文化社会学か社会人類学か大脳生理学か
宇宙物理学か、ともかく科学として教えればいいではないか。そして、それと
平行して「人間は顔じゃないよ」ということを道徳として教える。

その辺りをアイマイにしていると子供たちの信頼を失なうことになる。

「あの先生、人は心だなんていってるくせに、鈴木京香と黒木瞳と松たか子の
 大ファンだなんていってたぞ。彼は偽善者だ。ルカによる福音書 6章42節に、
 偽善者よ、まず自分の目から梁を取り除け。そうすれば、はっきり見えるよ
 うになって、兄弟の目にある塵を取り除くことができるだろう、と書いてあ
 るじゃないか。教育者は、まず自分の目の梁を取り除くべきだね」

「そうだね。ぼくも彼には失望したよ。山田花子と泉ピン子のファンだといっ
 てほしかった。ちくしょう、グレてやる」

だから教師は「人間は顔じゃないよ」を実践して、生徒達に模範を示すために
不細工な配偶者を持たなければならない。もし学生時代から交際していた女性
がいて炎のように愛しあっていても、彼女が美人だったら結婚してはならない。
彼女をボロ屑のように捨てて、どこのウマの骨ともわからないが、心の美しい
不細工な女性と結婚してこそ教師の鑑である。

さもなきゃ、「トレンディードラマなんて欺瞞の権化だ。美男美女でなければ
恋愛をするなというのか。ブ男ブ女は子孫に遺伝子を残すこともできずに滅び
ろというのか。あんな番組を喜んで観るヤツは異常性欲者だ。この社会は狂っ
ている。末法の世じゃ。このままでは極楽浄土はない。どいつもこいつも死ん
で畜生道や餓鬼道に堕ちるのじゃ。ざまあみろ」と生徒に教えるべきだ。

                 ■

芸能人が結婚してもすぐに離婚するのは、配偶者を相性よりも容貌で選ぶから
だ。職業柄、マスコミの目があるので配偶者は美形でなくてはカッコがつかな
いのである。例えば、金城武の妻がゾウアザラシのような女性だったら、人気
にも影響を及ぼすかもしれない。

高級な服を着ていると自分も高級な人間になったような気がしてくる。ベンツ
に乗っていると、自分のステイタスも高くなったような気がして、普通の乗用
車に乗っている人間が下根の衆生に見えてくる。配偶者をステイタスシンボル
と見るのも同じような発想である。

                 ■

人間の容貌における美意識と芸術作品における美意識を比較するのは難しい。
この辺りは専門ではないので、偉そうなことはいえないが、前者は動物的本能
に基づいている。例えば、クジャクのオスが求愛行動として美しい羽を広げて
メスの気を惹こうとする。そしてメスが「まあ。美しい。この方の遺伝子を残
したいわ」と思ったらカップルは成立する。

人間も同じで、女性なら「逞しくて頼りになる男性だわ」、男なら「きれいな
ネエちゃんやんけ」と思うのは、生殖本能が根底にあって、より優れた遺伝子
を子孫に伝えていこうとする無意識的な衝動があるからではないだろうか。

一方、後者も動物的本能ではあるのだろうが、生殖とは関係のない「遊び」の
行動に属するものだと思う。いわば高度な遊び。苦しみや悩みをともなう遊び。
人によっては不快だったりする遊び。にもかかわらず芸術がなくならないのは、
やはり本能に基づいているからなのだろうか。

結局、この 2種類の「美」は、それぞれ別の地平に存在するもので、比較は無
意味かもしれないが、きれいなネエちゃんも「美しい」、優れた芸術も「美し
い」、また、汚れのない心にも「美しい」という形容を使い得るということは
「美しい」というものがかなり包括的な概念であるといえる。

                 ■

ギリシャ時代の哲学者プラトンは、真と善と美は分ちがたいものであると説い
た。つまり「美しい」ものは、正しく善いものでなくてはならないわけである。
きれいなネエちゃんは美しいかもしれないが、必ずしも正しくて善いとは限ら
ないようだ。

<本日の芸術>
http://www2u.biglobe.ne.jp/~work/kunst/008lz.html

【永吉克之/アーティスト】katz@mvc.biglobe.ne.jp
こら凄いでアンタ、ということで知り合いから『殺し屋1』という映画のDVDを
借りて観たが、そのあまりに凄惨なシーンの連続のおかげで、その視覚体験が
トラウマになってしまった。小学校の頃、楳図かずおの『半魚人』のいくつか
のシーンがトラウマになったことがあるが、46歳の男をトラウマで苦しめるな
んて、この映画もやるやんけ。
EPIGONE / http://www2u.biglobe.ne.jp/~work/

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■新刊案内&プレゼント
「ベンチャー失敗の法則」~失敗したやつが成功する
http://www.vsn.jp/book/book.html
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「失敗して終わりで、ええんか?
 せっかく失敗してんから、失敗を活かして成功せな!」

初めまして。大阪産業創造館「あきない・えーど」の吉田雅紀といいます。
本書きました。「ベンチャー失敗の法則」っていう縁起の悪い本です(笑)。

「吉田って誰やねん?」という方も多いと思いますので、少し、自己紹介を。
ベンチャー支援の経営コンサルタントをしてます。
ま~、コンサルなんて言うヤツにろくなんはおらん訳で、僕もその一人です。
1999年に大阪市からお話があって、大阪市の支援センター「あきない・えーど」
を作りました。このあきない・えーども来年3月には卒業します。
http://www.akinai-aid.ne.jp/

あと、関西ソーホー・デジタルコンテンツ事業協同組合(カンデジ)の理事も
してます。このカンデジはソーホー事業者の集まりでして、デジクリ読者にも
メンバーが何人かいてると思います。こう書いてる僕もれっきとした、正真正
銘の、由緒正しきソーホーです(笑)。

箕面のオフィスの2階は自宅。会社は有限で役員は3人。社員はゼロ。役員の一
人は名前だけ。もう一人は僕のマネジメントをしてくれてますが、他の仕事に
もからんでます。そして僕です。

これをソーホーと言わずに何をソーホーというか! でしょ…(笑)。

このカンデジの若い人からの質問で一番多いのは「どないして、仕事を取るん
ですか?」です。営業活動ってことでしょうか…。これは永遠のテーマですが、
答えはそれぞれです。僕的には請負稼業は営業したらあかんと思てます。

「コンサルいりまへんか~」って言うた瞬間に値打ちがなくなってしまいます。
これはデザイナーでもカメラマンでも、ライターでも、みんな一緒とちがいま
すやろか? 「お役に立つことがあったら言って下さいね」せいぜい、営業と
言うてもこれぐらいが限界です。

次に「なんでもします」って言う人がいます。僕らの同業種の方で名刺の裏に、
なんかお品書がいっぱいの人がいてはりますが、これでは何屋さんかわかりま
せん。さっき書きましたが、「お役に立つことがあったら言って下さいね」こ
の「お役」が大事です。

コイツ(自分)は何の役に立つんか、それをしっかり相手にインプットしとか
なあきません。仕事を絞り込むのは勇気のいることですが、反対にそうでない
と誰も仕事を紹介してくれません。つまり、喰えんということです。

その次がネットワーク。質、量ともにこのネットワークが大切です。
仲間や得意先、友達の会話から仕事は生まれます。「そや、こんな話があるん
やけど、モノになったら手伝ってくれる?電話するわ~」。こんな会話が本町
(大阪のビジネス街)界隈の居酒屋で何百、何千と交わされています。でもこ
の「電話」がかかってくる確率は吉田調査によると約1/10。この1/10の確率で
次の打合せをして、そこからいい報告が来る確立はさらに約1/3。ここまでき
てやっと仕事になります。

つまり、「こんな話」が30あって、その内の3つが次に進んで、その中の一つ
が仕事になる。だから、僕は家に帰る暇がない。毎晩居酒屋にいないと「こん
な話」に当たらない。月に30当たらな、一つの仕事が取れへん。しゃ~ないか
ら、今日も居酒屋に行くか…(笑)。

デジクリを読んではる人の中にも「ベンチャー失敗の法則」を吉田から押し売
りされた人がいはると思います。この場を借りて厚く御礼申し上げます。実は
この押し売り、被害は全国に広がって、549人のみなさんから1336冊の予約い
ただきました。本当にありがとうございます。
やっぱ、ネットワーク大事でしょ。

目次より
 ベンチャービジネスは失敗する/独我論に陥る/やる気のあるヤツはやる
 急成長する組織の歪み/事業が身の丈を越えた時/敗北からの逃避
 ベンチャービジネス受身術7箇条/失敗の本質は5つ
 サラリーマンには戻れない/敗者復活戦への出場条件
 成り行き経営から計画経営への転換/敗者復活の成功者たち ほか

定価1,200円+税/ISBN4-434-01980-5/国際通信社発行/星雲社発売

●この「ベンチャー失敗の法則」を、国際通信社さまより3名様にプレゼント。
ご希望の方は、プレゼントお知らせコーナーから応募してください。締め切り
は、9月25日14時。発送をもって発表に代えさせていただきます。
http://www.dgcr.com/present/index4.html

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■編集後記(9/5)
・田村正和の明智、たけしの二十面相トカいうどうしようもないテレビドラマ
を録画で、ときどき飛ばして見た。ナレーションもやる小林君は質の悪い声で
しかも田舎少年顔。小林君は美少年でなくてはならぬ。田村の大仰な芝居はあ
れはあれだからいいけど、たけし、宮沢りえ、ホントに救いようがないほどヘ
タ。あの人たち、あれでいいのか? 原作にない、明智と二十面相の対決の理
由というのもつまらないの。西田敏行も怪演していたなあ。一番面白かったの
は、途中に入る田村と樹木希林が共演したニコスCMだった。    (柴田)

・今日のプレゼントは、私がお世話になった「あきない・えーど」の所長、
吉田氏の書籍。タイトルを見て「じゃあどうやったら成功するの」と思った
人も多いのでは? クリエイターと言われる人たちって、経営者立場の人が
たくさんいると思う。写植機が出て活版が廃れ、マックで写植、デジカメと
不況で商業写真。たった数十年でもこれだけ変化がある中、いまは良くても
次なんてわからない。仕事があるからといって、人をたくさん雇い、抱えき
れなくて倒れたり縮小する会社も見てきた。どうするよ? カンデジの人た
ちの質問もよくわかる。私も営業どうやったらいいかわからない。自分の位
置もわからなくて、SOHOサイトで挙手したことがある。挙手した人全員に、
こんな感じのページが作りたいとメールしたクライアントさんが、私に電話
で連絡をくれた。「全員がトップページのデザインと見積書を送ってきたん
ですよ。どうしていいかわからない。保留にしようと思う。」私はメールで、
これならこういうデザインにして、ターゲットに合わせ、こういう点を改善
したら良い、新たにこういうコンテンツを入れて…、と提案していて、デザ
インはヒアリングしてからだと考えていたから、皆の行動力に面食らってし
まった。だってコンテンツ決まってないのにデザインできないよ。その時、
自分は恵まれていたんだなぁと思ったし、この方法は変えたくないなぁと。
じゃあこの方法で仕事を進めるにはどうしたらいいんだろう、どたばたせず
いいものを作っていけるようになるにはどうしたらいいんだろう、そんなこ
とを考えていたから、所長の書籍には興味を覚えるのよね。(hammer.mule)

・新メルマガ「写真を楽しむ生活」もよろしく。 http://dgcr.com/photo/
・「Web Site Design」vol.5をプレゼント。詳細は1145号。
・「ウェブサイト制作のワークフローと基礎技術」も。詳細は1151号。

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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 担当:濱村和恵
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