[1155] 初版三千部借金。

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1155    2002/09/10.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 21468部
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         <売れなくても後悔しないもんっ>

■泰国パパイヤ削り
 初版三千部借金。
 白石 昇

■web bau -蜘蛛の糸から理念を紡ぐ-03
 底上げの「底」はどこに
 UZ

■イベント案内
 日本橋三越で今日からふたつの写真展
 「here is new york 市民が見つめた9.11写真展」
 荒木経惟写真展 ヘレナ・アラーキー「東京にて、愛。」

■新刊案内
 Web年鑑2003





■泰国パパイヤ削り
初版三千部借金。

白石 昇
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白石昇です。いくらパトロンがお金を出してくれるからと言って、それで本の
値段が高くなったりしちゃ、あたしが仕事してきた意味がないんです。

だからあたしは出資を申し出たパパに、そんな自分の意思を伝えたんです。高
く売るつもりないんですから、間違いなく儲かんないですよ、って。そしたら
パパはそれでもいい、って言うんです。

「とりあえずどれくらいかかるか調べてクダサイ」とパパに言われたので、あ
たしはあらためて千部刷った場合と三千部刷った場合の見積を大手出版社に依
頼してみたんです。

いくら版下のデータさえ出来ていれば印刷費が安くすむと言っても、日本に送
るための運送費はかかるし、売ってくれる書店さんが現れた場合、その書店さ
んに払う販売手数料とか、著作者やあたしの印税とか、日本国内の送料とか、
消費税とかを足してマイナスにならない値段じゃなくちゃならないんです。

印刷コストを元に定価を決めるんじゃなくて、定価を元に印刷コストを考えな
きゃならないんです。高い値段でお客様にお届けするわけにはいかないんです。
あたしの藝人としての美意識がそう主張するんです。

だからあたしはそんなありとあらゆるものを考慮して、印刷コストがいくらく
らいならばマイナスにならないか計算したんです。そしたらやっぱり、千部で
はお話にならずに、三千部刷らなきゃあたしの意図している値段では販売でき
ないことがわかったんです。

初版三千部です三千部。泰日の翻訳出版では、かなり多い数です。ましてや、
個人版元の出版なのです。さらに取次通すことを最初から無視してるんです。
ちなみに重量にして六百キロほどです。

「ダメだわパパ、確かに三千部刷ればあたしが思う値段で販売できるけど、取
次もなしにネット通販だけで三千部なんて簡単に売れるとは思えないわ」とあ
たしはそのような意味のことをパパに伝えました。

「タイ国内だけでも、千部は売れると思うんだよネ、彼、有名だし。刷っちゃ
おうよ三千部。大丈夫だよお金あるよ」パパはあっさりとそう言います。あた
しもそんなリッチテイストな発言、一度でいいからかましてみたいです。

確かに彼の著作は去年、発売六週間で十七万部というこの国では考えられない
ような売れ方をしましたし、一月の舞台もVCDになって発売され、あちこちで
売れまくっています。でも、本を買うのは日本人なのです。泰国在住日本人の
ほとんどが彼の事なんて知りません。

あたしは、タイ国内にいる日本語が読める人間、すなわち日本人は多くて五万
人であること、そしてパパの言うようにもしタイ国内で千部売れたら、泰国に
いる日本人の五十人に一人が買ったベストセラーになること、要するにタイ国
内で千部売れるなんて夢のような話であること、すなわちこの出版に投資する
パトロンとしてはそんなに美味しい配当が見込まれそうにないことをひとつひ
とつ諭していったのです。

「でもさあ、ハヤク読みたいんだよねー」とパパは言います。どうやら本当に
あたしが日本に行って賃労働して、出版費用を稼いで再渡泰するまで待ってい
られないようです。そこであたしとパパはいろいろと協議に協議を重ねました。

その結果、タイ国内での販売をパパにまかせ、あたしが日本で売る際は、タイ
国内の特別卸値でパパから買い取る、と言う形で出資してもらい、二年以内に
パパが出資した分が回収できなかった場合、あたしが売れ残った分をその特別
卸値でパパから買い取り、その分の利益を利息としてパパにお支払いすると言
うことになったのです。これでパパは間違いなく出資したお金に利息か付いて
返ってくることになります。あたしが借金を踏み倒したりしない限りそうなる
のです。

そうと決まればあたしとパパは著作者事務所に出向いてその旨を著作者サイド
に告げ、ISBNコードを取得しました。そして出版社の工場に出向いて試し刷り
をしてもらい、パパに協力して貰って校正をはじめました。

そしてそんな校正作業を何度か経て、ようやく、八月の終わりに正式な印刷発
注をすることが出来たのです。つづく。

【しらいしのぼる】hinkaw@chan.ne.jp
語藝人。昭和44年5月1日長崎県西彼杵郡多良見町生まれ。『抜塞』で第12回日
大文芸賞を受賞。

というわけで九月中旬、タイ国内先行発売となりました。日本での販売はまだ
未定です。全166頁、カラー54頁でタイ国内120バーツ、日本国内648円、税を
含めて680円です。よろしくお願いいたします。

表紙は以下です↓
http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/cover.jpg

この表紙を見て、なーんや、それっ、とモニターに向かって突っ込んでいただ
ければ、養殖ボケ藝人としてはそれだけでもう幸せです。
こうしてボケるために自分は一年四ヶ月仕事をしてきたのだと思うと感無量な
のでありますっ。売れなくても後悔しないもんっ。


▼タイトルを「泰国パパイヤ削り」ト勝手に変えました。(柴田)
▼関連url告知。
http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/shiryou.html  いままでの経緯
http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/
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■web bau -蜘蛛の糸から理念を紡ぐ-03
底上げの「底」はどこに

UZ
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底上げという言葉は、SFAツールを担当していた時に覚えたキーワードだ。

営業マンは、そのノウハウを独自に溜めるもので、共有化されることはあまり
ない。隣の同僚とも常に競争だからでもあり、体系化しにくいコミュニケーシ
ョンの技が大部分を占めるからでもあるだろう。電話のかけ方、挨拶のタイミ
ングから、価格の交渉における人の心理の持っていき方まで、人間の心理をく
すぐる方法の追求が、営業という仕事。段階的なステップや習得のゴールを設
定するのは難しい。その人の性格やら仕草やら声やらにまで、複雑に絡み合っ
た要素が作用しているのだから。

しかしその営業のスキルを、組織全体で底上げする必要性がでてきた。

時はバブルの崩壊後、生き残りをかけた経営改革競争の状況に、SalesForce
Automation(SFA:営業支援システム)のコンセプトはハマったのだ。SFAにつ
いてのセッションやツールの紹介セミナーを行なうと必ず満席。経営企画室だ
の改革推進部だののエラい部長がどっさりやってきて、主催者ソフトメーカー
には高価な名刺がたくさんたまった。営業とは何たるかをほとんど知らない自
分は、つばを飛ばして「営業マンの底上げは~」とデモで力説した。

だが、ツールの売上げは伸びなかった。電話をかけてもかけても「検討中」だ
った。そのうち売るほうに体力がなくなってきた。規模を縮小し、そしてたた
むしかなくなった。SFAという言葉を忘れかけた頃、全く異る用件で出向いた
企業で、ツールの導入に苦労しているという話を聞いた。盛り上がっていた頃
に導入した、いわば先進企業だった。目に見えた効果が上げられず浸透もしな
いということ。「費用分の効果を出せと上からつつかれて大変です」担当者は
営業現場への研修のため連日の出張で疲れきった顔で、訴えた。

こういう構造はいつでもある。コンセプトが先走っていて、現場の使用者はつ
いてこないというやつ。コンセプトにリアリティを持たせるということはとて
も難しい。ソフトウェアの場合、たいてい煽動役は一部のソフトウェアメーカ
ーに始まり、盛り上げるだけ盛り上げておいて、次の流行がくればそちらへま
た一斉に流れる。悪意でもなんでもなく、それが技術と時代の進歩だから仕方
がない。

●底上げの前提は?

なぜこんな話になったのかというと、「底上げをしたい」といったときに、そ
の底をどこに設定するかで、会社のレベルは大きく変わると感じるからだ。制
作会社の場合には、会社としての制作スキルレベルをどのように設定するかが
仕事の発注を大きく左右する。しかし、そもそも制作のスキルとはとても個人
的なものだ。

Web制作会社の現状を考えると、中途入社が圧倒的に多い。多分前職はDTPかコ
ンピューターが多い。このDTP(の前は版下制作、写植)とコンピューターは、
風土が180度違うように感じる。

DTPの場合、最初は全く何もできない人間だとみなされる。最初の仕事はAD
(アートディレクター)のお茶汲みと机ふきなのだ。周辺の人間関係をつくら
なければ、当然仕事は教えてもらえないし、優秀だったとしてもそれをアピー
ルすることすらありえない。体力的にも精神的にもボロ雑巾のようにへとへと
になりながら日々の作業と世話をこなし、徐々に仕事と礼儀を覚えていく(ら
しい。私は横目で見てました)。

コンピューターの場合、効率化という考えが優先されるため、まず知っている
人と知らない人を振り分けたり、知らない人には研修を行なってみたりする。
かつ、知りたい人は勝手に追求すればよいし、知りたくない人は無理に知らな
くてもよい。何かしら貢献していればOKなのだ。結果、プログラムジャンキー
か、会社大嫌い人間のどちらかが生成される。お茶なんて飲みたい人が汲めば
よい。お酌なんてする必要があるわけがない(こちらは多少の経験済み)。

しかしいずれにしたって、会社で「底上げ」といわれたときにの大前提は、そ
の人の経験と能力を活かすためのものであるべきだ。個性と言ってもプライド
と言ってもいい。ましてや制作など、そのプライドなくしてできるような仕事
ではない。

制作という仕事は、営業マンのように「前!」といえば前に走るしかない辛い
職種ではない。個性でなんぼの世界、時には芸術的アプローチも必要。自分の
水準の低さから逃避する隙が、無限にあるのがやっかいだ。

しかし、ことWebになってくると、押さえていなければならない知識や技術が
多くあるため、前提となるレベルを会社の中で揃えておかないと、ある水準の
仕事はこなせなくなってくる。発想が通じない、余計な伝達作業で制作にかか
る時間が倍増、終わった後で汎用的にその成果物を使いこなせない、じわじわ
影響が出てくる。

自分に対するレベルアップを日々実践している人は多いかもしれないが、これ
を組織レベルで行なうことに注目してみたい。今まで伝わらなかったこと、ハ
イレベルの知的作業の際にひっかかっていたことの原因は、全体的な「底上げ」
の欠如である場合も多いはずだ。なぜならWebに限らず、外向きの仕事におい
て作業はいつでも、少なからず誰かと共同で進むものである。互いの底を自覚
しているということは、コミュニケーションの前提となるものでもあるのだ。

●底上げ3つのプロセス

底上げに対してしなければならないことは、突き詰めると以下のプロセスに絞る
ことができると思う。

1)「底」のレベルを定義する
2)「底」からの位置を測る
3)「底」の重要性を体感する

1)「底」のレベルを定義する

一見、なんでも分っているように見えた。要求を出すと解釈が極めて早い。さ
らに独自色溢れる味付けを加えてくる。言うことも知的。しかし、ディレクト
リやファイル名につける英語のつづりが間違っていた。1箇所2箇所ではなく。
自分もまさか彼がこんなものを間違うとは、と思っていてチェックをしていな
かった。

別の作業者が加わって、たちまち不都合が生じた。ありえないつづりのファイ
ル名のため、暗黙の了解が効かない。一括変換などができないシステムのもの
だったため、致命的な効率低下だった。おそらく、影響範囲の想定が彼に出来
ていないところから、このミスは起きたといえる。よくいう自覚の問題。

しかし、対象者の考えに合致しない働きかけは、それが素晴らしくよいアイデ
ィアであっても、受け入れられない。
自分の上司はかつて、ドラッガーの『プロフェッショナルの条件』を強要し、
た。今思うと、なぜあの時消化しておかなかったのかと悔やまれるくらい重要
な本だが、それは今、自分が底上げを心から願う状況だからこそ思うもの。

同書の“自らをマネジメントする”という章にも、「自らの価値観を優先」し
てこそ成果が上げられる、という記述がある。現在の自分の、この価値観を、
組織の中の異なる価値観の人に強要することは、やはりできないものだ。それ
ぞれが価値を見出した上で自らをマネジメントしなければ、能力は向上しない。
まず彼らの目指す所、強み、彼ら自身の価値観を知らなければ、価値観は共存
できず、全体として設定すべき底のレベル定義もできない。

彼にも、自分が他者に対して影響を及ぼすという自覚があれば、そんなミスは
しなかっただろう。ここでの反省点は、自分が彼に、その影響範囲についてど
う思うか、どのように困っているのか、告げずに済ませてしまったことだ。

こう思うと、対象となる人との関係において、「底」のレベルは定義されてい
くものなのかもしれない。自分が騒いでいれば、それが彼の中で影響として受
け取られていただろう。「底」は誰かが単独で定義できるものではなさそうだ。

2)「底」からの位置を測る

価値観の違いを「背中から感じ取れ」と言われ、自分が達成すべき位置との距
離がどれくらいあるのか、ずっとわからないまま辛くなってやめていく、とい
うのはよくあるパターンだろう。ただひたすらついていくのは、すべての人に
適応すべきやり方ではない。また組織が大きくなってしまったとき、師匠が全
員を背負うのはムリだ。(何もしていないようでも、背中から感じ取らせる師
匠のほうにもすごく労力を要するものらしい)

そこで客観的に、位置を測り、その距離を自覚してもらう方法をとる。なにか
ひとつ、具体的なものを題材にするとよいかもしれない。

ある新しく作られたモジュールを、社員全員の共通セールスツールとして使い
こなそう、という説明会が開催された。こんなものの構造を理解するくらい常
識、と言いきる、開発者の意図はよーくわかった。しかし見回すと、自分を含
め、みんな眉が真ん中に寄ってしまっていた。難解なのだ。この様子から、眉
を寄せている人々と、当然理解すべきと思っている開発者の設定レベルとの距
離を図ることができる。

3)「底」の重要性を体感する

それを知らないことによって痛い目にあえば、重要性は自ずと理解できる。し
かし、いつまでたっても痛い目にあわない場合、そのことが大事だという考え
にはなかなか至りにくい。特にWebなんてものに係っている人の多くは、いつ
でも派手でエッジなことを望むくせに、ダメージに弱い。

断然おすすめの体感方法は、、シュミレーション。
Web制作会社なら、まず自社内用のシステムや自社Webサイトなどを、顧客へ売
るのと全く同じように制作し、社内セールス活動をする。作った人には、使い
づらい部分はとことん罵倒する。プレゼン担当には、理解できない部分はつっ
こみまくる。社内的なそういったプロジェクトをキーにして、壁を外したりよ
り深い関係を構築していくことができるかもしれない。

機会があるなら顧客同行とか、顧客対応の代行もよいと思う。普通の企業で言
うところのOJT(On the Job Traning)というやつ。これは背中を見るだけで
はなくて、ニ者の関係のなかで仕事に対する自分のスタンスを作っていくとい
う研修方法だ。

自分の底をまだ認識していない人にとっては、危機感は刺激になるだろう。プ
ロフェッショナル同士の丁丁発止を肌で感じる。やらかしてしまう瞬間を目の
当たりにする。身近な人の仕事の進め方、ポリシー、能力を、顧客がどう判断
しているかを感じ取ることで、自分の水準をつくりまだアップしなければとい
う気になるだろう。

***

人に対して何かを気づかせ、導くということは、本当に難しい。BauHausは、
芸術と技術の融合という観点から、どのようにして技術者かつアーティストを
教育していったのだろうか、ますます興味深い。それぞれ勝手に、個性まんま
んに振舞って何ぼの世界で、一方で底を見極め、使える技術を向上していかな
ければならないことを考えると、Web屋は究極に難しい組織体なのではないか
という気さえしてくる。

組織みんなで「やりたいことをやろう」といえること、それに合った仕事を受
け、自分達の意志どおりにこなしていくこと。心地よい連帯感を感じるまでに
は、まだあまりにも考えることが多そうだ。

【uz】
某コンピューターパッケージベンダー勤務を経て、現在はWeb系ライター、Web
サイト構築業務に携わる。
「映画を研究する人々のためのサイト Urban Cinema Squad」
http://www.u-c-s.org/ もよろしく。

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■イベント案内
日本橋三越で今日からふたつの写真展
「here is new york 市民が見つめた9.11写真展」
荒木経惟写真展 ヘレナ・アラーキー「東京にて、愛。」
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●「here is new york 市民が見つめた9.11写真展」

「here is new yourk」は、昨年9月11日に起きたテロによるワールド・トレー
ドセンタービルの崩壊をテーマに、ニューヨークの市民が撮影した写真展。企
画したのはニューヨークに住む写真家や編集社ら4人。事件直後から作品の提
供を呼びかけ、7歳の子どもから著名な写真家まで、これまでに約5000点の作
品が寄せられた。今回、東京で展示されるのはそこから厳選した約400点。

会期 9月10日(火)~16日(月・振休)10:00~19:30(15日は19時閉場)
場所 日本橋三越本店1F中央ホール
主催 朝日新聞社 here is new york
後援 アメリカ大使館 朝日新聞厚生文化事業団
協力 キヤノン株式会社 キヤノン販売株式会社
入場無料

・World Vision
http://www.worldvision.or.jp/notice/page9.html
・here is new york
http://hereisnewyork.org/

●荒木経惟写真展 ヘレナ・アラーキー「東京にて、愛。」

今日から日本橋三越本店7階&屋上において写真・映像・ライブの大型コラボ
レーションイベントが行われる。題して、荒木経惟写真展 ヘレナ・アラーキ
ー「東京にて、愛。」。世界各地でも高い評価を得る転載写真家・荒木経惟が、
トップ・モデルのヘレナ・クリステンセンを被写体に撮り下ろした作品が一堂
に公開される。コスチュームは注目のファッション・デザイナーである津森千
里。荒木の処女作「ジャンヌ」のコンセプトをベースに'60sモノクロの世界が
甦る、新作約100点を7階と屋上に展示、ヘレナの写真作品も展示、ドキュメン
ト映像の上映、三者をゲストにパーティとライブ、期間限定コラボ・ショップ
など濃い内容になっている。

会期 7階と屋上 9月10日(火)~16日(月)10時~19時
   屋上のみ 9月17日(火)~23日(月)
会場 日本橋三越本店7階&屋上 TEL.03-3241-3311(日本橋三越本店)
入場料 一般500円(7階)中学生以下と屋上は入場無料。

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■新刊案内
Web年鑑2003
http://www.graphicsha.co.jp/Data/1366.html
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Web年鑑制作委員会編。「Web年鑑2003」は、この種の年鑑として高い評価を受
けた「Web年鑑2001」の続編であり、日本と海外の魅力的なサイトを多数掲載
している。本書では、デザインだけでなく、動作性、機能性、パフォーマンス、
インパクトなどを含めてサイトを総合的に評価している。Webサイトの専門家
によって優秀だと選定されたサイトのほか、Web年鑑2003には、世界的にもも
っとも独自性が強く、模範的なサイトも掲載されている。掲載する各サイトに
は、グラフィックデザインからインターフェスの設計まであらゆる要素に関す
る注釈が付けられ、掲載サイトの実際のコンテンツや、抜きんでた品質、リソ
ースを最大限に利用する方法なども紹介されている。Webサイト作成に携わる
人にとって必携の書。A4変型判総384ページ、オールカラー、グラフィック社
刊、定価12,000円(税別)
Web年鑑制作委員会のあるキノトロープのサイトに、掲載される710のサイトの
リンク集がある。
http://www.kinotrope.co.jp/wda2002/list.html

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■原稿募集
姉妹紙「写真を楽しむ生活」では、巻頭の写真コラムの原稿を募集します。写
真がテーマでしたら内容は自由。だいたい1500字程度(2500字というのは計算
ミスでした)。掲載できるかどうかの基準は、1.面白くて 2.ためになるカモ
しれない といったものです。


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■編集後記(9/10)
・またマンガネタですが。かわぐちかいじの「バッテリー」が単行本4巻で完
結した。そりゃそうだ、大長編は無理な設定なのだ。自責点を与えたらお話が
終わってしまうのだ。連続262イニング無失点、30勝0敗というマンガのような
(あ、マンガだ)ものすごい成績。どうやって自責点を与えずに話を続けるか
苦労しただろうなあ。終わりの方ではけっこうマンガのような(あ、マンガだ)
珍プレーもあるが、とても楽しめた。詳しくは読書犬ハニー号にて。(柴田)
・読書犬ハニー号
http://allabout.co.jp/diary/virtualbeauty/

・「最終兵器彼女」。「いいひと。」の作者さんの漫画だよ、と貸してもらっ
たのはいいものの、絵柄や「ちせ」というキャラクターがきっつー、エッチく
さー、で読むのどうしようかと思った。一話目でギブアップしそうになったが、
これは「いいひと。」の作者さんの漫画だと思って我慢した。ドラマの「いい
ひと。」と漫画は全然違うよ、と蛇足な一言。平凡な女子高生が最終兵器に改
造されてしまい、その事実を受け入れ戦う。人殺しは嫌だけど、自分が行かな
いともっと人が死ぬからと出撃する。兵器なんだけど恋愛していたい、自分が
人間であることを感じていたいという彼女。彼女の苦悩はよくあるヒーローも
のとは違う。彼女の強さ、大きさに驚く。事実を受け入れるため悩む主人公の
シュウジ。彼のモノローグがきつい。根本は戦争漫画なんだけど、表面にある
のは恋愛。戦いのシーンはほとんどなく、あるのは日常生活。だから余計にリ
アリティがあって、なくて、不思議と胸が痛くなる話だ。最終話のその後を考
えると辛い。作者のあとがきも。興味があったらぜひ。   (hammer.mule)
http://www.saikano.net/  アニメ公式。微妙にストーリーは違うみたい。
http://www.sinpre.com/  作者公式

・今日で10号の「写真を楽しむ生活」もよろしく。 http://dgcr.com/photo/
・「ベンチャー失敗の法則」をプレゼント。詳細は1152号。
・「ウェブサイト制作のワークフローと基礎技術」も。詳細は1151号。

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
アシスト    島田敬子 

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