[1400] 灰の底のダイヤモンド

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1400    2003/10/10.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20237部
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        <何かを失ってしまった者の悲しみ……>

■映画と本と音楽と… 187
 灰の底のダイヤモンド
 十河 進

■金曜ノラネコ便
 自転車業界の発表会ラッシュ
 須貝 弦

■ブックガイド&プレゼント
 3ds max アートワークガイド 毎日コミュニケーションズ刊



■映画と本と音楽と… 187
灰の底のダイヤモンド

十河 進
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●「灰とダイヤモンド」が与えた衝撃と影響

「灰とダイヤモンド」という映画のことを知ったのは、いつの頃だったろうか。
僕が映画を見始めた1960年代半ばには、すでに伝説の映画になっていた。しか
し、誰も見ることのできない映画だった。おそらく僕が住んでいた四国の地方
都市では上映されたこともなかっただろう。

僕は映画雑誌か、もしかしたら誰かの政治評論を読んで「灰とダイヤモンド」
を知ったのだと思う。まずポーランド映画だというのが珍しかった。その当時、
ヨーロッパ映画はフランス、イタリア、イギリスなどの作品がよく入ってきて
いたが、社会主義圏の映画はほとんど公開されなかったと記憶している。

文章を読んだだけで「灰とダイヤモンド」という映画が印象に残ったのは、そ
の映画が単に映画として紹介されているのではなく、思想的な何か、ポーラン
ドという国の政治的な何かを表現した作品として、同時に人間の普遍的な何か
を描き得たものとして捉えられていたからだ。十代半ばの少年には、それがと
ても重要なことに思えた。

先行する世代の先鋭的な評論家や小説家などが、一種の畏敬をこめたような、
あるいは熱に浮かされたような文章で「灰とダイヤモンド」のことを語ってい
た。それほどの衝撃をその映画は与えたようなのだった。先行する世代とは、
1960年前後に青年期を送った人たちである。その頃はいわゆる「政治の季節」
だった。

僕は「灰とダイヤモンド」について、活字からの情報はかなり取り込んだ。高
校生の頃に読んだ月刊誌「映画評論」の中の「『座頭市』で市と平手造酒が対
決し、斬られた方が斬った方にかぶさるのは『灰とダイヤモンド』の影響だ」
という文章をよく覚えている。「灰とダイヤモンド」は映像も衝撃的で、思想
的な映画だけでなくアクション映画にも影響を与えているようだった。

主人公のマチェクを演じたズビグニエフ・チブルスキーは「灰とダイヤモンド」
の完成後、列車に飛び乗ろうとして事故死し、ポーランドのジェームス・ディ
ーンと言われているのだというミーハー的情報も仕入れ、見たい気持ちはさら
に募った。

しかし、僕は「灰とダイヤモンド」を見ることができなかった。上京した後、
毎週、いくつかの名画座を回っていた時期にも僕は「灰とダイヤモンド」には
巡り会わなかった。時たま、図書館などで一日だけ自主上映されたりすること
もあったが、なぜかうまく都合がつかなかった。

結局、ズタズタにカットされた形でテレビ放映された時に初めて見たのだが、
それだけでも映像の斬新さはわかった。さらに完全な形のものを見たのは数十
年後のことだった。その時、すでにソ連は崩壊し、ポーランドも国の体制は変
わってしまっていた。

そんな時期に改めて1957年に作られたポーランド解放直後の時代を背景にした
映画を見ると、いろいろと感慨深い思いを抱いてしまう。この映画が公開され
た1959年、日本の青年たちは社会主義、共産主義に理想を見出していただろう
し、数十年後にそれらの国々の体制が崩壊するとは夢にも思っていなかっただ
ろう。

●薄いサングラスをかけ続けるマチェクが象徴するもの

ワルシャワはナチスに蹂躙された街である。多くのポーランド人がレジスタン
スに結集し、ナチスの目を逃れて長く地下水道に隠れ暮らした。マチェクもそ
のひとりだった。やがてソビエト軍によってナチスから解放されポーランドの
戦後は始まったが、ソ連をバックにする共産党政権とそれに反抗する自由主義
派との対立が激化する。

マチェクは自由主義派のテロリストである。ソ連から帰国した共産党幹部を暗
殺する指令を受けている。その待ち伏せの場面から映画は始まる。車に乗った
ふたりの男がやってくる。マチェクは仲間と銃撃し、ふたりを射殺する。だが、
それは人違いだった。マチェクは人を殺すことを嫌悪しながら、再び本当の標
的をつけ狙う。

アクション映画にさえ衝撃を与えたモノクロームの印象深い映像が随所に現れ
る。たとえば、撃たれた共産党幹部が仰角のアングルで捉えられ、その瞬間、
背後に打ち上げられる花火。撃たれた男はヨロヨロとマチェクに近寄り、彼に
抱きついてこときれる(「座頭市」に影響を与えたというシーンですね)。

そして、有名なラストシーン。真っ白なシーツが干された広場。兵隊に撃たれ
て傷つき血を流しながら逃げてきたマチェク。一枚のシーツにしがみつく。真
っ白なシーツを血が染めていく(モノクロームの映画だから白に黒いシミがに
じむのだが、それが素晴らしい)。

血を流しよろめきながらマチェクは逃げる。やがてゴミために落ち、その中で
ヒクヒクとけいれんしながら死んでいく。「まるで虫けらのように」と形容さ
れた死に様だ。そのパセティックな映像は、確かに当時の青年たちに衝撃を与
えただろう。もちろん僕も印象的に感じたが、活字での情報が先行していた分
だけ残念ながら衝撃は弱まった。

だが、映画が描くのはマチェクの行動というより内面である。陰翳のある映像
は、マチェクの内面を描き出すために入念に仕上げられた結果だ。冒頭、教会
に隠れて待ち伏せをする時に映し出されるキリスト像。その夜、バーで働く娘
と散策している時に見る逆さに吊されたキリスト像など、マチェクの心理を象
徴するものが描かれる。

マチェクはとても悲しそうに見える。彼は薄いサングラスを外さない。それは、
レジスタンスとして闘っている時に長く地下水道に潜み続けたために目を悪く
したからだと語られるが、同時にそれはマチェクがサングラスを通してしか現
実を見ていない(見たくない)ということだ。そして、僕らはサングラスを通
してしか彼の瞳を見ることができない。

サングラスをかけ続けるのは、彼の深い絶望を象徴しているのだと僕は思った。
薄いサングラスの奥の瞳は悲しみをたたえ、バーで働く娘に執拗に誘いを掛け
る時でさえ深い絶望を感じさせた。ニヒリスティックというのではない。何か
を失ってしまった者の悲しみ……、今、自分がやっていることに確信が持てな
いことの諦め……

●灰の中からダイヤモンドは生まれるか

かつて、ランボオは「いちばん高い塔の歌」で深い喪失感を詠った。

  ああ、心がただ一すじに打ち込める
  そんな時代は、再びこないものか?

マチェクにとって希望があったのはレジスタンスの時代だったのかもしれない。
共産党指導派と亡命政権が指導する自由主義派に別れてはいても、祖国の解放
のためにという同じ目的で同胞として闘った。多くの犠牲者は出た。常に死を
背負っていた。だが、それは「心がただ一筋に打ち込める時代」だったに違い
ない。

その闘いに勝利した今、同じポーランド人同士が殺し合っているのだ。親子で
さえ対立している。共産党幹部は長くソ連に亡命していたため、息子と会って
いなかった。その息子は確信的な反共主義者として育ち、父親の立場と真っ向
からぶつかり合う。そうした祖国の状況にマチェクは深く絶望している。

彼はワルシャワの話をする時だけ笑みを浮かべる。もう帰ってこない日々、失
われて取り戻せない時間、永遠に失われた何か、それが「ワルシャワ」という
言葉に象徴されるのだ。過去を懐かしむだけのセンチメンタリズムかもしれな
い。だが、マチェクは「陶酔の時」を思い出すように「ワルシャワ」という名
前を口にする。

彼は娘と廃墟と化した墓地を散策し、娘は古い墓碑銘を見つけて読み上げる。

  永遠の勝利のあかつきに 灰の底深く
  燦々たるダイヤモンドの残らんことを

それはポーランドの詩人ノルヴィッドの詩の一節だった。「ねえ、私たちは何」
と問いかける娘に「きみか、きみはダイヤモンドだ」とマチェクは答える。そ
の後にはおそらく「僕は灰だ」という言葉が続くはずだった。彼は燦々たるダ
イヤモンドを生み出す灰となることを甘受したのだ。

灰とダイヤモンドは同じ元素でできている。炭素である。同じ炭素なのに片方
はダイヤモンドとなり、片方は灰となる。何が原因でそうなるのか。同じよう
に銃を持ち闘っていても、かつて「心がただ一すじに打ち込めた」時代とは異
なり、今、マチェクの心に巣くう空隙は何なのか。自分が灰としてしか生きら
れないことを知ったからか。思い知らされたからだろうか。

ダイヤモンドが生まれるためには、灰として散っていく多くの存在が必要なの
かもしれない。灰となるか、ダイヤモンドとなるか。ほとんどの人が灰として
死んでいき、ほんの一握りの人たちがダイヤモンドとなる。ダイヤモンドとな
り得た人たちは「ああ、心がただ一すじに打ち込める、そんな時代は、再びこ
ないものか?」と嘆くことはないだろう。

僕は灰だ。ポーランド語ではPopiolと言うらしい。僕自身はダイヤモンドでは
ないから、ランボオの詩が身に沁みる。ダイヤモンドになれない人間は、決し
てやってこない陶酔の時を虚しく待ち続け、ゴミためで虫けらのように無価値
に死んでいく……

「灰とダイヤモンド」が描いた人間の普遍的な何か、とはそういう人生の虚し
さのようなものだったと思う。それは救いのない、有り体に言えばミもフタも
ないペシミスティックな人間観かもしれない。しかし、多くの場合、悲観的な
世界観の方が共感を得るものなのである。

しかし…、と僕は言おう。すべての映画や小説は、多かれ少なかれ灰の人生を
描いている。ダイヤモンドになることを夢見ながら苦悩し、絶望し、それでも
己を圧殺しようとする現実に負けまいと懸命に生きていく人間の姿こそが強く
僕の心を揺さぶる。体の奥底に深く刻み込まれる。いつまでも残る。

満ち足りたダイヤモンドの人生を描くことに何の意味がある?

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
一時期、原稿のストックをかなり作っていたのだけど底をつき、最近は少し追
われ気味。何度も読み返していた頃に較べ、推敲の時間も減っている。変換ミ
スを柴田さんに指摘されることも増えた。隔週にしてもらおうかなあ、と弱音
を吐く自分を励ます。

旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

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■金曜ノラネコ便
自転車業界の発表会ラッシュ

須貝 弦
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「戸田ツトムさんのワンマンショー」を見に行く予定が、前日から風邪をひい
てダウンしてしまった。アポも納品予定もなかったからいいものの、一日中布
団の中で過ごすのは憂鬱なものだ。ふだんなら風邪をひいてもネットサーフィ
ンくらいはしているのだが、今回はグーグーと寝まくった。そんなに疲れてい
たのだろうか。

そういえば、9月は自転車メーカーの新製品発表会ラッシュで大変だった。自
転車業界というのは、どういうわけか9月に一斉に来年の新製品を発表し、そ
れぞれの会社がバラバラに発表会を行なうようになっている。11月には「東京
国際自転車展」というイベントがあり、本来はそこが新製品発表の場になるは
ずなのだが、自転車業界のカレンダー的には「11月では遅い」のだそうだ。

そこで、9月中に一斉に発表会を行ない、そこでショップから「早期受注」を
受けたりするわけだ。発表会は、ショップが休みのことが多い火曜日と水曜日
を狙って都内各所で行なわれる。定番の会場は赤坂にある「自転車会館」で、
ここは毎週どこかしらのメーカーが使っていた。もうひとつの定番が、池袋の
ミプロと文化会館。海外からスポーツバイクを輸入している代理店は、池袋が
多い。変わったところでは、科学技術館や墨田区役所というのもあった。どう
いうわけか公共絡みの施設が使われることが多く、会場を借りる費用は結構安
く済んでいるらしい。

自転車雑誌を作っている人たちも、この短期集中型発表会に参戦して、各会場
を効率良く回って取材しなくてはいけない。したがって前日の夜に携帯電話に
「須貝さん、明日は朝8時50分に会社に集合です」なんて電話が入り、指定さ
れた時間に出版社に行ってみると、真っ白な日産キャラバンのレンタカーに詰
め込まれ、「すみません、ど、どこの現場に連れて行かれるんですか?」とい
う状態になる。まぁそれでも、自転車という業界に関わりはじめたばかりの私
にとっては、楽しい部分もある。

いろいろな発表会を回ってみて、ちょっと考えた。私はどちらかというとロー
ドバイクが好きなのだが、マウンテンバイクにも気になるものがいくつかあっ
た。なかには「コレちょっと欲しいかも」と思う新モデルもある。マウンテン
バイクの世界では、とくに前後サスペンションを搭載したバイクの技術進歩の
スピードが速く、2~3年前の新型がすでに時代遅れだったりするのだ。

で、04モデルの新しいマウンテンバイクを実際にいろいろと眺め、そしてカタ
ログもジーッと眺めて考えた。「ところでマウンテンバイクってどこで乗れば
いいんだろう」と。河川敷の砂利道を走るだけではもったいない、豪華なサス
ペンションを搭載したこのマウンテンバイク、誰がどこで乗るのか。マウンテ
ンバイクに40万とか50万とか払って、どうするのか。

私の住んでいる東京都町田市は、まだまだ自然がたくさんある。未舗装の山道
も探せばまだまだあるのだが、ここ数年で一気に「自転車立ち入り禁止」もし
くは「部外者立ち入り禁止」が増えた(子供の頃から当たり前のように通って
いた道が実は私有地だったというのは、よくある話で)。もっと自然が豊富な
ところでも、マウンテンバイクの進入を禁止する林道が少しずつ増えているよ
うだ。

マウンテンバイクはいざとなったら担げてしまうので、クルマが入ってこない
ようなハイキングコースでも走れてしまう。今までそんなコトをする人の数は
少なかったし、先人たちはそこそこマナーにも気を遣っていたので、そんなに
問題はなかった。マナーと言ったって、スピードを出し過ぎない/ハイカーに
出会ったら道を譲って挨拶する/地面を荒らすような走り方をしない/ゴミを
捨てない――程度のことだ。

しかし、マウンテンバイク人口もハイカー人口も増えてしまった。マナーのな
ってないマウンテンバイカーも増えたし、自分のマナーは差し置いて他人のマ
ナーにはうるさいハイカーも増えた。不幸な出会いってやつだろうか。4WDの
オフロード車がはやったときに「林道暴走族」なんて呼ばれるやつらがいたの
と同じで、多かれ少なかれ必ず問題は起きてしまう。寂しいことだ。

マウンテンバイクも本格的にダート走行を楽しもうと思ったら、車も入れるよ
うな林道か、または専用のコースで楽しむようになるのかもしれない。たとえ
ば「富士見パノラマスキー場」が夏期シーズンはマウンテンバイクコースを営
業しているし、東京圏だったら「相模湖ピクニックランド」にも専用のコース
がある。幕張のマリンスタジアムのそばにもコースがあって、レースも開催さ
れている。

東京圏の人が本格的な林道に行くとすれば、秩父エリアが手っ取り早いのだろ
うか。しかし自転車も四輪もオートバイもみんな「秩父は面白いらしい」と思
っているらしく、そうやって「メッカ」になっていくとまた何かあるんじゃな
いかと不安になってしまう。

ある自転車ショップのオーナーは言っていた。
「みんなでマウンテンバイクで山道を走るときは、1年に2回同じところを走る
ことはまずない。目立っていいことなんて何もないから」

【すがい・げん】sugai@macforest.com
そうはいいつつ、大滝村のレースには出てみたい。本当は鳥海山のイベントに
も出てみたかった。とりあえず相模湖ピクニックランドか?と、マウンテンバ
イクにも興味津々の28歳。いや、すでに1台持ってますけどね。なるべく半角
の文字を使いたくないので、全部「マウンテンバイク」にしてみました。

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■ブックガイド&プレゼント
3ds max アートワークガイド 毎日コミュニケーションズ刊
http://book.mycom.co.jp/book/4-8399-1036-7/4-8399-1036-7.shtml
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著者:eyelogy Co.,Ltd. ほんだ しょうこ
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発売日:2003年09月29日 毎日コミュニケーションズ刊
・ISBN4-8399-1036-7
内容:3D系クリエイターの必携ツールの一つである3dmax5のプロによる、キャ
ラクタ制作、バックグラウンド制作に特化した実践チュートリアルです。ハイ
クオリティな実例を元に、それらをどのようにして描いて行くかを、ステップ
・バイ・ステップ方式で詳細に解説します。

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募フォームをつかってください。締切は10月24日(金)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に10月27日頃掲載予定です。
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自画自賛になりますが、入門書としては最適な本なのではないかと思います。
わたしはこの本の企画、制作を担当したアイロジーの石野剛太といいます(有
限会社アイロジーは六本木を拠点として、CG制作を行っています。TVの「志村
けんのバカ殿様」のオープニングなどを制作)。

この本はアイロジーの本田正子が執筆しています。女性ならではの視点で、き
めこまやかな説明ができているのが特徴だと思います。今月、3dsmax 6が米国
で出ます。この本は、最新版にも十分通用しますので、安心してお買い求めく
ださい。もちろん、古いバージョンの人でも大丈夫です。maxの基本機能は、
昔からあまり変化していませんから。

チュートリアルをやっていない人も、これだけは買ってやってみてください。
読んでみると目からウロコが落ちるかもしれません。maxユーザーじゃない人
も、立読みでもかまいませんから、一度読んでみてください。お手持ちのCG
ソフトにも生かせる方法がきっと見つかるはずです。

たとえば、難解な人体モデリングも、この作図を見るだけで、仕組みが簡単に
理解できます。頓挫してしまったCG美少女を完成できる日が近くなるかもしれ
ません。

そんなサービス満点の本ですが、執筆時はかなり苦労しました。啓蒙する側は、
多少イジワルな方が教育効果が上がるのですが(全部書いてしまうのではなく、
読者にも考えさせることによって記憶の定着を図る)、今回はそういったこと
はやめて、必要な情報は全て掲載し、分かりやすく書くことに専念しました。

CGソフトはバージョンアップの度に、他のソフトとの差別化を図るため、派手
な新機能を搭載したりします。もちろん、そういった機能は使い方によっては
非常に便利で有益なのですが、本当にほしかった待望の機能なのか? と考え
ると、案外そうではない場合が多いのです。

そして、現場ではそういった特殊な機能よりも、従来から搭載されている機能
を駆使した方が、手慣れているため作業効率が向上したりします。その点に着
眼しつつ、CG雑誌にありがちなジャーナリスティックな視点もなるべく排除し
(一生に一回くらいしか使用しないTipsとか)、地味でベーシックな作業手順
を披露しています。

といっても、ただ地道なだけでは、スグ飽きてくるでしょうから、作図は魅力
的なモノになるように心がけたつもりです。これを読んで、一人でも多く、自
分の作りたいモノを作れるようになったり、作品制作に生かせることができた
ならば、執筆した者としてこんな嬉しいことはありません。(石野剛太)

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■編集後記(10/10)
・須貝さんが姿を見せなかった「戸田ツトムさんのワンマンショー」に参加し
た。「フォント、DTPを取り巻くメディアの状況」という具体的なお題だった
が、実際に話された内容はいささか文学的、哲学的であり、かなり抽象的で難
解なものだった。いや、一つずつの話はわかるし、面白いのだが、そのエピソ
ード同士の関連とトータルな意味はじつはよく分からなかった。マージナルゾ
ーンの意義を言っていたのだとは思うが。歳とともに、ますますわたしの脳の
活動は鈍くなっていくのだろう。わたしは5~10年くらい前が一番頭の回転が
冴えていたようだ。そのころあちこちの雑誌に書いた文章を読み返すと、まる
で他人が書いたみたいだ。年末の引っ越しに備えて、そういう過去のものは全
部捨ててしまった。そして今も捨て続けている。けっこう気持ちいい。(柴田)

・大阪の試合は面白くない。わかっている。面白かった試しがない。バンナに
続き、ホーストまで欠場。なんじゃそりゃ。これで試合まで面白くなかったら
許せない~! この間のフィリオとベルナルドみたいな試合だったら怒るで。
ひさびさに生で見ようと思ったのにっ。/先週、面白い映画がないかと書いた
ら読者さんから推薦メールが届く。ありがとうございます。でも私の持ってい
る券では、それらの映画は見られないとわかって残念。うーん、マッチステッ
クメンは面白いかな。S.W.A.T.はどうかな。キル・ビルまで待つか? リーグ
・オブ・レジェンドとトゥームレーダー2、ジョニー・イングリッシュはいま
いち興味が湧かないな。トゥームレーダーは見たけどなぁ。 (hammer.mule)

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 プロフェッショナル・フォトグラファーのためのデジタルカメラと周辺機材
 2004 1391号
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