[1437] 父から子へ伝わるもの

投稿:  著者:  読了時間:22分(本文:約10,900文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1437   2003/12/05.Fri.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 19920部
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  【お知らせ:デジクリは12/8(月)~12/12(金)臨時休刊します】

■映画と本と音楽と… 195
 父から子へ伝わるもの
 十河 進

■かりん島
 ライスボールwithピクニック
 「六本木ヒルズ 森美術館」
 北川かりん

■金曜ノラネコ便
 仕事場というより自転車置き場
 須貝 弦



■映画と本と音楽と… 195
父から子へ伝わるもの

十河 進
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●共に家を建てる

ケビン・クライン主演の「海辺の家」(2001)を見ていたら、昔の建築現場を
思い出した。「海辺の家」は、数カ月後に死ぬことを知った主人公が息子と共
に家を建て直す話である。16才の息子は離婚した妻と暮らしており、自分を持
て余すようにマリファナやシンナーに溺れ、荒れている設定だ。

もちろん、ふたりは家を建てる過程で理解し合い、荒れていた息子は穏やかに
なり、主人公の死後、ひとりで家を完成させる。お約束のような展開だが、そ
うなることを期待している観客たちに、どんな結末を提供できる? どちらに
しろ映画なのである。苦い結末だったら、僕も見たくはない。

父と子、という関係はなかなかむずかしい。僕にも息子と娘がいるけれど、こ
とさら何かを伝えようとすることなど、普通の親子関係の中では成立しないと
思う。親の背中を見て子供は育つというが、自分のことを思い返しても父親か
ら改まって何かを継承したことなどなく、結局、その生き方を見て育ったと実
感する。その姿は時には教師であり、時には反面教師だった。

家を建てることでコミュニケーションを成立させていく話としては、ロバート・
B・パーカーの「初秋」が印象深い。探偵スペンサーの七作目の長篇だ。スペ
ンサー・シリーズで僕が最も好きな話である。両親に見放された自閉症気味の
少年に、スペンサーは一緒に家を建てることによって、人生に立ち向かうこと
を教えていく。生き方を学ばせる。自立心を培わせる。

しかし、この小説が成立するのはスペンサーと少年が親子ではないからだ。こ
こには擬似的な親子関係の成立が描かれるが、男同士の友情と同じように、肉
親ではないからこそ「教える立場」と「教えられる立場」が素直に成り立つの
だ。肉親であれば、そこにはいろいろと複雑でややこしい感情がからんでくる
だろう。

僕も息子ができたら「初秋」のスペンサーのように何かを教えられたらいいな
と思っていたけれど、実際に息子ができると子供を育てるというのはメシを食
わせ教育を受けさせ、人に迷惑をかけないようにしつけ、それ以外は見守って
いることしかできないのだと思い知らされた。

●父親の仕事現場

「海辺の家」を見ながら昔の建築現場を思い出したのは、子供の頃からなじみ
があったからだろう。今と違って、昔は近所の建築途中の家の中で遊び回れた
ものだったが、僕の場合は父がタイル職人だったので子供の頃から父の仕事現
場にいくことが多かった。

忙しい時には母も僕を連れて現場に手伝いにいっていた。親方をやっていた父
のところには多い時で十人近くの職人がいたが、景気がいい時は下働きが不足
することがあったのだ。中学を卒業したばかりのアンちゃんがふたりほど住み
込みでいたが、忙しくなると母は現場に入りセメントと砂をこねたりした。

考えてみれば、普通の民家とはいえ建築現場だから、けっこう危険だったはず
だが、僕は父や母が働いている横で機嫌よく遊んでいたらしい。少し大きくな
ると、休みの時に小遣い稼ぎのために父の手伝いに出るようになった。一輪車
に30キロもあるセメント袋を積んでフラフラしながら運んだ記憶がある。

現場での父は弟子たちにテキパキと指示を出し、黙々と働いていた。昼休みに
なると弁当を食べ、寒くなると石油缶で木っ端を燃やしながら暖をとり、大工
や左官たちと話をした。そんな時、僕は黙って父の横で話を聞いているだけだ
ったが、家にいる時とは父の印象はずいぶん違っていた。

昼休みの会話には、今から思うとかなりきわどい話題もあった。内容はわから
なかったが、大人たちの笑いのニュアンスで僕はそれを感じた。時には僕に向
かって卑猥な冗談を言う職人もいた。僕には何のことかわからなかったが、言
葉のニュアンスと周りの反応でヘンだなと感じた。

父を見ると一緒になって笑っている。家ではほとんど口を利かなかった父の意
外な一面を見た思いだった。しかし、今から思えば、働いている父を見たこと
はよかった、とつくづく思う。まさに「親父の背中」を見た思いだった。

●建築現場の想い出

建築現場の想い出では、ひとつ忘れられないことがある。小学校五年生の時だ
ったと思う。いくら親方だといっても、職人だから日雇い仕事である。不景気
になると仕事にあぶれることもあった。そんな不安定な経済を改善するためだ
ったのだろう、我が家の裏庭をつぶして二階建てのアパートを建てることにな
った。その時、僕は初めて棟上げを経験した。

最近、棟上げをやっている家などは見かけないが、昔はどこの家でもやったも
のだ。子供たちの間にはそんな情報網があり「今日は、どこどこで棟上げがあ
る」というニュースはクラスの中で飛び交った。僕らは学校が終わると急いで
帰宅し、鞄を放り投げて自転車で新築の建設現場まで走った。

その日、我が家の棟上げのことは、もちろんみんな知っていた。神主がくる。
簡単な神棚が作られて祭られる。父親と母親が真ん前に立ち、僕と兄はその後
ろに並ぶ。神妙な顔をして大工の棟梁の後ろに立つ。祝詞が始まる。その頃の
僕にとっては耐えられないほど長い時間だった。

儀式が終わり、いよいよお菓子や餅や木札をばらまく時がやってくる。見下ろ
すと大勢の人々がこちらを期待に充ちて見上げていた。「ソゴー、こっちや」
と叫んでいるデブは学校一の乱暴者の中村君だった。薫という名に似合わない
ガキ大将で、僕も何度かいじめられたことがある。

誰があんな奴のところに投げてやるかと思ったが、何かを拾わせないと学校で
またいじめられるな、という考えが脳裏をよぎる。まず、父が大きな木箱に手
を入れて両手に餅やらお菓子やらを抱えるように取り出した。一斉に振りまく。
人々が争って拾い始める。

僕はなるべく遠くへ投げた。ほとんどが顔を知っている人たちだったが、誰が
いるのかはよくわからなかった。二学期になって転校してきた同じクラスの中
西君の顔が見えたけれど、シャイな中西君は少し遠くにいた。中西君は、人と
争ってまで何かを手に入れようとする性格ではなかった。

僕は彼に向かってグリコのサイコロキャラメルやカバヤの付録付きキャラメル、
前田のクリケットや森永のチョコレートを投げたけれど、彼が拾えたかどうか
はわからなかった。

ちょっと高価な景品は最後に投げる。父が「酒一升」などと書かれた木札を何
枚か投げ、人の群れが一斉にその木札をめざした。最後に、木箱を持ち上げて
逆さにしてばらまく。もうすべて投げ終わったよ、という合図である。

●もうひとつの父と子

棟上げの後は自宅の座敷で宴会が始まった。職人たちに祝い膳と酒が振る舞わ
れる。父は一滴も飲めなかったから、ひとりで酌をしてまわった。母親は酒を
燗したり、料理を追加したりと忙しかった。僕と兄は食事をして玄関脇の小部
屋に籠もっていた。

その時、玄関をドンドンと叩く音がした。ひどく乱暴な叩き方だった。父が玄
関を開けると、その男が入ってきた。酔っているようだった。男は、そのまま
玄関の上がりがまちに腰を据えた。

子供心に不安に感じたのだろう、その時のことは今でも映像が浮かぶほどよく
覚えている。その夜、やってきた男はかなり酔っていて、応対に出た父に最初
からからんでいた。上がりがまちに腰を下ろし、怒鳴り声をあげた。僕は玄関
の隣の部屋にいて兄と身を寄せ合っていたが、次第に男が何を言っているのか
がわかってきた。

男は棟上げで一升酒の札を拾ったのだが、失くしてしまった、ただし、拾った
のは間違いないから酒を寄こせ、と言っているのだった。父は何度も「札は全
部交換したのだからそんなはずはない」と繰り返すのだが、男は「拾ったのは
確かだ。誰かが俺が落とした札を持ってきたのだ」と言い募った。

暴力までは振るわなかったが、床を叩くことは度々だった。怒鳴り声も続き、
さすがに父も答える言葉がなくなったのだろう、一度、座敷に入り母親と何か
相談していた。僕が母親に呼ばれたのは、そのすぐ後だった。

僕は、近くの酒屋まで使いに出された。一番安いのでよいから、酒を一升瓶で
買ってこいと命じられたのだ。僕は一升瓶を抱えてうちを出た。その頃は、ま
だ升での量り売りをやっていたのだ。

その酒屋は近所だから顔なじみだったけれど、客としていくのは珍しかった。
その日、初めて我が家は上客になったのだ。「酒、足らんようになったんか」
と酒屋の主人が気安く声をかけてきた。

僕は事情を話した。「どんな男や」と聞く主人に、僕はやってきた男の特徴を
話した。主人はゆっくりとうなずくと口を開いた。

──あれは中西ゆうて、この夏に西浜の方から引っ越してきた奴や。向こうで
もいろいろ不義理しておられんようになったゆうて聞いたなあ。何もせんで、
昼真っから酒ばっかり喰ろうとるゴクツブシや。カミサンが働きに出とるらし
い……、子供がよううちに酒買いにきよるけど、掛売りは断っとる。

その時、僕は、一升瓶を抱えて酒屋にやってくる中西君を思い浮かべた。掛売
りを断られても、中西君は店先でじっと立っていそうな気がした。何も言わず、
いつものように少しはにかんだ表情をして立っている中西君……

あの頃、中西君は父親のどんな背中を見ていたのだろうか。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
先週、ナンバリングが192になっていました。今回で195回めですね。文章量は
400字詰め原稿用紙換算で2000枚を越えました。中井英夫の「虚無への供物」
が1200枚だそうだから、ちょっとうれしい。200回めは年明けです。年末年始
に書きためなくては…。

旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

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■かりん島
ライスボールwithピクニック
「六本木ヒルズ 森美術館」

北川かりん
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来年2月に開催されるグループ展のオリエンテーションに参加する為、銀座に
出かけた。小雨そぼふる日曜日。こんな天気だったら、もしやさすがの六本木
ヒルズもちょっとは空いてるかも。という考えがよぎり、横浜への帰り道、急
遽途中下車する事にした。

六本木ヒルズは2回目だ。初めて行ったのは、出来たばかりのホヤホヤの時で、
この時美術館のオープンが先の話だという事を全く知らず、ただ人ごみに翻弄
されて、帰ってきたのだった。

六本木の駅改札を抜けて、エスカレーターで地上に出ると、森ビル様!がデー
ンと目に飛び込んでくる。地面には村上隆のキャラクターが描かれ、美術館ま
で誘導してくれる。「私は村上隆を踏んでるぞ!。ふふふ」と、間違った優越
感に浸りながら道を進む。

雨だというのに、充分な人の多さだ。きっとこれでも普段よりは少ないのでは
ないだろうか? どうやら、六本木ヒルズツアーというのがあるらしく、旗を
持ったお姉さんの後をぞろぞろ、じいさん&ばあさんがついて行く。お洒落な
ニュースポットのわりに、聞こえてくるのは、関西弁や東北弁で、六本人の方
が少なそうだ。

高速エレベーターに乗せられ、気圧のおかげで耳がキンキンするのを耐え、52
階と53階にある森美術館にやっと到着。今は開館記念展として「ハピネス」と
いうタイトルの展覧会が行われている。

まずは、入場してすぐに、大好きな森村泰昌さんの作品が壁一面にデデーん!
と登場し、私を迎え入れてくれた。森村さんご本人と去年エプソン賞をいただ
いた時にパーティ会場でお話させてもらった事もあって、ググっと親近感が沸
く。ま、向こうはもう忘れてるかもしないけどね。

どんなインクジェットプリンタやねん! とでっかくジャンプしてツッコミを
入れたくなるような巨大タペストリーが四方の壁面を占拠し、ジャンボ森村さ
んにその空間は占拠されている。しょっぱなからいきなりスゴイパンチをくら
い、中へと進んでいく。

その内容は超豪華! 古今東西の名画、仏像、現代アートの人気作家が一堂に
集まり、嗚呼なんでそんなにバブルスくん! もう目がクラクラしちゃう。

しかし、スゴイ人で、ひとつの作品をゆっくり堪能したいけど、広いし、後ろ
から人はどんどんやってくるしで、何だか、こんなに美術に人が集まるなんて、
スゴイなー、一体みんな何に惹かれてくるんだろうなーと、考えていたら、前
のおじさんが「なんだっぺ、これ?」と叫んでた。

おじさんが不思議に思った対象物は、オノ・ヨーコの作品で、透明のアクリル
BOXにりんごが一個ぽつんとのせられ、その下には「Apple」というネームプレ
ートが付けられているものだった。

もひとりのオヤジがやってきて「どしたの?」と相棒の顔を覗き込む。二人し
てただのリンゴに腕組して考え込んでいる姿がおかしかった。しばらくして、
おじさんの出した答えは「これが芸術だ?ぺ」という事だった。この作品の前
には常に人だかりが出来ていて、みんな考えこんでいる。

この光景を見て、はじめてオノ・ヨーコって天才やなーと思った。リンゴひと
つでこれだけ人を惹きつけて、田舎のオヤジに一瞬でも「芸術って何?」とい
う問いに対する答えを考えさせるなんて!そりゃジョン・レノンも惚れるわな。

最近展覧会に行くと、コラムの為に必ずメモをとりながら、見てまわっている。
書く事で、とても貪欲に見れる。流し歩いて見ていた頃より展覧会そのものを
堪能できるのだ。

しかし、今日は注意されてしまった。会場では、ボールペン等の固いものは禁
止しているので、どうしてもメモをとりたいのならこの鉛筆を使って下さいと
係の人に言われる。うーん、ボールペンで作品を突く輩でもいたのだろうか?
それとも落書きされた時、最悪鉛筆なら消しゴムで消せるからかな? でも、
鉛筆でも突き刺せるけどなーと思いつつ大人しく鉛筆でメモをとる。

家族連れが展示室に入るのに止められているのが見えたので、近寄ってみた。
そこは浮世絵の春画のコーナーで18歳未満は入れないらしい。江戸時代の18禁
なんて、大した事ないんじゃないの? 入れてやりなさいよーと、思いながら、
お先に失礼と入ってみると「あー、これは良い子のみんなは見ちゃダメよー!」
って、確かに言いたくなるな。

性器そのものが描かれていて、「チ○コ、デカっ!」と心の声を思わず口に出
してヒンシュクを買う。作者の名前が<勝川春章>っていうのが又いいよね。
いやー、いつの時代も人って大して変わんないもんなのね。

数々の名作を見終わって、大きなガラス窓から東京の街を見る。雨が蒸気とな
って地上から立ち込め、モヤが黄色く濁った海を覆いかぶしている。見上げる
と雲が間近に見えて、手を伸ばせば届きそうだ。雲の合間から細く日光が差し
込み、薄くぼやけた東京の街はまるでCGで描かれたようだ。

現実を見ているのに、フィクションを思い浮かべるなんて、私もメディアに毒
されているなと思った。この街も人が造り上げたフィクションであって、本当
の自然ではないからそう思うのかもしれない。まるで、バベルの塔のようなこ
の大きなビルの52階から下を見下ろしながら、「人はどこへ行くのだろう?」
って、そんな事を少し考えた。

しかし、これだけの展覧会はかなりの財力がないと開けない。こういうお金持
ちが新しい文化にお金を出してくれるのはいい事だ。作家を育成し、新しい文
化を生み出す場所として森美術館に期待している。
……って、オマエ何様やねん!

【北川かりん】
●TASU ART WORK
http://www.h3.dion.ne.jp/~tasu/
*今回はおにぎりを持っていくのを忘れ空腹でのりきりました。

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■金曜ノラネコ便
仕事場というより自転車置き場

須貝 弦
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●雑然としてデタラメな部屋

雑誌などで、「クリエイターの仕事場」がネタとして扱われることがときどき
ある。それは会社だったり個人だったりいろいろだが、まぁどこを見てもうら
やましいような仕事環境ばかりだ。レイアウトが練られ、什器にもじゅうぶん
お金がかけられている。自分たちの仕事場に対してもクリエイティビティを発
揮できる人たちが、ちょっとうらやましかったりする。

私が会社勤めをしていたときは、かなり雑然とした環境が多かった。最初の勤
め先は「営業部」みたいなところで、そこそこまともな環境だったのだが、そ
の後はずっと雑然路線を突き進んでいる。今は生活の場である実家とは別に仕
事部屋を借りているが、そこももちろん「雑然系」だ。幸いなことにカオスま
では至っていないが、なかなかデタラメな環境である。

まず、玄関を開けるとフローリングのDKが広がっており、そこが仕事スペース
になっている。壁側にはデスクとイス、そしてミニ冷蔵庫が置かれ、反対側に
はキッチンが展開されている。そしてDKの奥に畳の部屋があるのだが、その境
目にはロードレーサー(自転車)が鎮座しているのだ。

仕事をしているときは白い壁に向かっているのだが、ちょっと左後方を振り返
ると愛車が置いてある。仕事中に煮詰まったら、振り返ってはニヤニヤし、気
が済んだらまた仕事に戻る。もしくは部屋の中央まで持ってきてしまい、じっ
くりと眺めたりもする。ディスプレイ用のスタンドもだって、買ってある。

ふすまで仕切られた畳の部屋に入ると、ローテーブル(というよりちゃぶ台)
が鎮座し、そして部屋の左側にはやっぱり自転車が鎮座している。しかも2台
だ。1台はロードレーサーで、もう1台はマウンテンバイク。さすがに畳に直に
置くのはいかんので、無印良品でテーブルを買ったときの大きな段ボールを、
バラして敷いてある。これがまた雑然さを強調する。

カーペットを敷いて、自転車をディスプレイするラックを置けばもっと見栄え
がするのかもしれないが、私自身は畳部屋にカーペットを敷くのがあまり好み
ではない。畳は畳として使いたいと思っている。しかし、せめて部屋の一部分
に床の間のような空間を作り、そこに自転車関係のモノをまとめるくらいのこ
とは考えたほうがいいのかもしれない。

あれ? 仕事環境の話じゃなくて、自転車部屋の話になっている。実際のとこ
ろ周囲からは「自転車置き場」とか呼ばれ始めているくらいだから、当然と言
えば当然なんだけど……。

仕事モードの話に戻すと、私の部屋は新宿から電車とバスで50分も離れたとこ
ろにあり、そして人から「先生」扱いを受けることは一切ないので、誰かが仕
事の用件で訪ねてくるということが、ほとんどない。その点では「打ち合わせ
できるスペースを」などと考える必要がないので気が楽だ。

ただし裏を返すと、全ての打ち合わせに対して私のほうから出向いているので
あり、しかもどこかに出かけるたびに確実に片道1時間かかる。打ち合わせの
時間よりも、行き来している時間のほうがはるかに多い。また、アポが複数入
っていると、一日中出かけたままになってしまう。

例えば13時に池尻大橋、16時に田町――これでもう、一日中外にいることが決
定する。もし渋谷に拠点を構えていれば、池尻大橋から一度渋谷に戻り、少し
仕事をしてから田町に出直すなんてことができるかもしれない。でも私にはそ
れができないから、その間はコーヒーショップが仕事場になる。

最近は公衆無線インターネットが充実していているし、あるコーヒーショップ
では数こそ限られるものの電源コンセントだって貸してくれる。コーヒー一杯
で手に入る仕事場、といったところだ。今だって、市ヶ谷のコーヒーショップ
でトースト食べながらコレを書いているくいらいだし。今は空いていて4人掛
けのテーブルを独占できているから、なかなか快適だったりして。

そんなわけだから、仕事部屋にいるより外にいるほうが効率が高かったりもし
て、仕事部屋の稼働率が低くなってきているのが目下の悩みだ。物置としては
非常に有効だが、それにしちゃ経費がかかり過ぎている。もちろん、自転車置
き場として考えても同様だ。以前からずーっと言い続けて、今年になってやっ
と実現した仕事部屋だが(いろいろ妥協したせいもあって)問題も多い。仕事
部屋の徹底活用を、来年の課題のひとつにしたいと思う。

●さて「金曜ノラネコ便」よりお知らせがあります

フラッと公園の東屋の下にあつまり世間話をしては、またフラッとどこかへ消
えて行く。そんな「金曜ノラネコ便」にちょっとした事件があった。私と隔週
交代でつぶやていたあのノラネコが、このあいだ偶然に元の飼い主と遭遇した
のだ。どうやらノラネコというよりも、迷いネコだったらしい。そのまま飼い
主に抱きかかえられて、どこかへ行ってしまったのである――ということで、
堀本真理美からのご挨拶です。

●ごあいさつ:堀本真理美(mari@macforest.com)

すっかり寒くなり、巷には華やかなクリスマスと気ぜわしい師走の空気が流れ
始めましたね。さて、この度わたくしノラネコ1号は、街で偶然に元・飼い主
と再会したため、ノラネコから飼い猫に戻ることになりました。よって、来年
からの「金曜ノラネコ便」はノラネコ2号の須貝氏がピンで後を引き継いでく
れます。

2002年からレギュラー執筆陣に加えて頂きましたが、早いもので2003年の終わ
りを迎えようとしています。コラムを読んでご意見・ご感想をメールして下さ
った皆さま、ありがとうございました!

何度か配信形式を変えたりして長かったような短かったような2年間。見守っ
て下さった柴田編集長&濱村デスク、お世話になりました!
またどこかで皆さまにお会いできることを願って。にゃお。

【すがい・げん】sugai@macforest.com
1号に「じゃぁ来年から"金曜じてんしゃ便"にします」と行ったらブーイング
が。ちなみに1号、2号は歳の順である:-P

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■編集後記(12/5)
・5時半起き。粗大ゴミ、資源ゴミ捨ての最後のチャンス。夜中に出せばいい
じゃんという声もあるが、なにかうしろめたい感じなのでやらない。とはいえ
誰も見ていない早朝に出すのも、ちょっとうしろめたいから。とにかく半端な
量ではない。本はさすがに娘に自動車を出してもらい運んだが、ゴミ置き場で
いままで見たことないような巨大な山に。もっとも、30分後にはきれいになく
なっていた。中国で紙の需要が急激に増えており、日本の古紙はそのために使
われるそうで、回収業者がトラックで頻繁に巡回しているのだ。朝から疲労困
憊。もう一度寝直ししたい体調だ。引っ越し話もこれで終わりかな。(柴田)

・ソフトバレエのライブに行く。楽しかった~。やっと「復活」の冠がとれた
ような気がした。若い男の子が増えていたなぁ。また行きたい~。/ライブ後、
その友人と南堀江で食事。お互いの近況報告。流れから「ノア」や「闘龍門」
という単語が出る(私はプロレスは苦手だが単語くらいは知っている)。久々
に会った女同士で何故そんな単語の出る話をしているのだ、何故あなたはつい
てこれるのよとお互いを責める。色気ない~!       (hammer.mule)

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リニューアル  8月サンタ <mailto:santa@mac.com >
アシスト    吉田ゆうみ <mailto:yoshida@days-i.com >

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