[1477] 凶悪な道化師

投稿:  著者:  読了時間:17分(本文:約8,200文字)


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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1477    2004/03/02.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 19626部
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     <「で、いくらだったの?」と尋ねる家族の声は……>

■デジタルサウンズ研究室
 凶悪な道化師
 モモヨ(リザード)

■買い物の王子さま 29
 最後のひとつ
 石原 強

■イベント・セミナー案内
 SKIPシティセミナーvol.13<デジタルシネマ制作におけるVEとは?>
 SKIPシティセミナー vol.14 <HDカメラの特性を知る>
 扇町クリエイティブカレッジ冬講座(3月)
 印刷之世界社・「メディアプロデュース展」でCISセミナーを開催
 IPPF 2004 第33回国際プロ・フォト・フェア



■デジタルサウンズ研究室
凶悪な道化師

モモヨ(リザード)
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週末に判決が出ることもあって、先週はオウム真理教に関するテレビプログラ
ムが多かった。

そうしたものの多くはワイドショーや、ニュース番組の中での特集という形で
のものだったが、ある局がドラマ形式でまとめており、偶然、これをみてしま
った。そのおかげで、週の後半を、私は随分とすっきりしない気分で過ごす羽
目となった。

ドラマといっても物語性は薄い。現実の、登場人物とよく似た(そっくりな)
俳優を起用しての、昔馴染みの再現ドラマ、その長編バージョンといってい
い。内容は、すでに私たちの多くが知っている内容であり、地下鉄サリン事件
と教祖、松本逮捕までの流れをそのまま追ったに過ぎないもの……であるはず
なのに、この番組を見て以来、鬱々とした気分で幾日かを過ごした。

違和感を覚えた……というより、例えば、よく知っているモノや人がある日ま
ったく異なるものに見えて困惑することがあるが、そういった居心地の悪さ、
不安を感じたのだ。そのドラマを見た直後は自覚していなかったが、数日して、
この喜色悪さは極限に達した。

そして首謀者の判決日の朝、裁判所前の中継を見ていて、ふと気付いた。喉に
つっかえていたサカナの小骨がとれたような感じといえばいいか。

私が、サリン事件のあらましを知ったのは、おおよそが雑誌などの紙媒体、あ
るいはニュース番組などの整理された報道用文体を介してのことだった。ドラ
マでは、そうした事実の一つ一つを俳優が演じてみせている。すると、この事
件は、まるで茶番、うそ臭い話になってしまうのである。こんなくだらないこ
とで傷つき、命を失った人のことを思うと、居たたまれなくなってしまうせい
もあるのかもしれないが、どこかで、この事件は非現実のものにちがいない、
そう思ってしまうのだ。

そのような落差めいたものが心に引っかかっていたのである。

そう言えば、この事件や坂本弁護士一家誘拐事件を起こした当初、彼らは「わ
たしたちが、そんな馬鹿げた、ミエミエの茶番を演じると思いますか?」そう
繰り返した。すぐに足がつきそうな、そんな単純な犯罪を犯すほど私たちが低
級だと思っているのか? 馬鹿にするな! というような論旨をオウムのスポ
ークスマンは繰り返していたではないか。

確かに、現実世界を生きるものが、当時、彼らが試みたような行動をとること
は、まずない。オウムとはいえ人間である。人間であるからには、内部に共通
のもの、共感現象が存するはずである。こんな感じだったと思う。オウム事件
で、私たちの多くは、ある種の心理的罠にかかっていたのだが、あれから幾年
かたった今、私は、そのことを失念していたらしい。道化が演ずる凶悪な茶番
劇、それがこの事件だった。

大半の情報をすでに知っている私ですら、事件のあらましを俳優が再現してみ
せたこのドラマは、あまりに、荒唐無稽、異常に思えたほどだから、事件をよ
く知らない世代にどう見えたかが気になる。しかし、とにもかくにも、これは
実際に起きたことなのだ。

できるなら発生以前に時を戻したいが、すでに、事件は起き、多くの被害者を
巻きこんでいる。許せない、そうも思う。が、その憎悪が私たちそれぞれを蝕
むことは断じて阻止しなければならない。憎悪の増幅こそ彼らの目論むその目
的だと思う。

こういう得体の知れない企みで人の心を弄ぶものたちに対して、いかにして闘
うべきか、私にもまだ明快な答は見つかっていないが、今後も考え続けていき
たいと思う。

モモヨ 管原保雄
http://www.babylonic.com/

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■買い物の王子さま 第29回
最後のひとつ

石原 強
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子供の時から飛行機が好きでした。いつも眺めていた飛行機図鑑の中で、一番
のお気に入りが「コンコルド」です。図鑑には「未来の旅客機」と紹介されて
いました。スマートで美しい姿を、子供心に「カッコイイ」と思っていました。

コンコルドは1960年代に当時の最先端技術を結集して作られた、世界最速の超
音速旅客機です。上空17,000メートルを音速の2倍の速さで飛び、所要時間は
他の旅客機の約半分。しかしそのスピードのために莫大な燃料を必要とし、最
もコストがかかる旅客機でもありました。

正規運賃でロンドン-ニューヨーク往復184万円というコンコルドの乗客は、
ファーストクラス以上の扱い。空港では専用チェックインで面倒な搭乗手続を
スムーズに済ませ、コンコルド専用ラウンジ「コンコルド・ルーム」でくつろ
ぎのひととき。機内が狭いためにシートはやや窮屈。それでもテレンス・コン
ラン卿によるインテリアやアメニティはセンス良く、快適な空の旅だったとか。

高額な運賃や騒音等が批判される一方で、その夢のスピードとステイタスに魅
力を感じたファンに支えられていたコンコルドですが、2000年に事故を起した
ことが引き金となって、昨年秋に全ての運行が終了しました。

「いつか乗ってみたい」と長年憧れていただけに、運行終了には本当にガッカ
リしました。そんな折、コンコルド機内で実際に使われていたアメニティが、
ネットのお店で売っていると知りました。すぐにサイトにアクセスしてみます。

英国航空機内限定品コーナーで目当ての商品はすぐにみつかりました。いくつ
かの関連商品の中で、品の良いタータンチェックのブランケットに目が止まり
ます。

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こんな贅沢なブランケットは、もう手に入りません!世界のセレブが愛した、
コンコルド専用ブランケット。コンコルドに乗った者だけが、その膝に掛ける
ことを許されたまさに、究極の贅沢がここにあります。
----

「業務用・数量限定・生産終了」の三拍子。こういう煽り文句に弱い私も、そ
の贅沢な価格の前では、さすがに悩んでしまいます。同じページには、英国航
空のビジネスクラスで使われているブランケットも売っています。「コンコル
ド」のラベルがついていないけど、デザインもほとんど同じで値段は半分です。

こういう文句にすぐ乗せられてしまう私ですが、いくらレアでも値段が高い。
同じページには、英国航空のビジネスクラスで使われているブランケットも売
っています。「コンコルド」のラベルがついていないけど、デザインもほとん
ど同じで値段は半分です。

こっちで我慢しておこうかと思った瞬間、「残りの1枚です」と表示されてい
るのが目に飛びこんできました。「これを買い逃したら、もう手に入らなくな
ってしまう!」と、つい購入ボタンを押してしまったのです。

届いた箱から取り出してみると、透明なビニールでパックされています。破い
て取り出すのも飛行機に乗った時みたいで、ちょっとドキドキ。裏地がなく端
の縫い目が無骨な感じです。それがいかにも丈夫そうで機内の備品っぽい。

早速膝に掛けてみると、軽くてほんわか温かくて心地良い。何より「CONCORDE
BRITISH AIRWAYS」のラベルが誇らしく、気分はファーストクラスです。「で、
いくらだったの?」と尋ねる家族の声は、ニッコリ笑ってごまかしました。

機内用ブランケットを買ったお店「blau design」
http://www.rakuten.co.jp/blau/

【いしはら・つよし】info@webanalyst.jp
後日、サイトにアクセスしてみると、まだ売り切れではなく、残り1枚のまま
です。残りの1枚は一体何枚あるのでしょうか(笑)
コンコルドを知らないひとはこちらのファンサイトへ
http://www.concordesst.com/fleetoverview.html

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■セミナー案内
SKIPシティセミナーvol.13<デジタルシネマ制作におけるVEとは?>
<http://www.skipcity.jp/event/ >
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日時:3月11日(木)10:30~17:00
会場:彩の国ビジュアルプラザ 1階・HDスタジオ
講師:前川達彦氏
定員:20名(先着順・事前登録制)受講料:2,000円(税込・当日お支払い)
内容:
1.デジタルシネマにおけるVEの役割とは?
2.デジタルシネマの制作プロセスとアウトプット
3.VEに求められる知識とは?
4.HDTV規格概論
5.デジタルシネマ制作で使われる機材とその用途
6.HDW-F900(シネアルタ)の特性
7.実践編(カメラ・モニターのセットアップ、動作チェック、画質調整、波形
モニターの取り扱い、機材トラブル対処法、日常メンテナンス等)

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■セミナー案内
SKIPシティセミナー vol.14 <HDカメラの特性を知る>
<http://www.skipcity.jp/event/ >
───────────────────────────────────
日時:3月17日(水)10:30~17:00
会場:彩の国ビジュアルプラザ 1階・HDスタジオ
講師:百束尚浩氏
定員:20名(先着順・事前登録制)受講料:2,000円(税込・当日お支払い)
内容:
1.ガンマ技術概論(BLACK、WHITEガンマについて。ニーポイント、ニースロー
プ、ニークリップについて)
2.ペイントメニュー設定(フレア、ガンマ、ニー、ホワイトクリップ補正とは
デティール信号、スキンディティール補正について他)

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■イベント案内
扇町クリエイティブカレッジ冬講座(3月)
<http://www.mebic.com/seminer_info/seminer03.shtml >
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日時:3月2日(火)19:30~21:30
坂本邦夫氏(カラープランニング カラー・ド・フォルトゥナ)
「明日使える色彩入門 はじめに決める1色」

日時:3月3日(水)・12日(金)19:30~21:30
三村康仁氏(GATE OF DRAGON)
3/3「戦略的アートとのつきあい方」
3/12「異分野を結びつけるアートの力!」

日時:3月4日(木)・26日(金)19:30~21:30
坂本麻夕美氏(雑貨メーカーハーベストプロダクツ)
3/4「雑貨メーカーというお仕事 プロダクトデザイン生産編」
・3/26「営業・マーケティング編」

日時:3月11日(木)19:30~21:30
片山宏明氏(グラフィックデザイナー)
「デザインとして映像をつくるということ」

各回共通
主催:Mebic扇町
費用:1,500円
会場:扇町インキュベーションプラザ(Mebic扇町)2F
申込み・問合せ:メビック扇町 TEL.06-6316-8780e-mail:info@mebic.com

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■イベント案内
印刷之世界社・「メディアプロデュース展」でCISセミナーを開催
<http://www.monz.co.jp/expo/jp/jp2004/cis.html >
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印刷之世界社は、3月25日から27日にインテックス大阪にて「JP2004情報・印
刷産業展」/「メディアプロデュース展」を開催する。同展は、新しい時代の
印刷業界の各種業界の枠を超えた「業際感」をもとに、「印刷物を作る」こと
から「印刷効果を売る」ことに視点を移す必要性を提案する。2000年までのJP
は、総合印刷機材展として、印刷機やそれに関わるテクノロジーを紹介する場
だったが、2001年より情報・印刷産業展と名称を変え、印刷産業を一般の人達
やクライアントにアピールする場としての展示会へと変貌を遂げている。
その一環として会場内の特設ルームで、CTP講座、フレキソ講座、環境講座、P
DF講座の4つの大きなテーマに沿ったCISセミナーを実施する。各講座は、定員
72名、一日3,000円。PDF講座では、3日共通のテキストを使用する。フレキソ
講座では、フレキソ印刷導入キットが用意されキット代20,000円の別途費用が
発生する。また、TNG Projectによる無料のオープンセミナーが、3日間実施さ
れる。詳細と申し込みは、サイトから。事前登録申し込み締切は3月10日。

3月25日(木)
CTP講座:「デジタルワークフローと印刷品質」
PDF講座(1):「PDF/X、JDFへの拡張」
3月26日(金)
フレキソ講座:「フレキソ印刷導入のための実践テク」
PDF講座(2):「ワークフローの将来像 B-26」
3月27日(土)
環境講座「印刷業界と環境問題の関わり」
PDF講座(3):「最終印刷データ」
3日共通「TNG Project オープンセミナー」無料 定員80名
さらに拡がった新世代DTP 文字、カラー、PDFを中心とした実践移行シナリオ

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■イベント案内
IPPF 2004 第33回国際プロ・フォト・フェア
<http://www.jij.co.jp/event/ippf/ >
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会期:3月4日(木)~6日(土)10:00~17:00
会場:池袋・サンシャインシティ文化会館3F/4F
内容:プロ&ハイアマチュアのためのフォト&イメージング機材の総合展。展
示会は無料、事前登録制、サイトからダウンロードした展示会登録証をプリン
トして持参。


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■編集後記(3/2)
・第24回日本SF大賞を受賞した冲方丁(うぶかた・とう)著「マルドゥック・
スクランブル」を読む。ハヤカワ文庫JAで全3冊の長編だ。寺田克也さんの表
紙がかっこいいなあと思っていたが、なんとなくめんどうくさそうで買わなか
った(しかも3冊で2000円超だし)。でも、日本SF大賞を受賞し、昨年のベス
トSFとの評価が高いので、これは読まなくてはと。ついでに、小川一水「第六
大陸」全2巻も一緒に買う。一般にベストセラーといわれる本ほど買わないが、
日本のSFは別だ。このSFは、シンプルに言えば「少女と敵と武器についての物
語」だと作家自身も言っている。とにかく、たたかいのシーンがすごい。重力
を操作できる超人というか戦闘機械との、壮絶な果てしのないたたかい。そし
て、最大のたたかいはなんとカジノのルーレットであり、ブラックジャックな
のだ。スーパーアクションもので、ギャンブルがメイン、こんなSF初めてだ。
それが面白いのなんの、ハラハラドキドキの緊張感の連続と、もたらされるの
は感動なのだ。めんどうくさいSF記述や、読みたくない不愉快なシーンもある
が、それは読み飛ばして、一気に読み終えたのであった。     (柴田)

・ダウンといいつつ確定申告の相談会に行って来た。今日行かなかったら、も
う行ける日がないのだ。もっとめんどくさいことになるのだ。前倒しにしてお
かないと、いつ何があるかわからないのだ。ふらふらした頭で並ぶ。去年まで
は人にやってもらっていたから、書き方が正しいかどうかわからない。サイト
の申告書作成コーナーって、結局ローカルでわかってないと記入できないんだ
よねぇ。もっと自動的なものかと思っていたんだけど。ウィンドウが勝手に移
動するのもなんだかな。自由にさせろ~。で、一時間以上待って、申告書を見
てもらったらあっさり「合ってますよ」で終わってしまった。電卓くらい叩い
てくれるかと思っていたのだが。ひとつ肩の荷が下りたよ。 (hammer.mule)
http://www.keisan.nta.go.jp/  トップページから行けってさ
https://www.keisan.nta.go.jp/h15/ta15_linkmessage.htm  おいおい

<応募受付中のプレゼント>
「ファイルメーカーPro超実践的ビジネス活用術」 1469-2号
「llustrator 10 自動化作戦 with JavaScript」 1469-2号
「Web制作演習 Webプログラミング演習」 1469-2号
「ウイルス対策&セキュリティの基本」 1469-2号
「LightMellow和モノ669」 1469-2号
冬のポストカード 1474号

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/ >

編集長     柴田忠男 <mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 <mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 <mailto:kanda@knn.com >
リニューアル  8月サンタ <mailto:santa8@mac.com >
アシスト    吉田ゆうみ <mailto:yoshida@days-i.com >

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