[1492] 王様の味わい

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1492    2004/03/23.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 19376部
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           <SCSIが一番遅い……>

■買い物の王子さま 32
 王様の味わい
 石原 強

■デジタルサウンズ研究室
 行く川の流れはたえずして……
 モモヨ(リザード)

■展覧会・イベント案内
 Aurora 小森修デジタルアート作品展
 第22回写真『ひとつぼ展』
 04 TDC展
 デザインフォーラム「TDC DAY」
 ワード資生堂 「ワードフライデイ」



■買い物の王子さま 第32回
王様の味わい

石原 強
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チーズをお供にワインを飲むのが、週末の楽しみです。おいしいチーズと一緒
なら、リーズナブルなワインも優雅に味わえます。最近レストランで、食後に
チーズを頼んだら、ジャムが添えられて出てきました。

一緒に食べるとコクのある甘さがワインにピッタリ。今まで、「お酒には塩辛
いもの」と思い込んでいただけに、ちょっと目からウロコ気分。早速で家でも
チャレンジです。でも家の冷蔵庫にあったジャムでは、砂糖の甘味が強くてイ
マイチ。ワインと合うのはどんなジャムだろう。

そんな時「ミオ・ジャム」のことを聞きました。あまりの美味しさに「King
of Jam」とか、なかなか手に入らないために「幻の味」などと呼ばれているそ
うです。いつものようにネットで検索して、ミオ・ジャムを扱うお店を発見。

「厳選した素材」で「砂糖・添加物は未使用」の味は抜群。さらに「超一流の
レストランやホテルで愛用」「コンクールで優勝」と、どのお店も大絶賛です。
しかしそんなことよりも、私は名前のかわいらしさに惹かれました。

「ジャムの王様ジャム」を筆頭に、「森の果実ジャム」「こぐまのお気に入り」
「魔女のジャム」「修道士の喜び」なんてのもあります。中でも一番気になっ
たのが「森の盗賊ジャム」。

ワイルドブルーベリー、ショウガ、ピスタチオ、はちみつに、35種類のスパイ
スを加えてつくられというたミックスジャムはいかにもワインに合いそう。し
かもその紹介文がふるってます。

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なんとこのジャム、1555年に書かれた古文書にあるアラビアのレシピを再現し
たジャムなんです!!その当時、ジャムは、媚薬として王家の女性や皇族たち
に用いられていたこともあるそうです。
まったく未体験の古代の味を再現したこのジャム、きっとあなたも虜になって
しまうはず・・・
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値段も王様級。1瓶320gで1700円、お店によっては1980円で売られています。
これに送料が加わると、1瓶が2000円以上になってしまいます。送料をできる
だけ安くしようとあちこち探して、2500円以上なら送料無料になるキャンペー
ン中のお店を見つけました。

二つ買えば送料無料になるということで、「森の盗賊ジャム」と「ジャムの王
様ジャム」を選びます。一応、食品なので、間違いなく受け取れるように配送
時間を一番遅い時間に指定して注文します。

早速、とっておきのワインとチーズを用意して、森の盗賊を開けてみます。ス
プーンですくうとたちのぼる香りに期待が高まります。口一杯に上品な甘さが
とろけて、王様の名に恥じない味わいです。一緒に飲むワインもワンランクア
ップしたように感じました。

ジャムを買ったお店「おいしい紅茶の店ディンブラ」
http://www.rakuten.co.jp/dimbula/

【いしはら・つよし】info@webanalyst.jp
ウェブプロデューサー、ウェブアナリスト
レシピに歴史あり。1555年当時のフランス王妃はカトリーヌ・ド・メディチ。
美食の都フィレンツェ出身の彼女は、料理人はもちろんアイスクリーム職人ま
で連れて嫁ぎ、今日のフランス料理の基礎を築いたんだそうです。
メディチ家とフランスパン
http://www.nisshin.com/cucina/history/bread/bread_17.html
アイスクリームの伝播
http://www.icecream.or.jp/episode/page03.html

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■デジタルサウンズ研究室
行く川の流れはたえずして……

モモヨ(リザード)
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先週、古い機械を専用マルチトラックにする、なんて記事を書いたけれど、こ
れはけっこう手間がかかるかもしれない。というのは、機器の特性が、現在と
は異なるからだ。特にハードディスクが要注意で、どんなに回転数が高いもの
であっても、音楽や動画のキャプチャー用途にはオートリトラクト機能がつい
ているディスクは使えない。

オートリトラクト機能というのは、例えば、サーバーなどで、長時間アクセス
されている際に、ディスクの発熱を押さえるため、強制的にディスクを冷やす、
つまりアクセスを一時期(といっても1~2秒)休止するもの。

最近のものは、TV録画を考慮してアッセンブルされているため、メーカー製PC
にこの機能はついていない。が、2001年くらいまでは、メーカーによっては、
機器の保全を考慮してだろうか、好んでこのタイプを採用していたところがあ
る。この機能がついている機器だと、マルチトラックどころか、たった一つの
ストリームを扱う場合でも音が途切れたりする。

Macなどは旧タイプでもお里が知れているので安心して再利用できるが、PCの
場合、中身がどうなっているものか知れたものじゃない。例えば、オートリト
ラクト機能がなくても、内蔵IDEディスクのアクセス速度が遅すぎ使えない場
合も多々ある。

古いユーザーなら、つい二年程前まで、CD-Rライティングのマニュアルなど
に、「テンポラリー用のハードディスクには高速なSCSIハードディスクを使う
ように」という注意書きが記されていたことを覚えておられるだろう。最近の
PCでは、実際に、内蔵ハードディスクのスピードが速くなっているので、でき
るだけ高速なディスクを使え、という表現に変わっており、SCSIを使えという
指示はない。

実際に、私の環境で、ディスクのスピードを計測してみたところ、内蔵のそれ
が一番速く、ついでファイヤーワイヤーハードディスク、一番遅いのがSCSI
だった。しかし、二年前ほどまでは当然SCSIが一番高速だったし、私自身が去
年の夏までそう信じてた。多分、読者の中にもSCSI神話を疑わないでいるユー
ザーは多いはずだ。

私の場合、去年、Win2000の不調で機器を再構成する際、すべてのディバイス
をテストした時、この事実に気付き唖然とさせられた。多分、PCが安定して使
えていれば、この現状に気付くこともなかったろう。

今時のメーカー製PCは、PCIスロットを満足に備えていないものが多い。USB2
のポートが四つあり、ファイヤーワイヤーが標準化されて、外部ハードウェア
とのやりとりは、もっぱらこれらを介して行う仕様へ変化しつつある。

今後は、外部増設ハードディスクもファイヤーワイヤーが主流になるだろう。
内蔵は、PCの場合、ATAでいいし、この容量も増えているので、増設の必要も
ないくらいだ。今後、この傾向はさらに加速し、SCSIはサーバーなどの特定用
途にのみ使われていくことになる、かもしれない。

話を元に戻そう。つまり、古い機械でレコーディング専用機を組む場合、こう
した古い時代の機器性能を把握しておかなければうまくいかない。ATA以前の
内蔵ハードディスクは録音用ディスクには向いていないし、高速SCSIもオート
リトラクト機能付ならNG。一時代前の機械を再利用するなら、当時の常識どお
りに、ディスクはSCSIでオートリトラクトしないものを選ぶ。これで間違いは
ない。

SCSIが一番遅い……。去年、自分の目でテスト結果を見たとき、実は、かなり
ショックだった。遅くても安定的に使えているわけだから、どおってことない
けれど、こういうハイテク機器の世界では常識などあてにならない、それを思
い知った気がする。

世は無常である、なんて鴨長明じみた心境だ。

モモヨ(リザード) 管原保雄
http://www.babylonic.com/

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■展覧会案内
Aurora 小森修デジタルアート作品展
<http://www.pictorico.co.jp/mp/exhibition.html >
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会期:3月23日(火)~4月5日(月)11:00~20:00 土日祝休
初日15時~ 最終日17時
会場:ミュゼオピクトリコ(東京都港区北青山2-7-25 神宮外苑ビル2F TEL.
03-3796-2563 )
内容:写真家、デジタルアーティストとして活躍中の小森修氏が約3年ぶりと
なる作品展を開催する。美しい女性がモチーフの作品を中心にした華やかな展
示内容となる。すべてインクジェット出力によるものである。

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■展覧会案内
第22回写真『ひとつぼ展』
<http://www.recruit.co.jp/GG/exhibition/2004/gg_0403.html >
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会期:3月15日(月)~4月1日(木)12:00~19:00 日祝休
会場:ガーディアン・ガーデン(東京都中央区銀座7-3-5 リクルートGINZA7ビ
ル B1F TEL.03-5568-8818)
内容:ポートフォリオによる一次審査を通過した出品者10名が、それぞれ一坪
(1.82m×1.82m)のスペースの中で作品を構成し発表する。会期中にはグラン
プリを決定する公開二次審査会を開催し、グランプリ獲得者には1年後にガー
ディアン・ガーデンでの個展開催の権利が贈られる。これまでの『ひとつぼ展』
入選者(約100名)の作品ファイルも展示する。1500円。
出展作家:オノナホヨ、鏡康平、かんのさゆり、菊地貴広、佐藤誠、戸田基大、
中山京子、増山美穂、望月伸一郎、元木美由紀
なお、グランプリは元木美由紀さん(東京造形大学3年)が受賞した。

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■展覧会案内
04 TDC展
<http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/ >
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会期:4月5日(月)~4月28日(水)11:00~19:00 土18時 日祝休
会場:銀座グラフィックギャラリー(東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
TEL.03-3571-5206)
内容:「文字の視覚的表現の追求」をテーマのもとに、国際デザイン・コンペ
ティションを開催する東京TDC(タイポディレクターズクラブ)恒例のイベン
ト。本展は8月の「TDC年鑑2004」刊行に先駆けて、受賞作品・優秀作品の紹介
を行うもので、世界各国のタイポグラフィデザインの最先端動向が見られる。
授賞式&パーティ:4月5日(月)5:30~7:00pm

・本年度の受賞作品
グランプリ=M/M(Paris)トライアル作品「ICONES, INDICES, SYMBOLES」
TDC会員賞=佐藤可士和 ポスター「極生/生黒」、佐藤卓 NHK子供番組「にほ
んごであそぼ」、服部一成 エディトリアル「流行通信」
TDC賞=Chermayeff & Geismar Inc.(NY)映像作品「LOGOMOTION」、
Guang Yu (北京)アートブック「N 12」、平野篤史 ポスター「LOVE」、
阿部一秀ポスター「うれしい気持ちシリーズ」
インタラクティブデザイン賞=Amit Pitaru ・James Paterson website(NY)
「insertsilence.com」(Amit Pitaru &James Paterson)、「pitaru.com」
(Amit Pitaru)
インタラクティブデザイン賞審査員特別賞=武藤努「CODECMY」CD-ROM+ポス
ター

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■イベント案内
デザインフォーラム「TDC DAY」
<http://www.tdctokyo.org/news/index_j.html >
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日時:4月3日(土)4日(日)両日とも13:00~18:00(予定)
会場:女子美術大学杉並キャンパス4号館4401教室(東京都杉並区和田1-49-8)
内容:04 TDC賞受賞者を中心にしたレクチャー&対談を2日間に亘り開催する。
今後のデザインを考える上で重要なコンテンツのオンパレード。
主催:東京タイポディレクターズクラブ
共催:ギンザ・グラフィック・ギャラリー
協力:女子美術大学
出演(予定):受賞者からM/M(Paris)、佐藤卓、Sagi Haviv(Chemeyeff &
Geismer Inc)、Guang Yu、Amit Pitaru、武藤努、さらに多数のゲストスピ
ーカー(深澤直人、青木克憲、北川一成、中村勇吾、立花ハジメら)。
全席事前予約制。先着250名。2日通し券申込者優先受付。各日とも一般2,000
円、学生1,500円。1日のみの申し込みも予約可能。

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■イベント案内
ワード資生堂 「ワードフライデイ」のご案内
<http://www.word-shiseido.net/scripts/schedule/sch01000.asp?m=200405 >
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東京銀座資生堂ビル9階「ワード資生堂」で毎週金曜19:00より開催しているカ
ルチャープログラム「ワードフライデイ」の5月スケジュール。

5月7日「け」:懸命に生きる海の生物たち。ことばは追いつけるか?
ナビゲイター:中村征夫

5月14日「こ」:極太の小説がもつ物語力って?
ナビゲイター:石川忠司 ×いしいしんじ

5月21日「さ」:作家が情熱(パッション)にかられると?
ナビゲイター:アニー・エルノー ×堀茂樹

5月28日「し」:身体の表現と冒険。その源にあるのは?
ナビゲイター:伊勢谷友介 ×石川直樹

ワードフライデイへの参加申込は
http://www.word-shiseido.net/scripts/schedule/sch01000.asp

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■編集後記(3/23)
・書店で山本譲司の「獄窓記」を立ち読みしたが、とてもしっかりした内容の
ように思えた。そのうち、安くなったら買いましょう。知られざる世界、刑務
所の中については安部譲二(あれ、こにもジョージ)をずいぶん昔に読んだが
その本はどこに行ったか。最近では(といっても2000年)花輪和一の「刑務所
の中」(青林工藝舎)を読んだ。1600円と異常に高いマンガだったが、それく
らいの価値は充分あるおもしろい内容だったので、この際(立ち読みを機に)
捜して読み直した。やっぱり味わい深い傑作だ。呉智英が「ここに見られるの
は、細部の記録への執着と改悛でも償いでもない不思議な心情告白である。こ
れが従来の獄中記にはなかった」と解説しているが、まさにその通り、全然懲
りていないかのようだ。そんな花輪に「今度は『刑務所の前』というタイトル
で、例のハナワさんがそこにはいることになったアレのことをですね、描いて
いただければと思うんですが」と、とんでもなくイージーな企画を持ち込んだ
のが小学館で、じゃやりますといって描いたのが「刑務所の前」なのだ。その
第一集をブックオフで見つけて買った。企画は大バカだが、さすが花輪のお筆
先はすごい。おとくいの中世説話と、ぼろぼろに錆びて腐食した一見合法品の
実銃を自分で直したプロセスと(異常に丹念な図解)、刑務所の中のエピソー
ドと、中学生のころの思い出などが、渾然一体というか、連続したコマで、堂
々と描いているのだ。パラレルワールドを同時に見せる。こんな妙なマンガは
初めてだ。勝手に手が動いてしまって、とあるがそうかもしれない。(柴田)

・こんな自分でもやれるから人もできると思っちゃう。「HTMLエディタソフト
があればホームページは簡単に作れますか?」と聞かれたら「うん」とは答え
る。だってテキストエディタで作るよりは、はるかに簡単だし。「パソコンを
持っているんですが、Webサイトデザイナーになれますか?」と聞かれたら、
これにも「うん」と答える。なれるから。嘘じゃない。DTPだって、文字と画
像を並べたら一応完成する。完成品にお客さんがお金を出してくれるかどうか
はわかんないけど。 (hammer.mule)

<応募受付中のプレゼント>
SOHO起業家として生きる 1489号
Web Designing 2004年4月号 1489号

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編集長     柴田忠男 <mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 <mailto:zacke@days-i.com >
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