[1655] ほんとうに間違いないか

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1655    2004/12/09.Thu.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18323部
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       <クリエイターの「心のTIPS」になりたい>

■笑わない魚(137)
 ほんとうに間違いないか
 永吉克之
 
■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト(48)
 camouflageされた奴隷制を打破する
 茂田カツノリ
 
■ショート・ストーリーのKUNI(3) 
 ともだち
 やましたくにこ

■ブックガイド&プレゼント
 ウェブクリエイターのハローワーク



■笑わない魚(137)
ほんとうに間違いないか

永吉克之
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テレビ番組といえばNHKの大河ドラマ『新選組』しか見ないのだが、たまたま
見た民放のニュースで、長井某の「間違いない」というセリフが今年の流行語
大賞にノミネートされなかった、という話を聞いて、そんな流行語があったこ
と自体初めて知った。

私もよくこのコラムで「(間)違いない」を使うので、知らないうちに、読者
から「流行語を多用するとは芸術家の名折れ」と軽蔑されていたのかと思うと
屈辱感と挫折感で、いても立ってもいられなくなり、ハイヒールを履いて家を
飛び出し、最寄のイトーヨーカドーで、一着1000円もするパンツを買った。普
段なら三着で1000円のものを買うのだが、このときは自暴自棄になっていたの
で、分不相応なまでに高価な物を買ってやろうと思ったのだ。一種の自傷行為
であろうか。

とはいえ、さすが高級なパンツはゴムがしっかりしている。縫い目も丈夫だ。
いい買物をしたという満足感に加えて、これはデジクリのネタになるのではと
いう期待感で、いても立ってもいられなくなり、ワライカワセミのような奇声
を上げながら家に向って全力疾走を始めた。

しかし! もはや「間違いない」が使えないとするなら、私は砂漠に放り出さ
れたクラゲのように無力ではないか、もう短絡的な判断、根拠のない断定に満
ちたコラムが書けないではないか、ということに疾走しながら気がつくと、急
に脚から力が抜けて、その場に倒れ込んだ。

倒れ込んでぶつかったのが違法駐輪の自転車の列で、がしゃがしゃとドミノ式
に倒れていく自転車を見ながら、「間違いない」なんかが流行語になるなんて
日本の言語文化も底が見えた、だいたい「チョー気持ちいい」なんて、何の工
夫も味わいもないセリフが流行語大賞を獲るというのが、文化の衰退を如実に
物語っているじゃないか、という思いがつのってきた。

すると無力感と絶望感で立ち上がる気力も失せ、このままここで飢えて死のう、
死んで腐ってアスファルトの肥になろうと考えながら、倒れたときの体勢のま
ま、ヒラメのように地面にじっと張りついていたのだった。
       
10分ほどそうしていたら腹が空いてきたので、自宅に戻って、剣先イカ、紋甲
イカ、ホタルイカ、スルメイカなどを食べながら『新選組』が始まるのを待つ
ことにした。

今週は近藤勇が、薩摩長州を軸とした新政府軍の陣地に切腹覚悟で出頭すると
いう粗筋を新聞のテレビ欄で知っていたので、近藤は腹を切るのか、新政府軍
に寝返るのか、あるいはメリケンに逃亡するのか、はたまた一人で新政府軍と
その背後にいる公家を全滅させるのか、どんな展開になるのだろうと考えると、
高鳴る胸の鼓動を抑えることができなかった。

始まるまで8時間近くあったが、待ちきれずにNHKをつけたら『NHKのど自慢』
をやっていた。ゲストはあの『津軽海峡冬景色』で第19回日本レコード大賞歌
唱賞を獲得、可愛い顔に似合わないパワフルな小節回しで、現在でも第一線で
活躍を続ける演歌界の救世主、11月24日に『全曲集2005』を発売したばかりの
石川さゆりだったが、私はまったく興味がないので民放にチャンネルを変えた。

そしたらまた「間違いない」がノミネートされなかったことを報道していた。
ノミネートされて騒ぐのなら分るが、されないで騒ぐとは番組もよほどネタに
窮しているのだなとツラツラ思っていると、そういえば「間違いない」を先に
公の場で使ったのは私なのではないか、という疑問につき当った。

そこで過去のデジクリの原稿を検索したら、2002年1月10日掲載のコラムで確
かに「間違いない」を使っていることが判明した。ほぼ三年前である。長井某
がそのころすでに「間違いない」をなんらかのメディアで使っていた可能性を
認めるのはいやだったので認めなかった。

しかし、この世界では先に名前が売れた方が勝ちである。「間違いない」に著
作権を適用するのは難しい。しかも先方はテレビ、こっちはメルマガとあって
は、ハナから勝負にならない。テレビという巨大メディアの驕慢を初めて身を
もって知ったのであった。

ちょこっとでも出さえすれば、無芸大食でも人三化七でも爆発的人気を約束さ
れるのがテレビの恐ろしいところである。最近、とんと消息が聞かれないが、
なんの芸もしない単なるアザラシを、グッズが出るほどの人気者に仕立て上げ
たのもテレビの力だった。

おまえは長井某どころかアザラシ以下だ、とテレビに言われたようなものだ。
そう考えると人権を無視された怒りで、私はいても立ってもいられなくなり、
スケート靴を履いて家を飛び出し、最寄のセブンイレブンで立ち読みをして家
に戻ると、ちょうど『新選組』が始まるところだった。

近藤勇と土方歳三の今生の別れのシーンでは、声を上げて泣いてしまった。

【ながよしかつゆき/アーティスト】katz@mvc.biglobe.ne.jp
開催中の作品展に来てくださった読者の方々、ありがとうございました。春に
同じ会場で行なったときは、初日、作品を観るのを目的に来たと思しきお客さ
んをひとりも見かけなかったので死にたくなったが、今回は初日からたくさん
来てくださって、胸を撫でおろしているところである。しかし、以降ぱったり
来なくなったら、また死にたくなるかもしれない。

《個展『放蕩息子の乾燥』大阪展のご案内》
会期:開催中~12月21日(火)
会場:Asian Cafe 伽奈泥庵(大阪市中央区)
時間:11:00~23:00(木曜のみ~19:00)
※12月11日(土)の18時からは有料ライブがあるのでチャージが必要になりま
す。
※作者が会場にいる日時は我がサイトにて告知しています。

・伽奈泥庵  http://www.kanadian.org/
・我がサイト http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ework

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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト(48)
camouflageされた奴隷制を打破する

茂田カツノリ
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週刊エコノミスト11/30号の『子供を産めない職場の現実』を読んでいて、涙
が出てきてしまった。妊娠したのに現実問題として出産休暇が取れず、退職す
ると復帰が不可能などの事情で、やむにやまれず中絶したという話の部分だ。

子供を産まなかった理由は決して単一ではないだろうから、短い記事から真実
を読み取ることはできない。しかし細部はどうあれ、女性が子を持つことでキ
ャリアを絶たれてしまうことを悩み、最終的にそうした決断をするということ
は、これはいくらなんでも不幸すぎる。

そんなことが起きるなんて、これは社会が間違っている。

で、今回は子供を持つことの話ではなく、『労働のあり方』という観点からこ
れを考えてみた。

●社会のせいにするのは後ろ向きなのだが

自分の生活がうまくいかなかったり、幸福でないこと、あるいは収入が低いこ
と、気が付いたら40目前だったこと、ハラ回りの肉が増えてきたこと、風呂場
で滑ったことなどを、社会のせいにしてはいけない。何事も外的要因のせいに
しようとするのは不健全だ。

しかし、普通の仕事を普通に続けていくために、子供を持つという、およそ生
命体の基本的欲求すら満たせないとしたら、これはどう考えても間違った社会
である。このことを考えていたら、いまの日本社会というのは、巧妙にカムフ
ラージュされた奴隷制なのではないかという思いがでてきた。

こういう論法は被害者意識の塊のような依存的思考に結びつきやすいという危
険があるのだが、そっちに転ばないよう気を付けつつ考えてみる。

●搾取の対象はサラリーマンもフリーも自営業者も

サラリーマンなら「給料が安い」「サービス残業が多い」、フリーや経営者な
ら「クライアントが横暴だ」などの文句は、誰もが思っていることだろう。で、
こうした文句がでてしまう要因を考えてみたい。

サービス残業にしてもクライアントに押しつけられた徹夜作業にしても、要は
経済効率のために生活を犠牲にしろって強要されてるわけだ。なぜそこまで強
要されるかというと、そうやって生み出した価値を誰かが吸い込んでしまって
いるからだろう。

「不景気だから仕方がない」というのは明らかにゴマカシがあって、不景気な
状況を作って労働から生まれる価値をいままで以上に搾取しようという意図が、
どこかにあるのではとも感じられる。

●誰が悪いかはカムフラージュされている

こうした問題で難しいのが、「誰が搾取してるのか」、つまり奴隷にむかって
ムチを振っているのは誰? という点が巧妙にカムフラージュされている点だ。
百姓一揆を起こそうにも、どこの蔵を襲撃すればいいのか、わからないのだ。

会社だって、この論法で言えば奴隷仲間かもしれない。ムカツク上司は、奴隷
なのに努力してムチふるう側に回ろうという姿勢だから、ムカツクのだ。しか
し会社自体は、搾取の主役ではない。

現実の生活においてあなたの財布から一番多くお金を抜いていくのは、大家だ。
しかしそれとて、そこいらのじいさんに過ぎない。

会社作ったり家買ったりすると、「これでもか」と税金を召し上げられるが、
それでも所得税などは、世界的に見てもそんな高いとは思えない。

ヒントとしては、たとえば厚生労働省の特殊法人「雇用・能力開発機構」は、
スパウザ小田原という無駄な施設で455億円をドブに捨てるなどのことをやっ
ている。旧国鉄が長期に渡って累積した無駄遣いからの借金は27兆円ぐらいあ
るらしい。もちろん赤字国債はパソコンではまともに計算できないほどの桁数
になってて(FileMaker 7なら大丈夫♪)、1兆円なんて端数に見えるほどだ。

これら国などの借金は、なんらかの形で我々が返している。このあたりに搾取
母体の本丸が存在し、我々も「なんとなく自由だが、なんとなく不自由で生活
が苦しい」という状況で飼い殺されているのではないだろうか。

●対処法をみつけた?

冒頭の話は、巧妙にカムフラージュされた奴隷制により基本的人権が侵害され
ている状況の一例だろう。無給による残業が当たり前という風潮もそうだ。こ
れにどう対抗したらいいのかを、真剣に考えてみた。

努力したり頭使ったりすることで、奴隷から抜け出すことは決して難しくない。
しかし自分がムチを振る立場になるのだけは、なんとしても避けたい。

奴隷労働なんだと仮定すると、頑張って働くのはあまり良いことではない。仕
事そのものは実に尊いもので命がけで取り組むべきだが、単に頑張ってしまう
のは、搾取側にとって都合よいだけの結果になる。

インターネット業界をみてわかるとおり、市場が成熟したり作業効率が向上す
ると、同じことをする競争相手が増え、その結果必ず単価が下がる。自分自身
の価値を上げ続けても、追いつかないくらいの勢いで下がるし、仕事も取り合
いになるから減る。このときに、いままでと同じことをさらに頑張るのは、禁
止である。そんなことしたら需給バランスの原則により、みんなはどんどん貧
しくなってしまうのだ。

ということを考え合わせると、こうした状況を打破し世の中を良くするために
は、新しい仕組みや考え方をもった会社を起業することが一番ではないかと思
えてきたのだが、どうだろうか。

このとき大事なのは、その仕事におけるエンドユーザと直接取引をすることだ。
元請け・下請け構造に取り込まれてしまっては、起業する意味がない。

過去の革命家は武器を取り支配者にたちむかったが、21世紀の革命家は法人登
記申請書を持って法務局に乗り込むのだ。そして起業した会社を強固なものと
して、旧態依然たる企業に真っ正面から競争を挑み、これを撃退し消滅させる
のが真の解放への道なのでは、などと考えてみた39歳の年の瀬であった。

【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webプロデューサー/テクニカルライター、あるいはFileMaker 7の執筆が一段
落して、新たな展開をどうもってゆくか悩むただの凡人。
今回のネタの続きで、ベンチャー経営者って実は搾取側に取り入った人と、搾
取側に取り入るフリをして世の中をひっくり返しにかかっている人の二種類が
存在するのかなあ、ということも思った。堀江さん、あなたはどっちですか?

[有限会社アモニータ]
http://www.amonita.com/

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■ショート・ストーリーのKUNI(3) 
ともだち

やましたくにこ
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ぼくはいつも、心の広いひとになりたいと思っている。

こんどクラスに転校してきた田中くんはエイリアンで、たまたまぼくのとなり
の席になった。ぼくたちはすぐにともだちになった。ぼくはエイリアンのとも
だちがひとりくらいほしいなと思っていたのだ。もちろん田中くんの肌の色は
緑色で耳が少しとんがっていて、おまけに何かが腐ったような体臭がするけど、
そんなことは気にしない。

歴史の授業で知ったことだけど、ほんの少し前まではこんなに地球にエイリア
ンが増えるとはだれも予想していなかったそうだ。でも、エイリアンの労働力
としての優秀さが認められ、またエイリアンのすむ星が市場として先進国のこ
ぞって狙うところとなり、どんどん交流がすすんでいまでは日本でも人口の1
割弱がエイリアンだ。

いまだにエイリアンを差別したり敵対視するひともいるけど、ほとんどは誤解
に基づいており、それも徐々になくなりつつある。というような説明を先生が
していた。

「田中くん、きょうぼくんちへ来ない?」

ある日ぼくは笑顔で田中くんにそう言った。心の中では(おい、ばけもの、家
に来るんだったら来てもいいぜ)と言いながら。

「ほんと? いいの?」

田中くんはにっと笑う。笑ったつもりだろうがその顔は悪魔が舌なめずりして
いるようにしか見えない。まったくぞっとするぜ。でも、ぼくは心がひろいか
ら気にしない。田中くんのぬらぬらする手を取り、吐き気をおさえながら手を
つないでいっしょに家に帰る。道ですれ違うひとたちが見ていないふりしてし
っかり横目で見ている。田中くんがそれをどんなふうに思っているのかはわか
らない。田中くんの表情は分厚い緑色の皮膚の下に隠れて読めないからだ。

家ではお母さんが紅茶とケーキを出してくれた。田中くんはごぼごぼ音をたて
ながら鼻で紅茶をすすり、喉の奥から3枚の舌を交互に出してぐちょぐちょと
ケーキを食べた。

「どどどどどどうぞゆっくりしていってちょうだいね」

お母さんはそう言いながら部屋を出ていったが顔には明らかに(はやく出てい
ってよ、ばけもの)と書かれていた。心の中ではエイリアンを差別しているの
に必死で抑えているのだ。あの世代の限界だな。妹は「おにいちゃーん」と言
いながら入ってきて、田中くんを見ると固まってしまった。まあしかたないだ
ろう、こどもだから。

本を読んだりおしゃべりするのにあきて、ぼくたちは家の中をうろうろしなが
ら遊んだ。おじいちゃんの部屋の前に来ると、にぎやかな音が中から聞こえた
のでそうっとドアを開けてのぞきこんだ。

中ではおじいちゃんがこたつに入り、あはははと笑いながらむかしのDVDを見
ていた。「メン・イン・ブラック」とかいうやつだ。そばの畳の上に「エイリ
アン」シリーズもあった。ぼくはあわててドアを閉めたが遅かった。田中くん
はうつむき、ぶるぶると肩をふるわせた。3枚の舌がのぞく口がわななき、皮
膚のあちこちからふつふつと粘性の液体が玉になってふきだし、吐き気をもよ
おす体臭はいつもの数十倍の濃度でそばにいるぼくを直撃した。

田中くんは悲しんでいた。その悲しみはぼくの胸の奥深くにずんずんと伝わっ
てきた。(田中くん、ごめんよ! 君を傷つけたぼくたちを許して!)ぼくが
心の底からそう思って口に出そうとしたそのとき、胃袋がもんどりうってぼく
の口はケーキと紅茶のゲロを思い切り田中くんにぶちまけてしまった。田中く
んは泣きながら帰り、三日後、一家は遠くの街へ引っ越していった。

心の広いひとになるのは、とてもむずかしい。

【やましたくにこ】kue@pop02.odn.ne.jp
テレビはあまり見られないのですが映画館にちょくちょく行きます。いまのと
ころ今年観た映画で一番は「シュレック2」です。
・私のサイト「みっどないと」 
http://www1.odn.ne.jp/%7Ecay94120/

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■ブックガイド&プレゼント
ウェブクリエイターのハローワーク
<http://book.mycom.co.jp/book/4-8399-1553-9/4-8399-1553-9.shtml>
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著:月夜野凛子
画:ヤマグチエミ
定価:1,208円(税込)
ISBN4-8399-1553-9
発売日:2004年11月30日 毎日コミュニケーションズ刊

●クリエイターの「心のTIPS」になりたい本

月夜野凛子(つきよの・りんこ)です。本書「ウェブクリエイターのハローワ
ーク」は、クリエイター、ならびにクリエイターを目指す人に捧げて書いた本
です。

私は、フリーランスのWebデザイナーをしています。また、Webデザインを教え
るスクール講師もしているので、「凛子先生」なんて呼ばれてイイ気になり、
「Web Designing」誌に「凛子先生のよもやま通信」というコラムを4年間も連
載しています。その連載を、大幅に加筆、修正して、ヤマグチエミの描きおろ
し爆笑イラストを加えて濃厚に本にまとめたのが、この『ウェブクリエイター
のハローワーク』です。

実は、この本には、「ウェブクリエイターのステキなオシゴト」や「華麗なる
サクセスストーリー」は書かれていません。もちろん、明日からの実践的な作
業に役立つ「TIPS」も書かれていません。

だけど、仕事に煮詰まった時、孤独な徹夜作業で悲しくなった時、クライアン
トにダメ出しされてぐうの音も出ない時、そして「シゴト辞めたい……」と落
ち込んだ時にこそ、読んでほしい本なのです。もしかしたら、笑って悩みがす
っ飛んだり、凛子先生のマヌケなクリエイターライフを覗き見て安心できたり
するかもしれません。

この『ウェブクリエイターのハローワーク』を読んで、オシゴトの活力や脱力
にしていただけると幸いです!

【つきよの・りんこ/フリーランスWebデザイナー】info@rinko.cc
「月夜野凛子」は、もちろん芸名……、もといペンネームです。本名は企業ヒ
ミツとなっておりますが、「ウェブクリエイターのハローワーク」にこっそり
実名が書いてあるのは内緒にしておいてください。
なにを隠そうコラムデビューは日刊デジクリです。4年前に書いたコラムがき
っかけで「Web Designing」誌の連載のお話をいただいたので、原点であるデ
ジクリに戻ってこれたのは大変に嬉しいことなのです。
・凛子先生通信
http://rinko.cc/

●本誌を毎日コミュニケーションズよりデジクリ読者2名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は12月15日(水)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に12月20日頃掲載予定です。
http://www.dgcr.com/present/20041202.html


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■編集後記(12/9)
・読売新聞の夕刊にときどき「不思議アート」が載っている。何曜日なのかは
覚えていないけど。久しぶりに、また久納ヒロシさんのCGステレオグラムを楽
しめることになった。久納さんとは10年以上前からの知り合いだが、その当時
もこの仕事をしていたという記憶がある。そこで、深夜(といっても、わたし
の深夜である10時半ごろ)メールしたら、すぐに返事が来た。相変わらず、こ
の時間も大阪中央区の仕事場にこもっている。いったいいつ家に帰るのだろう。
「不思議アート」は読売大阪版が1994年から、東京版が1997年からだという。
Strata VisionとPhotoshopを用い、独自の手法を開発、いまも頑に製法を守り
続けている。「不思議アート」の読者からは「こういう写真を撮るカメラはど
こで売っているのか」なんて聞かれることもあるとか。画像をよく見ると、水
平方向に同じ絵柄が等間隔で並んでいる。この絵柄を少しずつ変化させて、浮
き上がって見える立体を隠しているのだ、と説明されたがよくわからない。で
も、わたしはCGステレオグラム平行法の達人なので、すぐに解答が見えてしま
うのだ。昨年、小学館から出版された久納さん著「3D不思議アート」の掲載作
品もことごとく数秒で解明した。だが、カバー裏の大きな絵柄だけがどうして
も見えない。くやしい。毎朝毎晩やっている。そのうち見えるだろう。しかし、
近眼のわたしでも、裸眼でこんな鮮明に見えてしまうのは神秘だ。 (柴田)

・せこいことを書く。アップルストアで1万円以上購入したら千円引きという
コードが届いたので、アマゾンで買おうと思っていたアクセサリ二つをアップ
ルストアで買った。が、届いたアクセサリの一つが動作しない。使いたい日が
決まっていたので困ってサポートに電話をしたら、サポートの人はとても親身
になって対応してくれたんだが(いい人だった~)、アップル製品でないため
サポートの対応できる範疇を越えていて、結局目的日に使えないままになった。
その後、現品を返送し点検して初期不良なら返金処理に応じるという話になっ
た。目的日に使えなかったのは困ったけれど、交換してくれてもいいんだけど
なと思いながら結果を待っていた。どうもその後すぐにメールをもらったみた
いなのだが私の元には届いてなくて、しびれをきらしてメールしたら返金処理
を既にしたとのこと。調べてみたら当然ながら割引分はチャラ。ががーん。こ
れならアマゾンで買えば良かった……。いや、使いたい日が決まっていたら店
頭で買って初期不良ならすぐに持ち込んで交換してもらえるようにしなきゃな。
在庫がなかったらそれも無理だけどね。アップルストアに限らず、どうしてこ
う初期不良に当たる率が高いのかなぁ。いいこともそれなりにあるんだけど極
端で、あまり中間がない人生よねって思うのは考え過ぎか。(hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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