[1674] 見捨てられた者たちのために…

投稿:  著者:  読了時間:22分(本文:約10,800文字)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1674    2005/01/21.Fri.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18318部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで mailto:info@dgcr.com
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

   <冬山で遭難した人の出るシーンのように眠気と戦っている>

■映画と夜と音楽と…(242)
 見捨てられた者たちのために…
 十河 進

■デジクリトーク
 スポーツの秋...だった
 Will
 


■映画と夜と音楽と…(242)
見捨てられた者たちのために…

十河 進
───────────────────────────────────

●複雑すぎるプロットの「レディ・ジョーカー」

昨年の暮れに「レディ・ジョーカー」を見にいった。渡哲也が出ているからだ。
「誘拐」など渡哲也が出る映画はやはり封切りで見にいくことが多い。ただし、
昔、白血病の青年を演じた「愛と死の記録」(吉永小百合と共演)が苦手だっ
たせいで、最近、吉永と共演した「時雨の記」「長崎ぶらぶら節」は映画館で
は見ていない。

渡哲也ほどラブシーンが下手な役者はいない。「愛と死の記録」もミスキャス
トだったが、「時雨の記」も役になじまなかった。愛しながらも照れて強がり
を言い続ける姿しか渡哲也には似合わない。それに個人的な思い込みを言えば、
相手役は松原智恵子しかいない。「東京流れ者」「無頼」シリーズでの恋人役
である。

ところで、高村薫の「レディ・ジョーカー」を読んだのは出版された当時だか
ら、もう七年近く昔のことだ。

僕は彼女の処女作の文章の硬さについていけず(その後、書き直したらしい)
数ページで本を放り出して以来ずっと敬遠していたのだが、「レディ・ジョー
カー」はいいですよという呑み友だちのIさんの勧めで読んでみて、なるほど
文章も練れてきたなと思った。

高村薫はおそらくジョン・ル・カレに影響を受けている。翻訳調の文体、スト
ーリーの語り方、登場人物たちを描くスタンス、徹底した調査と書き込みなど、
日本の作家にしては珍しくねちっこい。その分、読みにくいところもあり、ス
トーリーが複雑になりすぎるきらいがある。

「レディ・ジョーカー」もプロットが複雑すぎるのと、登場人物をそれぞれに
書き込んでしまうから、犯人側にも誘拐される大企業の社長にも、主人公格の
合田刑事にも合田と対立する犯人側の半田刑事にも人間的に共感してしまい、
結局、ストーリーがよくわからなくなってしまう。

だから「レディ・ジョーカー」映画化という話を聞いた時、あの物語をどう整
理するのだろうと思ったものだった。しかし、映画化は成功していた。物語を
刈り込み、犯人たちを描くこと、とりわけ渡哲也が演じた初老の男の想いを描
くことで肝ができ芯が通った。

もう一方で描かれるのは企業社会のダークサイドであり、警察という特殊な組
織内部の複雑な権力構造である。所轄署と警視庁の関係、警察内部の不祥事を
隠蔽するために働く組織の力学、幹部たちの保身の様などが暴かれ、犯人たち
の方がまともに見えてくるという皮肉な展開になる。

高村薫のシリーズ・キャラクターである合田刑事も主人公という扱いではない。
石原プロが売り出しに力を入れている徳重聡が演じていたが、直木賞作品「マ
ークスの山」を崔洋一監督が映画化した時には中井貴一が演じた。スーツに白
いスニーカーがトレードマークのヘンな刑事だ。「マークスの山」の時は、合
田がスニーカーを洗うシーンがわざわざ挿入されていた。

原作で最も書き込まれ印象的なキャラクターは誘拐される日之出麦酒の社長で
ある。Iさんと呑んだときに「あの城山社長がいいですよね」と言い合ったこ
とがある。映画では長塚京三がもの静かなキャラクターで好演していたが、原
作ほど印象には残らなかった。

●映画版「レディ・ジョーカー」が描こうとしたもの

物語は「かい人21面相」のグリコ・森永事件をなぞる。麦酒会社の社長が誘拐
され、翌日、解放される。麦酒に異物が混ぜられ、脅迫状が届く。警察はドジ
を踏み続け、身内に犯人のひとりがいるのを知りながら警察という組織を守る
ために隠蔽する。組織内の反逆児として合田はひとりで動き始める。

「レディ・ジョーカー」とは、犯人たちが名乗る名前である。渡哲也が演じる
物井という小さな薬店主、人生を投げているような中年のトラック運転手(大
杉漣)、在日朝鮮人で金融関係に詳しい信用金庫の職員(吹越満)、つぶれか
けた町工場の旋盤工(加藤晴彦)、下積みのノンキャリアの刑事(吉川晃司
の五人がそのメンバーである。

勝ち組・負け組(嫌な言葉だ)という最近よく使われる分類法で言えば、彼ら
はみんな負け組である。彼らは一時の夢を求めて競馬場へ通ううちに親しくな
る。互いに同じような匂いを感じたのかもしれない。

トラック運転手は重度の障害を持つ12歳の娘を車椅子に乗せて競馬場へやって
くる。彼女はみんなから「レディ」と呼ばれている。その名前とババ(ジョー
カー)を組み合わせたから「レディ・ジョーカー」なのだろう。

東北の貧しい農家で育った物井は、戦後のゼネスト騒ぎの後、兄が日之出麦酒
を解雇されて戻ってきた日を思い出す。解雇されながらも職場として日之出の
麦酒工場を愛し、「日之出のビールはうまいなあ」としみじみとつぶやく兄の
哀切な想いを子供心に胸に留める。その兄が老人施設で死を迎えたことをきっ
かけに日之出麦酒に対しての闘いを挑むのだ。

物井の闘いを象徴するように街角にひっそりと建つ「物井薬店」の前から見上
げると、遠くに巨大な日之出麦酒の本社ビルが見える。下町の狭い路地のよう
なところに建つ古びた小さな薬店が何十年も働いて得た物井のすべてだが、そ
れを見下ろすように巨大なタワービルがそびえる。その映像が映画のテーマを
象徴し、犯人たちの明確には表現できない動機を如実に物語る。

「レディ・ジョーカー」を見た頃、僕はちょうど佐藤忠男さんの「長谷川伸論」
(岩波現代文庫)を読んでいて、その中に出てくる「見捨てられた者たちのた
めに…」という言葉が「レディ・ジョーカー」が描きたかったものと共通する
と感じた。社会の底辺で生きる者、歴史の中に埋もれた者、差別される者、見
捨てられた者のために長谷川伸は書いた。

映画版「レディ・ジョーカー」が描こうとしたものも同じだったのではないか。
愛した職場を追われた兄を持つ男、被差別部落出身者、在日朝鮮人、重度の身
障者を娘に持つ男、不況の中で職場を失った青年など、レディ・ジョーカーを
名乗る男たちは皆、見捨てられた者である。社会の底辺で生きる者たちだ。

彼らが犯罪をおかすのは金のためではない。理不尽で不平等な状況に対しての
復讐なのである。「勝ち組・負け組」などという言葉が行き交う閉塞的な現状
に対しての異議申し立てなのだ。もちろん犯人たちの動機はそれぞれに異なっ
ている。だが、彼らは一様に自分の人生を肯定できないでいる。

自分の人生を肯定できないなんて、なんて不幸なことだろう。

●身を寄せ合うような見捨てられた者同士のやさしさ

──あんたらには、わかりゃしないよ。

映画の後半、狭い店に現れた城山社長に対して物井が投げつけるように口にす
る言葉だ。「絶対にわからない」とさらにつぶやく。見捨てられた者たち、差
別される者たち、社会の底辺で生きる者たち、そんな人間の想いは「あんたら
にはわからない」という明確な拒絶である。

財力があり、社会的な地位があり、近代的なオフィスビルの最上階の役員室に
いる男と、そのビルをいつも見上げるしかなかった男が初めて出会うシーンだ。
彼らは同じくらい長く人生の時間を過ごしてきた。だが、まったく共通点はな
い。わかりあえるきっかけさえない。そこにはあるのは断絶だけだ。

「レディ・ジョーカー」たちもまた、皆が同じ想いではない。トラック運転手
は「どうして俺はババばかりつかまされる」と嘆き、物井に「レディはババじ
ゃない」とたしなめられる。日之出麦酒の株の売買で利益を得た信用金庫の職
員は経済ヤクザにかぎつけられ、もう一度他の企業に対して同じことをやろう
ともちかける。

階級社会そのもののような警察組織への復讐なのだろうか、刑事でありながら
犯罪に手を染めた半田は、組織の力学から警察は自分を逮捕できないことを勝
ち誇るが、合田から仕掛けられる神経戦に苛立ちを募らせる。トラック運転手
は娘を置き去りにして姿を消す。復讐の闘いによっては、結局、誰も幸福には
なれない。

だが、「レディ・ジョーカー」は見る者に希望を感じさせて終わる。理不尽な
社会状況は変わらない。差別は決してなくならない。不平等はさらに拡大する
だろう。見捨てられた者はさらに見捨てられるだろう。

しかし、60を過ぎた薬店主と喋れず歩けない重度の身障者の少女が身を寄せ合
って生きていくことを予感させて映画は終わるのだ。

見捨てられた存在のふたりは、これからも社会の片隅でひっそりと生きていく
だろう。彼らは大金を手にしたわけでもない。何かが好転したわけでもない。
いや、物語が始まった時より状況は悪くなっているかもしれない。

そんな社会でも見捨てられた者同士のやさしさは間違いなく存在する。身を寄
せ合うようになやさしさだ。雪が降る誰もいない競馬場の観客席に置き去りに
されたレディの車椅子をゆっくり押して去る物井の姿は美しい。涙があふれる
ほど美しい。降りしきる白い雪がふたりの悲しみを伝え、哀切さが胸に迫る。

常磐線の松戸というローカルな町の、あまりきれいとは言えない映画館で僕は
「レディ・ジョーカー」を見た。客は十人くらいしか入っていなかったけれど、
映画が終わった時に僕の斜め前の老人が拍手をしていた。

彼も見捨てられた者たちのひとりだったのかもしれない。あるいは見捨てられ
た者たちに共感を寄せられるやさしさを持った人だったのだろう。

僕も彼につられて拍手をした。客がみんな出ていき、明かりがついた小さな映
画館の中に、ふたりの拍手の音だけが響いていた…

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
G3ノートで原稿を打っていたら、隣に置いてあったXPノートにビールをこぼし
てしまった。日之出麦酒ではなくてハイネケンビールである。幸いXPノートは
今のところ無事ではあるようだが、そのうち酔っ払いだすかもしれない。

デジクリ掲載の旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■デジクリトーク
スポーツの秋...だった

Will
───────────────────────────────────
年末も近づき、デジクリには脈絡のない話題ですが、10月に一週間も仕事を放
り出してさいたま国体に参加してきましたのでご報告します。デジクリのみな
さんも楽しくスポーツしてみませんか? (注・昨年いただいた原稿です)

まずは、国体やライフル射撃競技そのものが馴染みがないと思うので簡単な説
明から。

国体(国民体育大会)というのは、毎年各県持ち回りで開催され、冬・夏・秋
の国体通しで、各々の都道府県の入賞数と順位に応じて得点を合計し、皇后杯
(女性)・天皇杯(男女総合)の順位を競う大会です。各種目には、すべての
都道府県から選手が出られるわけではなく、都道府県予選とブロック予選を通
過した選手しか出られません。ブロック予選通過枠は、ブロック内の都道府県
の数より少ないです。

ライフル射撃は、おおまかにはピストルとライフルに分けられ、ライフルは更
に光線銃を使う「ビームライフル(所持許可は不要)」、空気銃の「エアライ
フル」、火薬を使う「スモールボアライフル(以下SB)」に分けられ、自分が
やっているのはSBで50mの距離で、伏せ・立ち・膝各40発の合計を競う男子3姿
勢120発競技(本射は1200点満点)です。標的の10点圏の直径は約10mm。光学
レンズを使った照準器は使えません(フィルター類は可)。

ライフルは、高校生(ジュニア種目)から大学生・社会人まで民間人が多く、
ピストル選手は警察官が多いですが、民間人の選手もいます。各種目とも、本
射後に、トップ8人がさらに10発だけ競射して最終順位を決めるファイナルマ
ッチが行われます。SBを撃っている時のイメージとしては和弓のような「50m
先に腕を伸ばして針に糸を通している」感じです。

ちなみにお皿を飛ばして撃つクレー射撃は、ライフル射撃とは統括団体も違う、
まったく別の競技です。あっちはおじさんしかいません(たぶん)が、ライフ
ルは女子高生や女子選手も多くて、若々しい雰囲気なのです。

●射撃を始めたきっかけ

高校に入って漫画研究会(学校非公認)の連中とつきあい始めたら、軍装品や
銃に詳しいヤツが多くて、自然と興味を持つようになった。

しばらくはモデルガンなどに凝っていたが、大学に入って学生食堂を腰にモデ
ルガンぶら下げて歩いていたところを射撃部にスカウトされた。入部するまで
は仏だった先輩が、入部後は豹変したのでそこで初めて「体育会」の意味を知
った。

●国体の魅力って?

国体では、射撃好きが集まって起きてから寝るまで射撃の話で盛り上がれる。
普段は話の合うヤツはいないが、この期間だけは全国に散っていた友人や恩師
と再会し(高校や大学のクラブ出身者が多い)、新型の銃の話やお互いの近況
の話で盛り上がれる。普段は通販でしか利用出来ない競技専門店も出店するの
で、最新の射撃グッズを手に取って店員と話が出来る。
 
また自分の競技時間以外では、同じ県の他の選手のサポートに付いたり、ファ
イナルマッチの応援に駆けつけたり、宿に帰れば翌日のスケジュールを打ち合
わせたり、寝るまで射撃漬けの一週間になる。

初日は「こんな大変なスケジュールがあと6日も続くのか」とうんざりするが、
最終日は「もう帰らなくちゃいけないのか」と、祭りが終わってしまうような
寂しさも感じる。トップレベルの選手は当然、天皇杯の得点獲得に向けて激し
いつばぜり合いをするが、そのほかの選手にとっても参加賞だけでは終わらな
いのが、国体だ。

●さいたま国体の感想と、その次

バスでの移動が大変だった。射撃競技会場の長瀞射撃場は、山肌にへばり付く
山城のようなところで、駐車場と道路が狭く自家用車は完全乗入れ禁止。代わ
りに中型バスを使ったシャトルバスが運行されたが、初日には多数の人が乗り
切れず、毎夕方は帰宿ラッシュが発生し大混雑した。しかもクレー競技が同じ
射撃場で同時開催なので移動人口は通常の二倍だ。

他の国体だと最低一台の四輪の会場乗り入れが許されるので、帰りに本屋に寄
ったり、中心街に出ておみやげを買ったり出来たが、長瀞はバスが宿まで直通
なのでそれも出来ない。会場も宿も、ケータイの電波がギリギリで、テレビ以
外のメディアもなく、普段メールやウェブ環境に浸っている身には情報難民と
言える状況。大会期間中に新潟中越地震が起きたが、その時は総合開会式から
宿に戻るバスの中にいて、宿に着くまでわからなかった。

今回我が県チームのライフル射撃の皇后杯・天皇杯のほとんどをたたき出した
のは、一人の女子高生。2種目で1位と2位に入賞し、それが認められて某有力
大学スポーツ特待生の射撃部監督推薦(枠がたったの二つ)も取りました。彼
女は、調子を崩したりしながらもここまではい上がってきた苦労人なのです。
よかったねー、グスッ。(歳取るとこういう話に弱くって)

得点集計は表計算を使ったPC集計だが、今回は大型モニタやプロジェクタで集
計画面を直接会場スクリーンや休憩室に投影していて、リアルタイムで入力と
順位が変わる様子がわかるようになっていた。特にビームライフルは、得点入
力自体が自動化されていた。(イマイチ不安定だったが)この辺は年々ハイテ
ク化している。

自分個人の成績を書くと、1082点・36人中32番で、目標だった1100点を越えら
れず。3位に入った宮城を除くと、東北・北海道勢でビリ争いをしていたよう
なもの。大学の射撃部がある県は、若手が育つので強い。埼玉は自衛隊の体育
学校があるので、東京都と並び優勝の常連県だ。1位の本射得点は1160点、2位
は1137点。1位はオリンピック選手なので別格としても、1100なら25位まで上
がれる。3姿勢で最も点数差が開く立射に重点的に対策する必要がある。立射
が、4シリーズで平均各5点上がればそれだけで+20点で1100点を越えられる。

練習用弾代の支払いで少なくなった預金残高をさらに取り崩して、新しいアイ
ピース(偏光と5色カラーフィルタ組込)とハイサイトブロックを購入。道具
で埋められる部分は、道具で埋める。比較的高得点の伏射に転向するという選
択肢もあり、色々考え中。

以前、アテネオリンピックの誤射の話を書かせていただいたが、今回は標的間
誤射は無し。ただし圏的間誤射を2回やった。圏的間誤射とは、自分の撃つ標
的の順番や弾数を間違えること。普通の大会では1枚80円するSB公式標的節約
のため1枚に2発または4発撃ち込むが、国体では贅沢にも1発撃ち込みだ。標的
は手元のスイッチを押して1枚ずつ送るのだが、いつものクセでつい送るのを
忘れることがある。幸い圏的間誤射は2発までは許されるのでギリギリセーフ。

デジクリの端くれとして、今回標的の治痕シールを自作して持っていった。SB
の公式標的は高価なため、競技で使った標的の穴を塞いで練習で何回か再使用
するのだ。ドローで標的の中心部数センチ四方の部分を作りA4用紙に複数配置
し、それを原版にしてA4フリーカットシールにコピーし、切り取り線を入れて
使う。

市販品のシールや紙もあるが、意外と高価なので自作用PDFデータがあるとみ
んな重宝するだろうという目論見だ。射座で隣り合わせた県の関係者や知り合
いに試作シールを配ると好感触だったが、実際にPDFが欲しいというところは
なかった。残念。自作というとみんな尻込みするようだ。(現在はPDFを自分
のサイトで公開中)

来年は、「晴れの国」おかやま国体。

●思ひ出ぽろぽろ

20年も競技選手やっているとそれになりに経験値が上がってきてしまう。記憶
を辿ってみると...

・昔は銃を背負ってバイクで移動していたが、富山に行った時は片道6時間ず
っと雨でヘルメットが雨漏りして頭がずぶ濡れになった上に、長距離移動で銃
の重みがもろに首にかかり、翌日は激痛で左を向けなくなってしまった。今は
装備も増えたため四輪で移動するが、米国のメル友から「パソコン抱えてライ
フル背負いバイクに乗るモダンサムライで~す」と言われたのを思い出しては
バイクで国体に行く夢を見る今日この頃。

・生涯最高成績は確か、東四国国体(1993)で9位と同点で11位というのが最
高。この時は伏射・立射までは、1位になったオリンピック選手とほぼ同等の
得点だった...と日記には書いておこう。

・得点集計のPC化は、射撃界の昔からの課題で、有志がPC9801とマルチプラン
を使って個人的にやっていた時代から色々試行錯誤されてきた。パソコン通信
の黎明期には、国体の得点集計担当の大学の研究室の教授に掛け合って、フロ
ッピーにデータを分けてもらい、40字×255行しか扱えないノートワープロで
編集し、宿の赤電話にカプラをはめ込み10円玉の落ちる衝撃を拾って回線が切
れやしないか戦々恐々としながらパソ通の会議室にアップロードした記憶があ
る。日本で初めて国体成績がオンラインで掲載された瞬間。たぶん

・山梨国体では民泊で、地区の方に歓迎会を開いていただいたが、周囲はブド
ウ農家ばかり。当然ワイン攻めにあい、轟沈した。夜中、隣の布団から「ごぼ
っごぼっ...ごぼごぼっ」と音がするので見てみたら、同宿したコーチ(現監
督)の口から(以下自粛)

・国体のマスコットは、開催地の特産品や観光名所をシンボル化した物だが、
自分の目から見て「イケてる」と思えるものは稀。その中で東四国国体の「す
だちくん」と来年の岡山国体の「ももっち」はいい線だと思う。それ以外は擬
人化に(かなり)ムリがあるものが多くて...。

・最近の高校生は軟らかいものや好きなものしか食べないので、合宿では事務
局長や監督も気を遣う。せっかく海辺の宿に泊まっても高校生だけ別メニュー
で「カレーライス」だったりする。しまいにゃ「カニは怖いので食べられませ
ん」って...日本人だろ、サカナ食えサカナっ。

・高知国体での宿は、龍馬像の建つ浜辺に近い場末の民宿。フスマ一枚隔てた
隣室には正体不明の人が住んでいるし、ちょっと外に出るとヤブ蚊に悩まされ
る。目の前を見上げると山の上に驕奢なホテル。競技役員が泊まっているのだ
そうな。

「宿」問題は時には騒動にも発展する。某国体では、青少年向け施設があてが
われたが、1室4人の寝台部屋で、子供向けに出来ているため狭い上に洗面台な
どが低く、夕飯は冷めて固いしで、選手間に不満続出(正確には宿の責任者が
「料理自慢です」と言い切ったあいさつへの反発<笑>)。優勝を目指す県は
選手の精神的コンディションにも気を遣うため、宿をキャンセルし射撃会場近
くのペンションに移動。優勝争いにもカンケーなくお金もない大多数の県はそ
のまま青少年施設に。各県の実力による予算差が露骨に現れた出来事。

・各県の公式ユニフォーム(ジャージ)も以前は唐辛子色の地味なサマーセー
ターだったりしたが、ここ7~8年でかなり洗練された。特に熊本県は、ショー
ルっぽい大きな切り返し付きジャージにベレー帽がセットで、女子がムチャク
チャかわいく見えるので好みだ(笑)。ただ、男も同じなのは問題がある。

【will】will.design.works@nifty.com
電子部品製造設備メーカー勤務。広告・広報担当。ヤマトで転んでガンダムで
育った世代。学食でモデルガンをぶら下げて歩いているところを射撃部にスカ
ウトされる。以降国体出場経験数回。成績はサッパリだが、撃ち終わる速さは
日本一。

<応募受付中のプレゼント>
 『Web Designing 2005年2月号』 本誌 1671号(1/25 14時締切)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(1/21)
・昨日の読売新聞は「第26回よみうり写真大賞」の受賞作品を紹介していた。
5ページもの紙面大盤振る舞いに驚いた(もっともカラーは1ページだったけど)
。デジタルアート部門の大賞は、セメント工場の円筒型プラントにつけられた
外階段とその影をファスナーのエレメント(かみあう部分)に見立てて、スラ
イダー(引き手の部分)を合成した「ひらけゴマ!」という一発芸だった(←
ファスナー部品の名前は知らないので、YKKのサイトで調べた)。そのほか2点
は合成もの(だいぶくどい絵柄だ)。3点はカラーでないと意図がわからない
作品だった。この部門、さぞ技術を駆使した作品が集まったことだろう。とこ
ろで、各地で行われている写真コンテストで、デジタルの加工や合成を施した
作品は受付けないと明記してあるケースが目立つ。加工の範囲がどこまでか判
断できないが、アナログでも行われてきた現像、プリント処理で手を加えるの
と同程度なら可なのだろうと思う。問題は画像処理ソフトを使って、画像デー
タをさわりまくる場合だろう。色を変えたり、じゃまな物を消したり、あるい
は加えたりしたら本当の意味での「写真」ではなくなる。データを解析しても、
どこに手が加えられたかを判断するのはむずかしいのではないか。審査員がそ
こまで判断できまい。今後はデジタルフォトでの応募には、主催者側も警戒が
必要だと思うが、どんなもんだろう。              (柴田)

・とても眠い。目の前には片付いていない仕事がある。打ち合わせまでには資
料を用意しなければならない。手ぶらで行く訳にはいかない。試験なら、もう
どうなったっていいと寝られるが、仕事なのだ。一人だけの問題ではないのだ。
ここしばらくろくに寝ていないが、相手にはそんなこと関係ないから、打ち合
わせ中に寝てはいけないのだ。打ち合わせのあとにもう一本アポが入っている
ので、打ち合わせが終わって速攻帰って寝るわけにもいかないのだ。そんなこ
とを考えつつ、冬山で遭難した人の出るシーンのように眠気と戦っている。目
の焦点が合わない。でも寝たら朝まで起きられない。そんな状況の人間でも絶
対寝過ごさない装置を発明してくれたらすぐに買うぞ。  (hammer.mule)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
                        
登録・解除・変更・FAQはこちら <http://www.dgcr.com/regist/index.html>
広告の御相談はこちらまで  

★等幅フォントでご覧ください。
★【日刊デジタルクリエイターズ】は無料です。
お友達にも是非お奨め下さい (^_^)/
★日刊デジクリは、まぐまぐ<http://mag2.com/>、
E-Magazine<http://emaga.com/>、カプライト<http://kapu.biglobe.ne.jp/>、
Macky!<http://macky.nifty.com/>、melma!<http://www.melma.com/>、
めろんぱん<http://www.melonpan.net/>、MAGBee<http://magbee.ad-j.com/>、
のシステムを利用して配信しています。配信システムの都合上、お届け時刻が
遅くなることがあります。ご了承下さい。

★姉妹誌「写真を楽しむ生活」もよろしく! <http://dgcr.com/photo/>

Copyright(C), 1998-2004 デジタルクリエイターズ
許可なく転載することを禁じます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■