[1703] 孤独な狩人のような心

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1703    2005/03/04.Fri.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18329部
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      <人はみんな自分の話を聞いてもらいたがっている>     

■映画と夜と音楽と…(247)
 孤独な狩人のような心
 十河 進
 
■Workforce of a Freelance(11)
 FileMakerで旅行して本を出して
 新居雅行 
 
■展覧会案内
 青木克憲XX展
 第83回ニューヨークADC展





■映画と夜と音楽と…(247) 
孤独な狩人のような心

十河 進
───────────────────────────────────

●「心は孤独な狩人」というタイトルの意味?

──「みんな自分のことを聞いてもらいたい」のである。そんなことはカーソ
ン・マッカラーズの「心は孤独な狩人」という小説に書いてある。

これは小谷野敦の「軟弱者の言い分」(晶文社)という本の「『自分探し』に
ついて」というエッセイの中で見付けた文章だ。「もてない男」というミもフ
タもないタイトルの新書で話題になった大学の先生だが、僕は彼の著作をもう
何冊も読んでしまった。

僕は「自分探しをしたい」とか「本当の自分を見付けたい」などという輩が大
嫌いで、「甘ったれんじゃない」と叱りつけたくなるのだが、小谷野さんのエ
ッセイはそのあたりを鋭く批判していて共感すること大だった。しかし、そん
なこととは関係なく、この部分を読んで昔見た映画を思い出した。

「愛すれど心さびしく」という1968年に制作された映画である。邦題は「愛す
れど心さびしく」だったけれど、原題は「The Heart Is a Lonely Hunter(心
は孤独な狩人)」だ。もちろんカーソン・マッカラーズの原作である。

1960年代後半はカーソン・マッカラーズの小説の映画化が流行っていたのか、
1967年にはマーロン・ブランドとエリザベス・テイラーが共演したジョン・ヒ
ューストン監督の「禁じられた情事の森」もある。

当時、僕は映画雑誌で「金色の眼に映るもの」というタイトルで紹介されてい
たのを見たが、公開時には「禁じられた情事の森」になっていた。もちろん原
題は「REFLECTIONS IN A GOLDEN EYE(金色の眼に映るもの)」である。これ
は男色を扱った映画で当時としては珍しかった。

劇作家のテネシー・ウィリアムズは「熱いトタン屋根の猫」でホモ・セクシャ
ルを描いているのだが、映画化(1958年)に当たってその部分は変更された。
当時のハリウッドは同性愛を描くことはタブーで、それは1960年代後半になる
まで許されなかったのだ。

さて、「愛すれど心さびしく」は映画ファン的に位置づけると少女時代のソン
ドラ・ロックが見られるという意味で貴重であり、数少ないアラン・アーキン
の主演映画としても希少価値がある。アラン・アーキンはオードリー・ヘップ
バーン主演「暗くなるまで待って」で凶悪な殺人犯を演じた俳優だ。

ソンドラ・ロックは美しく成長してからクリント・イーストウッドの愛人とな
り、「ガントレット」「ダーティハリー4」「ブロンコ・ビリー」などイース
トウッド作品のヒロインをつとめたが、後に不仲になってからは裁判騒ぎを経
て「今後、暴露本などを出さない」ことを条件にイーストウッドから大金をせ
しめる。

まあ、そういう現実の人生を知ってしまうと「愛すれど心さびしく」の心優し
い少女像が崩れるかというとそんなことはない。この映画のソンドラ・ロック
は眼ばかり目立つひ弱そうな女の子で、悲しみに充ちた瞳が印象的である。つ
まり、かばいたくなる少女(といっても十代後半か)のイメージなのだ。

●自分のことを聞いてもらいたいだけの人々

アメリカ南部の町に聾唖者の青年(アラン・アーキン)が引っ越してくる。職
を探し、住む家を探す。「私は聾唖者です。読唇術ができます。部屋を見せて
ください」というカードを見せて部屋探しをする。

彼はミック(ソンドラ・ロック)という少女の家に下宿することになる。ミッ
クは音楽家になる夢を抱いているが、家が貧しくてピアノも買ってもらえない
し、コンサートにいくことさえできない。

そんなミックは青年と心を通わせ、青年は少女のためにモーツァルトのレコー
ドを買ってきて少女に聴かせる。青年がいなくても、いつでも部屋に入って聴
いていいと言われ、ミックは青年の部屋に入り浸る。

しかし、青年自身はレコードを聴くことはできないのだ。虚しく回転するだけ
のレコードを見つめる青年には悲しみの表情が浮かぶ。

様々な人々が登場する。苦しみや悲しみを抱えた人々だ。南部の町で偏見に晒
される黒人医師の父と娘もいる。彼らは青年と知り合い、自分のことを喋る。
自分の人生を、自分の夢を、痛みを、悩みや苦しみを、そして悲しみを…

聾唖者の青年は、人々にとっては最高の聞き手である。人々は彼に様々なこと
を話し、話したが故に救われる。自分のことを聞いてもらいたいという欲望を
満足させ、彼の前から去っていく。

相手の言葉は聞こえないが、青年は唇を読み、人々の苦悩を、悲しみを理解し
呑み込む。それは青年の中に堆積し、悲しみの層を作ったに違いない。ひと言
もセリフのない役だけに困難だったと思うが、アラン・アーキンは心やさしい
聾唖者を演じ、表情と仕草だけで深い悲しみを表現した。

後に村上春樹さんの「1973年のピンボール」を読んだ時、僕は「愛すれど心さ
びしく」を思い出した。「1973年のピンボール」は「見知らぬ土地の話を聞く
のが病的に好きだった僕」が手当たり次第にまわりの人間から話を聞くエピソ
ードから始まる。

──彼らはまるで枯れた井戸に石でも放り込むように僕に向かって実に様々な
話を語り、そして語り終えると一様に満足して帰っていった。

この文章を読んだ時、村上さんは間違いなく「愛すれど心さびしく」を見てい
るな、と僕は思った。そう、聾唖の青年は「人々にとっては何でも話せる枯れ
た井戸」だったのかもしれない。

だが、人々の物語を聞き続けた青年は、ある日、突然に自殺してしまう。人々
は、なぜ彼が死を選んだのか理解できない。

誰も彼の悲しみを聞いてやる人間はいなかったのだ。みんな自分の苦悩や悲し
みに夢中で、自分のことを聞いてくれている青年の絶望を思いやることはでき
なかった。心を通わした少女ミックでさえも…

●コミュニケーションは成立するか

──理由こそわからなかったけれど、誰もが誰かに対して、あるいはまた世界
に対して何かを懸命に伝えたがっていた。

これは、前述の「1973年のピンボール」の冒頭のエピソードに出てくる文章で
ある。しかし「懸命に伝えたがっていた」ものは、結局、誰にも伝わらなかっ
たという深い挫折と諦めが村上春樹さんの初期作品には深く漂っている。

村上作品の主人公たちである「僕」はクールで都会的であるがゆえに、泥臭く
人とのコミュニケーションを求めることをしない。ジャズのレコードを聴き、
洒落たバーでビールを呑み、気の利いた言い回しで空疎な会話をする。

そんなところばかりが人気を呼び、多くの読者を確保した。しかし、初期の村
上作品が描いたものは「孤独と孤絶感」であり、「人はわかりあえない」とい
う諦念である。どの作品の「僕」も人とのコミュニケーションを求めない。

いや、少し違うかもしれない。村上作品の主人公たちである「僕」は、傷つく
ことを怖れてコミュニケーションを求めない。他者との連帯を拒否している。
それは、かつて求めて得られなかったからだ。そのことによってひどく傷つき、
深い挫折感から彼らはクールさを装っている。

村上作品の主人公たちは、まるで「心はさびしい狩人」の聾唖者の青年のよう
に僕には思えた。彼は人とのコミュニケーションを求めたのだが、人々は自分
だけの言葉を彼に喋り続け、彼の言葉を聞こうとはしなかった。

言葉を喋れなくても、彼も人に伝えたいことはあったはずだ。彼自身の苦悩も、
悲しみも、そして歓びもあった。だが、コミュニケーションは成立しない。彼
は便利な聞き役でしかない。彼は絶望する。

村上作品の主人公たちがクールな生き方で自衛しなければ生きていけなかった
ように、「心はさびしい狩人」の聾唖者の青年も生きていけない。彼はクール
な生き方ができず、自死を選ぶしかなかった。人々のエゴに絶望し、それから
逃れるために…

人はみんな自分の話を聞いてもらいたがっている。僕だって自分のことを聞い
てもらいたいからこんな文章を書いている。日常でも、自分の想いだけにこだ
わり、人の痛みや辛さを思いやる気持ちを忘れがちになる。性急に、自分の怒
りやこだわりを口にし、人の言うことを聞こうとしない。

もっと人の言うことを聞こう、人の苦悩や悲しみを理解しよう、たとえエゴを
剥き出しにした言葉であっても人の話を聞かなければならない、と「心は孤独
な狩人」という不思議なタイトルを想い出すたびに僕は言い聞かせる。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
「『噂の眞相』25年戦記」は岡留さんの我田引水が多いけれど面白く読めた。
「噂の眞相」は、新宿ゴールデン街で拾ったネタで雑誌が作れることを実証し
た稀有な雑誌。なぜか、最近、ゴールデン街が復活している。昔、先輩は「黄
金街」と書いてルビを振っていたが、そっちの方がよかったな。

デジクリ掲載の旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

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■Workforce of a Freelance(11) 
FileMakerで旅行して本を出して

新居雅行
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ここ1か月の間に、熊本と旭川に旅行をした。その共通点と言えば、ラーメン?
はずれてはいないが、実はFileMakerなのである。FileMakerのユーザグループ
としてFM-Tokyoは長年に渡って活発な活動をしているが、1月にFM-Kyushu、そ
して2月にはFM-Hokkaidoが一回目の勉強会(ミーティング)をそれぞれ熊本と
旭川で開催したのである。

いずれにも呼んでいただいたので、西へ北へと行ってきた。その間、2月には
FM-Tokyoの定例ミーティングもあり、なんだか毎週のようにFileMakerのユー
ザグループの会合があった。さらにその間、久々に書籍を、しかもFileMaker
ネタのものを世の中に出すことができた。

FM-Tokyo
<http://www.filemaker.gr.jp/fmtokyo/>
FM-Kyushu
<http://fm-kyushu.jp/>
FM-Hokkaido
<http://fmha.webhop.info/>

●交流が次のステップを生み出す

FileMakerはユーザとデベロッパの境目が曖昧だ。自分で作って使う人が多い
ので、デベロッパでもありユーザでもあるという人が多い。その意味では特別
なアプリケーションなのかもしれないが、利害関係というものも通常のシステ
ム開発分野と違う気がする。

SI業者さんって、自分のところで情報を溜め込みクローズにして競争力を持つ
というイメージが強い。しかしFileMakerの世界は、むしろ排他的にならない
方が利益を生む素地を作り出している。ストイックに追求するのもいいけど、
いろんな人と知り合って語り合うことで、確実に次のステップが見えてくるよ
うな世界なのだ。

もちろん、そういった増幅を生み出すコミュニティとして、FM-Tokyoが機能し
ているという点も見逃せない。そして、FM-Tokyoの成功と雰囲気を知った地方
の人は、同じようなコミュニティを自分の地元で展開しようと奔走することに
なる。

もちろん、東京からもいろいろなバックアップを行っているし、FM-Tokyoの運
営メンバーはオフ会幹事の高岡幸生さんをはじめとして、実施へのノウハウの
提供など支援は惜しんでいない。ちなみに、高岡さんには、熊本、旭川いずれ
も現地でお会いした。

わたし自身も、何かネタを見つけてはそれをなるべく「発表する」という形で
みんなで共有し、さらにみんながどんなことを欲しているのかといったことを
得る機会にもさせてもらっている。そんな経緯もあって、熊本も旭川にも呼ん
でもらえたと認識している。そして、それらの土地で新しい仲間に出会って、
また何かが広がって行くのである。それが面白いのだ。

●なんだかんだで地方は二の次がこの国

こうしたコミュニティは、均一には展開されない。ある場所で組み立てるとし
たら、場所、構成する人たちといった要因があり、同じような集まりとはなら
ないものだ。FM-KyushuとFM-Hokkaidoはどちらかと言えばかなり異なる形態に
なった。いずれも、一回目としては成功だと言えるだろう。

FM-Kyushuは熊本で開催されたが、組織運営にはMacのユーザグループ、特に熊
本と鹿児島のUGや福岡の関係者が動いたという点で、大きな人数の動員ができ
たのではないだろうか。熊本で開催するのは、九州の中心であることが大きな
理由だそうだが、場所を確保してイベントを開催可能なUGが熊本にあったこと
も大きな要因のようだ。

そして、鹿児島と福岡のユーザがそれぞれ事例を発表した。参加者の中には
FileMakerを知らない人もいたようだが、どちらかと言えばFileMakerを良く知
っている人の集まりとなったのである。

わたしは運営側の依頼を受けて、FX.phpの紹介をさせてもらったが、それくら
いのコアな人たちが集まっていたという感じである。Macのユーザグループが
ベースだったのでMacユーザが多かったのだが、さらにWindowsユーザが集まれ
ばかなり盛り上がるのではないかと思われる。

旭川で行われたFM-Hokkaido in Asahikawaは、北海道のあちこちから人が集ま
ったわけではなく、旭川周辺のユーザが中心だった。そのため、こじんまりと
した集まりになったが、会場や運営者の流れで、ビジネス展開はしているもの
のFileMakerを知らない人もまずまず含まれていたのが目立つところだった。

そして、そちらも依頼により、わたしはFileMakerの初歩的なことや、なにが
便利なのかといった話をした。具体的に見せながらの紹介といったプレゼンテ
ーションをしたのだが、多くの人が熱心に質問を発すると言った展開になった
のである。むしろ、FileMakerをもっと地元の人に知ってもらおうという意図
が強く働いたというところだ。

いずれの会合も終了後は飲み会となり、大いに盛り上がり、「次回もやろう」
という話になっていた。(FM-Kyushuは2回目のミーティングを3月20日に佐賀
で開催する)とにかく、自分たちのペースで続けてほしいと感じる。東京では
いろいろなイベントがあるが、ほんとに地方はそういう機会が少ない。インタ
ーネットが発達したら…などと戯れ言を言うのはたいがいは都会の人間だ。コ
ンセプトを知っているふりをして自分では何もしない。

以前にもある業界団体で、ほとんど東京でしかやっていないセミナーを、ビデ
オやストリーミングを低クオリティでもいいから地方の人向けに提供すべきだ
と提案したが、一蹴されたこともある。一事が万事とすれば、どうりで東京一
極集中するわけだ。

しかし、いきなりストリーミングをする前にやることがある。大小さまざまな
コミュニティが各地で形成されて、それらが連携をする基盤がネットワークな
のである。まずは、人と出会うことつまりミーティングすることから始まると
思う。

●FileMakerの難しいところを解説した本

一方でわたし自身のこととなるが、久しぶりに書籍を出版した。書籍を出すの
も久しぶりという気がするが、FileMakerの書籍は7年ぶりになる。「リレーシ
ョンで極めるファイルメーカー7」というタイトルで、FileMaker 7での新機能
である本格的なリレーショナルデータベースの機能を、かなり噛み砕いて紹介
したものだ。ラトルズからの発売で、2,800円である。デジクリでは先日の茂
田カツノリさんのコーナーでも紹介いただいた。

リレーションで極めるファイルメーカー7
http://msyk.net/fmp/relationalbook/

良くも悪くも、FileMakerは気楽にデータベースを作れてしまう。それがいい
面でもあるのだが、1テーブルで複雑なデータベースを作り、あるところでど
うしようもなくなるという例はよく聞く話だ。データを柔軟に記述するのがリ
レーショナルデータベースという手法ではあるが、結果は確かにすばらしいけ
ど、そのときのテーブルやフィールドをどのように組み立てるかといった設計
が難しいのである。数学的な側面もあり、また論理的にきちんと検討しないこ
ともあって、決して安直にこなせる世界ではない。

しかし、それを知ることによって、FileMakerで作るデータベースのクオリテ
ィは明らかに高くなる。場当たり的にやってうまくこなしている人もいるかも
しれないが、しっかり勉強したい人は、ぜひとも書籍を手にしてもらいたい。

もっとも、リレーショナルデータベースをFileMakerで勉強するということも
あるので、難しい集合理論を書籍で展開しているわけではない。実例と、実際
に画面で見えるような展開を考え、紙面でリレーショナルデータベースの動き
を追えることを考えた。数学的なことを知らなくても、なぜリレーショナルデ
ータベースが実用的なのかを解説している。

また、関連する機能でFileMakerに用意されたさまざまなやり方も紹介してい
る。ガチガチにリレーショナルデータベースではないところもやはりFile
Makerのユニークなところであり、分かりやすいという雰囲気を醸し出してい
る。FileMakerから見たリレーショナルデータベースの世界を紹介したかった
ということだ。

この書籍、実はある出版社で出版することになっていたのだが、すべての原稿
を書き上げた上で没になった。ちなみに、下請代金支払遅延等防止法があるだ
ろうと思われるかもしれないが、この種の原稿は他の出版社に持ち込むことで
出版が可能なので原稿依頼は対象外なのである。いずれにしも、企画を救い上
げていただいたラトルズ社には激しく感謝したい。確かに売れない本かもしれ
ないが、こういう書籍は必要であることを認識し、それをビジネスにつなげる
積極性を持っている出版社が残念ながら限られているというのが実情だ。

初心者向けの情報だけでなく、技術的な内容や難しい内容こそ求められる情報
であり、オライリーのような成功例もあるわけだが、日本の書店に並ぶ書籍の
多くがどのような状況かはみなさんがよくご存知の通りだ。出版社側にも読者
にも、そしてわたしのような筆者にも責任はあると言えるわけだが、前記の通
り出版社側に何かを求めると言ってもどうも難しそうなので、期待するのは読
者のみなさんの行動であると言えるだろう。

<P.S.>3月中旬にはさらに南の宮古島でもFileMakerのユーザ会が開催される
見通しだ。詳細はわたしまで問い合わせください。

【にい・まさゆき】msyk@msyk.net
トレーナー、コンサルタント、デベロッパー、そしてライターと、あれこれこ
なすフリーランス。熊本行きでは山奥の温泉に一泊、旭川ではオホーツクまで
バスで行った。残念ながら流氷で埋まった海は見られず、かけら程度しか見ら
れなかった。現地でお世話になった方々に御礼を申し上げます。

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■展覧会案内
青木克憲XX展
<http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/>
───────────────────────────────────
会期:3月3日(木)~28日(月)11:00~19:00 土18時 日祝休
会場:銀座グラフィックギャラリー(東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
TEL.03-3571-5206)
内容:「ラフォーレ グランバザール」、キリン「カンパイ!!ラガー」など、
斬新で骨太なグラフィックで、話題となる広告を作り続けてきた青木克憲が、
今回の展覧会では「キャラクター」をテーマに選びました。様々なクリエイタ
ーとのコラボレーションにより、キャラクターをビジュアルとして創り出すだ
けではなく、立体化、映像化とその世界観を拡張し、果てはキャラクター・ビ
ジネスにまで展開させてきた活動を紹介します。EXTRA EXCEED(最高品質)なら
ぬ、EXTRA EXCITING、最高にワクワクできる展覧会にしたいという願いを込め
ております。(サイトより)

●ギャラリートーク
日時:3月18日(金)18:30~20:00
場所:DNP銀座ビル5階 会議室 
出演:糸井重里+青木克憲
定員70名 入場無料 参加ご希望の方は、ギャラリー受付まで

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■展覧会案内
第83回ニューヨークADC展
<http://www.recruit.co.jp/GG/exhibition/2005/g8_0503.html>
───────────────────────────────────
会期:3月7日(月)~4月1日(金)11:00~19:00 土日祝休 水20:30
会場:クリエイションギャラリーG8(東京都中央区銀座8-4-17 リクルート
GINZA8ビル 1F TEL.03-3575-6918)
内容:広告、ポスター、エディトリアル、イラスト、写真、コマーシャルフィ
ルムなどの入賞作品。

●第166回クリエイティブサロン
日時:3月24日(木)19:00~20:30
ゲスト:植原亮輔(アートディレクター)佐野研二郎(アートディレクター)
会場:リクルートGINZA8ビル1Fロビー(ギャラリー隣) 
内容:金賞を受賞した植原亮輔氏と、今回の審査員を務められた佐野研二郎氏
を招き、審査の様子や受賞作品の制作にまつわる話などをしてもらう。
入場無料。予約、問い合わせは、同ギャラリーG8受付 TEL.03-3575-6918まで

<応募受付中のプレゼント>
繻子(しゅす)織りのオリジナルネックストラップ 本誌1702号(3/10締切)


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■編集後記(3/4)
・ツマラナイ、、こんなつまらないマンガだったのかよ「クロマティ高校」。
あきれたことにもう12巻目になるが、この巻におもしろいところがただの一箇
所もない。最初の頃は、なんて新しいスタイルのおもしろいマンガなんだと感
心していた。講談社漫画賞をとったあたりでは、さもあらんと大いに評価して
いたが、ずんずんとつまらない理屈に走るようになってきた。絵もおざなり路
線一直線、12巻では畳の部屋でワルどもがごろ寝している絵があるが、身長が
一畳の短辺より小さかったりしている。いや、別人が描いているのではないか
と思うくらいヘタクソになっている。野中英次は描いていないと勝手に断言す
る。一読してあきれ、もう一度読んで腹が立ってきた。なんというやる気のな
いマンガであるのか、読者をなめるのもいい加減にしろ。という反応も、作者
にとって予想の範囲なのだろうなあ。めんどうくさいのはいや、仕事がいやと
いうキャラクターの作者だから。なんて、どうでもいいことを考えていたら、
若い友人(女性)がひな祭りのお菓子を送ってきて、中の手紙に「読書の方は、
久しぶりに思索系。『ミル プラトー』を読み終えて、次はここ何年も気にな
っていた『超弦理論とM理論』に目を通そうかなあという感じです」とある。
ゲゲゲの鬼太郎! まったく知らないぞ、そういう本。ネットで調べて実在す
ることを知る。思索系というより宇宙系という彼女が、あっさりこういう難解
そうな本を読んでいるとは驚異だ。というより、いい歳をして「クロマティ高
校」なんかをネタにしてるんじゃだめじゃない~。恥ずかしいなあ。(柴田)

・以前やった仕事の、クライアントのアドバイザー的な人から電話が入る。
「あのお仕事の質であのお値段というのは魅力的でして……。」その人は、知
らない人はいないだろう大手企業に勤めているので、その仕事を安いと思って
くれたみたいなのだが、私としてはこの仕事でこれだと高いかな~トラブルが
あったら困るしなと思いながら出した金額だったのであった。(hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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