[1886] イブの夜の出来事

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1886    2005/12/16.Fri.14:00発行
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       <星に願いを伝えていても何も変わりはしない>      

■映画と夜と音楽と…[275]
 イブの夜の出来事
 十河 進

■インターフェイスの旅[4] 
 もっと重要視されていいページスクロール
 鷹野雅弘

■展覧会案内
 三好和義「楽園の都 ヴェルサイユ・パリ」
 植田正治:写真の作法 ~僕たちはいつも植田正治が必要なんだ!~
 日本写真家協会企画展「日本の子ども60年-21,900日」
 


■映画と夜と音楽と…[275]
イブの夜の出来事

十河 進
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●自分は罪深い人間であるという自覚

クリスマスが近いこともあって、前回、柄にもなくイエス・キリストが登場す
る映画を紹介したのだけれど、「鶏がなくまでに私を三度知らないと言うだろ
う」とキリストに預言された十二使徒のひとりの名を調べないまま書いたら、
クリスチャンの方から何通か「ペテロです」というメールをいただいた。

実は、前回の文章が載った号が配信された金曜日の夜、いつものように某健康
雑誌編集長のIさんと呑んでいたのだが、さっそく「あれはペテロです。鶏が
なくまでに三度イエスを知らないと言った後、彼は号泣するのですが、あれは
とても印象に残るエピソードです」と教えられた。

その翌日、メールをチェックすると「ペテロ」と題されたものが何通か入って
いた。ろくにバイブルも読まず半端な知識で書いてしまったことを少し後悔し
たが、後の祭りというやつである。しかし、あながち見当違いのことを書いた
わけでもないらしく、以下のようなメールをいただいた。

──ペテロの偉大さは、その情けなさ、裏切りの記憶の上に立っているのでし
ょう。教会をつくっているのは、完全無欠な人ではなく、ペテロと同じく心の
弱い人間です。クリスチャンがそれぞれ自覚する「罪」(自分は罪深い人間で
あるという自覚)には、ペテロのように、自分は簡単に、最善のものに対して
も裏切りをはたらくことが出来る人間だという記憶が含まれているのでしょう。
クリスチャンにとっては、ペテロのエピソードが、自分の弱さを映し出す鏡の
ような役割を果たしているのです。

僕はこの部分にとても感銘を受けた。キリスト教の「原罪」という概念が、明
確に伝わってくる言葉だった。「裏切り」という行為に象徴的にあらわれる人
間の弱さがはっきりとわかる。人は平然と裏切るわけではない。煩悶し、迷い、
自己を保つために裏切り、裏切った後は後悔し苦悩する。罪の意識を拭いきれ
ずに生きてゆく。

おそらくペテロも自分が師の預言通りの行動をとるとは思っていなかっただろ
う。彼は自分が自分を裏切ったことに驚く思いだったのではないだろうか。自
らの弱さゆえに涙を流したペテロはキリストが処刑された後、最初の教会を建
て初代法王となった。バチカンはペテロの墓の上に建てられているという。

ペテロのことをもう少し調べてみようか…、そんなことを考えながら近くのシ
ョッピングモールの本屋へいってみたらモール内はクリスマスセールの真っ最
中だった。

●いろいろなクリスマス・ストーリーがある

日本でクリスマスを祝う習慣がいつごろから始まったのかは知らないが、1950
年の「醜聞」という黒澤明の映画を見ると、クリスマスの夜に派手に騒ぐシー
ンがあったから戦後すぐの頃にはもうそんな状態だったのだろう。それほど本
数を見てはいないけれど、戦前の映画でクリスマスシーンを見た覚えはない。

夏目漱石の「吾輩は猫である」の中にクリスマスの話が出てきたようなおぼろ
げな記憶があり、岩波の漱石全集(新書サイズの方ですけど)の二巻、三巻を
パラパラとめくってみたが、見付からなかった。記憶違いかもしれない。

ところで、欧米ではクリスマス・ストーリーというジャンルがあるらしい。ポ
ール・オースターの短編「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」は、作
家である語り手が新聞社にクリスマスの日に掲載するストーリーを依頼され、
いきつけのタバコ屋の主人オーギー・レンに相談すると、彼が「昼食を奢って
くれたら、とっておきのストーリーを提供するよ」と言うのが始まりだ。

それはポール・オースターの短編をつなげて映画化した「スモーク」という作
品のラストシーンで使われていたが、とても印象的な物語である。作家はウィ
リアム・ハート、オーギー・レンはハーヴェイ・カイテルが演じた。文春新書
の「翻訳夜話」で村上春樹さんと柴田元幸さんが別々に訳している。

さて、誰もが知っている有名なクリスマス・ストーリーは、やはりディケンズ
の「クリスマス・キャロル」だろうか。吝嗇で因業な年寄りスクルージの物語
だが、僕は教訓的なこの話があまり好きになれない。

ここで、意外なクリスマス・ストーリーを思い出した。ジョン・フォード監督
の「三人の名付親」という映画だ。原題は「3 GODFATHERS」で、コッポラ監督
の「ゴッドファーザー」が公開される24年前、1948年の映画である。

三人のアウトローが銀行強盗をやるつもりで、西部の町に現れるところから映
画は始まる。ジョン・ウエインが頭目だ。キッドと呼ばれる若い男(ハリー・
ケリー・ジュニア)とメキシコ人(ペドロ・アルメンダリス)が仲間である。

町について早々、彼らは庭いじりをしていた中年男(ワード・ボンド)と知り
合い、彼の妻からお茶をご馳走になる。夫婦は、姪とその夫がニューエルサレ
ムという町からこちらに向かっているのに会わなかったかと聞く。別れ際に男
が革のベストを身につけると胸に輝く銀の星…、三人はギョッとする。

三人は銀行を襲って逃げ、ワード・ボンドの保安官は助手を募って彼らを追う。
逃げる途中に水を失った三人が水場に現れると予想した保安官は、いくつかの
水場に先回りし見張りを配置する。

三人は保安官の裏をかこうと、砂漠を横断して別の水場をめざす。しかし、逃
げるときに撃たれた傷がもとでハリー・ケリー・ジュニアは弱り、おまけに眠
っている間に馬が逃げ、徒歩で砂漠を渡らなければならなくなる。

砂嵐に襲われ、喉の渇きに耐え、ようやくの思いでたどりついた水場は、より
深い井戸を掘ろうとした無知な男によってダイナマイトで破壊されていた。そ
の男は死に、身重の妻が動かなくなった幌馬車に残されている。その妻も瀕死
の状態だ。

かつて我が子の出産を経験したことがあるペドロ・アルメンダスが赤ん坊をと
りあげる。ジョン・ウエインはサボテンから少しずつ水分を搾り取り、赤ん坊
に飲ませる。妻は三人の名を確認し、名付け親になってほしいと言い残して息
絶える。

同じ頃、ある鉄道の中継地で保安官は昔なじみの老婦人と会い、冗談を言い合
うが、そのときに「メリー・クリスマス」という言葉があり、初めて観客はク
リスマスの話なのだと知る。

生まれたばかりの赤ん坊を腕に抱える若い妻、立ち合う三人の男、そして、彼
女が出発した町はニューエルサレム…、そう、この西部劇はまぎれもなくキリ
ストの生誕をベースにしたクリスマス・ストーリーなのである。

●生き方の美しさや人の心の美しさを描く

赤ん坊を抱えたときから悪党三人は次第に変わってゆく。幌馬車の中に残され
ていたバイブルを読んだハリー・ケリー・ジュニアは、彼らは赤ん坊をエルサ
レムに連れてゆく使命を負ったのだと言う。彼は自らを東方の三賢人になぞら
えている。

自分の体が弱っているにもかかわらず、ハリー・ケリー・ジュニアは子供を抱
え、守り、「水を飲め」と言うジョン・ウエインに「この子の水を盗めるか」
と拒否する。いつの間にか三人の目的は赤ん坊を生かすことだけになっている。

「私の名前はジョン・フォード。西部劇を作っている」というのは、赤狩り時
代に監督協会の集まりに出たときのフォードの伝説のセリフだ。彼は共産主義
者と目された監督を糾弾しようとするマッカーシズムの手先のような監督に向
かってそう切り出し、「こんなバカなことはやめて、みんなうちに帰って寝ち
まおう」と言ったという。実に男らしい。

西部劇を多く作ったジョン・フォードには、そんなマッチョなイメージがつき
まとう。あの大男のジョン・ウエインさえ怒鳴りつけ、荒くれ男のスタッフた
ちから「親父さん」と慕われた。おまけに僕が覚えているジョン・フォードは
左の目に黒いアイパッチをしていた。まるで海賊だ。

しかし、ジョン・フォード映画には「詩情あふれる…」と形容される繊細な優
しさが漂う。どの映画も美しい。「映像の詩人」と呼ばれるほどであり、映像
の美しさはもちろんだけど、それ以上に人間の美しさを描いた。生き方の美し
さであり、人の心の美しさだ。

たとえば、先日、紹介した「リバティ・バランスを射った男」も自己犠牲の美
しさが胸を打つ。「リバティ・バランスを射った男」のジョン・ウエインは愛
する女のために、その夫となる男を陰ながら守り、自らは身を引く。愛する女
を迎えるために建てた新居に火を放つほど絶望しながら…

銀行を襲い町中で銃を撃ちまった「三人の名付親」の無法者たちも、いつの間
にか自分を棄て赤ん坊のために生きる。ハリー・ケリー・ジュニアは、赤ん坊
のために自分が水を飲むことを拒否して死んでいく。最後に残った大男のジョ
ン・ウエインが赤ん坊を抱き、ヨロヨロと歩く姿からイノセントと表現したい
何かが伝わってくる。自己を棄て他者のために生きる美しさが身に迫る。

「怒りの葡萄」では、ジム・ケイシー(J・C)というイエス・キリストと同じ
頭文字を持つ元説教師はストライキの指導者と目され警備員に撲殺される直前、
「おまえさんたちは自分のやっていることがわからねえんだ。おまえさんがた
は、子供を飢え死にさせる手伝いをやっているんだ」と言う。彼は貧しい人々
のために生き、死んでゆく。

そのジム・ケイシーの志を受け継いだトム・ジュード(ヘンリー・フォンダ)
は、貧しい人々のために生きることを決意する。ジム・ケイシーの言葉は、磔
刑になる前の「父よ、彼らを赦したまえ。その為すところを知らざればなり」
というイエス・キリストの言葉に重なる。トム・ジュードはペテロの役割を担
っているのだ。

ということで、少し早いですが、メリー・クリスマス!!

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
本は何とか全部売れそうだと聞きました。ありがとうございます。わざわざ振
り込みまでして買っていただいた方に感謝します。さて、来週は三連休。今年
はこれで最後でしょうか。皆さん、よいお年を。

デジクリ掲載の旧作が毎週金曜日に更新されています
<http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html>

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■インターフェイスの旅[4] 
もっと重要視されていいページスクロール

鷹野雅弘
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GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)は、「名詞(対象物)→
動詞(命令)」という手続きを取る。つまり、グラフィックアプリケーション
の基本は、「選択して」「命令する」ということに尽きる。

先に「選択」ありきなので、オブジェクトを選択したり、作業箇所を拡大表示
するといった作業にマゴマゴしていては、クリエイティビティも何も話が進ま
ない。

ジャンルを問わず、各アプリケーションに共通する「選択」を支援する機能と
してズーム(拡大)と、ページスクロールは、地味ながら生産性に大きくかか
わる機能だ。今回はページスクロールを取り上げたい。

縦方向/横方向だけのスクロールバーに対して、[手のひらツール]を使って、
ぐいっとドラッグすることで編集箇所を移動する機能。これなくしては生産性
は極度に落ちる。ツールボックスから[手のひらツール]を選択してからドラ
ッグしてもいいのだが、ツールを切り替えるという操作にかかる手間や時間は、
塵も積もればでバカにできない。

そこで、IllustratorやPhotoshopでは、スペースバーを押している間[手のひ
らツール]に、QuarkXPressではoptionキーを押している間[グラバーハンド]
に変わることを利用して作業を進める。デジクリ読者には説明不要だろう。

Illustrator/PhotoshopとQuarkXPressを同時に使うときにストレスはあるもの
の、数年前までは、なんとかこれでガマンできた。しかし、この状況が少し変
わりつつある。

(1)Flash(MX 2004/8)では、日本語入力モードがオンのときには、スペー
スバーを押しても[ハンドツール]に切り替わらない。

(2)InDesignでは、Illustratorと同様にスペースバーを利用する。しかし、
文字系のツールを選択している際にはoptionキーで[ハンドツール]切り替え
(ややこしいので常にoption+スペースバーで切り替えればよい)。

なお、IllustratorやPhotoshopで文字入力中にスペースバーを押すと当然、空
白文字が挿入されてしまう。これを回避するためにcommand+スペースを押して
から、commandキーだけ離すというワザがある(InDesignでは不可能)。そう
いう意味では、ハナからoptionキーを採用したQuarkXPressの設計はエレガン
トだ。

クルマでブレーキを踏むのに、このクルマは左から二番目のバー。あのクルマ
は一番右のバー。さらに別のクルマは、ハンドルを手前に引きながらブレーキ
を踏み込む、みたいな状況を考えてみて欲しい。もちろん、ページスクロール
がブレーキと同じわけはないが、グラフィックアプリケーションを使う際、ペ
ージスクロールはそれほど重要な機能だ。ヘビーに使う機能はアプリケーショ
ンごとに違ってしまっては困る。せめてキーボードショートカットをアサイン
できるようにしてくれればいいのだが、どのアプリケーションもこの手のアサ
インはできない。

メーカーサイドは「Mac OS 9とMac OS Xはほぼ同じですよ」「Illustratorか
らInDesignのインターフェイスはほぼ同じなので、移行は簡単」などというが、
ほぼ同じで違うものほどやっかいなことはない。アプリケーションごとに独自
路線で不幸になるのは我々ユーザーだ。

QuarkXPress 6は業界からほぼ無視。アドビのマクロメディア買収が完了とな
ると、あとはアドビ頼みだが、ただ、星に願いを伝えていても何も変わりはし
ない。「アップデートしない」という主張方法もあると思うが、指を加えてリ
リースされたものをありがたく使うという図式にはうんざりだ。

ちなみに、Illustrator CS2(Macintosh版)にあたっては、スペースバーを押
すと、[アンカーポイントの追加ツール]に変わってしまうというバグ付きの
まま出荷され、出荷後、5ヶ月たってもアップデータ等で修正される気配すら
ない。
<http://www.dtp-transit.jp/2005/11/post.html>

追記1
Mac OS 9では、commandキーを押すと「Mickey's Glove」(ミッキーマウスの
手)アイコンになり、スクロールができた。
追記2
グラフィックアプリケーションのみならず、ページスクロールが欲しいのは
Excelだ。

【たかのまさひろ】takano@swwwitch.com
トレーナー・テクニカルライター・デザイナー
株式会社スイッチ代表 <http://swwwitch.jp/>
モスバーガー店員から英会話塾講師、職業作詞家等、100以上の職種を経験後
DTPやWebの制作、トレーニング、ライティングは飽きずに10年。

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■展覧会案内
三好和義「楽園の都 ヴェルサイユ・パリ」
<http://www.wako.co.jp/hall/>
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会期:12月18日(日)~12月25日(日)10:30~18:00 最終日17時 
会場:和光ホール(東京都中央区銀座4-5-11 和光6F TEL.03-3562-2111)
内容:楽園をテーマとした写真で知られる作者が、ヴェルサイユ宮殿と、故・
木村伊兵衛氏のカメラで撮影したパリの作品を出展。写真は和紙に印画してや
わらかな風合いを表現する。少年時代から惹かれ続けた木村作品への敬意とと
もに、味わい深いモノクロームで「パリの楽園」が繰り広げられる。会期中、
14時と16時から、三好氏によるギャラリートークおよびサイン会(毎日)。

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■展覧会案内
植田正治:写真の作法 ~僕たちはいつも植田正治が必要なんだ!~
<http://www.syabi.com/>
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会期:12月17日(土)~2月5日(日)10:00~18:00 木・金は20時 月休 
12/29~1/1休 1/2~1/4年始特別開館
会場:東京都写真美術館(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス
TEL.03-3280-0099)
入場料:一般500円、学生400円、中高生・65歳以上250円
内容:本展は植田正治の没後、日本初の回顧展となります。戦前期の作品「裏
町」から1950年代を代表する「砂丘」シリーズや 「童暦」シリーズ、そして
1970年代、再評価の機運の中で撮影された「小さい伝記」や「風景の光景」な
ど、「植田調(UEDA-CHO)」と称された代表的な作品群に加え、ヨーロッパ取
材時の作品やカラー写真による 「静物」シリーズなども紹介し、初期から晩
年に至るまでの植田正治の写真世界を一望しながら、その表現の独自性を探り
ます。(サイトより)

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■展覧会案内
日本写真家協会企画展「日本の子ども60年-21,900日」
<http://www.syabi.com/>
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会期:12月17日(土)~1月9日(月)10:00~18:00 木・金は20時 月休 
12/29~1/1休 1/2~1/4年始特別開館
会場:東京都写真美術館
入場料:一般700円、学生600円、中高生・65歳以上400円
内容:戦後間もなくの木村伊兵衛や土門拳、林忠彦から田沼武能、篠山紀信、
荒木経惟など現代に至る写真家約140名がとらえた200点余の作品で構成。会期
中、作家の重松清氏による講演会や、子どもたちに「写真が語る戦後60年」を
やさしく解説するキッズ・フォトレクチャーを催す。

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■編集後記(12/16)
・この3か月は、コンビニ本「カイジ」に熱中していた。全4巻を第1・第3水曜
日に発行していたからだ。早く来い、次の発売日ってかんじ。「カイジ」とは
福本伸行のマンガで、一見ヘタな絵、じっくり見てもヘタな絵、しかし読み始
めたら底なし沼にひきずりこまれるストーリー、そうなるとヘタな絵も味があ
って非常にイイ。このマンガ、いろんなシリーズがあるようだが、麻雀の話は
ルールを知らないから読む気はない。今回読んだのは「人喰いパチンコ」とい
う、当たれば7億円の怪物パチンコを攻略する話。わたしはパチンコも嫌悪す
るけど、この特殊パチンコ、説明されればルールはわかる。しかし、絶対に挑
戦者は勝てないメカニズムになっている。それをどう陥落させるのか、奇想天
外な攻略法を考え出すカイジ。たんにカジノ側とのメカニックな戦いが描かれ
るだけではない。主要登場人物の誰もが、生か死か、絶対に負けられないドロ
ドロの事情がある。その強烈に濃いバックグラウンドがあるから、この勝負は
異様におもしろい。逆転、逆転、また逆転。汗と涙が全開。こんなハラハラす
るマンガは体に悪い。全4冊で厚さ16センチ弱、ページが入っていないからそ
う表現するしかない。結果はわかっているけど、また読みたくなる魔性のマン
ガだ。それから、大場みつぐ+小畑健「デスノート」9巻を読んだが、ますま
す複雑になって、難解である。前巻を読み返さないとストーリーがわからなく
なる。それでも岡野玲子「陰陽師」に比べたら、まだわかる。この頃、マンガ
を読むのもたいへん。 (柴田)

・無線LAN機器は長く使っていた802.11bのものだったので、光だし故障だしと
802.11gのものを買いに行った。安くて機能の良いものがあったが、私のメイ
ンマシンはOSXなので、OSXからファームウェアのアップデートや設定が楽にで
きるものと絞ったらAirMac。有線LANポートも必要なのでAriMac Extreme。こ
れまでは初期型AirMacだったので、同じ形のものを買うのは新鮮味がなく、あ
んまり楽しい気分にはならない。延長保証の手続きをお願いし、駐車券の発行
は別の階でという話を聞き、お礼を言ってレジを離れようとしたら「お客様、
商品を!」と呼ばれてしまう。支払いをしたらお買い物は終了した気分で、頭
の中は駐車券ゲットに切り替わってしまっていたのだ。早く帰って仕事をと思
っていたからかもしれない。レジのお姉さんは保証書類に記入をしていて、ま
さか客がどこかに行こうとするとは考えていなかったらしい。よく天然って言
われるけど、きっとこれのことだな。二人でげらげら笑って、ちょっとほぐれ
たのか、お姉さんは入り口でやっている抽選会の話を教えてくれた。「結構い
いものが当たりますよ。一等は旅行だったりしていいなぁって思います。」な
どと感想まで知らせてくれた。当たったらレジに報告しに戻って来ようと思っ
たがはずれて残念であった。大丈夫、抽選会場に行く前に駐車券はゲットした
ですよ。                        (hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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