[1922] iWebはスゴスギル

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1922    2006/02/22.Wed.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 17993部
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      <最後の最後はアナログチックな思考でしょうね>      

■ネタを訪ねて三万歩[13]
 粘土遊びから「PAGE2006」を潜ってデザインの披露宴へ
 海津ヨシノリ

■グラフィック薄氷大魔王[42] 
 iWebはスゴスギル
 吉井 宏



■ネタを訪ねて三万歩[13]
粘土遊びからPAGE2006を潜ってデザインの披露宴へ

海津ヨシノリ
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BlogやMLでのコラム、あるいはオンライン原稿などで色々と騒いでいても、実
際の私の仕事の中身や方向性、あるいはイラストの画風みたいなものは正しく
理解されていません。しかし、それこそが楽しかったりします。だから、前か
らやっているのに誰にも話していない事などを、Blogなどに書いただけでも驚
かれる方が多いようです。

●ソフト粘土への下準備は脱線しっぱなし

実は、数年前から紙粘土で遊んでいるのです。発端は、2004年に発行した「タ
ブレット+Photoshop Elementsお絵かき・工作教室」(毎日コミュニケーショ
ンズ)の中で、結果的に没原稿とした紙粘土の原稿執筆からでした。もっとも
執筆は2002年から翌2003年にかけてで、全ての執筆が完了したのが2003年でし
たから、細かい出来事は記憶から消えかかっていますが、そこでは新聞紙をシ
ュレッダーにかけたモノを利用して、紙粘土を作成するところから執筆し始め
ていました。

しかし、私自身の判断で最終的に没にしてしまった経緯がありました。理由は
本の内容と照らし合わせて自分なりに中途半端だと感じたからです。実はあの
本のために執筆した原稿量は実際に出版された本の倍ありました。ページ数の
関係で編集部側によりカットされた分もありますので、ちょっと残念な結果と
なってしまいましたが、何かの機会にネタとして利用できればと感じています。

さて、紙粘土原稿を没としてからは作品作りにエネルギーを集中し、100円シ
ョップで購入した紙粘土で試行錯誤を繰り返しているのですが、そうこうして
いるうちにテレビで手芸の延長のような番組を見る機会があり、その中で紙粘
土に似た感じのソフト粘土というものの存在を知ってから、妙にワクワクし始
めてしまいました。

ところで、100円ショップの店内を徘徊していると、陳列されている様々な商
品がまるでレゴブロックのように頭の中で勝手に組み合わさっていきます。
「それ」と「これ」を組み合わせると「あんなもの」が出来るといった具合
に。例えば、プラスチックのバケツとキッチン用油避けのアルミ板を組み合
わせて撮影用の光源(蛍光灯)の傘を作ったりと、ずいぶん頭の体操をして
います。

とにかく最近は随分大きな店も出ていますし、原宿の竹下通りにまであります。
もちろん重宝するのですが、何もかもが安いと思い込むのは危険です。安いか
らついでにこれも買ってしまおうという気まぐれが出てしまうと、ショップの
思惑通りになってしまいます。特に、前記したように徘徊の中での衝動買いは
禁物。徒歩圏内に大きな100円ショップがあるので、私は何度も日を変えて徘
徊し、チェックしてから絞り込んで買うようにしています。何がどの程度お得
であるかという判断は、やっぱり常に持ち続けていないとダメですね。たかが
100円、されど100円です。

話を粘土に戻すと、ソフト粘土は、樹脂を主な原料として作られた軽量な粘土
で、石粉粘土に比べて1/3ほど軽量で扱いやすく、微妙なタッチの表現も可能
で、どんな素材にも接合させることが出来ます。また着色料を使わず混ぜ合わ
せて使うこともでき、さらにアクリル絵の具なども使うことができるので、ク
ラフト系アーティストには人気の素材らしいのです。そこで雰囲気だけでも遊
んでみようと、手持ちの紙粘土での遊びはエスカレートしてしまいました。も
ちろん、粘土そのものが違いますので似たような細かい処理は出来ませんが、
雰囲気は楽しめます。

そして、それではいざ本番ということでソフト粘土を買って~という段になっ
たのですが、色々な出会いが引き金となり、突然お菓子作りにシフトしてしま
ったわけです。そんなわけで粘土遊びは春ぐらいから再開しようかと考えてい
ます。でも、粘土ってある程度一気に作り上げないとまずいので、もしかする
と作ったとしても小さいモノが中心になってしまうかもしれません。だいいち
ソフト粘土って大きなモノを作り込む素材じゃないですしね。

そもそも「なんで海津さんが粘土なの?」と言われそうですが、本当は粘土細
工が大好きで、小学校の頃は世田谷区から色々と賞を頂きました。しかし、中
学の時、お馬鹿な上級生に目の前で作品を壊されてから、粘土で何かを作る気
にならなくなってしまったんです。さすがに美術の時間に拒否は出来ませんか
ら一応は作品を作りましたが、やる気は完全に消滅していました。最近までね。
実際、うちでは家の者が総出で色々なものを作っては遊んでいます。クリスマ
ス用のリース飾りや正月用飾りの小物など。あるいはハロウィンのカボチャと
か、本当に細かいモノを作っては騒いでいます。実はその延長で新たな行動を
起こそうとしていますが、それは別の機会のネタにすることにしますので、と
りあえず「乞うご期待」ということで楽しみにしていて下さい。

●「PAGE2006」でのMacOSXセミナー

ところでソフト粘土に集中できなかったのは、昨年の秋から2月の頭の「PAGE
2006」まで、一気に色々な事が重なり、身動きがとれなくなってしまったから
です。でも、お菓子作りは止まりませんでしたが、既にお菓子作りが自分の中
でリズムを刻んでいたからです。まだ粘土遊びにはこのリズムがないのです。
なんとかリズムを見つけ出したいと真面目に考えています。

そんな「PAGE2006」のセミナーは意外と大変な作業でした。まずセミナー2週
間ほど前から打ち合わせに入り、1週間ほど前には実際に使うマシン(Power
Mac G5/Quad 2.5GHz/Memory 2.5GB)を自宅に届けてもらい、私の環境を構築
するとともにデータを作り込みました。

つまり私の環境そのものというわけです。ですから、会場で他の方のセミナー
に使うマシン(当日は3台のマシンが机の下にありました)とは異なり、完全
に独立し、私だけしか使わない状態にチューニングしていました。出来れば実
際に使っているマシンと同様に、様々なツールで完全武装したかったのですが、
45分という時間の中で凝縮させなくてはなりませんので、目的を絞りシェイプ
アップさせました。

ですから、準備段階から凄くリッチな環境をアップルさんに提供して頂いたの
に大満足でした。さて、肝心の内容は、まずそれなりのストーリーを煮詰める
ところから入りました。そして、煮詰まったストーリーに合わせたデータ作成
に入ります。理想は実際の仕事のデータを利用することですが、それは色々な
問題がからんでいて現実化させることが難しいので、架空旅行会社のカタログ
としましたが、仕事の流れはほぼ実際の作業と同じです。また余計な説明を省
くために実際のカタログにある細かい説明文も省きました。もしセミナーの内
容がページレイアウトソフトについてのものであれば話は違ってきますが、几
帳面にリアルなサンプルを作ることが必ずしも効果的とはならないからです。

それとiChatに関しては数回行なっていますが、一度やると癖になりますね。
また、iPhotoに関してはAdobe Bridgeとの棲み分けについてのナイスな質問メ
ールが届いていましたが、ざっくりと曖昧な画像データを整理するのはiPhoto
の方が絶対に簡単で向いていると思います。これはあくまでも私論ですが、便
利なツールであっても操作方法が複雑であったり特殊というものは常用ツール
にはなりません。常にそのツールだけを使うという特殊事情なら話は別ですが、
様々なツールをつかう必要がある場合は、類似機能のツールは棲み分けを行な
った方が効率は高くなるはずです。

そんな私の観点で絞り込むと、Bridgeも便利ですが、あくまでもフォルダー単
位での管理といった流れです。つまり、絞り込んで画像のモード変換などを行
なった後のフォルダーを指定し、InDesignやIllustratorと連動して貼り付け
るといった方法が現実的ですね。またAdobe Stock Photosとの連動は無視でき
ない機能です。

もちろんiPhotoから直接ドラッグ&ドロップすることも出来ますが。漠然とし
たデータの絞り込みや新規登録といった処理はiPhotoで行ない、そこでの結果
をBridgeに受け継ぐと言った流れを行なっています。

ところで、実際の私の作業ではCMYKに画像をコンバートすることは殆どないの
で、直接RGBのまま貼り付けてしまいます。あとは勝手にInDesignとか
Illustratorが書き出しの時に処理してくれますのでラクチンというわけです。
で、ファイルブラウザに話を戻すと、更にサーバーとのやりとりなども含めた
広範囲かつ大がかりな処理ならPortfolioは無視できない存在ですね。そんな
具合に、適材適所に専門家を配置するような感覚で、ツールは使い倒した方が
よいでしょう。

さて、当初のセミナーはマウスでのオペレーションということでした。リハー
サルにてApple Mighty Mouseを初めてさわった感想として「悪くないというよ
り、むしろいいかもしれない」でしたが、やはり落ち着きません。タブレット
でないとね。そこで手持ちのタプレットを持参しても良かったのですが、いち
いち持ち帰りしなくてはならない(戻ってから自宅での作業)のも面倒で諦め
ていました。いくら何でもああいった場で古いタイプは使えませんからね。

しかし、運の良いことに同じフロアにワコムさんがいらしたのでシネマディス
プレイに対応したワイド版のIntuos3をお借りする事が出来たので、混乱なく
作業を進めることが出来ました。私はタブレットがないとやっぱりダメです。
もうメタメタです。それがOSのオペレーションであっても。でも、タブレット
操作とカナ漢字変換で宇宙人扱いされてしまったのには苦笑いでした。とにか
く本番でIntuos3とか連呼することはしませんでしたが、理解はしていただけ
たのではないかと感じています。

次にAutomatorですが、これほど便利なものはないと改めて感じています。ま
ず起動する気にもならないようなソフトがどれだけの数バンドルされていても、
Automatorのように使い勝手が良くて使い倒せそうなソフトが数本バンドルさ
れている方が嬉しいですからね。もちろんAutomatorは、私のようにスクリプ
トが苦手という者でも使えますし、Apple Scriptがバリバリという方なら更に
過激に面白い処理を構築できるでしょう。

そんなわけで、チャンスがあればMacOSXについてもっと煮詰めた話をしてみた
いと思います。

●久しぶりにWindows三昧で記憶を取り戻すのに一苦労

そうそう、笑ってしまったのはそんなMacOSXドップリの2月の上旬、久しぶり
にWindows三昧の仕事を同時進行していました。ですから、頭の中はパニック
状態。詳しい内容は守秘義務の範囲ですのでお話しできませんが、一言で言う
とモーションムービー作成のような感じ。ただし、ソフトウェアは非売品の特
殊な開発ツールが支給されるため、使用方法のマスターから入らなくてはなり
ませんでしたので、それなりの日程的な余裕を頂いていました。

しかし、結局はこの数年で一番バタバタする時だったため、ほとんど数日で仕
上げるという暴挙となってしまいました。でも、インターフェースがシンプル
で判りやすかったから助かったのかもしれません。担当の方は、わたしがまっ
たく質問もしないうえに、納期が迫っていたことに相当ストレスを溜めていた
のではないでしょうか。ごめんなさい。しかし、結果的に普段から馬鹿な事で
色々とMotion.appやLiveType.appなどで遊んでいたことがよかったのだと思い
ます。

やりたいことが直ぐに頭の中に浮かばないと、どれだけ時間があっても作業は
進みませんからね。さりとて時間がゆったりとあり、それほどタイトなスケジ
ュールではない場合は、逆に拍子抜けしてしまったりするのはどうしてなので
しょう。何か適当なリズムというものが常に必要ということなのかもしれない
ですね。そして、最後の最後はアナログチックな思考でしょうね。

実は昨年の12月からほとんどWindowsマシンを立ち上げることがなかったので、
細かいツールの使い勝手がどうだったか思い出すのに一番時間がかかり一苦労
してしまったことは内緒です。まっ、これはMacintoshも同じですね。1か月も
起動していなかったらちょっとパニックになるかもしれません。

●卒展と3年生の作品展が合体した「デザインの披露宴」でリフレッシュ

アナログといえば、今月上旬に大学での卒展と3年生の作品展が合体した【第
14回多摩美術大学上野毛デザイン展「デザインの披露宴」】に出かけてきまし
た。昨年も講師になる前でしたが出かけようと予定はしたものの、日程的に無
理があったので断念した経緯がありましたので、凄く楽しみにしており年明け
早々から妙にワクワクしていました。

本当は様々な学校の卒業展にも顔を出したいのですが、体は一つで予定もそれ
なりに入っているため、ご縁のあるところを優先しています。この割り切り方
は最近のお気に入りです。案内が届いたところ、友人が関係しているところ、
たまたま目に入ったところという具合です。これは交友関係でも適応できるか
もしれません。どう考えたって、全ての交友関係に対してまんべんなく付き合
いを継続するなんてことは不可能ですからね。

さて、「デザインの披露宴」の内容は多種多様で一言では言い切れませんが、
いつもお話ししているように、デジタル一辺倒ではないところが鑑賞していて
本当に癒されます。考えてみると、私も卒業制作の時は異常にテンションが高
く、尖っていたことを思い出しました。あのときの気持ちは絶対になくしては
いけないといつも感じています。人間は慣れてくるとどうしても逃げ道を作り
たくなるものです。その甘い誘惑とどう関わっていくかが、本当は重要なこと
なのかもしれないですね。

もちろん、だからと言ってアナログ至上主義だなんて馬鹿な話をしているわけ
ではありません。あまりにもデジタルに毒されてしまいすぎた現在のクリエイ
ター達への警告と言ってしまうと大袈裟すぎますが、なんというか「覚え書き」
のようなものですね。つまり、クリエイターが忘れてはいけない触覚のような
部分です。知らない間に触覚がもげていませんか?

●様々なメモリーカードに少しうんざり

そうは言っても、当然ながら現代はデジタル世界を無視できません。むしろ判
らないという台詞を吐いた途端に現役離脱です。とにかく日々勉強なのはどの
世界も同じですが、このデジタル環境に限れば情報は常に激変し、ぶら下がっ
ているのを維持することですら本当に大変です。

そんな私も、最近になって携帯電話用のミニSDカードを購入しました。メモ代
わりの撮影データやボイスレコードなどを保存しておくためです。これでやり
とりすれば、余計なソフトを経由してデータを取り込む手間から解放されます
からね。

まっ、128MBもあれば、どう考えても十分でしょう。しかし、こうしてまた新
しいメディアが増えてしまうわけです。出来るだけ色々と広げないように注意
はしていましたが、それでも調べてみれば、互換性のあるモノだけでも、mini
SD、コンパクトフラッシュ、スマートメディア、xD-ピクチャーカードという
有様。なんとか規格を統一してもらいたいと思っていますが、どうもそれは無
理な感じですね。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター

年号が変わって20年ほどすると、前の年号の時代を懐かしむ傾向があるようで
す。今、それはまさに昭和の時代へのノスタルジーとして開花しています。私
もブームとなった映画「ALWAYS三丁目の夕日」の少し後の時代を確かに生きて
いました。もちろん懐かしいことばかりですが、確実にその時代よりも今は様
々な点で良くなっています。にもかかわらず、過去を異常に懐かしむという行
為は昔の良い面だけをクローズアップしてしまうからでしょう。

そして、どうしても今生きている我々のダークな側面と対比してしまうのでは
ないでしょうか。あの時はあの時にもそれなりに色々と大変なことが山積みだ
ったわけです。例えば、今の子供達はテレビゲーム漬けだと批判する親たち。
でもその親たちはテレビ漬けだった先駆けの子供達、あるいはその第二世代。
当時はテレビ漬けの子供達はそれなりに社会問題となっていました。新しい価
値観は親の世代にとって、いつの時代も理解できない世界なのです。ただし、
最近は親子間ではなく、兄弟間で既にこのギャップが生まれるほど新しい製品
や価値観が目まぐるしく変化しています。

もし、平成時代を懐かしむブームを私自身が実際に体験する時が来たとしたら、
いったいどれほど平成という時代が賞賛されるのかが興味津々です。きっと次
の時代にも今は想像も出来ないような問題が山積みになることでしょう。そし
てソレがなかった平成時代を懐かしむということかもしれませんね。

yoshinori@kaizu.com
<http://www.kaizu.com>
<http://graphic.pastel.co.jp/kaizu/>
<http://fmaug.nifty.com/efgra/>

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■グラフィック薄氷大魔王[42] 
iWebはスゴスギル

吉井 宏
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GarageBandに続いてiLife'06アプリの続編ということになるけど・・・
iWebはヤバイ。ヤバスギル。いくらなんでもカンタンすぎ。

Macromedia(Adobe)のContributeというソフトがある。あらかじめ土台とな
るサイトを作っておく必要はあるが、ブラウジングのついでにどんどん追加編
集更新できる簡単ソフトだ。ブログという仕組みがポピュラーにならなかった
としたら、世界のWebを制していたとしても不思議じゃないくらいカンタンさ
なのだが、「自分でWebサイトを作って公開する」点において、iWebのカンタ
ンさはContributeを遙かに凌ぐ。

iWorkのワープロソフト「Pages」と同じく、Appleのデザイナーが作成したテ
ンプレートに、写真やテキストをはめ込んでいく方式だ。iLife'06のiPhoto・
iMovie・GarageBandなどのファイルをメディアブラウザから参照でき、そこか
らドラッグ&ドロップするだけ。テンプレートの根本部分はいじれないが、写
真やテキストのサイズ・位置・色などは変更可能。もちろん手動で写真やテキ
ストなどを追加配置できるし、簡単なドロー機能も搭載している。ハイパーリ
ンクも簡単。

写真はページ上で色調やシャープネスの調整が可能。トリミングはちょっとク
セがある。テキストのハイパーリンクも簡単だし、ページを追加すると自動的
にヘッダにメニューが追加されるので、各ページ間のリンクも意識しなくてい
い。

すごいのは、HTMLを意識せずに済むこと。っていうか、そもそもHTMLはiWebの
どこを探しても出てこない。ここまで徹底して「難しく感じさせる部分」を隠
したのは見事。

試しにシンプルなサイトを作ってみた。仕組みを理解しながら数十分で完成。
次に同じ程度のサイトを作るとしたら10分でできると思う。
<http://web.mac.com/hiroshiyoshii/>

ミソはやはり、iLifeとの連携。写真や画像ならiPhoto、ムービーならiMovie、
音楽やpodcastならiTunesとGarageBand。これらのソフトやデフォルトフォル
ダにコンテンツが入っていればiWebのメディアブラウザからアクセスできる。
ソフトから直接「iWebに転送」も可能。今までにもテンプレート方式で容易に
Webサイトが作成できるソフトはあったけど、iLife全体が強力な連携で「Web
に公開する」という一つの目的に向かって突進する感じ。

また、iWebは.Macとセットで使う前提で設計されている。ページが完成したら
「公開」ボタンを押すだけ。.MacのアカウントがMacのシステムに設定されて
いれば、サーバーのことなど意識する必要はまったくない。.Macのサーバーは
転送速度がトロいのが残念だが、この手軽さの前にはどうでもよくなる。

写真のギャラリーページの作成機能が格段に優れている。iPhotoの写真を必要
なだけ選択して枠内に放り込むだけ。ドラッグして順番の入れ替えもできる。
こんな使い勝手の良さは初めてだ。Webに公開したギャラリーページの「スラ
イドショーを開始」をクリックすると、OSXのスライドショー機能と同様の美
しい表示スタイルでWeb上で展開される(裏でややこしいJavaスクリプトが動
いているらしいが、意識する必要なし)。むろんWindowsで見ても同じ表示。

.Macに加入していなくても、iWebから「フォルダに書き出し」し、あらためて
自前のサーバーに転送してもいいんだけど、.Macサーバー以外では美しいスラ
イドショーなどいくつかの機能が失われてしまう(.Mac Homepageでおなじみ
のヘアラインメタルフレームのスライドショーになってしまう)。

BlogやPodcastも簡単に作成できるのだが、コメントやトラックバックができ
ないのは残念。まあ、無料ブログサービスを利用すればいいし、無料掲示板に
リンクを張ってコメントしてもらう手もあるけど。

はっきり言ってiWebは「素人向け」ソフト。お仕着せのテンプレートの枠内で、
写真やムービーを公開したり、文章書いたり、外部ページにリンクを張ったり、
ブログっぽいことをしたりすることしかできない。だけど逆に言えば、個人の
サイトでそれ以外に何かすることあるの? って感じ。つまり、機能が少ない
ような顔して、結局全部押さえてるじゃんってこと。

Webデザインができなかったり面倒だけど、公開したいコンテンツを持つ人に
とって、iWebは強力だ。テンプレートの数はまだ少ないがよくできており、内
容がしっかり伝わるようにデザインされている。デザインの基本を知らない人
がカスタマイズしまくって原形をとどめないほどにしちゃうとダメだけど、テ
ンプレートをそのまま使えば、わかりやすく明快なWebサイトが短時間で出来
上がる。

ここでもGarageBandと同じく、「回り道せず目的に向かって一直線」の思想が
生きている。個人がWebサイトを作る目的は何かといえば「コンテンツを公開
すること」であって、「独創的なレイアウトでWebサイトを作る」ことではな
いはず。

どうにかして、僕もyoshii.comにiWebを活用しようと画策中。

【吉井 宏/イラストレーター】hiroshi@yoshii.com

●Painterのセミナーを4年ぶりにやります。日時=2月26日(日)17時~18時。
場所=アップルストア銀座3Fシアター。Corelに依頼されたセミナーなので、
Painter9.5の新機能紹介もしますが、それ以外はPainterの代表的な制作テク
ニックを時間の許す限り多く、密度の濃いライブペインティング・ショウとし
てお見せする予定。
<http://www.apple.com/jp/retail/ginza/week/20060226.html>

●今夜、音楽イベント「第3回 ポッドメン!」を開催します。2月22日(水)
20~23時。ロック、テクノ、ポップス等ジャンルを問わず、Garagebandなど制
作したオリジナルもOK。お気に入りの曲をiPodに入れ、イベント時間内をミキ
サー使って次の人へとノンストップで曲を繋いでいく、iPodを使った参加型イ
ベントです。入場料なし、iPodがあれば誰でも参加できます。もちろん聞きに
来るだけでもOK! 詳しくはリンク先をご覧ください。
<http://homepage.mac.com/hiron_x/podman/>

HP <http://www.yoshii.com>
Blog <http://graphic.pastel.co.jp/yoshii/>


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■編集後記(2/22)
・先日の話題、まだ続きます。高橋克彦の怪談で、母親の死後夜な夜な現れる
幽霊の正体は母親で、誰にも見られたくない物を残したことで成仏できず、あ
さましい姿で現れる、というような話があった。その物はなんだったか忘れた
が、たわいのないものだったと思う。死んでから他人に見られたら死ぬほど恥
ずかしい物って、誰にでもあるだろう(死ぬほど、って、お前はすでに死んで
いる)。死後のシステムについては知らないから、死んじゃったらゼロになる
んだからいいじゃん、後のことは知らないヨという考えも間違いとは言えない。
ただ、残された者にとって迷惑な物件は処分してから逝くのが礼儀だろう。と
はいえ、人間なんていつ死んじゃうかわからないものなあ。「沖で待つ」の場
合は、ビルの上から人が降ってきて殺されちゃった。読者さんが「死亡後のデ
ータ消去サービスはまだないようですが、死亡後に指定の相手にメールを送っ
てくれるサービスはすでに内外に存在するようです」と、ふたつのURLを教え
てくれた。片方は英語だからよくわからないので、日本語の方だけを確認した
ら「遺言メール」サービスだった。契約者が死んだら、「メール送信コード」
を託した友人がその会社サイトにアクセスしてコードを入力、その24時間後に
遺言メールが送信される、って仕組み。信頼できる友人がいるなら、ネットサ
ービスに頼らなくても遺言メールの発送やデータ消去も頼めるのではないかと
思うのだが。誰にも頼らず、データが自動的に消滅する仕組みがあれば一番安
心かもしれない。古籏一浩さん、できませんかね。 (柴田)

・小橋のサイン会があるので喜んでいたら、何のことはない、買ったTシャツ
を「係の人が」1m前にいる小橋の元に持っていき、サイン後に「係の人が」渡
してくれるというものであった。微妙。通路のすぐ横の席だったので、こりゃ
行けってことね? と勝手に解釈して、三沢や小橋に触ってみた。小川が握手
してくれたので喜ぶ。分厚い人たちだった。彼らが生身の「人間」ということ
を確認したかったのだが、ぬいぐるみの中に入っているんじゃないか? とい
うぐらいの体格であった。ナイフで刺しても内臓に届かなさそう。こういう人
たちがスーツを着たら、ただものじゃない感が漂うんだよな。同行者は、「会
場が狭くて、『み・さ・わ、み・さ・わ』で終わってしまった。」と。入場時
の三沢コールをしてみたかったらしいが、数回で終わったのが残念だったそう
で。/昨日は正解と書いたが、今日は微妙。せっかく体が治りかけていたのに、
ぶり返す。発熱。せっかくの「努力の人」小橋Tシャツを見ても元気が出ない。
やりたいことがあったが進まず。治して気力を取り戻さねば。(hammer.mule)
<http://haiku.blog.livedoor.com/ichiran.php?kg=374>  五七五
<http://haiku.blog.livedoor.com/ichiran.php?kg=2269>  人気

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編集長     柴田忠男 
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