[1948] 通俗と高尚の間で…

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1948    2006/03/31.Fri.14:00発行
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   1998/04/13創刊   前号の発行部数 17879部
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<書いてる本人有頂天なもので>

■映画と夜と音楽と…[286]
 通俗と高尚の間で…
 十河 進
 
 ■Otaku ワールドへようこそ![25]
 「2.5次元の少女たち」:イタリアでコスプレ写真展
 GrowHair


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■映画と夜と音楽と…[286]
通俗と高尚の間で…

十河 進
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●1960年代後半の映画状況について

今は廊下の壁に移動したのだけれど、以前は我が家の玄関ドアを開けると正面に「戦争は終わった」のジュヌヴィエーヴ・ビジョルドのスチルを額に入れて飾っていた。その隣は「気狂いピエロ」のジャン・ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナが車から上半身を乗り出してキスをしている写真だった。

現在の廊下には、その他に「男性・女性」のジャン・ピエール・レオーとシャンタル・ゴヤ、「1900年」のドミニク・サンダ、「冒険者たち」のアラン・ドロンとジョアンナ・シムカスが並んでいる。改めて見るとハリウッド映画は一本もない。フランスとイタリアの映画ばかりだ。

そのほとんどが1965~1968年に集中している。それは僕の中学生から高校生にかけての時期に当たる。14歳から17歳である。今から思えば、世の中のことに強い興味を持ち始めた時代だ。社会的な視野の広がりはあの頃の方があったかもしれない。

その同じ時期に僕は現代文学にも目覚め、開高健や大江健三郎の作品を読み耽った。単行本が出たばかりの「万延元年のフットボール」に始まり「個人的な体験」から「性的人間」と遡っていった。遠藤周作や吉行淳之介、安岡章太郎たちの同時代作品も次々に読破していた。

外国の現代文学ではフランス文学が圧倒的人気を誇り、アンチ・ロマンと呼ばれる一連の作品群が翻訳されていた。サルトルやカミュはすでに時代遅れになろうとしていた。文学青年たちの間ではル・クレジオの人気が最高潮に達していた。

その頃、映画の世界もフランスの監督が席巻していた。映画青年の憧れの監督はフランスのジャン・リュック・ゴタールだったし、「去年マリエンバートで」のアラン・レネも人気があった。何しろ脚本を書いたのが、アンチ・ロマンのスター的作家だったアラン・ロブ・グリエである。

アラン・レネには「二十四時間の情事」(直訳すると「ヒロシマ・我が愛」であるけれど)という難解な作品もあった。脚本とダイアローグを担当したのはマルグリット・デュラスである。

フランス以外で映画芸術が存在していると映画青年たちに認められていたのはイタリアだった。大御所フェデリコ・フェリーニがいた。「太陽はひとりぼっち」「赤い砂漠」「欲望」のミケランジェロ・アントニオーニ監督がいた。ピエル・パオロ・パゾリーニが「奇跡の丘」でデビューした。

その頃、アメリカ映画はようやくハリウッド調の呪縛を逃れニューシネマと呼ばれる作品群を作り始めるが、「俺たちに明日はない」をその嚆矢とすれば1967年のことであり、フランスのヌーヴェルヴァーグより十年、イタリアのネオ・リアリズモから数えると二十年も出遅れたのだった。

さて、これから書かれるであろうスケッチはフィクションである。1968年当時の地方の映画好きの高校生の実態をストレートに表現するために、三人称で描写することにした。登場人物たちの面影が誰かに似ているとしても、それはまったくの偶然であることをお断りしておく。

●1968年4月8日の始業式におけるスケッチ

「今度、転校してきた高木玲子くんや」

担任教師の紹介で教壇の横に立った玲子を見て一斉にざわめきと溜め息が起こった。ざわめきは女生徒から、溜め息は男子生徒からと区分けできた。妙に垢抜けた印象の玲子はすっくと背筋を伸ばし、ピョコンと擬音が入るような感じで礼をした。

「よろしくお願いします」

浩は三日前に見た「めぐりあい」の酒井和歌子のファンになっていたが、玲子の爽やかさに一目でまいってしまった。玲子は酒井和歌子というよりは、その頃いくぶん人気の点では上回っていた内藤洋子に似ていた。髪形と広い額が印象的だったせいかもしれない。

「おお、ええ女やの」と、わざと下卑た調子で隣の机から身を乗り出して隆が言った。「ありゃあ、東京の女やの」と続ける。
「なんでわかるん?」
「話し方、あのソフィスティケートされた物腰、仕草やの」
「ソフィスティケートって何や?」
「洗練されたゆう意味や」
「なんで、日本語で言わんのや」
「ちょっと気取ったんや。なっ、来週から日活で『かぶりつき人生』ゆうのんやるど。神の代と書いてクマシロと読むらしんやけど、初監督作品やで。原作は田中小実昌やし、見にいかんか」

「コラーッ!」突然、担任の雷が落ちた。
「坂崎と井口、始業式の日からさっそく立ちたいんか。前こい!」

浩と隆は教壇に出た。担任教師は二人を並べて出席簿で頭を叩いた。叩かれた瞬間、浩は玲子をうかがった。玲子と目が合った。玲子がほほ笑み、浩は幸福感に包まれた。

翌日の放課後、グランドへ練習に出ようとしていた隆は廊下で玲子に呼び止められた。玲子はテニスラケットを抱え「マジソンスクエア」とプリントされたバッグを下げていた。

「ねぇ、私、映画研究会に入りたいの」と玲子が言った時、隆は最初、相手にしなかった。女に映画はわからない、と隆は思っていた。いや、女が好む映画を馬鹿にしていた。

「坂崎さんが映画研究会を作ったばかりだと聞いたものだから」
「ほんでも、テニス部にも入ったんやろ」
「あなただって、陸上部にも入っているんでしょう」
「わかった。…ほんで、どんな映画、見とん?」

「去年の私のベストテンをあげましょうか。『アルジェの戦い』『冒険者たち』『砲艦サンパブロ』『欲望』『いつも二人で』『気狂いピエロ』『夜の大捜査線』『わが命つきるとも』『戦争は終わった』『夕陽よ急げ』といったところね。邦画では、日活の藤田繁矢という新人監督の『陽の出の叫び』やATGで大島渚が撮った『日本春歌考』なんかがよかったわ」

「凄いの。ゴダールやアラン・レネゆうたら、こっちじゃ公開されとらん。ええのう、やっぱり東京やのう。映画館、どれくらいあるん?」
「銀座や新宿にはいっぱいあるわよ」
「ほんで、ベストワンは何や?」
「映画館の?」
「違うで。去年の映画のベストワンや」
「あなたのは?」
「リノ・ヴァンチュラの…」
「『冒険者たち』!」
「今、ハモったわよ」
「映画研究会にようこそ、や」

●1968年夏休み直前における論争の四年後の回想

隆「また賭けようってのか。今を昔に戻そうっていうのか」
明「ずいぶんセンチメンタルな話じゃないか」
浩「四年だ。ひと口に四年て言えば短いが、朝が一五〇〇回、昼が一五〇〇回」
隆「夜も同じだけあったわ」
明「何だ、おまえ、オカマか」
隆「これだから無教養な奴とは話したくないんだ」
浩「ああ、裕次郎とルリ子のセリフだぜ」
明「通俗だ」

隆「昔からあんたは高尚だったよ。『去年マリエンバートで』の中のゲームをしたり顔で説明して流行らせたのは、あんただったしな。ゴダール、トリュフォー、アラン・レネ、ベルイマン、フェリーニ、アントニオーニ、大島渚、吉田喜重、今村昌平…」
明「おまえらみたいにヤクザ映画ばかり見てたわけじゃないからな」
浩「結局は、いつも賭けるしかなかったじゃないか。四年前からさ。レネの『戦争は終わった』へいくか、渡哲也の『無頼・黒ドス』へいくかだって賭けたんだぜ」

明「よく覚えてるな。そんなこと」
浩「あの時、自主上映で『戦争は終わった』は一回だけの上映だったんだ。映研の部室で賭けたんだ」
隆「そうだ。『さらば友よ』のブロンソンみたいにコーラをなみなみとついだカップに十円玉が何枚入るかってな…」
明「しかし、なんでそんなものを賭けなきゃならなかったんだ?」

もちろん覚えていた。……あれは浩にとって反権威主義の闘いだった。高尚な映画と通俗的な映画という区別をする明の権威主義に対して、浩は「人斬り五郎」を見にいくことを主張した。

──ヤクザ映画なんか日本映画の恥や。
──おまえは、そのヤクザ映画、見たことあるんか。
──そんなもの、見る気もせんの。
──見とらんもん、否定するんか。
──ええか、おい。『映画評論』や『キネマ旬報』で批評家たちが絶賛しとるんやぞ。レネの『戦争は終わった』を。『去年マリエンバートで』やって映画史上の傑作やったやないか。
──俺にはわからんかった。
──あの素晴らしい移動撮影がわからんかったんか。

浩は肩をすくめた。結局、賭けで決着をつけることになった。浩は負け、三人で「戦争は終わった」を見にいった。イブ・モンタンがスペイン戦争でフランスに亡命し三十年にわたって地下活動をしている闘士を演じたその映画は、浩に強い衝撃を残した。

それは、今も続くスペイン内乱の歴史を浩に教え、時間を自在に超越するカットつなぎは映画手法の斬新さを印象づけた。浩は映画の力に打ちのめされた。そのことで浩は明に敗北した気分になったのだった。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
去年ほどひどくはないけれど、やはり杉花粉にやられています。「ひどい時はこれを飲みなさい」と医者からもらった錠剤は眠くなるらしいので我慢していましたが、先日、昼飯後にとうとう飲んでしまい午後の仕事は眠かったです。

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■Otaku ワールドへようこそ![25]
「2.5次元の少女たち」:イタリアでコスプレ写真展

GrowHair
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ウケる文章の王道はわが身の恥を晒したもの、とはよく言われるが、その段でいくと、今回のはウケない文章の極めつけと言えるかもしれない。何しろ、わが身に降って湧いた僥倖話、書いてる本人有頂天なもんで。まぁ、たまにはいいかと寛大な心でお許しくださいませ~。

●コスプレ写真、イタリアへ

私が撮ったコスプレ写真を、来月イタリアで展示してもらえることになったのである。

これはひとえにYuzuの尽力のおかげである。その経緯を語るには、3年前の8月まで遡らなくてはならない。当時私は週末になると原宿の「橋」に行ってはビジュアル系バンドのコスチュームでたむろするファンたちの写真を撮っていた。そこでたまたま声をかけたのが、イタリアから来ていたYuzuである。それから2週間後には夏コミ(夏のコミケ)で「君が望む永遠」の涼宮茜のコスをしていたところをまた撮った。

イタリアに帰ってからも細々とメールのやりとりを続け、去年の夏コミに向けて2年ぶりに日本に来るというので、今度はしっかりと計画を立てて、日本庭園で撮影したり、松戸のバンダイミュージアムを見学したり、中野のメイド喫茶とメイドバーでくつろいだり、日光東照宮へ行ったりした。

私も非常に楽しかったが、Yuzuにとってもいい思い出になったようで、以前にも増して日本が好きになったようである。帰国後、「富士会」という日伊文化交流団体を見つけて入会したと知らせてきた。
< http://www.fujikai.it/
>

そのサイトによると、「富士会は公式に登録された非営利団体で、世界各国間での、特にはイタリアと日本との間での文化交流を深めるためにあります。2001年2月3日に創立されたこの富士会は国籍、性別、主義、職業の差別なく、興味を持たれる全ての方々のために開放されています」とある。

その富士会が、来る4月29、30日に、ミラノからほぼ真東へ100kmばかり行ったところにあるBotticinoという町で展示会を開くことになった。いつもは生け花や書道といった、日本の伝統文化を紹介しているのだが、今年は思い切って日本のポップな文化という側面も取り上げようという話になった。そこでYuzuが、それにはうってつけの人がいる、とうまく働きかけて、私の撮った写真を展示してもらえることになったらしい。

来場者は一体何人ぐらいになる見込みなのかと聞いてみると、約100.000人だという。100人? ずいぶん少なくないかい? 小数点以下の0が3つって何? 調べてみると、イタリアでは3桁区切りのカンマ(,)と小数点(.)とを逆に使うのだと分かった。あ、10万人ね。……ってずいぶん多いじゃん!

●経歴を出せと言われても、ない袖は……

主催者は私のウェブサイトに載せている写真を見て、展示に値すると判断してくれたそうである。それはいいのだが、相当な写真家と思われたようで、略歴と写真家としての活動歴を送ってくれと言ってきた。いや困った。

まず略歴だが、
  1962年 東京に生まれる
  1986年 早稲田大学理工学部数学科を卒業
  1988年 同、修士課程を修了
  以来、光学と画像処理のエンジニアとして印刷会社に勤務
こんな具合。まるで赤の他人のを見るようである。およそクリエイターらしくなく、なんだか硬い人みたいではないか。誰かのを借りてきて詐称したいくらいである。

次に活動歴だが、至って簡潔、「なし」である。あ゛ー。個展を開いたこともなければ、コンテストに入選したこともない。ボツ歴ならあるけれど。「百万人の写真ライフ」という初心者向けの雑誌に投稿したけど落ちたし、鎌倉にある長谷寺の主催する境内写真コンテストにも何点か応募したけど、かすりもしなかった。原宿で撮ったコスプレ写真を「アニメージュ」という雑誌に載せてもらったことはあるけれど、それは駅前の英会話学校に「留学」してたときに、徳間書店の編集の人がたまたま来ていて知り合ったからだし。そんなの、経歴どころか、人に言うのも恥ずかしい。

ない袖は振れないので「なし」と書いたが、まあ今さらそれで話を白紙撤回、ってなことにならなかったのは幸いである。

●2.5次元の美少女たち

写真の展示全体にタイトルをつけるよう言われ、「2.5次元の少女たち」にした。もとより漫画やアニメが2次元の世界で、そのキャラを3次元に引っ張り出したところにコスプレやメイド喫茶などがあり、よく「2.5次元産業」のように称される。そのコスプレイヤーを写真に撮ることで再び2次元に落とし込むが、それを紙焼きしたものは3次元の物体で、それが地球を1/4周して、遠くイタリアの地に展示される。そんな次元間の往ったり来たりに妙味があるのではないかと、このタイトルに。

●写真を準備

展示枠は、40cm×30cm以内の写真を10~15枚という指定だったので、比較的最近撮った中から14枚選び出した。コスプレイベントはイタリアでもよく開催されるようなので、ここは日本のアドバンテージを強調すべく、殺風景なイベント会場で撮ったものはなるべく避け、春夏秋冬それぞれの季節感がよく現れているもの、例えば自然豊かなポティロンの森や江戸の町を再現したワープステーション江戸でのイベントで撮ったもの、あるいは日本庭園で個人撮影したものを重点的に選び出した。

プリントは、ワイド四つ切(36.8cm×25.4cm)に焼いてもらうことにした。似たようなサイズに四つ切(30.5cm×25.4cm)があるが、アスペクト比を考えると、35mmフィルムひとコマ(36mm×24mm)の1.5に対して、ワイド四つ切が1.45、四つ切が1.2と、ワイド四つ切の方が近いため、トリミングしやすい。

私はキヤノンのEOS 5という一眼レフで撮っている。フィルムは富士フイルムのベルビア100Fとアスティア100Fを使うことが多い。ポジフィルムから四つ切ワイドにプリント注文するとき、色味までは指定できないが、トリミング枠と明るさが指定できる。

かなり面倒だが、次のような手順を踏むことにした。ニコンのフィルムスキャナを持っているので、ポジフィルムを自分でスキャンして、画像データに落とし込む。その際、プレスキャンの画面でトリミング枠を指定し、後でプリントしたい領域と合った画像を作る。この画像は見本として使うだけなので、アスペクト比さえ合っていれば、画像サイズはどうでもいいのだが、手ごろなところで、1286×888画素に。また、トーンカーブをいじって、好ましい明るさにしておく。

色空間はsRGBを指定して、JPEG画像でセーブ。これをCD-Rに焼いて、新宿のヨドバシカメラに持っていき、L判サイズでプリント注文。何も指定しないと上下左右がカットされてしまい、トリミング指示としては用をなさなくなるので、「内接」指定する。これだと、画像がどこも欠けない範囲内で最大サイズに引き伸ばしてもらえる。

……はずだったが、内接と外接の意味が取り違えられたようで(画像/プリント枠のどっちがどっちに内接/外接するんだって話)、画像が欠けていた。仕方がないので、「リサイズなし」を指定して焼き直し。これをトリミング領域と明るさの見本として添えて、あらためてポジフィルムからワイド四つ切へのプリントを注文する、という段取りである。

フィルムスキャナを持っているのなら、画像から直接プリントするという手もある。その方が、色についても心ゆくまで調整できるし、フォトショップを使って不要物を消したりもできる。しかし、そのためには300dpiで取り込まなくてはならず、ワイド四つ切なら、4347×3036画素もの画像になる。そんなのを14枚も取り込んで修正なんて、面倒くさすぎて……。

と、こういうところで手を抜くあたり、クリエイターとしてはダメダメなんだけど。まあ、その代わり、デジタル修正一切なしの撮ったまま、という形でご覧いただけることになるわけで。撮る腕の貧弱さが丸出しやんけ~。

●見に行けるもんなら私も

ぜひとも見に行きたい。できればタダで。ここ2~3年、海外出張が多かったおかげで、JALのマイレージが18.6万マイルもたまっている。そのうち12万マイルを使えばファーストクラスでヨーロッパ往復できちゃう。

しかし、一番のハードルは、今ごろになってゴールデンウィークの航空券が取れるかどうかである。マイレージを使って買う航空券は「特典航空券」として別枠になっており、取ろうとしてみると、案の定、空席が全然ない。どこまで遡ればあるかと見ていくと、4/24(月)なら。待て待て、さすがにゴールデンウィークとつなげて丸々2週間も休暇取ったら、休み明けには職場から席が消えてるだろ。

正規運賃の方を調べてみると、往き4/28(金)成田出発、帰り5/2(火)ミラノ出発のエコノミークラスなら取れる。195,000円。これの支払いにマイレージを充てると、13万マイル使わなくてはならない。

うーん、納得ゆかぬ。特典の空席さえあれば12万マイルでファーストクラスなのに、正規だと13万マイル使ってエコノミーとは。エコノミーと言えば、座席の前後間隔は窓1.5個分、食事は1枚のプレートに盛りつけたのを保温しておいたようなもんで、プレートのそれぞれの窪みにかけられたプラスチックの蓋を取ると置き場所にも困るほど狭い。

一方、ファーストクラスと言えば、空港で専用のラウンジが使え、上等のお酒が飲み放題、寿司などもいただける。機長よりも前に位置する客室にはわずか12席しかなく、前後間隔は窓5つ分。水平までシートを倒しても、まだ足先に空間が余る。翼から遠いので、静か。お酒と食事のメニューが別々の冊子で、ワインはソムリエお薦めの銘柄の5~6年寝かせたのが10種ほど飲み放題だが、私には味の違いが分からず、日本酒は長野の「真澄」という蔵元の「夢殿」という銘柄がめっちゃ美味い。食事は陶器のお皿に盛りつけたのが一枚ずつ出てくる。オードブルは山盛りキャビアとフォアグラ、トリュフと世界三大珍味が出揃う。和牛のステーキは焼き加減まで聞いてくる。フライトアテンダントはもてなし上手で、私の左手の薬指の「誓いの薔薇の指輪」を「素敵な指輪ですね」とほめてくれたりする。

こういう殿様気分を一度でも味わってしまうと、もうエコノミーになんかぜ~ったいに乗れんっ、と思うのも無理からぬことで、これをファーストクラス症候群という。身分相応ならいいが、不相応な者がうっかり「これが俺のクラスだ」なんて勘違いした日にゃ、大変危険で、以降の社会生活に支障を来たす可能性がある。荒療治には、エコノミークラスが一番。

というわけで、背に腹はかえられぬ。13万マイルを使ってエコノミーを予約。なんだかすご~く損した気分だが、実際には、160万円分得できるはずのところを、たったの20万円分しか得できなかったということなので、140万円分損したと言ってもあんまり同情してもらえないかもしれない。

いやいや、こんな人生でどうもすみません。こんな人生なので、いよいよ天からお迎えが来るという段になったときには「いや~、面白かった~」と言ってオサラバできそうなのは、間違いない。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
カメコ。3/4(土)には「ネオロマンスあらもーど 2」に行ってきた。男性声優10人ほどのステージに数千人の乙女たちが集まるイベントである。ゲームキャラに扮する乙女たちを撮ったついでに、私もステージを見てきた。黄色い歓声がすごい。2階席で見ていたのだが、途中、ゲームの勝者に賞品を配りに声優さんたちが客席まで来て……目が合っちゃった。お互いどう反応していいか分からず、目をそらし合う。気まずい瞬間でした。
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■編集後記(3/31)
・意味寿司、出ないな、いみず、出た、射水、いま全国区になったこの市は、富山県の新湊市などが合併してできた市で、市名は由緒ありそうでいいな。おっと、大好きな合併市名ネタではなくて、延命治療中止問題についてであった。そういう問題に比較的近い年齢の人が(自分を含めて)身の回りに多くなると、他人事とは言えなくなる。妻は、「わたしが回復の見込みないときは延命治療はやめて欲しい」とお気楽に宣言するのだが、新聞や本を少し読んだだけでも、これはものすごく難しい問題であることがわかったわたしは、あっさりと同意できかねるのだ。安楽死についてルール化、明文化すべきだという意見があるが、わからないことだらけでは決めようがないではないか。自分が殺す側(医者)の立場になったらどう考えるかわからないし、殺される側であってもいざそのときになってみないとわからない(そもそも考えられるかどうかもわからない)。また、家族がそうなったとき、あっさり「殺して下さい」と言えるかどうかわからないし、100%安楽死しかない状態であっても、OKを出してあとからどんな気持ちになるかわからない。あいまいのまま、ケースバイケースでいいじゃないかとも思う。でもなあ、そうはいかんのだろうなあ。老人大国だもの。できれば、家族でそういう場面がなければいいなと思うが、昔と違ってとんでもなく延命治療が可能になったのだから、いつまでたっても死ねないわけで、立ち会う可能性は低くない。おっと、自分も当事者だ。まったく、医学の進歩も考えもんだよ。(柴田)

・PRIDE武士道に池本選手が出場。知り合いではないが、友人の先輩がこの人の主催試合に出たことがあって、手足の長さと身軽さを生かした戦い方を身近で見ていたので気になるのだ。強いと思っていたが、さすがに世界の壁は高かった。その頃はようやくDEEPに出場できると、ファンの人たちが喜んでいるような時期。今回、とうとう武士道出場へ。第一試合だからTV放送は難しそうだけど面白い試合をしたら少しは流れるかも。勝って欲しい。(hammer.mule)
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