[1986] ダ・ヴィンチ・あ~だこ~だ

投稿:  著者:  読了時間:21分(本文:約10,400文字)


<ダ・ヴィンチは人気イラストレーターだった?>      

■MKチャット対談 
 ダ・ヴィンチ・あ~だこ~だ
 笠居トシヒロ&まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[55] 
 フィギュア制作顛末ほぼファイナル
 吉井 宏


■MKチャット対談 
ダ・ヴィンチ・あ~だこ~だ

笠居トシヒロ&まつむらまきお
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【ご注意:本文には映画・小説の「ダ・ヴィンチ・コード」についてのネタバ
レが多数含まれています。未見、未読の方はご注意ください】

かさい: まいどー、5月中に「どうぶつの森」がメチャメチャ進んでしまった
    笠居です(笑) なんとかぼちぼち忙しさが戻ってきました
まきお: ほんまにヒマやったんやね(笑)前回、MacBookは白と言いましたが
    黒がいい、に慎んで訂正させていただきます、のまつむらです?
かさい: ほぉー なんで黒?
まきお: 現物みたら、よかった?。あの半艶黒は、古き良き時代のSONY製品や
    一眼レフの黒だよねぇ。ええなぁ?
かさい: そーかな。まぁ、オレは基本的にツルツルが好きなので(笑)
まきお: あれを使い込んでツルツルにするのよ(笑)学生服みたいに(笑)
かさい: とれはツルツルじゃなくて「つんつるてん」というのだ(^^;)
まきお: 鼻水とかつくとねぇ(笑)
かさい: きたないなあ(^^;) あー、そういえば5月は映画やDVDも観まくりまし
    たよ
まきお: おお、うらまやすぃ?。なに見ました?
かさい: DVDは、買ったまま積んであった「はりぽた」「キングコング」「ジ
    ュマンジ&ザスーラ」「銀河ヒッチハイクガイド」あとなんだっけ?
まきお: キングコング、もう出たの? ザスーラ見たいなぁ。ヒッチハイクは
    劇場でみたー
かさい: 劇場では「ダ・ヴィンチ・コード」観ましたね。いま話題の(笑)
まきお: ぼくはTVで「下妻物語」みました。ハマムラさんが書いてたとおり、
    おもしろかった! ダ・ヴィンチさんは、小説はつい昨日、読みまし
    たよ
かさい: あ、下妻…録画し忘れた orz
まきお: レンタルで見るといいよ
かさい: ダ・ヴィンチはどうだった? 小説は結構面白かったけど、オレは
まきお: ダ・ヴィンチ、面白かったねぇ。一気ヨミした。一気すぎて、最後は
    かなりアタマが混乱しましたが(^_^;)
かさい: オレも一気読みした。でも2晩かかったけど(^^;) 小説の中で経過し
    てる時間は24時間くらいなのにね
まきお: 三晩くらいはかかってます(^_^;) 内容よくわかってないときは、ジ
    ミな映画なんだろうかと思ってたけど、随分アクションサスペンスな
    のね、原作。映画的っていうか
かさい: ビジュアル感じさせる描写が多いよね。元々この作者って、SF畑のほ
    うの人らしいけど
まきお: あ、やっぱそうなの? SFっぽいんだよね、ストーリーテリングがな
    んとなく
かさい: ダ・ヴィンチの一作前の「天使と悪魔」も読んだんだけど、こっちの
    ほうはかなりSF色が残ってました。また機会が有れば読んでみそ
まきお: 読む読む。読んでみてやっぱ思い起こしたのが、諸星大二郎だったの
    ですが。妖怪ハンターとインディ・ジョーンズを足して二で割ったよ
    うな
かさい: あー、古事と結びつけて、話を構築する手法が似てると言えば似てる
    かもー
まきお: みんなではらいそさいくだ?♪
かさい: ただ、実在の組織を実名で登場させちゃうあたり、話題作りが巧妙な
    感じもしたけどね>ダ・ヴィンチ あ、そういえば、ダン・ブラウン
    は、映画化するとしたら、ハリソン・フォードにやって欲しかったみ
    たいよ、主役
まきお: おいらはねぇ、だれだっけ、最近の007の人
かさい: ロジャー・ムーア以降知らん(笑)
まきお: ピアース・ブロスナン ?もっと二枚目の...おねいさんももっと…
    (笑)
かさい: おねいさんは、もっと色っぽい人にして欲しかったねえ
まきお: あと、イアン・マッケランというキャスティングはねぇ、いかにも最
    初っから悪人だよねぇ(笑)
かさい: キミもそう思う? ビジュアル的にも、もうちょい若い、恰幅のいい
    俳優のほうが良かったんではないかと思ったですよ
まきお: ネタバレになってしまうけど、小説だと顔がわかんないから、あとで
    ええっ? って感じなのに、映画だと最初っから悪役っぽいんじゃな
    いか、と(笑)
かさい: ま、ガンダルフのイメージが若干残ってたんで、そのあたりはそれほ
    どでもなかったけどね。でも、やっぱキャスティングは、正直、シラ
    ス以外は全部アカンなーと思ったです
まきお: ジャン・レノはなかなかよかったのでは? ぼくは小説よみながら、
    プルートゥのタワシ警視をキャスティングして読んでましたが(笑)
かさい: あんまり、存在感がなかったですわ。あんな役回り(小説より、ちと
    情けない)なら、ジャン・レノ使わんでもエエやん、と思いました
まきお: で、映画はまだ見てないので、見に行きたいと思ってますが、謎解き
    というか、象徴学ってのが面白いなぁと
かさい: うん、そこはハマったね
まきお: 絵描き、デザイナー的に非常にツボ(笑)
かさい: 象徴学という学問が確立されているかどうかは「?」みたいだけど、
    でも、ビジュアルから意味を読み取る、っていうのが非常に興味をそ
    そられるよね。ダ・ヴィンチの作品の中に隠された意味、みたいなく
    だりは、ちと興奮しましたよ
まきお: そうそう、逆に言えば、常に自分が描くとき考えていることだから、
    おしえてFlash!のカバー絵には浄土真宗の重大なヒミツが隠されてい
    る....わけではないけどね(笑)
かさい: あったらすごいのに(笑)
まきお: ない(笑)でも、各章で扱っている内容をそれぞれのカットはモチー
    フにしているとかはある。あ、そいえば表紙モナリザなのに、モナリ
    ザさん、あんまり出てこなかったねぇ
かさい: そうなのよ。実は映画に期待した部分も、絵画と象徴学的な裏付けの
    ビジュアルな展開を観たかったのだが
まきお: あまりなかったのか
かさい: 言葉の謎解きばっかり追いかけて、その辺がほとんどなかった…そこ
    が最大の不満
まきお: それはちょっと不満やねって、おいらも映画まだ見てないのに(笑)
かさい: あははは(^^;) しかし、せっかくルーブルで撮影してんのに、もった
    いないですわ、ホント
まきお: 小説でも最後の晩餐の方がメインって感じでしたが
かさい: ああ、話の流れ的には、そうだよね。イチバンのカギになる絵だし
まきお: 宗教画ってのは、まぁ宗教画に限らずだけど、それが描かれた背景を
    知らないと、半分も楽しめてないんだよねぇ
かさい: そういう意味では、この作品って、そのあたりの興味を喚起してくれ
    る、いい刺激だよね
まきお: なんつーか、宗教画ってのは、どっちかってーと本来、イラストなん
    だよねぇ
かさい: イラスト? 物語絵巻的なものだと思ってたけど。それが真実を伝え
    てるかどうかは別として
まきお: 聖書の挿し絵
かさい: あー、なら納得w
まきお: だから、本来は分かりやすいものなんだよね。その宗教の考えを一般
    の人に知らしめるために描かれてるんだから、これはイラストレータ
    ーの仕事だよなぁって思った
かさい: だよね。たぶん、キリスト教の国では、見ればわかるんだろうな
まきお: うん、でもって、クライアントの意向で、自分の意向通りに描かせて
    もらえなくて、暗喩するとか、ああ、わかるわかる、と(笑)
かさい: あははははは、「岩窟の聖母」ね
まきお: 偉大なる芸術家、とか言っちゃうわけだけど、そうじゃなくて、職業
    画家、まちがいなくイラストレーターだよなぁ、と。そう考えると、
    後世の人間がナゾだなんだって言うけど実際は情報を伝達しようとす
    るのはイラストレーターの自然な行動だなって
かさい: ですねえ。教会がクライアントだったら、さぞや難儀な仕事だったろ
    うなあ(笑)とはいえ、結構、逆らったり、やんちゃしたりしてたよ
    うですけど>ダ・ヴィンチ
まきお: 人気イラストレーターだったから(笑)調子のっちゃって(笑)
かさい: (笑)おちょうしものだったのか?
まきお: ノリノリだったんじゃないですかぁ?(笑)そういえば、映画の世界
    特にSF映画なんかはそういう象徴性ってのはよく使われるよねぇ、今
    日でも。2001年のディスカバリー号と木星が精子と卵子とか
かさい: あー、フレッシュゴードンの宇宙船がチ●チ●の形とか
まきお: そこまでオゲレツでなくても(笑)スターウォーズのXウィングもそ
    うだよ
かさい: へぇどこが?
まきお: 機首のデザインはモロでしょう?
かさい: ああ、そっちのほうか。羽根の形に何か意味があるのかと思っちゃっ
    た(^^;)
まきお: もともと、あれは飛行機ではなくて、ドラッグレーサー、自動車のデ
    ザインなんだけどね。そこに複葉機のシルエットを加えて、オトコノ
    コ性で仕上げたデザイン(笑)
かさい: なるほど、ノーズがやたら長いもんね
まきお: そそ、ジェット戦闘機ならコクピットはもっと前につくのです。
かさい: 2001年で思い出したが、モノリスが象徴するものってなんだ?
まきお: かまぼこー(笑)
かさい: マッチ箱じゃないのか(^^;)
まきお: カマボコいたでしょう、あの比率は(笑)あのアイデアはキューブリ
    ックなのかな? クラークのモトネタになった小説(前哨)では、た
    しかピラミッド形だったと思うのだが
かさい: そうなん?
まきお: うん、たしかそう。ピラミッドも数学的に美しい形だけど、モノリス
    も、1:4:9と、1、2、3それぞれの累乗の比率ってことで、数学的か
    つ、自然界にはない、ってなことが小説では説明されていたよ
かさい: ピラミッド型のほうが、素直に「神」とかを想像できると思うんだけ
    どなあ
まきお: おそらく、そういった旧来の神とは異なる、神を提示するのが目的だ
    ったんじゃないのかなぁ。科学的、論理的な神ね
かさい: わかりにくいやん? 映像だとさ。辺の比率なんて測られへんし
まきお: ピラミッドだと、上れちゃうじゃない、お猿さんたちが(笑)
かさい: 逆さまに出てきたらええねん。逆さピラミッド。聖杯や(笑)
まきお: ネタバレすぎるって(笑)エジプトのイメージが強すぎるので、エメ
    リッヒ監督の映画.....
かさい: ん? エジプトの映画?
まきお: スターゲートだ。エジプトの宗教からめたSF
かさい: あー、あったね。ピラミッド型の宇宙船だっけ
まきお: ああなっちゃうから、避けたんだと思うよ、キューブリックは(笑)
かさい: ▲やとゼルダにも見えるしな(笑)
まきお: なんかね、学生の絵を見てて、どうしてこれを描いたの? こう描い
    たの? って聞くと、多くが、なんとなく、とか、好きだからとか、
    そういう答えが返って来ちゃうんだけど
かさい: 先生の視点だ(笑)
まきお: 先生だもの(笑)
かさい: 学生の時はそういうの多いよなぁ。オレも身に覚えがあるが(笑)
まきお: うん(笑)もちろん、考えているんだけど、うまく説明できないって
    事も多いんだけど、そのあたりを意識できるかどうかってあたりに、
    閾値があるような
かさい: 字が読めん…
まきお: イキチです(笑)
かさい: 意味もわからん…orz
まきお: Photoshopでおなじみの「しきい値」ですよ
かさい: あー 英語はともかく国語には自信があったのに… orz
まきお: (笑)以前、話題にしたことがあったと思うけど、なんでも思い通り
    にのびのび描きなさい、って絵の教え方が偏りすぎている気がするの
    よね
かさい: 表現ということに重きを置いてないよな、今の美術教育は
まきお: 本来、絵はコミュニケーション手段であって、その表現レベルが高く
    なると芸術になるんだと思うのよ。文字が書道になるのと同じように
    ね。これをいきなり、書道、芸術から入るってのは、変なんじゃない
    かと
かさい: まぁ、前々から言ってますけどね、これは
まきお: うん。てなことをですな、ダ・ヴィンチ・コードを読んで、思ったわ
    けよ
かさい: 象徴を読み取れるってことは、伝える意志があって描かれてるってこ
    とだもんなー、うんうん
まきお: 何千年か後の人が見ても、意味が読み取れる絵、デザインにすべきで
    はないかと!
かさい: 間違って読み取られないように注意しないとなー(^^;)
まきお: 諸般の事情でできなくても、心意気だけは!(笑)
かさい: がんばりまっす(笑)
まきお: だから、おしDWの本の表紙(カバーの中ね)でヒコーキひっくりかえ
    すのは、やめてね(笑)
    ※カバー絵はまつむらだが、表紙は笠居さんが勝手にコラージュしな
    おしている
かさい: あ、(^^;)見られたか
まきお: 後世、なにか深い意味があるんじゃないかとか思われるかもしれない
    じゃないか。笠居さん本人を知っていれば、何も考えてないってすぐ
    わかるんだけど(笑)
かさい: いやこれには本当は深ーいわけが
まきお: どのような
かさい: ここでは口が裂けても言われへんけどな、秘密を漏らしてはいけない
    のだ!(笑)
まきお: カ・サイ・コードですか(笑) あ、最後にひとつ。ダ・ヴィンチの
    絵って当然著作権切れてるから自由に使えるよね?
かさい: うん
まきお: 電源延長コードにさぁ、モナリザの絵あしらって「ダ・ヴィンチ・
    コード」って商品つくったら売れへんやろか?(笑)
かさい: で、モナリザの鼻がコンセントの穴になってるとかか?(笑)
まきお: びりびりびり(笑)
かさい: あ、罰が当たった(笑)

【笠居 トシヒロ/WEBコンテンツクリエイター・デザイナー】
いやー、SONYがんばった。ボディともかく、カールツァイスレンズのラインナ
ップと、135mmSTFの復活がうれしいところ。んー、秋が楽しみー。
< http://www.sony.jp/products/di-world/alpha/ >
< http://www.mad-c.com/ > < mailto:kasai@mad-c.com >

【まつむら まきお/まんが、イラスト、アニメーション作家】
YMOの曲をラテンにカヴァーしたアルバム「プレイズYMO」をiTMSで購入。いい
っすよ、夏っぽくて?♪
< http://www.makion.net/ > < mailto:makio@makion.net >

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■グラフィック薄氷大魔王[55] 
フィギュア制作顛末ほぼファイナル

吉井 宏
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フィギュア制作関連は、いちおう今回で区切りにしますので勘弁。

インダストリアルクレイを使って、大まかに全体の形を作ったところまでが前
回分。クレイのままではやわらかすぎて細部が作れないしヤスリがけができな
いので、シリコン型取りしてレジン樹脂に置き換えする。

シリコンとクレイ、型の土台の油粘土とクレイ、それぞれがくっついては困る
ため、離型剤として薬品類を複数用意。どれが相性がいいかを見るため、数個
のテスト用の小さな人形に塗って試してみたところ、Webで評判のいい「離型
剤Sブルー」というもので良好な結果が得られた。他にはクリヤーラッカー、
床用ワックス、クリヤーのアクリル塗料、スプレー式シリコン、リキテックス、
ワセリンなどを試したが、どれもだいたい成功。とりあえず、クレイと他の素
材が直に接触してなければオーケーのようだ。

で、シリコン型取り作業。ハレパネを箱状に組み立てて枠板に使用。油粘土に
人形の前面半分を埋め込む。埋まってない側にシリコンを流し込んで型の半分
が出来、油粘土をはずして反対側に流し込むと両面の型が取れる、という具合。
注ぎ口なども同時に作っておく。ところが、割と簡単に考えていた油粘土埋め
自体が、実は大変にデリケートな作業。埋めた境界線が型の境界線そのものに
なるわけで、やわらかい油粘土相手に悪戦苦闘。

シリコンは、超ベタベタドロドロの液体。こぼすと大変なことになるらしいの
で細心の注意。計量して適量の硬化剤を混ぜて、最初は細部に行き渡るように
糸のように細く垂らす。だいたい全面に垂らせたら、どっと流し込む。8時間
で硬化。油粘土をはずして反対側に流し込む準備。シリコンとシリコンがくっ
つかないように、バリヤーコートを塗ってから注入。

彫刻刀で空気穴を作るなどして、なんとか型が完成。型を合わせて輪ゴムで固
定し、レジン注ぎ込み。A液B液を別々の紙コップで計量し、片方にドバッと入
れて攪拌。30秒で流し込み開始が理想とのことで急ぐ。40秒ほどで流し込み完
了。コップに残った混合液が2分手前あたりで、煙のようなにごりが見えてき
たかなと思ったら、一瞬でブワッとアイボリー色に変色! 硬化が始まった。
すぐにカチカチになるが、かなり熱が出る。いちおう冷めるまで30分くらい待
って、型から取り出す。

ポコッとすんなり取り外せた。ついた指紋まできれいに複製できてる。気泡も
ほとんど入ってない。大成功。こりゃ?おもしろいっ!

クレイの形そのままにレジン樹脂に置き換わった人形を、ヤスリやデザインナ
イフなどで整形。クレイ段階でいくらなめらかにしたつもりでも、かなりボコ
ボコだ。おおまかに滑らかに整えてからグレーのサーフェイサー(溶きパテ)
を吹き付けると、凹凸がよく見える。さらに仕上げる。っていうか、この作業
に一番時間がかかった。で、原型完成。

試作として数個ずつシリコン型取りしてレジン複製。4体を同時進行なので、
作業が繁雑でけっこう面倒。原型の一つは、空気穴を作れない形状なことがわ
かって焦るが、片側の型を切断して、三面型とすることでなんとか解決。レジ
ン注ぎ穴が細くて半分までしか注ぎ込めなかったりしたが、型を修正してクリ
ア。細かい気泡が入るのを防ぐため、Webで調べた方法「ベビーパウダーをま
ぶしておく」をやってみたところ、なかなか良好。

4体×3=12体の試作複製が完成。バリ(樹脂のはみ出し部分)を削りとってみ
たところ、けっこうズレて段差があることがわかった。また、シリコンの奥の
気泡がレジン硬化の熱で膨張するらしく、ボコボコした凹みもちらほら。もう
一度複製すりゃよかったのに、もったいないからと一体ずつ整形を始めてしま
ったからさあ大変。12体の原型を作ってるような大がかりな作業に。結局、丸
二日くらいかかって、整形終了。本格量産の際にはもう一度シリコン型を作り
直さなきゃ。

2体ずつ計8体に塗装してみた。塗料はシンナー臭のない水性アクリル系に決め、
全部の色を作ってから作業開始。ところが水性アクリル系は乾きが遅いので重
ね塗りに時間がかかるしいつまでもベタつく。不用意に触ると指紋がベッタリ
つく。作業時間が長くなると、ホコリやゴミがどんどんくっついて次第に汚く
なってくる。

おまけに、水性アクリル系はリキテックスみたいに乾けば塗り重ねても溶けな
いからラクと思っていたのに、下地の色がかなり溶け出してくる。アクリル系
薄め液を大量に使うと派手に溶ける(アルコール分のせいだと思う)。これじ
ゃあ、臭くてもラッカー系のほうがマシだ。

ラッカー系でやってみたところ、乾燥が早いので塗り重ねもラクだし表面が強
いので気を使わなくてよくて疲れない。あと、ラッカーの上には水性アクリル
系もエナメル系も重ね塗りできるけど、水性アクリル系の上にはどの種類の塗
料も乗らない。やっぱりラッカー系なんだろうな。

キャラクターの塗り分け自体はなんとかなったが、心配したとおり、目を描く
のがめちゃくちゃ大変で苦労した、というよりも、ほとんど描けないに等しい。
だいいち、筆で1cmのきれいな円さえ描けない不器用なのでガッタガタ。こん
なの商品にならん。人形は目が命。ダメだこりゃ。う?むむむ、ここまで来た
のに断念かと、一晩落ち込む。

翌朝、そうだ! インクジェットプリンタ用の「タトゥーシール」というのが
あった! と思いついてコジマ電気へ直行。エーワンの「転写シール」を買っ
てきた。AdobeIllustratorで目を作ってプリント。貼ってみると、なかなか良
い。透明色なので地の色が透けてしまうが、淡い色の部分ならなんとかなる。
あるいは、その部分だけ白を塗ればオーケー。とりあえず、試作品はこれでい
いや。

あとで、昔パッケージデザインをやってたときに使っていた「クロマテック」
というのを思い出した。こすって転写する特注のインレタみたいなもので、プ
レゼン用のダミー制作によく発注していた。糊付きの余白がなく、多色刷りで
不透明(下地に白が刷ってある)。サンプルを取り寄せて貼ってみたら、最高
にピッタリ。量産するときにはこいつを発注しよう。

というわけで、石粉粘土からスタートして2か月もかかったけど4つの試作フィ
ギュアが完成。仕事の合間とはいえ、ちょっとかかりすぎか。量産時には試作
で浮かび上がった問題点を考慮に入れるつもり。しかし、4体同時進行という
のは大変だった。ボツや未完成のもあるから実質的に12体くらいを進めていた
わけで、そりゃ疲れるわけだ。1体に集中したほうが、品質的にも作業手順的
にもいいようだ。そのほうが楽しいし。

ブログの「フィギュア制作記」
< http://graphic.pastel.co.jp/yoshii/archives/cat158/index.html >

とりあえず、ここらでバック・トゥー・デジタル。

【吉井 宏/イラストレーター】hiroshi@yoshii.com

卓上簡易撮影スタジオ用に500Wの照明用電球を買ってきたのだが、まぶしくて
目が開けてられない。熱くて汗が吹き出す。それでもシャッタースピードが速
くなるので失敗写真が少なく重宝していた。先日、電球を取り付けていた三脚
がパタッと倒れてきて、熱い電球がモロに腕の上へ。振り払ってしまうと床に
電球が落ちることになるので、必死でガマンしてどうにか軟着陸させたものの、
腕に直径4センチの楕円状のヤケド。コゲた?。20日たってずいぶん治ったけ
ど、まだ痕が残ってる。以来、500Wの照明はこわくて使えない?。

HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://graphic.pastel.co.jp/yoshii/ >

<応募受付中のプレゼント>
「Adobe Creative Suite 2 プロフェッショナルブック」 本誌1981号(6/9締切)


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■編集後記(6/7)
・昨日の午後、「帰ってきたCG美少女」サイトを公開した。どこから帰ってき
たのかというと、何もないところから(笑)。すでにご存じの方もおられると
思うが、わたしが5年間続けてきた「All About/CG美少女」サイトは先月18日
にいきなり閉鎖された。わたしが著作権「侵害」をした、というのが処分の理
由だ。これについて語りたいことは山ほどあるが、蒸し返してまたもめるのは
めんどうだから、もう何も言わない。心機一転、新しいサイトをつくった(正
確には、つくってもらった)。そこは、C組(しいぐみ:みくしいのアナグラ
ムという説もある)という、日本最大のCGキャラクター情報&コミュニティで
ある。情報サイトとソーシャルネットワーキングが一体化した新しいスタイル
のサイトである。わたしのつくる記事やニュース、作家の新作ギャラリーなど
は誰でも見られる。もっと深く知りたい、仲間がほしいという人はコミュニテ
ィに参加してもらえればいい。このサイトの目的は、CG美少女分野の裾野をさ
らに拡げ、世界に向けた日本の現代アートとしての地位を確実なものにするこ
と(!?)。また、CGキャラクターのビジネスも目指す。こういうことを手が
けるのも、自分の役目だと信じているわけで、いい歳をして「CG美少女、萌え
!)」と単純に夢中になっているのではない。もちろん、好きでなくてはできな
いが(CG美少年もメニューにあるが、そっちはちょっとな?)。  (柴田)
< http://www.c-gumi.com/index.htm > 帰ってきた?

・アマゾンで「レジェンド・オブ・ゲームミュージック2」が定価17,640円の
ところ、3,980円で売っていた。予約完売した1のプレミアムボックスは再販。
2はあんまり良くないという話だったが、お得価格と特典DVDとで弟が今頃ゲッ
ト。届いたボックスの中から「見ろ」と渡されたのが大山のぶ代の「アルカノ
イド」ワンコインクリア映像。アルカノイドは20年前にゲーセンで流行った、
ブロック崩しの進化版ゲーム。シューティングゲームで高得点を取ったり、
「ドラゴンバスター」ではクリアがないため、二時間以上ワンコインでやり続
け、店員から100円玉をそっと渡されたという(お金返すから出ていってね、
な)ゲーム好きの弟でも「あんなのクリアできないって。集中力が続かない。」
という難しいゲームらしい。それをのぶ代さんは20年間やり続け、ワンコイン
でクリアできるほどの腕前に。スコアも日本トップクラス。「お店に入ると補
導員と間違われ、学生さん達が静かに出ていった頃もあった。」とか。相手が
いて、やるかやられるかというゲームじゃないところがいいらしい。ゲームを
オリンピック種目にするよう働きかけているアメリカ企業があるそうなんだが、
実現したら種目の中にアルカノイドを入れて欲しいな。のぶ代さんが最高年齢
で優勝するかも。                    (hammer.mule)
< http://ja.wikipedia.org/wiki/大山のぶ代 >
< http://ja.wikipedia.org/wiki/アルカノイド >
< http://ja.wikipedia.org/wiki/ドラゴンバスター >
< http://www.cnn.co.jp/business/CNN200606040003.html >  五輪で