[2008] 聖なる愚者たちの系譜

投稿:  著者:  読了時間:23分(本文:約11,000文字)


<どうも松井と女性の好みが似ているな>

■映画と夜と音楽と…[297]
 聖なる愚者たちの系譜
 十河 進

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 台湾は萌えているか:メイド喫茶店長に聞く
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■映画と夜と音楽と…[297]
聖なる愚者たちの系譜

十河 進
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●ミュージカル版「わたしが・棄てた・女」

先日、新聞を読んでいたら遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」を原作としたミュージカル「泣かないで」が再演されると出ていた。僕は「わたしが・棄てた・女」がミュージカルになっていたとはまったく知らなくて、「へぇー」とまるで「トリビアの泉」の出演者のように驚くだけだった。

僕は「わたしが・棄てた・女」を読んだことがない。カトリック作家である遠藤周作が苦手なのかもしれない。初期の代表作である「海と毒薬」も後期の重厚な作品も読んでいないし、人気があった狐狸庵シリーズも読んでいない。中間小説と言われたもので読んでいるのは「お馬鹿さん」と「どっこいショ」くらいである。

「お馬鹿さん」は小学生の頃に見たテレビドラマが印象的だったのだが、後に遠藤周作の原作だと知って十代半ばに読んだ。「どっこいショ」は小林正樹監督によって「日本の青春」として映画化され、戦中派の中年男をシリアスに演じた藤田まことが印象的だったため、映画を見た後に読んだ。高校生のときである。

その後、高校の図書館で借りて「沈黙」「白い人・黄色い人」といった純文学作品と呼ばれるものを読んだが、「神の沈黙」「人間の原罪」という重いテーマを読むのがしんどくなって、その後の作品は敬遠した。

遠藤周作の作品を読まなくなった頃に「私が棄てた女」という映画が新聞記事で取り上げられた。「キューポラのある街」で鮮烈なデビューを飾った浦山桐郎監督が五年ぶりに撮った遠藤周作原作の「私が棄てた女」がお蔵入りしているという内容だった。

浦山監督の「私が棄てた女」を見ることができたのは、高校を卒業して上京した1970年のことだ。銀座並木座だった。前年に公開された日活映画「私が棄てた女」は、ヒロインを演じた小林トシエでは客が呼べないと判断したのだろう、ポスターの全面には人気絶頂だった浅丘ルリ子の虚無的な表情のアップを使っていた。

主人公を演じたのは河原崎長一郎。学生時代からの友人で、一種の悪役を演じたのが若き江守徹だった。主人公は六十年安保で挫折した青年であり、今は自動車部品を作る会社に勤めるサラリーマンである。社長の姪(浅丘ルリ子)と婚約し、社内での出世が約束されたポジションにいる。

しかし、彼は現在のポジションを肯定しきれない。その心の蟠りになっているのがミツという女の存在だ。彼は学生運動に挫折し、その敗北感の中で田舎から出てきたばかりのミツという女を誘惑し棄ててしまう。彼女は人を疑わない純朴な(反面、バカとしか思えないほど単純な)女である。

社長の姪との婚約も整い将来も約束された今になって、主人公はミツが自分の子供を堕ろした後、今は老人ホームの下働きとして貧しい生活を送っていることを知る。主人公の心に何かが甦る。人を信じ切るミツの優しさ、人のために献身的に生きるミツの人を包み込む心の深さ…、そんな女を棄てた自分を許せなくなる。

ミツとはいったい何者だったのか…

●浦山版とまったく異なる熊井版「わたしが・棄てた・女」

映画監督の熊井啓は遠藤作品が好きだったのだろうか。「海と毒薬」「深い河」「愛する」と遠藤周作原作の映画化作品が三本もある。このうち「愛する」の原作が「わたしが・棄てた・女」である。1997年に映画化され、酒井美紀がミツを演じ、渡部篤郎が主人公を演じた。

酒井美紀は岩井俊二監督の「Love Letter」で印象に残った女優である。テレビでは「白線流し」で人気が出たようだが、僕はほとんど映画でしか見ていない。1997年には「誘拐」という映画にも出ていて、渡哲也の娘の役で男っぽい性格がとても似合っていたのを覚えている。

ちなみに酒井美紀は一時、ヤンキースの松井選手と噂されたことがある。先日、スポーツ新聞の見出しに「松井秀喜、戸田菜穂と破局」と出ていたけれど、僕は「杳子」が愛読書という戸田さんも好きなのだ。久世光彦が演出した向田邦子ドラマシリーズに出たときの薄幸な遊女役が忘れられない。

スポーツ新聞の記事によると松井選手は「知的でスマートで、ほっそりした美人が好き」という分析である。まあ、僕と松井選手が同じ女性を巡って恋敵になることはまずないだろうけれど、「ウーム、困った、どうも松井と女性の好みが似ているな」と僕は悩んだ。

ところが「愛する」に出てきた酒井美紀は、知的どころか最初はひどく野暮ったい。顔だってまんまるでアンパンマンみたい(ゴメン)だ。役柄だから、ことさらそう作っているのだろうが、小型のバンで移動弁当屋をやっている渡部篤郎に声をかけられ(要するにナンパされるのだが)、一緒にいた友だちと嬉しそうに反応するところなど「愚かだな」と思わされてしまう。

躯だけが目的だった渡部篤郎の誘惑を拒否しきれず、といって積極的に彼を慕うでもないミツは何を考えているのだろうという気になる。お定まりのように棄てられ、ミツは東京で働き始める。やがて渡部篤郎と再会するのだが、そのときには別の不幸が彼女を襲う。

ミツはハンセン病と診断され、療養所に隔離されることになる。この映画の主要なテーマはここから始まるのだ。ミツと同室になった患者の女性が語る長い物語や患者たちの悲しみが見る者に迫ってくる。ミツはそこで長い長い間、世間から隔離されて生きてきた人たちの想いを背負うことになる。患者を演じた岸田今日子や小林桂樹といった名優たちの演技が光る。

やがてミツに誤診だったという救いが与えられる。しかし、それがわかってもミツは療養所を去ろうとはしない。自らもハンセン病と診断され、患者の絶望と悲しみを知った身として、彼女は患者たちと共に生きることを決意する。診療所で働き続けるのである。

浦山版「私が棄てた女」を見ていると、熊井版「愛する」は同じ原作を使っているとは思えない。だから一度原作を読んでみようと思ったのだが、未だに果たしていない。おそらく熊井版「愛する」が原作に近いのだろうが、時代設定は現代に変えている。

ハンセン病患者の隔離政策は間違いだったと訴えた患者たちが国に勝訴したのは、この映画の公開から数年後のことだった。

●愛することだけしか知らないミツとは何者か

さて、ミツの墓の前で渡部篤郎が号泣するラストシーンを見終わって、僕は「愛する」というタイトルが持つ意味を考えた。

ストレートすぎて、あるいは気恥ずかしくて、僕のようなへそ曲がりの観客なら見にいく気をなくさせる危険さえあるタイトルである。「わたしが・棄てた・女」のままであった方が集客力はあったかもしれない。しかし、敢えて熊井啓は「愛する」とつけた。そこには強い想いがあったはずだ。

ミツは初めての男を愚直に愛する。彼女が愛するのは、何かを求めてではない。男からの愛を求めたわけではない。彼に棄てられても愛するのだ。ミツは仕事仲間を愛し、ハンセン病の患者たちを愛し、そこで働く人たちを愛した。患者たちからの感謝を期待したのではない。彼女は、ただ献身的に人々を愛するだけだ。

ミュージカル「泣かないで」の新聞記事の中で、1994年の初演を見たときの遠藤周作のコメントが紹介されていた。

──神様とは、奇跡を起こす存在ではなく、誰からも愛されないと思っている人を迷わずに抱きしめられる人だ。

それを聞いたミュージカル版の主演女優は「それはまさにミツだ、と思った」という。ミツはそのような存在として遠藤周作によって描かれ、熊井啓はそれを「愛する」という言葉に凝縮したのだ。「愛する」ことだけしか知らないミツを描きたかったのだと思う。

ハンセン病を告知され絶望したミツがひとりで山奥の診療所にいくシーンの酒井美紀の表情は悲しみに沈んでいる。彼女は、自分の将来がすべて閉ざされたと感じている。だが、泣くしかなかったミツは、患者たちの想いを背負い自分も彼らとともに生きていくと決意した後、素晴らしい笑顔を見せる。そのときの酒井美紀は、ある種の聖性さえ感じさせて美しい。

「私が棄てた女」でミツを演じた小林トシエは、裏切ったことの罪に目覚めた主人公のすべてを赦す。彼女にとって人間は裏切るものであり、罪を犯す存在なのだが、それらを含めて人間を信じているのである。そんな人間は傍から見れば愚鈍にしか見えない。そのために浦山監督は無名の女優だった小林トシエを使った。外見ではなく心の美しさを彼女は感じさせる。

ミツは遠藤周作が考えるイエス・キリスト的存在に違いない。たった一時間のドラマだったけれど、十歳にならない僕に四十年以上も記憶に残る印象を与えた「お馬鹿さん」の主人公と同じ聖なる愚者なのである。

彼らは人を信じ、愛するだけだ。悪意の存在を信じようとせず、人は善意だけで生きていると思っている。文豪ドストエフスキーもそのような主人公を創り出し、ムイシュキン侯爵と名付けた。その大長編には逆説のように「白痴」というタイトルを付けた。

それにしても…、と僕は思う。棄てられた女、ハンセン病といった重いテーマに彩られた「わたしが・棄てた・女」をミュージカルにした舞台に客は入るのだろうか。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
娘がイギリスへ留学することになったと、出発のひと月前にカミサンに告げられた。帰郷する飛行機が着陸態勢に入っていたときだ。飛行機嫌いの僕は何も言えず、うなずくだけだった。ということで、七月半ばから夫婦ふたりの生活になる。特に今までと変わりないけど…

デジクリ掲載の旧作が毎週金曜日に更新されています
< http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html >

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■Otaku ワールドへようこそ![31]
台湾は萌えているか:メイド喫茶店長に聞く

GrowHair
http://bn.dgcr.com/archives/20060707140200.html
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6月下旬の台湾はすでに真夏の様相を呈していた。「台湾の箱根」と言われる陽明山中腹の北投(ぺいと)温泉付近ではセミが鳴き、トンボが飛んでいた。蒸し暑さには閉口したが、スイカ、パイナップル、ライチ、グァバなどの豊富なトロピカルフルーツや、ビアガーデンでの台湾ビールなどが、南国の夏を堪能させてくれた。

台湾と言えば、世界でも日本のオタク文化が最もよく浸透している地域のひとつという印象があり、どんなふうかぜひ見てみたかった。折よく、日本国外初のメイド喫茶「アニメイド」を台北にオープンした方にお話を伺うことができた。その名も兄井冥土(あにめいど)店長氏。聞いてみると、どうやら台湾には台湾の萌え事情があり、単純に秋葉原に追随する形で萌え産業が発展するわけではなさそうである。

●ウチの真紅はよく働く

6月21日(水)に成田から台北へ飛んだのだが、その前の週、6月16日(金)の早朝、mixiのローゼンメイデン(RM)のコミュニティに「台湾のローゼンメイデンファンです~」というタイトルの書き込みがあった。「てにをは」がほんのちょっとだけ怪しい日本語で(私が勝手に訂正)、「ローゼンメイデンを愛する皆様初めまして。私は台湾のRMファン兄井冥土店長と申します~。6月18日(日)に大阪府吹田市で開かれるRMオンリーイベント『ローゼン・セレナード』にサークル参加して、日本語版の新刊を頒布します。時間があったらぜひ来て下さい~」とある。

書き込んだ主は、名前の通り、メイド喫茶「アニメイド」の店長だった。2004年6月に開店し、苺をモチーフにした衣装が可愛いと、日本のメイド喫茶愛好家の間でも評判になった店である。同年11月に、人々からいたく惜しまれながら一時閉店し、以来そのまま休業中。気になっていたら、いきなり思いもよらぬところに店長氏の出現である。しかも、タイミングよく。日記に「終了後すぐに帰国予定」とあるので、台湾でのインタビューを申し入れたら、快諾してくれた。

こういうことは、よく考えるとすごい偶然のようにも思えるが、私の身にはよく起きることなので、いちいち驚かないことにしている。神秘主義者というわけでもないのだが、理屈で説明のつかないことは理屈で説明をつけないのが一番で、こういうときは、脳内妻の真紅がまた働いてくれたな、と思うことにしている。妻をめとらば、魔法を使えるやつがいい。

●萌え要素の見当たらない「台湾の秋葉原」

インタビューに先立って、6月23日(金)、「台湾の秋葉原」と言われている光華商場を歩いてみた。「台北の秋葉原」と言ったって、たとえられている秋葉原自身がすごい勢いで変化しているので、ちっともピンと来ないのだが。

秋葉原のぱっと見に映る景色の変遷をざっくりと追ってみると、昔からのパーツ屋、'70年代のラジカセ屋、'80年代のパソコン屋、'90年代のソフト屋、といった流れになるのではなかろうか。2000年頃から、ソフトからの派生系が次から次へと花開き、同人誌やキャラクターグッズの店、フィギュアやドールの店、コスチュームの店、メイド喫茶、メイドなんちゃら、かんちゃら喫茶、なんちゃらかんちゃらなどが、百花繚乱の様相を呈して現在の萌え萌えタウンに至っている。

これは一本道の流れで、台湾もほんの少しだけ遅れてついて来ているのではないか、と想像していた。ところが行ってみると、この基準では20年前の「パソコン街」である。表通りに面してパソコン屋がずらっと立ち並び、新品のパソコンが5,000円相当で、iPodが6,500円相当で売られている。裏通りに入ると、かつては表通りにもあったというパーツ屋が散在している。

探せばいちおうソフト屋さんもあり、日本でテレビ放送されたアニメ番組の中国語字幕版DVDなどが売られている。「薔薇少女(ローゼンメイデン)」、「遥遠時空(遥かなる時空の中で)」、「幸運女神(ああっ女神さまっ)」など。劇場版の「電車男」もある。しかし、探せばやっとあるというショボさがどうにも意外。台湾の「萌え」がこの程度であるはずがない。

●オタクの居場所が確定しない台湾

かんかん照りの6月24日(土)の昼過ぎ、台北の三越デパートのライオン像前で店長氏と待ち合わせ、地下2階にある喫茶店で、約2時間にわたってお話をうかがい、また、台北地下街を案内していただいた。

店長氏はまだ20代の若さである。小学校6年のときに「ドラえもん」の翻訳本(海賊版)で漫画に慣れ親しんだ。高校を卒業後、台北の本屋で、日本から輸入したアニメDVDやアイドル雑誌を売る仕事をした。日本語は独学で、以前から読むだけはできたが、3年前に1年間ほど日本に住んで同人誌を作ったりしているうちに、会話も普通にできるようになった。

新作の同人誌を持ってきてくれて、「萌少女領域」というサークル名入りの紙袋ごと譲ってくれた。カバンに入れては傷むので、家に帰り着くまでずっと提げて歩いたが、そのために羞恥心は捨ててくるしかなかった。
< http://www.animaid.net/moe/pic/kamiver2.jpg >(「様本」=「見本」)

巻頭言には、「ある日ローゼンメイデンを見た私は、体中の萌え粒子が急激に分裂爆発し、四年ぶりの同人誌制作へと駆り立てられました。真紅への愛情と友人からの煽りによって、この萌え少女領域シリーズは誕生したと言えましょう」とある。ギャグのセンスがよく、後で中を読んで、大いに笑えた。他作品のキャラまで乱入してくるし。サークルは大陸の2人と共に運営しており、政治的なごたごたをよそに、仲がよさそうだ。

「アニメイド」のメニューも見せてくれた。イカ墨のスパゲッティーは「死亡筆記本」(「デスノート」のこと)。黒いっ! コスチュームは店員さんがデザインしたもので、札幌の "Cafe Primevere" や名古屋の "M's Melody" に貸し出して好評だったこともあるが、今は倉庫で眠っている。

現在、台湾には2軒のメイド喫茶があるそうだ。しかし、一般的には、この種の萌えビジネスには逆風が吹いているらしい。ひとつにはオタクの溜まり場が確定しないこと。光華商場にその兆しの見えたこともあったが、店が引っ越してしまい、今は、台北地下街、西門町、士林、松山などに分散しているそうである。

萌え関連ビジネスがごちゃっと固まっていた方が集客力の相乗効果が見込めそうに思えるが、そうは運ばないのが台湾なんだそうで。日本ではメイド喫茶どうし仲がいいのに対して、台湾ではライバルどうしは相手を叩きつぶすまで戦い抜くという姿勢なのだそうで。そうは言っても、光華商場のパソコン屋さんは軒を連ねて成り立っているわけだから、萌え市場はまだまだパイが小さいのが苦戦の元凶なのかもしれない。

市場規模の小さい背景のひとつには、買い手の購買力が弱いことがある。ターゲットのほとんどが学生で、社会人になるとほとんどが「脱ヲタ」(オタクをやめること)してしまうから。日本だと、学生のときに買いたいものが存分に買えずに我慢を重ねてきた反動か、社会人になると「大人買い」に走り、いっそうハマるパターンが多いのだが。メイド喫茶でも、食べ物の注文はあまり多くなかったそうである。飲み物も、10元(約35円)でコーヒーが飲める場所がある中で、メイド喫茶ではその10倍近い値段では、学生には厳しいらしい。

どうも今は先行きの見えづらいときのようで、アニメイド再開はあせらず、萌え市場の形がまとまってくるまで様子を見ていた方がよさそうである。

●萌える台北地下街

三越から徒歩で行ける萌えタウン、台北地下街を案内してくれた。並行する2筋の地下通路の両側に商店が立ち並び、奥へ行くほどオタク色が濃くなっていき、一番奥近くにメイド喫茶"Fatimaid"がある。メイド服はぷわぷわっとボリューム感があり、萌えの勘所をよく押さえている。

その手前には、同人誌の店「とらのあな」が別のお店の一部を間借りするような形である。日本からの雑誌や同人誌が日本語のまま置いてあるのだが、けっこう人が入って、熱心に見入っている。原書で読むのが一種のステータスになっているのだろうか。

ゲーム機の店の前では、リュックの子たちの集団が座り込んで、手持ちのゲームをやってる。大勢いるのに、お互いに会話がなく、ただ黙々と。他には、"Hanako" という店名のロリ服の店もあった。ウェブサイトへ行ってみると、「ロリ服でピクニック」なんてイベントも開催している。
< http://www.hanako.is.dreaming.org/ >
※ENTERではなく、絵をつついて入る... 仕様?

店長氏には本当に親切にしていただき、おかげさまで、台湾の萌え事情がずいぶんと見えてきた。感謝しています。

●引出しから真紅

台北晶華酒店(「酒店」とは酒屋ではなく、ホテル)の18階の部屋に宿泊。机の引出しには"Discover Taiwan"という、台湾の文化を紹介する隔月刊誌(3-4 月号)が入っていた。その中で6ページにわたって、コスプレの記事が組まれている。台湾のコスプレイベントは、主として大学のキャンパスで開かれるもののようで、台湾国立大学などで撮られた写真がいっぱい載っている。「トリニティブラッド」の衣装はすごく豪華で、日本のコスプレイヤーに負けていない。「ピチピチピッチ」なんて、よく知ってたなー。

台湾に特徴的なのは、Piliという放送局の人形劇による時代劇のコスチューム。これが非常に豪華。一着20,000元(約70,000円)ほどかかるらしい。そして、ローゼンメイデンの人形合わせで、真紅、水銀燈、翠星石、蒼星石、金糸雀、薔薇水晶(雛苺がいないけど)。薔薇水晶は、去年の10月から今年2月にかけて放送された第2期に登場するキャラクタであり、日本に全く遅れをとっていない。ところで真紅、引出しから出てくるとは、またやってくれたな。ドラえもんかよ? いてっ!(ツインテールでひっぱたかれた)

●台湾の渋谷の片隅で萌え

6月25日(日)は午後のフライトで帰る日だが、昼まで、西門町を歩いてみた。ここは、「台湾の渋谷」と言われるが、行ってみると感覚的にその表現がぴったりだと思える。映画館などがあり、ファッショナブルな若者たちでにぎわう。むさいヒゲを生やした40がらみのおっさんがスーツを着て、萌えキャラの紙袋を提げて歩くような場所では、断じて、ない。

しかし、その一角には、漫画やアニメやキャラクターグッズの店「アニメイト」が日本から進出している。1、2階が別の書店になっているビルの3、4階を占めている。

自国語を押し通すような態度は図々しいような気がして、店員さんにまず英語で話しかけてみるも、全然通じない。日本語で話したら、上手に話す店員さんがひとりいた。BGMにCLAMP原作の"xxxHolic (ホリック)"の劇場版のエンディングテーマが流れているのが嬉しくて、それを言うと、「いい歌ですよねぇ」と言ってくれた。これだけで、十年の知己のごとく打ち解けた。好きな作品で共感しあうと、心の壁がなくなってしまうのがオタクのいいところ。世界中に分布しているのが心強い。特に台湾は「恰日族(ハーリーズー)」と呼ばれる親日家がたくさんいて、人々のあたたかさを感じる。

「涼宮ハルヒの憂鬱」のライトノベル版が6巻、中国語訳されている。「灼眼のシャナ」とともに大人気なのだそうで。台湾には日本の作品を中国語訳する出版社がいくつかあって、同じ作品の翻訳版がかぶることもあるそうだ。「撲殺天使ドクロちゃん」や「NHKへようこそ」まで読まれては日本の恥ずかしいとこ、丸出しだなー。しかし、飾らない日本の姿が理解され、それで共感や親近感を呼んでいるのだから、いいのである。

海外のオタクたちはこれほど熱心に日本を気にかけているのだから、日本からも交流の手を差し伸べるような機会がもっとあればいいと思う。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
カメコ。7月2日(土)、「メカビ」の公開打ち上げに行ってきた。寄稿された方々のトークは、奥の深い議論という意味でも、めっちゃ笑えるという意味でも、面白かった。女性にモテない男を「喪男」というが、集まれば怖いものなし。童貞歴・セカンド童貞歴の長さはステータスだ!
兄井冥土店長氏のページ:< http://www.animaid.net/moe/jigoku/ >

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■イベント案内
Photoshop world Debut Event
< http://debut.photoshopworld.jp/ >
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日時:7月21日(金)13:30~18:30
会場:六本木Oribe Hall(オリベホール)(東京都港区六本木6-1-24 ラピロス六本木8F)
定員:300名
参加費:一般6,000円、会員4,800円
主催:NAPPJ株式会社 < http://www.photoshopuser.jp/ >
協賛:アドビシステムズ株式会社 他

セッション(予定)
13:45~14:45
インスピレーション Session 『JAPAN + ASIA 2006』
出演:宇川直宏(メディアレイピスト)高橋幸治(MacPower誌編集長)
15:00~16:00
テクニック Session『Photographicなグラフィック + Graphicalなフォト』
出演:ヒロ杉山(Enlightment)米津智之(アートディレクター)NANZUKA(NANZUKA UNDERGROUND)
16:30~17:30
ワークフロー Session『Adobe Lightroom + Apple Aperture』
出演:早川廣行(電塾塾長)永嶋サトシ(株式会社エヌ・フォト)

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■編集後記(7/7)
・金鳥の広告は、本当にわけわからなくておもしろい。「おでかけカトリス」を首から下げて、派手めな女性と手を組んで出かける息子・岸部一徳を追って出た父・大滝秀治は「もっこり山へ行くのか!」と叫ぶCM。いったいなに?このシチュエーション、妻がいつも聞く。蚊に効くらしいから、山に行くには最適ということはわからないでもないが、と。もちろん、わたしはこの場面の意味を知っている。6月に新聞に連載された金鳥小説「ふらふら」で、岸部をだまして金を貢がせたハワイアン教室の先生がこの女だ。知っていれば、あああれかと納得するが、そんなことを知っている人はどれだけいるのか。その前のCMでは、カトリスをUFOに見立てて、昼寝している父のそばではしゃぐ息子という、わけのわからないやつをやっていたが、あれはお色気先生の個人レッスンに舞い上がっていた中年男の姿なのか。新聞連載が楽しみだったが10回でトホホに終わった。CMではもうひとりの女性、薄幸そうな山本さんがどう出てくるのか、期待している視聴者も少なくないかもしれぬ。男やもめと、妻に逃げられた男、この情けなくも味わい深い父子の日常に商品の効能をぬけぬけと押し込む広告のうまさといったら! 昔から変わらぬみごとな金鳥広告だ。ピンクの河童が海を漂流中で、助けてーと叫びながら、あいまにキンチョウリキッドの効能を語り、そんなこと言ってる場合じゃなかった、助けてーと再び叫びだすCMもばかばかしいけど、山瀬まみの「助けてー」という声を聞くとしっかり見入ってしまうのだ。夏はやっぱり金鳥でしょう、キッパリ!(金鳥製品送ってこないかなあ……)。(柴田)


飛翔体スペースシャトルと国際宇宙ステーション。肉眼で見られるというので、母親を誘って空を眺めていたが曇り空。今日も見られるみたいなので再チャレンジの予定。「ISSとスペースシャトルの目視予想情報」で、角度や時間などをチェック。この後記を書いている時点では、曇りのち雨マークがついているんだが……。ドッキングなんてどうせTVで見られると思いつつ、NASAのLive TVを見てしまう。子供用のチャンネルも面白い。/今日は七夕。天気予報がはずれますように。(hammer.mule)
< http://kibo.tksc.jaxa.jp/ >  見よう
< http://www.nasa.gov/multimedia/nasatv/ >  どきどき