[2053] 冗談は小説の中だけにしてくれ

投稿:  著者:  読了時間:15分(本文:約7,400文字)


<LLPベースの製作委員会が常識となる>

■音喰らう脳髄[7]
 冗談は小説の中だけにしてくれ
 モモヨ(リザード)

■買い物の王子さま[127]
 毎晩味わいたい
 石原 強

■クリエイターとLLPと……[3]
 LLPに適した業種/業態
 深川正英


■音喰らう脳髄[7]
冗談は小説の中だけにしてくれ

モモヨ(リザード)
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風邪が流行っているようである。それも、ドカーンとくるやつでなく、八月の終わりごろからジワジワときて熱を出したり咳で苦しんだりということをしばし繰り返す。もう抜けたろうと思って油断をするとすぐ病状が悪化する。そんな調子の風邪に苦しんでいるという話をあちこちで聞く。

九月の頭、子供達がやられたものの何とか踏みとどまっていた私だが、先週の頭、ドカンときた。そんなわけでデジクリをお休みさせてもらった次第だが、不思議な風邪である。異常なほどに流行しているが症状に波がある。連続的に悪化傾向を著しくするわけでもなく、ゆえにマスコミなどでは警告が発せられない。しかし、突発的な熱を繰り返す。時にとんでもない高熱を出していたりする。インフルエンザではないらしいが、どうにも奇妙である。

単純に季節の推移が妙なだけかもしれないが、であるならば、これは時代の病そのものだろう、マジでそう思う。風邪の流行もあいまって、世の中の底流でぶきみな陰謀が進行しているのではないか、そんな故のない悪寒を覚えたりする。いや風邪で生理的な悪寒を覚え、肌をあわ立たせているに過ぎず、それに勝手な理由をつけているだけかもしれないが、やな感じである。

自民党の総裁選が終り『美しい日本』を著した人物が総裁の椅子につくことが確定した。当該著作は読んでいないが、いずれ正論が書かれているに違いなかろう。問題は、その論ではなく、今後、ひとつひとつの現象に対してどういう処方を施していくか、である。こんなことはいうまでもないことだ。私の悪寒とは何ら関係ない。

美意識にのっとって処断するのは内的な行為である。しかし、政治の世界、公務では美意識だけでは判断できない状況が多々ある。進むも地獄、退くも地獄、どう対応していても醜い、そんな状況は珍しくない。問題は、そうしたひとつ一つの対処にある。重複になるが、私が覚える悪寒には故がない。だから『美しい日本』が直接何事かを引き起こすとは思っていない。明確に××だから危ないということではない。

美意識で判断すべき問題も多々ありはする。北海道のフレンチブルドッグ、百代の事件などは、そのひとつ。

そういえば、このコラムでもフレンチブルドッグの百代が殺された事件のおりに一行、ほんの少しだけ触れた某作家の空騒ぎ。あれなどは、どうなのだろう。美意識のみでいえば、かの作家の関連文章は、私には猥褻物としか見えない。が、だから、それをもって彼女を断ずることはできない。その猥褻物も、世の中を過激な言辞で煽った後、それで終わりにするかと思っていたら、他の新聞に弁解文を投稿するしまつ。

彼女が何を信条にして生きるのも自由だが、人の目が注目する日刊新聞に文章を寄稿する立場であることを思えば、プロとして人の目にふれさせてよい文章とそうでないものくらいは区別すべきであろう。最初の彼女の文章を目にして心を傷つけられた人々もいよう。特に、青少年に与える影響を思えば、それこそ成人限定と読者を規定すべき内容であったと思う。その愚を繰り返している。猥褻行為もここに極まれリと私は思うのだ。ここまでやられると美意識どころか、世の人の心を故意に傷つけているとしか思えない。

告白すれば彼女の作品を私はその初期から読んでいる。初期の段階から、彼女は、命の問題に正面から取り組んできた。当然、物語には陰惨な色彩が濃くなるわけだが、その底流に浄土教的なぬくもりあればこそ、私は物語を最後まで読みとおし、その果てに光り溢れる景観のようなものを予感できたのだ。

そのぬくもりが消失したのは文学賞をとった頃からだと思う。ぬくもりのかわりに写実的傾向に拍車がかかり、陰惨な物語は、さらに絶望の色を濃くした。冷徹な観察眼と称して新傾向を歓迎する人々が多かったし、文学賞もその傾向を賞賛してのものだったが、私は、その頃から彼女の本を手にとらなくなった。今回のことで、私がなぜ彼女の本を読まなくなったのか、その理由が明晰になった気がした。読後、遥かに見えていたはずの光輝溢れる浄土が見えなくなり、悪寒のみが残るようになったのである。

現実が泥濘にまみれている今のような時代に、読者にことさらのように自らの悪夢を見せつける。ホラー小説の作者の在り様そのものと言えなくもないが、『冗談』は作品の中だけにしておいて欲しい。

Momoyo The LIZARD
管原保雄
< http://www.babylonic.com/ >

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■買い物の王子さま[127]
毎晩味わいたい

石原 強
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真夏にごくごく飲むなら発泡酒や第3のビールもいいけれど、少し涼しくなってくると、コクのある麦芽100%の本格的なビールが飲みたくなります。大手メーカーのものもいいけど、いつもと違ったビールを飲んでみたい。

楽天市場から送られてくるメールで見つけたのは、ちょっとかわった名前のビール「よなよなエール」です。サイトでは「初めて飲む方限定のセット!」のキャッチフレーズで、2缶のセットが500円で送料込み。そのかわり、購入できるのは初回のみ1セット限り。

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ちなみにこの企画、いつまで続けられるか???です。
なぜなら送料だけでも500円以上してしまうため赤字の企画だからです!
店長の私もいつまで続けていいのやら悩んでおります・・・。
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こんなに力をいれておすすめしているのは、軽井沢にある地ビールメーカーの直営ショップです。国際的なビール品評会では6年連続金賞を受賞というお墨つき。大手メーカーのプレミアムビール以上の価格ですが、期待できそうと、迷うことなく注文しました。

配送指定した週末にとどきました。袋に入った簡易包装ですが、中身に問題なければ自分で飲むのだから気になりません。取り出すと金色の缶が2本。ラベルは月とススキという和風のモチーフでノスタルジックな雰囲気のデザイン。すぐにでも飲みたいけど、「料理と一緒に味わえるビール」というので、夕飯時までじっと我慢。

じっくり味わうために、缶からビアグラスにゆっくりと注ぎます。するとフルーツのようないい香りがしてきました。口に含むとコクがあり甘さを感じる味です。ノドを通る時にはほどよい苦味があります。他のビールにあまりない味わいです。商品の解説によると、この味は「エール」と呼ばれる製法に秘密があるらしい。

ビールの製法は上面醗酵のエールと下面醗酵のラガーに大別されるのだそうです。「ラガー」は、低温で発酵させる製法で、なめらかでマイルドな味が特徴。それに対して「エール」は、常温で発酵させる製法で複雑な香りと深いコクを持つビールになるのだそうです。

これまで価格が高く身近に買うことが難かったエールビールを、価格を抑えて入手法を簡単にすることで、毎晩でも味わい深いエールビールを飲めるようにしたい。そんな思いを込めて「よなよなエール」と名づけられたということ。

2缶はあっという間に飲んでしまいました。味は満足ですが、量は物足りない。もっと味わいたいと思ったけれど通常は24缶単位の販売です。「夜な夜な」楽しめるのは間違いないけど、たくさんあると飲みすぎてしまいそうだし、他のビールとも比べながら飲んでみたい。詰め合わせのギフトセットはちょっと割高だし、迷ってしまいます。

ビールを買ったお店「よなよなエール」
< http://www.rakuten.co.jp/yonayona/ >

【いしはら・つよし】info@webanalyst.jp
ウェブプロデューサー、ウェブアナリスト
ここ3ヶ月間、リニューアルに取り組んできたサイトが先日公開されました。最後の2週間はスタッフともども休み返上、徹夜続きで仕上げたので、今夜は特別に美味しくビールが飲めそうです。
・ウェブアナ
< http://www.webanalyst.jp/ >

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■クリエイターとLLPと……[3]
LLPに適した業種/業態

深川正英
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2回に分けてLLPのアウトラインを説明しましたが、具体的には下記のような業種/業態が向いているとされており、実際に立ち上がっているLLPも少なくありません。

・コンテンツ製作
・ソフトウエア開発
・中小企業連携
・ベンチャー/研究開発
・法律の専門家集団
などなど・・・

●法律の専門家集団

実はこの中で「法律の専門家集団」は、現在立ち上がっている日本のLLPの中で圧倒的に多い業種です。

私たちもそうでしたが、新しく出来た法律なので誰に相談すればいいのか? という問題に直面します。実際、今でもLLP関連の法律や会計に関する相談に尻込みをする士業の方は少なくありません。

そんな時、実際にLLPを運営している、しかも法律の専門家集団ということになれば、心強く、安心して相談出来る・・・つまり「LLPを立ち上げるためのLLP」というコンサルティング系のLLPとなり、ここにビジネスチャンスがあると考えた士業の方が多いということでしょう。

この方面のLLPとしては「インブルームLLP」が有名で、LLPの法律自体がまだまだ未成熟であることを背景に、自身のLLPを使って様々なチャレンジをしているようです。

インブルームLLP
< http://www.inbloom.jp/ >

この方面に関しては私自身が詳しくないので、触れるのはこれくらいにしておきますが、現状ではLLP自体の認知度が低いため、このようなLLPが実質的に活躍するには、まだ少し先のようです。

●中小企業連携

次に「中小企業連携」ですが、日本には高いレベルで特定の技術に特化した中小企業が多く、日本の産業を支えているという事実があるにも関わらず、大手メーカーや国レベルで何らかの施策や成果が見えにくい現在においては、LLPは重要な役割を果たすのではないでしょうか。

そんな製造業で、かなり早い時期にLLPを設立した「アッセンブリ119LLP」があります。

苦境にあえぐ大阪の町工場が専門技術を結集した、という分かりやすいLLPの事例としてよくメディアに取り上げられていますが、LLP化することで窓口を一本化し、様々な案件にワンストップで受注できるようにした点が大きいのではないかと思います。

アッセンブリ119LLP
< http://www.assy119.com/ >

●住宅などの建築や店舗開発、産学連携も含めたベンチャーや研究開発

製造業とは若干違いますが、住宅などの建築や店舗開発のためのLLPも有効でしょう。

実際に住宅に関わる職人さんの技術だけでなく法律的なサポートも必要ですし、店舗開発にいたってはマーケティングやプロモーションなども必要で、それらをワンストップで解決出来るのであれば、大手に負けない技術やサービスを提供できるのではと思います。

産学連携も含めたベンチャーや研究開発においてもLLPは今までにない効果を発揮するでしょう。

大学教授などのアイデアを持った個人と、大手メーカーによる技術や製品の開発というパターンは今でも多く見られますが、出資額が圧倒的に多いメーカーに利益が集中し、アイデアを出した個人への恩恵が少ないという現状を覆す事が可能となります。

スピンオフベンチャーの場合も、子会社化するのではなくLLPという組織形態にすることで、主と従ではない新しい関係が生まれる可能性があります。

●コンテンツ製作

そして、なんといっても「コンテンツ製作」です。

知恵やアイデアとそれを生み出す人材自体が主軸となるような業種は、LLPと非常に相性が良いです。

コンテンツ製作といえば、日本ではアニメーションを筆頭とした映画ということで、企画・広報を行なう広告代理店、製作を行なうプロダクション、興行を行なう映画会社、そして流通やメディアという異なる領域の企業が手を組む必要があります。

LLPが出来るまで日本では「製作委員会」という名前で作品ごとに民法組合を設立する方法が一般的でしたが、民法組合は無限責任なので、万が一映画が大コケした場合のリスクはかなり大きいと思われます。

そのため、例えば新進の映画監督やシナリオライターなどが自身のプロジェクトを起こすことは不可能だったのですが、LLPであればパートナー次第では可能になります。

よくメディアに取り上げられるLLPとしては「ジャパニメーション・パートナーズLLP」や、攻殻機動隊で脚光を浴びたプロダクション・アイジーとトランスコスモスによる「amimo LLP」などがあり、映像/映画業界は積極的にLLPを導入することで新しい取り組みによる業界の活性化が期待されます。

ジャパニメーション・パートナーズLLP
< http://www.japanimation.co.jp/ >

amimo LLPの運営サイト「clappa!」
< http://clappa.jp/ >

従来の「製作委員会」方式と同じように作品やプロジェクトごとに設立・解散が容易で、しかも有限責任ということになれば、スティーブン・スピルバーグ監督らが設立したアメリカの「DreamWorks LLC」のように、日本でもLLPベースの製作委員会が常識となるでしょう。

次にソフトウエア開発ですが、WebをはじめとするIT系もこれにあたります。企画、プログラマー、SE、デザイナー、営業など、お互いの専門的な技術等を持ち寄って、より大きな事業を展開することが可能です。

さらに時代の流れに合わせて、LLPの構成や大きさを変えたりすることも比較的に容易なため、柔軟な対応が可能になるということも考えられます。

そしてソフトウエア開発の性質も持っているコンテンツといえば、日本が最も得意する分野の一つであるゲームが挙げられます。

現状では目立った動きが見られず、水面下ではそのような動きがあるのかも知れませんが、これこそLLPを積極的に導入するべきだと思います。

今は合併や吸収により、どんどん会社が大型化していますが、逆に、企画、プログラム、ビジュアル、音楽、流通、広報、など各領域ごとに分社化し独立させ、ゲームのプロジェクトごとに最もマッチする組み合わせを行ない、そのゲームのためだけのLLPを「製作委員会」方式で立ち上げればいいのではないかと思っています。

そうすることで、各領域のライバル会社同士の差別化や専門化が進み、より高いレベルでの開発が可能になるだけでなく、ロスやリスクの回避にもなるのではないかと思われます。

バビル6LLPはコンテンツ製作とソフトウエア開発が主軸となりますが、厳密にいうと上に挙げたどのパターンとも微妙に違っています。

このあたりもLLPならではで、どのような形態でどのように運営していくのかという自由度が高いともいえます。

ということで、次回はバビル6LLPがどのような経緯で設立することになったのかという「前夜」について書きたいと思います。

【ふかがわまさひで】
バビル6 LLP(有限責任事業組合)組合員
※バビル6 LLPは日本第一号のLLP(有限責任事業組合)です
< http://www.b6p.jp/ >

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■編集後記(9/26)
・先日、「国旗に起立、国歌斉唱、教職員に強制は違憲」という報道に、わたしもいちおうビックリした。被告は「想定外」と憮然、原告は「画期的」と大はしゃぎだ。しかし、こんなむちゃくちゃな理論の破綻したマヌケな判決は、高裁であっさり逆転すると思うからそんなに大騒ぎするほどのことではあるまい。さいわい読売新聞を購読しているから、この件に関してはまともな報道で、カッカとならずにすんだ。社説では「認識も理論もおかしな地裁判決」と書き、よみうり寸評でも普通の感覚でこの判決に疑問を投げかけている。朝日をやめてよかったとつくづく思う(それに読売はサービスもいいしな)。判決の中では「式典で国旗を掲げ、国歌を斉唱することは有意義」「国旗・国歌を尊重する態度を育てることは重要」「入学式や卒業式は、生徒に厳粛で清新な気分を味わわせ、集団への所属感を深めさせる貴重な機会だ」とじつに正しいことをいいながら、まったく逆な結論を導き出したのは例の特定の思想によるものだろう。だって、国旗・国歌は、「宗教的、政治的にみて中立的価値のものとはみとめられない」なんてわけわからんことを言っているんだもの。だいたい、たんに公の場での職務遂行を求めることを、思想・良心の自由の侵害だと言い立てるほうがおかしい。それにしても、式典で起立や斉唱を拒む行為は無礼で醜態である。そんな悪目立ち、見ている方が恥ずかしい。そんな教職員のいる入学式や卒業式、見たくもない。いや、見たい。どんな顔しているのか見たい。そういう現場で、父兄の側からバカ教師の無礼を徹底批判したかった。もうそういう機会がないのが残念だ。(柴田)

・ネタに詰まった時のストック、占い。今日は「タネ占い」。生年月日を入れるとアナタのタネがわかる。私はレモンだった。同じタネでも、生まれによってタネ傾向グラフは違うみたい。私は「ばりばり」が高かった。占い結果はあんまり面白くないけど、キャラクターとイラストがいいね。(hammer.mule)
< http://www.charapal.com/uranai/tane_uranai/ >  タネ占い
< http://www.charapal.com/chara/tane/ >  キャラクターが可愛い
< http://www.charapal.com/game/kumakeshi/ >  くまけし