デジアナ逆十字固め…[26]秋の新企画/上原ゼンジ

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唐突ですが、オモチャレンズの話はネタが尽きてしまった。まあ、完全にフィニッシュというわけじゃないんだけど、別のネタに切り替えていかないと、週刊での連載はちょっと厳しいという感じだ。

では、次は何をやるか? おおまかには二つのネタを考えています。一つはデジタルカメラを使って、今まで撮ったことがなかったような写真を撮ってみようということ。オモチャレンズという縛りはなくして、もう少し幅広くいろんな写真を撮ってみたい。


たとえば、望遠鏡を使って土星の輪を撮るとか、木星の縞々を撮るとか。あるいは顕微鏡を使って、ミジンコを撮ったり、粘菌類を撮るとか。まあ、専門にやっている人はいくらでもいるけど、ド素人が金をかけずにいきなり挑戦するというのがコンセプト。

たとえば今、楽天で「天体望遠鏡」というのを検索したら、一番安いのは税込み1,580円だった。「月のクレーターもくっきり」と書いてある。月のクレーターは見えたとしても、土星の輪は見えなそうだよな。じゃあ、いくらぐらいの天体望遠鏡を買えばいいんだろう。

柴田編集長に相談すれば、「領収書だけ取っておいてくれれば、経費はいくらでも出しますよ」と言ってくれるかもしれないし、たぶん言ってくれないと思うので、まあ最低限の経費で、最大の効果が上げられるように頑張ってみたいと思う。

他にやりたいのは赤外線写真。本来デジタルカメラというのは赤外線写真は得意なはずだ。しかし簡単に赤外線写真が撮れてしまうと、法律に触れるようなことに使う人が必ず出てきてしまう。そこで簡単には撮れないような仕組みになっているはずなのだが、そこをなんとか突破してしまいたい。

そして撮りたいのは赤外線ヌード。美しく血管が浮かび上がった様が撮ってみたい。これはフィルムの頃から暖めてきたアイディアだ。

あとは何があるかな……。高速撮影というのもやってみたい。はたしてミルククラウンは簡単に撮れるのか? ウォータークラウン、オイルクラウン、ジェルクラウン、カルピスクラウンといったクラウン徹底比較というのもいいかもしれない。

リンゴをピストルで撃ち抜く瞬間というのもあるな。まあ、本物は無理だから、オモチャということになるだろうけど、リンゴが破裂する瞬間ではなく、タマが弾き返される瞬間ということになってしまう可能性もあるが……。

「上から撮るシリーズ」というのもいいだろう。ビルの上から撮影するとか、カメラを凧にくっつけるというのもある。ヘリウム気球を使った空撮というのもやってみたいところだ。ヘリウムというのは危険はないのか? デジカメも一緒に連れて、どこか遠くへ旅立ってしまったら、ちょっと困るな。

まあ、アイディア倒れで、実際には出来ないようなことも色々ありそうだが、とりあえずネタを考えるのは楽しそうだ。もし、「こんな事やってみたら?」というネタがあれば、ぜひメール下さい。それから、「土星を撮るならこんな望遠鏡」とか「私の血管撮ってください」とか「資金提供したいので口座番号を教えて下さい」といったメールも大歓迎です。

●企画その2はデジタルプリント術

この工作ネタは考えるのは楽しいが、毎週毎週締め切りに合わせて実験したりするのはちょっと辛そうだ。多少の準備は必要だから、来週いきなり土星の輪の写真を披露するというわけにはいかないだろう。そこで、もう一つの企画も用意した。

それは暗室のテクニックをデジタルにコンバートすることだ。今までカラーマネージメントやレタッチの本に関わってきたが、これらはいずれもお仕事に役立てるということがベースになっている。それを「作品制作」「手持ちのプリンタで最終出力物をプリントする」ということを中心に考えてみたい。

お仕事と作品では何が違うのか? ひとつは時間を気にせず、自分のイメージを追求できるということ。仕事であんまり時間をかけてしまうと、生産性は著しく低下してしまう。120点を狙うのではなく、70点、80点をクリアするということが重要になるからだ。

それから、仕事というのは基本的に印刷物を中心に考えている。プリントやWEBが最終出力という仕事も当然あるが、網点に関する知識など一番スキルを要求されるのが、印刷という分野だからだ。

一方、自分で作品を制作するといった場合には手持ちのプリンタというのが中心になってくる。ラボでプリントしてもらうことも可能だが、自分のイメージを追求するためには手元で試行錯誤するのが一番いい。

カラーマネージメント的に考えると印刷目的の場合の中心には、電子ドキュメントがくることになる。そのドキュメントの色をなるべく忠実にモニタやプリンタや印刷物上で再現しようという考え方だ。

それがプリントアウト作品ということで考えれば、その中心となるのはプリントアウトそのものということになる。カラーマネージメントの技術を利用してモニタでシミュレーションするということも重要だが、モニタとのマッチングにこだわるよりは、とりあえずプリントしたものを基準として調整するのが、手っ取り早い。

ただ、イメージを追求して何枚も何枚もプリントするのは無駄なので、その辺をスマートにやる方法を考えてみたい。たとえば暗室では「試し焼き」というのをして、プリントの明るさを決定していた。一枚の印画紙の中で露光時間(明るさ)を変えた部分を作り、どの明るさがいいのかをチョイスする方式だ。

これが応用できれば、無駄なプリントの枚数は減る。「試し焼きソフト」の類も色々あるのだが、カラーマネージメントの設定等も含め、「自分のハートの中のイメージをプリントアウト上に再現する方法」をまとめてみたいというのが、企画その2の趣旨だ。

別に印刷するような仕事はしていないけど、作品展なんかをやる時にうまくプリントの色がコントロール出来ずに苦労するということはあるはずだ。そんな時に役立つ技術を分かりやすくまとめてみたい。写真と限らず、CGやイラストレーションの出力にも応用が利くはずだ。

まあ、キッチュレンズ工房の方も止めてしまうわけではないので、新たなネタがあれば引き続き書かせていただきたいと思う。

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com

◇キッチュレンズ工房
http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/
◇MD研究会の画像フォーラム
http://community.imaging-park.jp/
◇ZEN STUDIO
http://www.k5.dion.ne.jp/~color/

●超芸術トマソンの煙突男・飯村昭彦氏の写真展「芸術状物質の謎3」が11月4日から14日まで阿佐ヶ谷の香染美術で行われます。11月5日午後5時より会場にて超芸術トマソン観測センターによる物件報告スライド上映会があります。見物はもちろん、物件報告もお待ちしております。無料。
< http://www.dgcr.com/kiji/20061102/ >