[2110] 駄目押しの一発

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<外部にPRできるような特長を持っているでしょうか?>

■音喰らう脳髄[17]
 駄目押しの一発
 モモヨ(リザード)

■買い物の王子さま[133]
 見た目よりも快適さ
 石原 強

■クリエイターとLLPと……[15]最終回
 まとめ:クリエイティブ系LLPの設立を検討している人へ向けて
 深川正英

■マガジンガイド&プレゼント
 Web Designing 2007年1月号 毎日コミュニケーションズ刊


■音喰らう脳髄[17]
駄目押しの一発

モモヨ(リザード)
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今年最後の原稿である。というか、今年、最後のボヤキである。最近の出来事はどこから考えてみても光が見えないことばかりだ。ついボヤキになる。NHK職員が体重120キロの男子大学生の尻をさわり痴漢で捕まったなんていうバカニュースはともかく、年の瀬が近づいて、今度はノロウィルス警報ときた。駄目押しの一発である。

いろいろな騒動があり、あまりに悲観的なニュースが多いので目に見えにくいが、いま、私が注視しているのは自民党内の動きである。

この秋から冬にかけて去年の解散総選挙時に離反した代議士が復党したことは、皆さんご承知だろう。私も前回ぼやいたばかり。その復党組の後の動き方が問題だ。幾人かが、小泉政権を通じて力を喪失してきた巨大派閥の復権に向けて動いているからだ。

先週、いくつかの法案を強行採決した自民党だが、党内では権力の再集結にむけての動きがあるのだから、もはや何をかいわんやである。改革の手をとめるなと若手中心に集まらせてガス抜きをしたようだが、それでガスが抜けるのは党内だけであって、現実には種々雑多な問題が山積みにされたままだ。そんなもん、強行採決でばったばったとなぎ倒せばよい、とでも思っているのだろうか。

そのうえ野党もあてにならない。選挙権を持っていたとて、現在の政党そのものが、ぬえのような権力亡者の有象無象の集合分布で占められているのだから、さてどうすればいいか、悩ましい。

私たちに何ができるか、それはわからない。とにかく、一人一人が現実をウォッチしつづけること、声をあげることだろう。

そこからしか私たちの2007年は始まらない。

Momoyo The LIZARD
管原保雄
< http://www.babylonic.com/ >

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■買い物の王子さま[133]
見た目よりも快適さ

石原 強
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外は寒くなっても、オフィスに戻ると人とPCの熱気が充満しています。客先への訪問のためにキメてきたジャケットも、オフィスに戻ってくると脱がずにはいられません。共用のコート掛けはあるけど、わざわざ掛けにいくのも面倒だし、冬はぶ厚いコートで満杯になっています。

だからといって、横着してイスの背にかけると、よりかかった時にジャケットの襟が折れてしまいます。ふと隣を見ると、同僚がイスの背にとり付けるハンガーを使っているました。使い心地を聞いてみるとなかなかよいという返事。

それでも、今一歩踏み切れなかったは見た目の問題です。プラスチック製で安っぽい。イスに取り付けた姿もとってつけたようで、いかにも「便利グッズ」という雰囲気に、ちょっと引きぎみでした。

最近、席で仕事をしているとなんだか首筋が冷えてにくるようなりました。外は寒くても室内は冷房がかかっているようなのですが、移動した席がちょうど空調の真下だったのです。おかげで、空調の状態にあわせて頻繁にジャケットを着たり脱いだりすることになってしまいました。

こうなると、見た目にこだわってもいられません。「イス」「ハンガー」と思いつくキーワードを入力して検索をかけるとすぐに見つかりました。商品名は「服の神」これまたベタな感じです。

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出社したときや外出先から戻ったとき、ロッカーがあるにもかかわらずジャケットをイスの背もたれに掛けている方は多いと思います。でもイスの背もたれが低いのでジャケットの裾を引きずってしまい、結局汚れてしまう。そういったことでお悩みの方このハンガーを使えば汚れることはありません
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扱っていたのは収納用品の専門店です。用途別に値段の高いもの安いものまで、あらゆる形のハンガーが揃っています。この商品はアイデアハンガーのコーナーにありました。

値段は1,800円と思ったよりも高い。けれど背に腹はかえられません。せめて送料が無料になるように、家で足りなくなっていたハンガーや衣類カバーを一緒にして注文しました。5日ほどで、大きめのダンボール箱に同梱されて手元に届きました。

すぐに箱から取り出して説明書を見ながら組み立てます。といっても、パーツを差し込むだけで簡単。イスへの取り付けもアルミのフックを背もたれに上からぎゅっと押し込むだけで、5分とかからず準備は整いました。

脱いだジャケットをかけて、のんびり背にもたれても、背中に当たらないのは快適です。高さ調整のおかげで裾が床につくこともありません。ちょっと裾の長いコートでも大丈夫そうです。しかも、ハンガーは左右に伸縮するので肩のサイズにぴったり合わせられます。

見た目はともかく、実用面では言うことありません。おかげで、いつでも上着を脱ぎ着できるようになってラクになりました。でも、本当は空調をなんとかしてほしいのです。

チェアハンガーを買ったお店「ハンガーのながしお」
< http://www.rakuten.co.jp/nagashio/ >

【いしはら・つよし】info@muddler.jp
ウェブプロデューサー、ウェブアナリスト
冷房に弱い私は夏も冬も空調に悩まされます。寒いと思って設定温度を上げるとすぐに下げられたりして「姿の見えない敵」とのバトルを繰り広げることになるのです。今年はこれで最後です。来年もよろしくお願いします。
・ウェブアナ
< http://www.muddler.jp/ >

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■クリエイターとLLPと……[15]最終回
まとめ:クリエイティブ系LLPの設立を検討している人へ向けて

深川正英
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以前から述べているように、「LLP」の「P」=パートナーシップは、人的資産の活用が重要であることを意味しています。

さらに、外部の資源を取り込むリスクを背負うことなく外部の資源のまま、もともと持っている資源と合わせて組織を作れることがLLPの特徴でもあります。

これらの特徴は、特に研究開発の分野で発揮されるといわれていますが、デザインなどのクリエイティブな分野にも当てはめることが出来ると思います。

というわけで、クリエイティブ系LLPの設立を検討している人へ向けて、「まとめ」という形で私なりの意見や情報を残しておきたいと思います。

●クリエイティブ系LLPに適した組織形態

まず、内部自治原則を活かした小回りが利く組織がベターだと考えています。

様々な状況に素早く対応できたり、フラットな組織でありながらも独自の判断を反映できる大きさにとどめておく方がいいでしょう。

必然的に少人数になりますが、やむを得ず大人数になる場合は決定権を持つ人を決めたり、窓口を一本化することが重要になると思います。

人的資産の活用という視点からは、独自のプロジェクトや商品/サービスの開発を念頭に置くことが必要でしょう。

LLPはどうしても個々の仕事に時間を取られがちになるので、常に共有しているプロジェクトや継続的で共通の話題になり得る「何か」が必要です。

そういう面からも、請け負い仕事だけでは一つの組織としてのメリットを十分に発揮出来ないと思います。

さらに、クリエイターはとかくお金に疎いので、そういう方面に強いパートナーを加えることをお勧めします。

別に税理士や会計士である必要はありませんが、組織運営に関するマネージメントやプロデュース能力があるパートナーは必要です。

●設立のための参考サイト

・経済産業省(有限責任事業組合(LLP)制度の創設について)
< http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/llp_seido.html >

法律を作った張本人(?)のサイトですので、最新情報があるのかと思いきや、あまり更新されていませんし、更新しなければいけない情報も少ないです。ただ、情報の確かさはこのサイトをおいて他にないでしょう。

・大阪産業創造館(LLP・LLC設立相談窓口)
< http://www.sansokan.jp/LLP/ >

大阪市内でLLP設立を考えているなら、とりあえずここに相談するといいと思います。ほとんどの相談は無料ですし、LLPやLLCの設立に積極的に取り組んでいるため実績も多いです。

各自治体に似たような施設や組織/団体があると思いますので、探して頼ってみるのもよいと思います。

・ドリームゲート(新たな事業体制度「LLP」)
< http://www.dreamgate.gr.jp/feature/knowhow/shinkaishahou/llp/ >

独立・起業支援のポータルサイトです。LLPの基本的な情報はもちろんですが、事例もいくつか載っていますので参考になると思います。

・ジャパニメーション・パートナーズ有限事業責任組合
< http://www.japanimation.co.jp/ >

日本で一番有名な、クリエイティブ系LLPだと思われますので、参考までに。

・インブルーム(LLP設立サポート)
< http://www.inbloom.jp/foresight/ >

日本で一番有名な、LLPコンサルティング系のLLPだと思われますので、参考までに。

他にもいろいろあるのですが、特定の団体や組織の宣伝のようになってしまうので、このあたりで止めておきます。興味のある人は「LLP 設立」などで検索してみて下さい。情報は若干古いながらも、量は多くあります。

●「クリエイターとLLPと……」このタイトルに込められた想い

今までの組織形態より事業を始めやすいということで、とりあえず走り出してみるというのも一つの手かもしれませんが、最低限のビジョンは持っておいて下さい。

やはり「何をどうしたいのか?」が先にあり、そのために組織化が必要な時の選択肢のひとつとしてLLPがあるというように考えないと、LLPを設立することが目的になり意味がなくなってしまいます。

というように、設立を検討している人は「クリエイターとLLPと……」の「……」に入るキーワードがあるかどうか、考えてみて下さい。

外部にPRできるような特長を持っているでしょうか? 自信を持って「ある」と言えるのなら、一歩踏み出してもいいのではないかと思います。

私のLLPの話はこれで一旦終わりますが、これをきっかけにクリエイティブ系のLLPが生まれ、近い将来LLP同士が連携し、より大きな動きができればいいなと思います。

稚拙な文章に付き合って頂き、ありがとうございました。

【ふかがわまさひで】
バビル6 LLP(有限責任事業組合)組合員
※バビル6 LLPは日本第一号のLLP(有限責任事業組合)です
< http://www.b6p.jp/ >

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■マガジンガイド&プレゼント
Web Designing 2007年1月号 毎日コミュニケーションズ刊
< http://book.mycom.co.jp/wd/ >
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<編集部より>
こんにちは。「Web Designing」編集部の広島です。2006年もあと少し、みなさん年末年始の準備はいかがですか? 実は私、2007年まず最初に挑戦したいことがあるんです。それは「お年玉」を渡すこと。小心者なので、「2千円ではバカにされそう、3千円は懐に痛い‥‥」と今からかなり悩んでいます。先日、青山スパイラルにあるショップを覗いたところ、すごくかわいいポチ袋を発見しました。せっかくだから「お年玉」を楽しもうと現在、かわいいポチ袋探し中です。さて、今月の「Web Designing」は「気になるあのことがわかる」タイトルをご用意しました。

●特集1:トラブル完全網羅! Internet Explorer 7対策ガイド
Web標準への準拠度を高めたIE 7。しかしCSSやJavaScript、セキュリティなどの仕様が変更されたため、IE 6では正しく表示されていたサイトでもCSSの表示が崩れたり、Ajaxが動作しなかったり、ページ自体がまったく表示されなくなる可能性があります。この特集ではマイクロソフト社の全面協力を得て、現時点で発覚しているIE 7のあらゆるトラブルに対して解決方法を網羅しました。

●特集2:2006年のWebシーン、総まとめ
トリノ冬季オリンピックに燃え、サッカーW杯に熱狂し、冥王星が泣いた2006年。さまざまなサイトがオープンし、新しい技術やブームが生まれ、そして消えゆくものもありました。これら今年を代表するキーワードで統括した記事や読者投票で選ばれた、印象に残ったWebサイト「Most Impressive Website 2006」、データ分析から見えるWebシーンの現在など、この特集を通して2006年を整理してみましょう。

さらに、今月は新連載が2本もはじまります! 異色クリエイター、サウナマンさんによるコラム「サウナマンの気まぐれハットスタ」。クスール松村さんによる魅力的なトゥイーンアニメーションの作り方を紹介する「Flashの学校 School of motion geeks」と、充実した内容になっています。

「Web Designing」1月号はすみからすみまで見逃せませんよ! 紅白やK-1、初詣などの年末年始の恒例行事のお供にはぜひ、「Web Designing」を。
定価1,280円で発売中です。

●本誌を毎日コミュニケーションズよりデジクリ読者2名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は12月26日(火)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に1月上旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html >

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■編集後記(12/19)

・大学のサイクリングクラブのメーリングリストで、スポーツサイクルのアルプスが閉店することを知った。同社サイトには「パーツの供給など、諸般の事情により自転車の製作の継続が困難となりました」とある。頑固な専門ショップの選択として、こうなるのも仕方がないのだろうが、じつに残念なことだ。40年も前、大学のクラブの指定店であったアルプスで、パイオニア号をセミ・オーダーで組んでもらった。フレームは銀色と水色がまじったようなややメタリックな色で、前フォークをメッキにした美しいやつ。部品にはそんなにこだわらなかった(高価な外国部品を買う余裕もなかった)から、ブレーキをマファックにした以外は、オール国産だったと思う。この自転車は身体にぴったりフィットして、ものすごく走りやすかった。また軽量だったので、輪行で日本各地を巡った。五年間ランドナー(小旅行車)として乗り回し、色を赤に塗り替え全体をスポルティーフ仕様にしてさらに五年間乗った。生涯であんな人馬一体ではない、人車一体感を持った自転車はない。歳をとったら、ヴィンテージパーツを使った趣味用ランドナーをアルプスで組むというのもひとつの夢だったが、閉店でもはやかなわなくなった(いや、とっくに経済面であきらめていたのだけど)。じつは、アルプスには大恩がある。ESCA(東日本学生サイクリング連盟)の機関誌の編集を担当したとき、なにもわからないままアルプスに広告をもらいに行って、あまりの無知ぶりにあきれた先代の萩原慎一氏が雑誌編集の基本の基本をていねいに教えてくれた。結局、その経験が雑誌編集という職業を選ばせたのである。ネット上には、アルプスついて語る人がかなりいるが、わたしみたいな素晴らしい経験をした人はいないであろう。ちょっと自慢である。(柴田)
< http://www.alps-cycle.co.jp/ > アルプス

・深川さん、連載ありがとうございました!/スーパーエッシャー展に行った。次の打ち合わせまでの時間つぶしを兼ねて、あんまり期待せずに入館。ニンテンドーDSが音声ナビをしてくれる。が、これが利点であり欠点でもあった。解説のある作品の前には人だかり。音声が終わるまでは他の作品へ移動しないためだ。人の多さに酔いそうになる。エッシャーの主な作品は展覧会で見たことがあるし、ネットや雑誌でも見ているので飽きてくる。見終わった後に一時間程度の空き時間ができそうだから、次の待ち合わせ場所へ移動してお茶でもしながらのんびりしようなどと考える。が、途中からだんだんと面白くなってくる。ラフスケッチが興味深い。エッシャーは、技術はもちろんだが、発想に面白さのあるアーティストだと思う。その発想の元や、展開の仕方、試行錯誤が見られるラフスケッチは、ある意味作品以上に面白い。夢中になってしまい、お茶する時間なんてとれなかったさ。油断したわ。/青池さんイベント。創作論、作品上映、テクニカル話にメイキングとてんこもり。青池さんのファンはもちろん、本を読んでもっと詳しく知りたいと思った方や、Flash、演出、アニメーションに興味のある方にも満足してもらえる内容だと思う。無料だからといって、あなどったらあきまへんえ。暮れの忙しい時期だけど、ぜひ参加してね! 見逃したらもったいないよ〜。(hammer.mule)
< http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/lineup/06_escher/ >  概要
< http://www.mcescher.com/ >  エッシャー公式
< https://ss.study.jp/module/event/reservation/select_event.asp?cid=dhg_osaka#418 >  イベントは22日
< http://www.aoike.ca/ >  青池良輔氏公式サイト
< http://www.ascii.co.jp/books/books/detail/4-7561-4842-5.shtml >  Create魂

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M.C.エッシャー
M.C.エッシャー
レントラックジャパン 2006-11-10

図説 だまし絵―もうひとつの美術史 M.C. Escher Stationery Set 「年をとった鰐」&山村浩二セレクト・アニメーション ピタゴラ装置DVDブック1 ロシア映画DVDコレクション パイロット・スタジオ・アニメセレクション 新感覚ロシア・アニメーションの世界



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エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた
野地 秩嘉
光文社 2006-11-07
おすすめ平均 star
starそしてエッシャーに魅せられる

キャンティ物語 おせい&カモカの昭和愛惜 皿の上の人生 フェルメール全点踏破の旅 LOVE (通常盤)