泰国パパイヤ削り[X6]販売代理契約草案。/白石 昇

投稿:  著者:  読了時間:4分(本文:約1,800文字)


白石昇です。

二千冊以上のエロ本を彼らの宿に運び終えると、手伝ってくれた二人と一緒にごはんを食べました。ちょっとした店はまだ開いていない時間だったのでそのあたりの屋台で食べました。

そして一緒に食事をとりながら、この人たちはいい人だな、と心の底から思いました。

いきなり連絡もなく押しかけて来たと思ったら、朝から叩き起こされて拉致されるように連れて行かれ、変なおじさんに怒鳴られたのです。


そして、総重量三百キログラムもの荷物を運ばされたあげく、一食日本円にして一五〇円未満の朝食をおごられるだけで何の不満もも言わないどころか、良かったですね、と言ってくれるのです。

素晴らしいひとたちですありがとうどうもありがとう。

感謝の気持ちを強く惑じつつ彼らの宿に戻る途中、新しく代理人になってくれる予定の会社にいる友人に電話して、うまくいきました、と報告しました。

そして、販売代理をしてもらう予定の冊数を聞いてから、その分だけをタクシーに乗せ、友人がいるその会社へと向かったのです。

残りはとりあえず二人の宿で預かってもらって、明日この近くの郵便局から船便で全部送ってしまえばいいと思っていたのです。

会社に着くと、いきなり友人女性から日本語と英語の販売代理契約書の草案が渡されました。その書類には昨日、北京ダックとハイネケンを摂取しながら話し合った条件通りで、これ以上ないほどにきちんと出来上っていました。

白石さん、ちゃんと見てチェックして下さいね、と彼女に言われ、ちゃんと読んでみたのですが二度読んでも三度読んでも四度読んでみても、そこに書いてある事には全て昨日話したことと同じで何一つとして問題はありませんでした。

全部売れたにしてもたかだか日本円にして一万円かそこらの利益しかないのにここまで時間と手間を使って、ちゃんとしてくれる事を単純にうれしく思いました。

そしてすぐに電話を借りてノート=ウドム・テーパー二ットの事務所に電話したのです。運良く本人がつかまりました。

今日か明日に新しい代理人を紹介したい、と言うと、今日の午後ならいる、という答えが返ってきました。受話器の口の所を手で塞ぎながら友人女性にその旨を告げると、こっちの方は今からでもいいですよ、とおっしゃいます。

じゃ今から行きます、と言って電話を切り、会社の外からタクシーに乗り込みます。友人女性とその会社の経理担当女性との三人で。なにもかもが急激に動きだしていました。

ほんの何時間か前には、変なおじさんのマンションで生まれてから今まで一度も受けたことがないような高密度かつ高強度の罵倒と非難を浴びていたこと自体、違う世界で起こったことのような気がしました。

この流れなら記者会見の件もなんとかなるのではないかと思えて来ました。

つづく。

【しらいしのぼる】< http://www.mag2.com/m/0000012912.htm >
言語藝人。昭和44年5月1日長崎県西彼杵郡多良見町生まれ。『抜塞』で第12回日大文芸賞を受賞。訳書にノート=ウドム・テーパニット『エロ本』『gu123』。

バックナンバー
< http://ana.vis.ne.jp/ali/antho_past.cgi?action=article&key=20050618000038 >
< http://bn.dgcr.com/archives/18_/ >
エロ本販売サイト↓
< http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/erohonyakaritenpo.html >
報道実績
< http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/erohonyakaritenpomedia.html#erhn-press >
書評リンク集(書評wiki)
< http://mystery.parfait.ne.jp/wiki/pukiwiki.php?%A5%CE%A1%BC%A5%C8%A1%E1%A5%A6%A5%C9%A5%E0%A1%A6%A5%C6%A1%BC%A5%D1%A1%BC%A5%CB%A5%C3%A5%C8 >
mixi —エロ本コミュニティ
< http://mixi.jp/view_community.pl?id=38847 >

photo
gu123
ウドム テーパーニット 白石 昇
白石昇事務所 2005-09-01

by G-Tools , 2007/01/09