子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[132]クリエイターの労働デフレを防ごう/茂田カツノリ

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どうも、いまだ時差ボケが取れず妙な早寝生活が続く茂田です。

●アメリカ人は5時に帰るのが偉いと思う

ここ数か月、日米を往復してみて、いろんなことを感じた。

まず「やっぱり日本って美しい国だ」という点。米国系航空会社とANAとを乗り比べると、客室乗務員の労働クオリティはANAのほうが100万倍は高いなと思ったり。そして街の清潔さ。道路も電車の車両も、日本のほうがずっと綺麗。食事やお菓子も、これは味覚という問題じゃなくて、絶対的に日本のもののほうがウマいと思う。


しかし一方で、公共マナーという点では日本の点数はかなり低い。たとえばベビーカーでエレベータ乗ろうとすると、横から中年男女がガンガン割り込んできて、先頭に並んでたハズなのに乗れない、なんてことがよく起きる。

また運転マナーも、歩行者優先という点では日本はかなりダメ。

数字でいうと、日本の交通事故死者数は2006年が6,352人、一方人口が日本の2.5倍であるアメリカの交通事故死者は4万人超と日本の6.5倍もあり、自動車保有率や利用頻度の差を考えても、アメリカのほうが危険だ。でも、歩行者を守る運転意識という点では、日本はずいぶんダメだということは日常的に感じる。

・内閣府資料「交通安全白書:諸外国の交通事故発生状況」
< http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h18kou_haku/genkyou/sankou03.html >
という感じで月並みな話ではあるが、日本を離れると日本のいい点、悪い点が見えてくるもの。その中でひとつ強く感じたのが、「アメリカの会社員は5時に帰る」という点だ。

僕が取引しているのは法律事務所で、弁護士さん達はさすがに5時きっかりで全員帰るというわけではないが、事務職などの人は、5時で当然に帰宅する。そしてそのかわり、朝は8時半にはだいたい揃っている。

僕が訪問している会社は、決してヒマではない。でも大前提として5時に帰るというものがあれば、仕事量の大小にかかわらず帰れるものなのではないか、と思える。

5時に帰るということが当然だと、事務職の人に仕事を振る弁護士さん、さらにそれらをマネジメントする経営側も、集中し濃縮的に仕事ができるように工夫をする。そうすれば、同じ仕事をより短時間でできるようになるもんだ。

しかし、サービス残業が当たり前という雰囲気になるとどうしてもダレてしまい、同じ仕事をより短時間で処理するという点での工夫を、ともすると怠ってしまうのではないだろうか。

●クリエイターは労働デフレ状態では?

こうした状況を僕がいる業界、つまりWebクリエイターやデータベース開発者、プログラマー、イラストレーターなどの仕事にあてはめて考えてみた。

この業界、「納品直前は徹夜も当たり前」だとか平気で言う人が結構いる。それも作るほうではなく、作らせるほうの立場の人がそう言っている。たとえば、金曜夕方に月曜朝イチ締切なんていう仕事が舞い込むことも結構ある。

僕は夜間や週末の対応を要求される仕事は必ず断っているけれど、そういう姿勢でいることで取れなくなる仕事というのは、どうしても存在する。同じ請負額でそうした対応を受けちゃう人が存在する以上、そっちが標準となってしまうというものなんだろう。

資本主義社会の原則として、ものの金銭的価値は需給バランスによって決定される。

野菜が豊作になると、生産地で捨てているというニュースが流れることがある。部外者からすると、捨てるくらいなら食料に困窮している国に送ったりできないのか、とは思う。しかし農家にとって野菜は大事な作品であり、子供のようなものだろう。それをああした形で処分せざるを得ないのには、それ相応の理由があるんだと考えるべきだ。

で、クリエイターの労働時間というものも、野菜と同じ。供給を増やしてしまうと、単位時間あたりの価値が下がってしまう。特にデザイン業界・出版業界などは世界がかなり狭いので、ある程度の人たちが風潮のようなものを作ってしまうと、それが業界全体に簡単に波及してしまうというものだろう。

現状のこの業界周辺の状況を見ると、何らかの形で供給を調整するという行動を取る必要があるのでは、と僕は思うのだが、どうだろうか。

世の中の風潮を変えるというのはそう簡単ではないけれど、狭い業界ならば、そこで影響力を持っている人が動けば、結構変えられてしまうのでは、とも思う。

ということで、業界に多大な影響力を持つデジクリ執筆陣の皆さん、よろしくお願いしますっ。

【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
FileMakerデータベースデザイナー & Webコンサルタント/プランナー。
仲間とやってるFileMakerの啓蒙活動組織「セブンズドア」が最近盛況である。毎月のAppleStoreでのイベントは立ち見が出るし、トレーニングもキャンセル待ちが出るくらいと、ありがたき状況なのだ。
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