ネタを訪ねて三万歩[24]今年は環境格差が益々広がるかも
── 海津ヨシノリ ──

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笑えるほどにタイミングがズレまくっていますが、本年も宜しくお願いいたします。思えば、月一回の原稿執筆を安請け合いしてから既に二年が経過してしまいました。なんの役にも立たないヨタ文を書き続けていいのだろうかという気持ちを背負ったまま、来月分から三年目に突入です。そんな亥年はあまり良いイメージが少ないようですが、私にとって今年は少しばかり激動の年になる(多分)と思います。それらは当たり障りのない範囲でネタにしていきたいと思います。


●忘年会漬けの年末

実は前回のテキストが公開された後から(つまり年末モードに入ってから)は、2005年の暮れよりも忘年会の数が多く、そして集中していたのでかなり疲れてしまいました。何せ、数年ぶりに本格的な二日酔い(ほとんど三日酔い)になってしまったほどです。当然ながら二次会の時点で終電を逃し、勢いで三次会後にタクシーという大名行為。泥酔していなければ都内のどこからだって歩いて帰るんですけど、さすがに最近は色々と物騒なのでそれは無理かもしれませんね。しかし、幾つかに分散した三次会で主力部隊と合流していたら、どうなっていたことかと思うと、ちょっぴり背中が涼しくなってしまいました。

まっ、どの宴も楽しく有意義なものでしたので一回ぐらいの二日酔いはサービスの範疇で仕方がないかな? といったところですね。ちなみに私はお酒が呑めないと思われているようですが、どうやらタバコを吸わないのが間違って伝わってしまったようです。基本的に誘われれば断りません。ただし、馬鹿騒ぎの宴は好きではありません。また、出来れば禁煙だとうれしいんですけど、これはかなり難しい希望のようですね。

●手作りケーキを断念したクリスマス

ところで、クリスマスは手づくりケーキを恒例化しようとしていましたが、二年目でいきなり躓いてしまいました。気持ちはあっても、物理的な時間が捻出できなければどうしようもありません。ちょっとしたアクシデントで外出三昧となってしまったのは想定外の出来事でした。このリベンジは2007年のクリスマスにぶつけたいと思いますが、今から予定したからといって、確実とは言えませんからね。さてさて、どうなることやら。

しかし、問題は市販品で済ませたケーキが不二家だった事かもしれないですね。クリスマスケーキなんて数ヶ月も前から作り置きしているわけだし、次から次へと明るみに出てくるムチャクチャな事実と呆れた体質により、もう信用なんて戻らないでしょうね。子供の頃から「ひいき」にしていたブランドだったので、裏切られたという気持ちが湧き出てくるとともに、悲しくなってしまいました。そして、もしかしたらポコちゃんのようにペコちゃんもいつの間にか記憶から消えてしまうのかもしれないと思うと複雑な気持ちですね。

●大晦日の境内は世間からの逃避に最高

そうこうしているうちに、あとは正月を待つだけとなった大晦日、九品仏まで出かけ、浄真寺を散歩し、そのまま自由が丘〜奥沢と歩いて一日潰してみました。といっても檀家でもなく、単に近くて静かな場所だったからです。もちろん近くといっても直線距離で5kmほどです。しかし、私にとってこの距離は近くであり徒歩圏内というわけです。

境内は正月ではないので初詣参拝もなく、静かで心休まる時間を過ごすことが出来ました。ちなみに初詣は、神道の行事ではありませんのでお寺でも教会でもいいそうです。なお、我が家は初詣の習慣がありません。父の『普段からお参りしていないのに正月だけという虫のいいことをしてもろくなことはない』で一蹴というわけです。ですから信仰心は薄いのですが、神社仏閣を散策するのは大好きです。

で、境内には下品上生・下品中生・下品下生の三つの建物が平行してたっており、勉強不足の私は『げひん』と読んでしまいましたが、正しくは『げぽん』で、極楽往生を九段階に分けた九品(くぼん)の下位の三段階を意味するそうです。こんな具合に、世の中で自分が知っている事なんて1%もないんですよね。

●ジンクスが健在であったことを痛感した寝正月

そして正月。車で数十分の距離(要するに隣の区)にある実家に出かけて風邪引いて寝込んで、気がついたら正月は終わっていました。年明け早々つまずいてしまった私にとって、今年も外れなのかもしれないですね。そんな中で恒例の、誰からかわからない年賀状(メールも含む)は五通ほどでした。どこを検索しても、控えの名刺を調べても見当たらないし、名前を書き忘れたものまであります。

時々名刺交換している相手が名刺を切らしてしまうことがあるので、もしかしたらそんな相手からのものかもしれません。名刺交換できたとしても、顔写真でも付いていなかったら翌日にはほとんど忘れてしまいます。ですから、交換できていなかったら思い出すのはほとんど不可能。名刺が切れたら直ぐにメールで挨拶しないと、相手は覚えてくれません。秘書でもいれば別なんでしょうけどね。

個人的には2005年度の年賀状の一部からメールに変更していますが、来年はかなりの比率でメールに移行してしまうと思います。てな具合で2007年も波乱含みのスタートとなりました。

●業界が変わるのではないかという期待

しかし、世間一般的に言うと今年はWindows Vista、MacOSX Leopard、そしてAdobe Creative Suites 3と景気に拍車がかかる(本当?)リリースが連発する年です。ドラスティックに業界全体が良い方向に向かうといいのですが、なんとなく更なるドロ沼化の予感もしますね。私は迷わず移行しますが、一番の気掛かりは、MacBook ProでVistaが走るのか? であったりします。

ところで、Photoshop CS3の公開ベータ版を見るとインターフェースが旧Macromedia風で少しびっくりしています。正統派AdobeインターフェースはCreative Suite 2で終わりのようですね。複雑な心境。とにかくここで遅れを取っているMacintoshユーザーがMacOSXに全面移行してくれるといいのですが、まだ頑張る方いるんでしょうか。こんなに頑張ってもらうと、この分野は死滅しちゃうかもしれませんね。

●益々広がる環境格差

単純に考えても不安定で、個々のアプリケーションも原始的なわけですから、かなり無駄な時間を費やしていると思います。そりゃ、そうですよね。Illustrator 8とか、Photoshop 5の世界って、ほとんど10年前の世界ですからね。まっ、Photoshopは古くても不便さを我慢すれば互換性は高いですけど、Illustratorは辛いですね。ちなみにCS3が出るとIllustratorは13、Photoshopは10となります。

流行の言葉で言うと、『益々広がる環境格差』といったところでしょうか。私自身も今月PowerBook G4(1GHz/1GB)を処分しました。これでもう移動環境でMacOS9を起動することはなくなりました。もっとも、所有していた時で最後に起動したのは、昨年2月の「Page2006」でのセッションの準備段階ですから、私にとって実質的にほとんど無意味な環境でした。もしかしたらその後に授業で一度ぐらい起動したかもしれませんが、記憶にありません。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
ところで、昨年は色々と物が壊れた年で、かなりへこんでいたのですが、五台使っていたプリンタのうち(所有という意味では七台ですが、二台は保管しているような状態)二台が昇天していたのに加え、年賀状の宛名印刷の途中で三台目が昇天。そんなわけで年明け早々に買い替えを考えていたら四台目が元日に昇天。そしてそれに導かれるようにトイレからの水漏れと、かなりブルーな正月を過ごしました。悪霊退散と吠えても「時既に遅し」というわけです。

とにかくプリンタはないと困るので必須ですが、A3ノビ対応のPostScript対応レーザー両面プリンタは断念しました。それほどページものの仕事があるわけではないので、ランニングコストが高くなってしまうからです。さりとて特殊用紙が使えないレーザープリンタ一点主義というのも辛いので、頻度がそれほど高くないA3対応はインクジェットプリンタでカバーし、スピードと量に関してはA4のレーザープリンタとすることにしました。

まっ、いっそのことすべてをインクジェットで割り切ってしまうという選択肢もあるのですが、クローズなセミナー等でレジュメを人数分作成するといったことも時々あるので、A4でもレーザープリンタは必要というわけです。どのみち大量のページ物が入ってきたら速攻でリース組んでも遅くはないですからね。問題はメーカーさんにそう伝えても信じてもらえず、とんでもなく高いプリンタの見積もりが来た事です。事実は小説より奇なりなのに……。

とにかく不運続きなので、もうこれ以上何かが壊れないことを祈るのみです。大丈夫かな〜。そうかと思えば、暮れにアップデートしたSTRATA 3D CX 5のレビュー原稿依頼が舞い込んできました。3Dソフトの原稿依頼は初めてです。どうして私なのかよく分りませんが、基本的にオファーの入った仕事は断らない主義なので、いつものように私の世界で仕上げてみました。というか、暮れからBlogで爆発させている"Toy Wars"の延長みたいなネタです。

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