曜日感覚のないノラネコ[2]夏のある日、PowerBookを抱えて小田原に行った
── 須貝 弦 ──

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MAC OS X SERVER超実践活用マニュアル―使いこなせば仕事がどんどん楽になる!●それは私なりの追い込み方

2006年に毎日コミュニケーションズから発売された、Mac OS X Serverの書籍「Mac OS X Server超実践活用マニュアル」において、編集を担当させていただいた。途中辛かったのが、締め切りの最後の最後という段階になって、著者陣から大量に送られてくる原稿の編集作業だ。複数の著者がいて、しかし各人の個性を出すような類いではない本の場合、表現を揃えるだけでもかなりの労力。まぁ、しんどい分だけ本が出たときの達成感は大きいのだが。


実は自分でも執筆するページを抱えていた。しかも他の著者陣の原稿が出揃った後、台割の調整を済ませた上で執筆することにしていた(そうすることでページの増減を吸収しようという狙い)ため、作業終盤のいちばんハードな時期に「自分自身が書くべき原稿がたくさんある」という状況になり、これも少々辛いものがあった。著者の原稿と、自分の原稿。精神的にはダブルパンチである。

仕事はその書籍だけではない。やらなくちゃいけないことがたくさんある。でもやる気がしない(笑)……そんなときには、思い切り気分を変えて、なおかつ自分を追い込まなくてはいけない。PowerBook持って駅まで出てコーヒーショップに行くだけでは、ちょっと足りない。気分転換にはなるが、いつもそうしているから慣れもある。何ら特別な感じがしない。ではどうしたらいいだろうか。

私は小田急の特急「ロマンスカー」で小田原に向かった。

小田原に着いてまず、帰りの特急の時刻を調べておき、だいたい目ぼしをつけておく。そして駅の近くのドトールに陣取り、PowerBookを広げて一気に作業を進めるのだ。予備のバッテリやACアダプタなどというヤワなモノは持ってきていない。したがって、ある程度液晶の輝度を落とした状態でPowerBookが使える時間——正味3時間〜3時間半——の間に、ある程度の成果を残しておく必要がある。例えば「1時間で8ページ分の原稿を整理する」といった具合だ。

2時間ほどたったところでドトールを出て(いちおう、一軒にいる時間を2時間までと心に決めている)、いったん小田原駅に向かい、帰りの特急の座席を予約する。そして二軒目の店として「エクセルシオールカフェ」を選び、発車時間に間に合うギリギリまで作業を進める。「ロマンスカーに乗るまでに、ココまでは終わらせておこう」という意地が芽生え、はかどるはかどる。時間が来たら、かまぼこも買わずに帰る。

ポイントは、行き帰りの電車では絶対に作業しないこと。片道40分近く、車窓を眺めてボンヤリすることも大事だ。帰りはビール飲んだって構わないだろう。私の場合は車内販売のコーヒーをいただくことが多い。小田急のロマンスカーの中でも最新型の「VSE」というのが使われている列車に乗ると、VSE限定の「プレミアムコーヒー」をいただくことができる。今回書いた小田原行きの際も、行きはたまたまだがVSEの列車に当たったので、もちろんコーヒーを注文した。この、ちょっとした「非日常感」が大事だ。

ここまで書いて、実は移動を楽しんで気分転換に利用しているだけで、行き先はどうでも良いことに改めて気づいた……。逆手に取れば、新幹線で仙台に行ったって構わないわけだな。

[Mac OS X Server超実践活用マニュアル]
< http://book.mycom.co.jp/book/4-8399-2066-4/4-8399-2066-4.shtml
>

【すがい・げん】< http://macforest.typepad.jp/mac/
>
「曜日感覚のないノラネコ」というタイトルは、以前デジクリに連載していたときのタイトル「金曜ノラネコ便」にひっかけたもの。(ま)嬢と持ち回りで金曜に連載していたのが2002年。その後私ひとりになって2004年12月に終了したのか(と、振り返る)。5年も経ってるのか、トシもとるわけだよ>私


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MAC OS X SERVER超実践活用マニュアル―使いこなせば仕事がどんどん楽になる!
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毎日コミュニケーションズ 2006-08
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star本当に超実践的でした

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