[2150] 「突然時間が空いてしまった」対策

投稿:  著者:


<これって[王道][邪道][酔狂]?>

■ネタを訪ねて三万歩[25]
 「突然時間が空いてしまった」対策
 海津ヨシノリ

■曜日感覚のないノラネコ[3]
 飛行機が嫌いだから陸路で北海道→東京
 須貝 弦


■ネタを訪ねて三万歩[25]
「突然時間が空いてしまった」対策

海津ヨシノリ
───────────────────────────────────
というわけで、ズレまくった話題ですが、節分の豆まきってかなり好きなんですよね。しかし、最近はこの時だけなぜかどこもかしこも『純国産大豆100%』なんて記載した大豆を販売しますけど、『中国産または米国産大豆100%』のタイプミスじゃないかと確信しています。だって大豆の自給率って、わずか5%ですからね。

●幼児期の間違った秋田県への認識

で、節分で思い出したのですが、私は幼稚園の頃に秋田の「なまはげ」が節分の時の鬼で、実在していると本気で思っていました。そのため「秋田に生まれなくて良かった」と東京生まれを喜んだくらいです。それが原因ではないのですが、考えてみると私は北海道・東北地方で出向いたのは福島県だけです。さりとて関東地方は流石に全クリですが、信越・北陸地方は長野県のみ。東海地方も静岡県のみ、近畿地方は兵庫、大阪、京都、奈良のご存知修学旅行コースのみ。残りの中国・四国・九州・沖縄は全滅でした。

つまり1都14県しか出向いていないわけで、もう完全にニート状態。行動範囲が狭過ぎですね。沖縄県以外は全て出かけていた父と比べると、まるで世代が逆のようです。ただし、出無精は否定しないものの、私の基本は『呼ばれれば出かけるが、呼ばれなければ動かない』なので、それが災いしているのかもしれないですね。

●いまいちピンとこない「かぶり寿司」

ところで節分といえば最近、『節分まるかぶり寿司(恵方巻)』なんて訳の解らないものが、コンビニで古来の伝統行事のごとく販売されていますけど、そんなのいつから決まっていたのだろうか? と、私はかなり胡散臭く感じていたのですが、これは関西で明治初頭に始まった風習らしいですね。第二次大戦後に廃れ、1974年にオイルショック後の海苔の需要拡大を狙った戦略として復活したとか。

一説には豊臣政権三中老(他は、生駒親正と中村一氏)の一人である堀尾吉晴(昨年の大河ドラマ「功名が辻」では生瀬勝久が演じていました)が節分の前日に巻き寿司のような物を食べて出陣し、大勝利をおさめたという逸話をルーツとする説があるようですが、どう考えてもこじつけっぽいですね。ちなみに、堀尾吉晴は松江藩初代藩主となりましたが、その嗣子である忠晴には子がなく改易(大河ドラマでは改易理由と時期をかなり脚色していました)となっています。と反応してしまう戦国オタクの私。

話を戻すと、どちらにしても50年の歴史しかない(日本的なバレンタインデーの風習という意味)バレンタインデーと似たような流れですが、恵方巻が東京にも広まった(?)のは、つい数年前ですからね。私は未だにピンときません。それよりも、巻き寿司しは大好きだけど、こんな食べ方を推奨して事故でも起きたらどうするのだろうかと、いつも妙に気になっています。まっ、目くじら立てることではないのかもしれませんが、ちょっと中途半端ですね。

●「突然時間が空いてしまった」対策

中途半端と言えば、私は中途半端に空いてしまう時間の使い方が恐ろしく苦手です。例えば、A社の打ち合わせとB社の打ち合わせ時間が2時間も空いているといった状況です。これが4時間ぐらいだと、一旦帰宅してしまったほうが得策なのですが、2時間というのは半端すぎます。さりとてタイミングよく映画を見るなんてことは絶望的。もう最近は開き直って喫茶店で読書しています。たいていは移動中の電車の中で文庫本を読んでいるので、この時間の使い方しか思いつきません。

あとは書店での立ち読みですね。これなら2時間ぐらいはなんとかなります。ただし、コンピュータ関係のコーナーはほぼ確実にスルーしてします。面白くないので。ちなみに私はマンガ本を読みません。漫画家の方に知り合いは多いのですが、自発的に読んでいたのは学生の時までです。これについては特に明確な理由はないのですが、なんとなく読まなくなってしまいました。根本的に週刊誌を定期購読する習慣がないからかもしれません。そのかわりに中吊りはくまなく読みます。

その他の時間調整方法としては、わざと遠回りして次の目的地に向かうなんて無駄もやります。意味なしバスの旅です。バスの一日乗車券は500円なので、3回乗れば元が取れますから、『都内意味なしバスの旅』みたいな感じですね。ただし、バスには渋滞というアクシデントが付きまとうために時間が読めないので、もし間に合わなくなりそうになったら、適当なところで降りて地下鉄等に乗り換えればいいわけですから。

でも、意外にこんな馬鹿なことをしている時ほど面白いものを発見したりするものです。見慣れない風景がいいのかもしれません。見慣れている風景だと、見ているようで見ていない場合が多いですからね。見たつもりになっているのでしょう。案外見ているようで見ていないことの方が多いものです。だからこそ同じことを繰り返してはいけないのですが、これを有言実行することは本当に難しいことだといつも感じています。

●カラーユニバーサルデザイン

見えていることと、見えていないことで思い出しました。実は2月7日〜9日に富士ゼロックス東京主催の【2007どこでもフェア】にて、3日間で4回というセミナーのキャラバンを行なったのですが、初日2コマの間が3時間半も空いてしまったため、思い出したように「PAGE2007」に向かいました。そこで偶然、多摩美の太田教授と遭遇し、色覚異常者へのカラー提案としてのカラーユニバーサルデザインをシミュレートするIllustratorのプラグインを知り、早々入手して色々と勉強しているところです。詳しい内容に関しては、以下に示す地理情報開発【カラーUDパレット】のページを参照してください。

地理情報開発がリリースしているPlugXシリーズ【カラーUDパレット】
< http://www.chiri.com/plugx_colorudpalette.htm
>

ちなみに色覚異常は医学用語であり、従来から曖昧に利用されていた色盲・色弱・色覚異常・色覚障害などを示すそうです。ただし、異常あるいは障害という表現そのものが差別的であるので、一部の色が見えにくい症状に一番自然である色盲という表現を推奨すべきという意見も多いようです。

なお、近年はプライバシー等の問題から小中学校では色盲検査が実施されないことがあるようで、自分が色覚異常であるかの認識がないために、色々なシーンで苦労されている方が多いそうです。なお、日本人男性20人に1人、女性500人に1人の割合で、なんらかの色覚異常者であることが報告されています。

色覚異常については、全てのデザインに対して検討することが理想なのかもしれませんが、なかなか難しい問題です。しかし、避けて通れない案件にも関わらず、クライアントがこの問題に気がついていない場合は積極的に逆提案してみることが必要です。本来デザインとはそうあるべきですから。

※太田教授は【いのちを守るデザイン】のプロジェクトに関わっていらっしゃいます。自分が普段無意識に使っている色やその組み合わせが、どのように見られているかということを理解することは大切です。命に関わるシグネチュアであれば更に重要な問題となります。

いのちを守るデザイン展
< http://www.designtoprotectlife.jp/
>

------------------------------------------------------------
今月のお気に入りミュージック
"Everybody's Talkin" by Harry Nilsson in 1969
------------------------------------------------------------
来月(3月19日19時より)のアップルストア銀座のセッション
【予約不要・参加費無料】
Made on a Macとして画像処理セッション『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.8 デフォルトフィルターの想定外活用方法』を行います。
Photoshopにデフォルト登録されている各種定番フィルタの、マニュアル的ではない少し変わった使い方を整理・検証してみます。考え方と組み合わせを理解すれば、サードパーティー製フィルタが何倍も便利なツールに変化します。
------------------------------------------------------------

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
前回のテキストでPowerBookを処分したと書きましたが、すぐ後に、説明するとかなり長く理解されにくい複雑な事情によりMacBookPro(Core Duo)を手放し、MacBookPro(Core 2 Duo)を購入しました。予定としては、LeopaldがリリースされてもMacBookPro(Core Duo)のままで突っ走るつもりだったのですが、世の中は思うように展開してくれません。

これでもしAdobe CS3のリリースが遅れるなんてことになったら、当面はMacBookProにWindows XPをインストールしてWindows版のCS2で頑張るしかないでしょうね(遅れなくてもやりそう)。これって[王道][邪道][酔狂]の、どのカードなんでしょうね。それとも、Vista対応のBoot Camp(有料になるみたい)がリリースされそうなので、ここは当然Windows Vistaでしょうか。もうだんだんワケワカンナイ世界に突入ですね。

もちろんWindowsのノートという選択肢もないことはないのですが、両方必要なんですよ。大学はMacintoshでいいのですが、普段行なっているセミナーはWindowsという場合もあります。それに、MicrosoftのExpressionはWindows版だけですからね。ただし、AdobeですらVistaとの互換性はIntel版Macよりも格段に低い(ハードウェア仕様とOSの違いを同じ土俵で比較しても意味ないですけど)ので、当面は鍛え上げられたXPなのでしょうね。そして、最大の問題は必然性といったところですね。とりあえずギリギリまで悩んでみます。

yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com/
>
< http://kaizu-blog.blogspot.com/
>
< http://fmaug.nifty.com/efgra/
>
< http://web.mac.com/kaizu/
>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■曜日感覚のないノラネコ[3]
飛行機が嫌いだから陸路で北海道→東京

須貝 弦
───────────────────────────────────

●また移動にまつわる話なわけだが

私は今年32歳になるが、実は一度も海外に行ったことがない。時間がない、金がない、興味もなかったし海外出張を命じられることもなかった等々いくつか理由はあるのだが、それよりも致命的なのは私が(というか一家して)大の飛行機嫌いということである。編集やライターという仕事をしていると遠方の取材というのはよくある話で、北海道に行くこともあれば沖縄に行くこともある。そのたびに先方が手配した飛行機で移動しなくてはいけないのが苦痛だ。

そもそも私が飛行機を嫌いになったのは、幼い頃にテレビのニュースで見た日航羽田沖事故の映像が原因だ。そのちょっと前に「東亜国内航空」の飛行機に乗って以降、実に20年以上にわたって、とにかく飛行機利用を避けていた。だからある日、「日帰りで福岡」と言われたときには相当な覚悟を必要とした。もちろん、一度当たり前になってしまうとそれ以降は、JALの企業体質に多少の問題があろうがなかろうが、ためらいもなく飛行機による移動をするわけだが、それでも未だにどうしても飛行機が好きになれない理由いくつかある。

まず、羽田が中途半端に遠い。私は東京の外れ(ハズレではない)の町田市に住んでいるのだが、羽田空港に行って飛行機に搭乗するまでの時間と、新横浜まで行って新幹線に乗る時間を比べると、後者のほうが圧倒的にラク。だから、大阪あたりまでなら確実に新幹線のほうを選択するし、たとえ福岡でも単独行動なら新幹線で行くだろう。

そして、目的地までの所要時間は圧倒的に速くても、その間の行動の自由が制限されるのが好きになれない。余裕を持って早めに空港に行ったり、離着陸のときはトイレに行かせてもらえなかったり、天候が悪いとフライトの途中でお茶がもらえなかったりとか……くだらないことかもしれないが、そういうのが苦手だったりする。

●北海道から飛行機に乗らずに東京に帰る

さて、そんな飛行機嫌いの私が札幌出張の機会を与えられたのが2006年の3月である。同行者がいたので行きはもちろん飛行機利用だが、帰りは自由行動とした。同行者は素直に飛行機でその日のうちに帰宅。一方の私は1泊して翌日帰ることにした。しかも陸路で。

札幌を朝出て、鉄道利用でその日のうちに東京まで戻ることは理屈上できる。それが肉体的に可能かどうか、やってみたくなったのだ。吹雪の北海道から飛行機で発つ恐怖に比べれば、そのほうが楽しいような気もしたのだ。

朝8時半頃に札幌を出る特急「スーパー北斗」で函館まで3時間。函館から八戸までは「スーパー白鳥」で3時間。乗り継ぎの時間を含めて、すでにここまでで7時間を消費し(笑)、八戸からは東北新幹線「はやて」で大宮まで。大宮から湘南新宿ラインで新宿到着。ここで20時半だ。そこから小田急線や路線バスを使って町田市内の自宅についたのが21時半である。

時空をとらえました。コンプリート!

私は当日に列車の予約をしたので、一部の列車が満席で次の列車を待つために余計な待ち時間が生じたが、ジャストタイミングの列車をすべて予約できれば、もう2時間は短縮できる。このときかかった費用は23,000円弱。北海道から特急〜特急〜新幹線と乗り継ぐと割引が適用されるので安くなる。通常の航空運賃と大差ないので「どうしても飛行機がイヤだ!」という人にとっては、決してバカげたプランではない(と、私は信じたい)。

ほかにもJRが出しているお得なきっぷを使うと楽しめるのだが、そこまで話すとわけがわからなくなるので、今回はきっぷの紹介だけにとどめておく。

・ぐるり北海道フリーきっぷ
< http://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=404
>

・青森・函館フリーきっぷ
< http://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=1023
>

あと必要なのは「時間的余裕」だ。

【すがい・げん】< http://macforest.typepad.jp/mac/
>
それでもいつかはツール・ド・フランスを見に行きたいと思っている(観戦ツアーは40万円over)。飛行機が嫌いと言いいながら、離陸時は結構ワクワクしている。新千歳空港でおみやげを選ぶのも好きだ。去年の夏、やはり陸路で北海道に旅行に行ったときも、おみやげは空港まで出向いて買ったくらいである。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(2/28)

・カラー(ピンク、淡い緑、黄)の蛍光マーカーで、紙の上を塗りつぶしていくのが快感。なんのことかというと、メールマガジン「写真を楽しむ生活」で全国写真展カレンダーをつくっていて、データベースに登録した情報は資料となる写真誌、情報誌の当該情報をマーカーで塗る、それが次第に面積を増していく、その達成感が気持ちいいのだ。データベースの情報はA4で20数枚の地域別カレンダーに反映させる。これは自動化してないから手作業。3月分のカレンダーがほぼ完成している。そして、たとえば2月28日発行のメールマガジンには、原則として3月1日から始まる写真展を掲載するのだが、組みあがったマガジンを見ながら、カレンダーの該当する写真展の欄をマーカーで塗りつぶしていく。ちゃんと掲載されているかどうか、確認作業なのだ。これがまたけっこう楽しい。若い頃は、自転車で九州から東北まで走り回っていた。地域別に買い込んだ武揚堂の道路地図上の、踏破したコースに色をつけていくのが楽しくてたまらなかった。会社員で編集者をやっていたときは、台割(雑誌全ページの構成と内容を、16ページの折単位で区切って記載した表組み。編集段階から印刷、製本工程までの重要なチェックシート)に進行状況を書き込むのがおもしろかった。こんな楽しみ、同好の士はきっといる。オラ単純?(柴田)

・eBayでfilofaxを買った話を以前書いた。現物そのものはぴかぴかで美しく、送料保険料入れても国内の半値以下だったが、手数料ぼったくられるは、梱包が悪いわ、中の紙が数枚折れているわで、日本人クレイジー、クレイマー上等でメールしていた(というより後記と後学のため)。最初の二回は無視されたが、表題に三回目〜と書いて送ったら、カスタマーサービスのIさんから、ため息まじりの(と私は解釈した)メールが届いた。クレームをつけたいわけではないこと、欲しいのは折れた分だけだとメールをしたらわかってくれて、代わりのページを送りますとの返事があった。しかーし、待てど暮らせど代品は届かず。第一、配送方法変更による差額はどうなったの? という文章は無視されたまま。今日送りますメールから二週間後に発送(遅いわ〜)、その10日後、仕事が忙しくなって忘れていた頃に到着した。紙数枚を白紙とプチプチに包み、台紙まで入れ、「壊れ物、取扱注意」「折り曲げ禁止」の注意書きまでつけて送ってくれていた。遅さにプチ怒りモードになっていたが、そのヤフオク取引みたいな(日本人ちっくな)厳重さに思わず吹き出してしまった。到着したことをIさんに連絡したら、返事が来た。「到着を教えてくれてありがとう。梱包は私自身がしたのよ、とっても厳重にね :-) 良い状態で届いたかしら?」 ええ、私はお人好しと言われる日本人です。嫌味かもしれませんが、嫌味にはとれません。eBayの評価欄では「良い」をつけちゃうわ。ちょっと皆さん、もし買うならここで買って! アフターフォローは(催促すれば)万全だから。送料を聞く際に、envelopeを使うのかどうかを聞けば配慮してくれるはずよ。梱包を厳重にするように頼んでおけばトラブルも回避できると思うわ。(hammer.mule)
< http://www.made2shop.com/
>  オラ単純?
< http://www.dgcr.com/present/list.html
>  プレゼント受付中。