音喰らう脳髄[24]瓢箪からコマ/モモヨ

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1980年のライブDVDリリースにともない、インストアライブ敢行月間が4日の日曜日、下北沢でのそれを終え無時終了した。

2月末日の土曜日、大阪梅田のタワーレコードで開催した折にはデジクリの濱村さんが見にきてくれたり、少々、驚いた。いろいろとハプニングに富んだ一ヶ月であったが、つつがなく終了できたことはめでたいとしか言いようがない。

最初は、市場に並ぶサンマになる覚悟でシリーズに突入した私なのだ。前にも書いたが、なかばヤケクソだった。


話があった数か月前には、生ギターでよくバンドマンが演奏するアンプラグド、そんなスタイルを想定していた。それと平行して、ループマシーンという機械に、リフ部分などを既に録音しておき、そのうえにライブで音を重ねてゆく方式を模索。機材もそろえた。

いわゆるアーティストが舞台でソロを演ずる場合、伴奏環境としては、みなさんおなじみのカラオケがあり、またMIDIをつかった打ち込みというものがある。かつては、テンポがえや頭出しが不自由なカラオケに対し、フレキシビリティのある打ち込み、という違いがあった。が、現在のテクノロジーでは両者に違いはなくなっている。

というか、両者を同期させて混合するスタイルが現場の主流。それに照明や映像すらシンクさせるのが今風のメジャーである。ロックミュージシャンが、ときにアンプラグドを敢行するのは、こうした時流に対する反時代感情が主たる動機である。

例えばクラプトンのそれを思えばわかる。むきだしのクラプトン、ギタープレイを目にすれば誰もが脱帽するだろうし、聴く側の意識は、自然と音楽そのものに向く。大規模な舞台では、バンドメンバーがステージ上で動き、照明がドラマを描く。その場合、素朴な歌ほど、歌そのものの力を発揮することは少ない。歌よりアレンジ、演出が力を発揮する。

加えて、現今の状況では、カラオケがうまくてCDデビューすれば誰もがアーティストと呼ばれる。このような状況下、何が効果的かを考えれば、自然とアンプラグドに逢着するというものだ。

しかし私はアンプラグドを選択しなかった。いろいろ悩み、試行錯誤した結果、マイクロキューブという小型のアンプ、汎用のマルチエフェクト、そして愛用のエレキギター、この三つを採用してステージを構成することにした。

私は、歌い手であるとともにギタリストである。同時にエレクトロニクスを使ったサウンドクリエーターでもある。そうしたありさまを反映する機材というものを考え、それに適した最小限のセットを選んだのだ。これを使い、歌の演出や間奏部分では歌の背後にあるイメージをディレーループやエレキギターで描いてみせる、そんなステージをつくってみた。

これが、けっこううまくいったから世の中わからない。そのうえ気にいった。世の中は不思議である。まさに瓢箪からコマというべきか、必要は発明の母というべきか、販促のためサンマになる覚悟で飛び込んだ暗闇の彼方、本当に飛翔する道が開けているとは思ってもみなかった。あと二〜三曲、レパートリーを追加すれば、普通にライブが敢行できそうだし、本人、勝手にそのつもりになっている。

これまでもいろいろなタイプのプロジェクト、リザードを試みてきたけれど、今回は、期せずしてその最少セットが完成してしまった。うれしい誤算である。このセット完成のあかつきには、一人でどこまでも行ける。

濱村さん、大阪、また行くつもりでいます。その時、来られるなら前もって教えてくださいね。

モモヨ(リザード)
管原保雄
< http://www.babylonic.com/ >


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